第174話 ドラゴネット戦
放った炎雷がドラゴネットに命中する。
「ギャアアアアアウアアア〜」
ドラゴネットの咆哮がこだまするが、ドラゴネットの硬い皮膚は一部が爛れたようになってはいるものの俺の『ボルテックファイア』を完全に受け切ってしまった。
やはり神木さんの真似をしてもあの人のようにはいかなかった。
だけどそんなことは最初からわかっている。
「まだだ! 『ボルテックファイア』」
俺はその場から下がりながら最後の炎雷を放つ。
「凛くん効いてます。『エクスプロージョン』 『エクスプロージョン』
俺の攻撃に続いて葵も爆炎を連発してドラゴネットにダメージを与える。
「葵、距離をとって!」
「はい、わかってます」
嫌がってはいるが葵の爆炎もドラゴネットの外皮を焼き切るまではいかない。
攻撃が途切れた瞬間ドラゴネットが翼を羽ばたかせて上空へと回避しようとする。
上空へといかれると、攻撃手段が限定されてしまい、圧倒的に不利になってしまうのですぐさまスキルを発動しその場へと押し留める。
『風舞』
『ウィンドカッター』
風に刃がドラゴネットを襲い、翼の皮膜を破る。
これで上空へ逃げる事はできないはず。
俺と葵は、後方に下がりながらスキルを連発する。
『アイスブラスト』
「エクスプロージョン』
『アイスブラスト』が炎雷で傷ついたドラゴネットの外皮を剥ぎ、葵の放った『エクスプロージョン』が剥き出しの肉を焼き、周囲には黒い煙と肉に焼ける匂いが立ち込める。
「グギャアアアア!」
ドラゴネットがその場で大きく首を振り暴れている。
「葵、効いてる。このまま押し切ろう」
「はい、わかってます」
俺たちは再びドラゴネットに向け『アイスブラスト』と『エクスプロージョン』のコンボを叩き込む。
「ガアアァァアア!」
俺の『アイスブラスト』がドラゴネットの頭部を捉えて、 ドラゴネットの左半分の顔が爆ぜ、追撃の『エクスプロージョン』により肉が焦げ骨が剥き出しになったドラゴネットが、一瞬身体を硬直させ、脱力したように地面へとその巨体を這わせた。
「やったか!?」
「凛くん、まだ消滅していません。今のうちに追撃しましょう」
ドラゴネットがその場へと倒れた事でテンションが上がってしまったが、葵の言う通りまだだ。
まだ消滅していない。
すぐさま俺たちは追撃体制に入り、スキルを放つ。
『アイスブラスト』
『エクスプロージョン』
ドラゴネットは、俺たちのスキルにより徐々にその身体を焦がし確実にダメージを蓄積していく。
もう意識がないのか着弾しても身体が震えるだけで、それ以外の反応はない。
このまま焼いてしまえば、問題無さそうだ。
やっぱり神木さんのように楽勝というわけにはいかなかったが、葵と二人ならCランクであるドラゴネットも問題なく倒せる。
このままとどめをさそうとスキルを放とうとした瞬間、それまで動かなかったドラゴネットの右目がギョロリと動き俺を捉えたのが見えた。
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