第145話 考察
そして『アイスブラスト』というスキルだが、使える回数に対して強力すぎる。
使用上限は9回だが、これはレベルアップ前の『アイスジャベリン』とほぼ同数だ。
だが威力は三回しか使えない『ボルテックファイア』に匹敵する。
これは、スキルの威力によって回数が決まるという俺の『フェイカー』の定義を覆すできごとだ。
そして『アイスブラスト』というスキルでもうひとつ気になるのはスキルの性質だ。
冷気、スキル名にアイスとつくぐらいなので、氷属性。そして冷気の爆発。
今まで使えていた2つのスキルと全く違う発現の仕方をしているようにも思えるが、なんとなく同じ系統のスキルのようにも思えてしまう。
「凛くん、あまり考えすぎるのも良くないかもしれません。時間の経過と共に自ずとわかってくるかもしれません。どうしても気になるならサバイバーの協会に行ってみてはいかがでしょうか?」
「それも考えてはいるんだけど、この前行った時も明確な回答はもらえなかったんだよなぁ」
「そうですか……それなら……いえ、やっぱり遠薙さんに聞いてみるのもひとつの手かも知れません。彼女はBランカーですから、なにかわかるかも知れません」
「そうだな〜とりあえずサバイバー協会には今回の大量のゴブリンとゴブリンロードの件を報告しようと思うから明日行ってみようと思う」
「わかりました。それではわたしも一緒に行きますね」
「それより念のために葵は病院に行ったほうがいいんじゃない?」
「ありがとうございます。でも大丈夫です。特に痛いところもないですし問題ありません」
「それならいいけど」
今日の出来事や自分の事も気にはなったが、それ以上に葵の事も気になって、電車からずっと様子を伺っていたが特に変わった様子はない。葵も大丈夫と言っているので問題は無いと思うが、あれだけのことがあって無事に帰って来れて本当によかった。
なによりも葵を護りきれたことが一番よかった。
新城にも本当に感謝だが、今になってみるとレベルアップによりスキルの使用回数が増えていたので、自分でもゴブリン二体なら倒す事は十分可能だったと思う。
ただあの時は余裕がなかったのでやっぱり助かった。
この後葵が作ってくれたご飯を食べたら、緊張がほぐれたのか急激に眠くなってきたのでいつもより早く寝ることにした。
俺のスキルの事も俺自身としては重要な事だが、それよりも大量のゴブリンとゴブリンロードの件はもっと重大な出来事のような気がするので明日協会事務所に報告しに行こうと思う。
確か協会事務所にも魔核の買取窓口があったはずだ。協会事務所に行くついでに今回の魔核も売却しよう。
そう考えているうち、布団の中ですぐに深い眠りについた。
あとがき
150話で2章完結です。
書籍関連の作業もあり3章からは少しペースダウンします。
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