第144話 レベル12
戦いを終えた直後は疲労感と一刻も早くその場を立ち去ることに必死でステータスを確認する事はなかったが、帰りの電車の中で少し落ち着いたので、念のためステータスを確認するとレベルアップしていた。
俺はレベルアップしてレベル12となった。
Dランク二体とCランク一体を倒したのだからレベルアップするのも当然と言えるかもしれない。
サバイバーLV12
スキル 『フェイカー』《ウインドブレイク3》《ボルテックファイア3》《ライトニング7》〈《アイスブラスト9》〉《風舞5》
レベル10から上がらなくなっていた俺のステータスはレベル12になった事で『ボルテックファイア』以外の使用上限回数が増えていた。
そして今回はエラーが拡大する事もなかった。
協会事務所の人が言っていたように成長限界では無かったことに、ほっとしたと同時にまだ葵と一緒に上を目指せることに喜びを隠せなかった。
「葵、レベルアップしたみたいだ。レベル12になってる」
「凛くんさすがです。もう少しで追いつかれてしまいますね。凛くんが強くなって嬉しいのですが、強くなるペースが早すぎて、置いていかれないか心配です。わたしももっと頑張らないと」
「そんな事あるわけないだろ。考えすぎだよ」
「でもCランクを倒したんですよ。もう上はBランクです。遠薙さんと……」
「まぐれでCランクを倒せただけなのにBランクとか想像もつかないよ」
Cランクのゴブリンロードでも奇跡的に倒せただけなのに、いくらなんでもBランクなんか相手にできるはずがない。
電車の中では、レベルアップもありテンションが少し上がっていたのでそれほど気にならなかったが、電車を降りた瞬間、鉛のように身体が重く感じた。
なんとか気力を振り絞って家まで戻ってくることができたが、限界突破した一夜漬けを終えた後のような疲労感だ。
今思い出しても緊張で身体が強張る。
なぜあの場を乗り切る事ができたのか冷静になった今考えてみてもよくわからない。
当然葵には帰り道、事の次第を聞かれたが、俺自身何が起こったのかよくわかっていないので、ふわっとした答えしか返すことができなかった。
『エクスプロージョン』に換装した『アイスジャベリン』が『アイスブラスト』という全く見覚えのないスキルへと変わってしまったことは、俺にも意味がわからないので葵に説明してみたものの、葵にも理解はできなかっただろう。
葵の推測では、意識せずに、どこかで『アイスブラスト』を見ていたんじゃないかということだった。
確かに、それが一番ありえることのようにも思えるが、これには少し無理がある気がする。
俺が模倣できるのは直近に見たことがあるスキルに限定される。そうそう換装する機会があったわけではないので正確な時間を測ったことはないが、少なくとも日を跨ぐと模倣できなくなるはずだ。
ということは、朝起きてから動物園、そして現場までの途中でスキルを目撃したということになるが、全く覚えはないし、そういった場面があったとも考えにくい。
さすがに電車から流れる外の風景の中で、そういったことがあったとしてもこれ自身がそれを認識できるとは思えない。
あとがき
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