第104話 レベル11
俺の放った炎雷がグレムリンを直撃し弾き飛ばしたが、発動が至近過ぎたので俺自身にも、インパクトの瞬間にリフレクションがきてしまった。
「くぅううぁ」
「凛くん! 大丈夫ですか? 今フォローにはいります」
「大丈夫。衝撃で弾かれただけだから。プロテクターとアンダーアーマーのおかげでダメージはほとんど無い」
俺を襲ったのはあくまでもグレムリンに当たった瞬間の衝撃波のようなものなので、一瞬強烈な圧力と熱は感じたが、外傷らしきものはなさそうだ。
ケチらずアンダーアーマーとプロテクターを買っておいて、本当に良かった。
弾き飛んだグレムリンは『ボルテックファイア』のダメージを受けそのまま消失したので、呼吸を整えてから葵のサポートに向かう。
「凛くん!」
「大丈夫、それよりも早くグレムリンを倒してしまおう」
「わかりました」
「俺が弾幕を張るから葵がとどめをさして」
「はい」
グレムリンのスピードは一人ではなかなか捉えられないので、葵と連携して対抗する。
『アイスジャベリン』 『アイスジャベリン』 『アイスジャベリン』
氷の槍は素早い動きでグレムリンに全て躱されるが、これでいい。
「これで終わりです。『ウィンドカッター』」
葵のスキルが発動し、俺のスキルを避けて無防備となったグレムリンへと襲いかかる。
動きが止まり回避できないグレムリンに風の刃が命中し、グレムリンの胴体を真っ二つに切断して消滅へと追いやる事に成功した。
「凛くんやりました!」
「ああ、グレムリンのスピードは脅威だったけど上手く倒せてよかったよ」
「小さいですがジャガーマンよりもスピードがありましたね」
「スピードで身体がぶれて見えたから、確実に今までのモンスターの中で一番速かったな」
葵と一緒なので初見でもそれなりに対応できたが、これがソロだったら結構きつかったかもしれない。
「それにしても少し違和感がありますね。ヨーロッパ由来のモンスターが続いています。なにもなければいいのですが」
「葵、なにか起こる前兆かなにかってこと?」
「いえ、それはわかりませんが今までこんなことはなかったので、たまたま続いているだけならいいのですが」
俺は今まで最低ランクだったので、ほとんどがゴブリン相手だった。なのでモンスターの由来まで考えて戦うことなど一度もなかったので、葵に言われるまでなにも感じることはなかった。
ただ葵は俺よりも上位のサバイバーなので、なにかを感じたとすれば、そういう可能性はあるのだろう。
ただ今の俺には、なにが起こるのかもわからないし対処のしようもないので、この場はひとまず魔核を拾い帰る事にする。
戦闘を終えたので念のためにステータスを確認する。
「あ! レベル11に上がってる」
レベル10になってからそれほど時間は経っていないが、この前Dランクも倒したし今回のモンスターを倒した事でレベル11に上がったようだ。
再度レベル11になった俺のステータスをよく確認してみる。
「あ…………これってもしかして」
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