第97話 新たな試練

俺の新しいステータスだ。


サバイバーLV10


スキル  『フェイカー』《エクスプロージョン8》《ボルテックファイア3》《ライトニング6》《《アイスジャベリン8》《 風舞4 》


同じ風系統の『ウィンドカッター』にかえて新しく模倣した『風舞』がスキルゲージに加わった。

スキルの使用回数はおおよそスキルの威力に反比例する。

『風舞』の使用上限回数は4

これは『ボルテックファイア』の3に次ぐ数値だ。

どうやら『風舞』は俺が考えていた以上に強力なスキルだったようだ。

『ウィンドカッター』が7だった事を考えると使える回数は減ってしまったが、上位モンスターに通用する可能性のあるスキルを手に入れたといえるだろう。


それからもサバイバーとしての依頼はほぼ毎日のように入って来た。

そして遠薙さんさんからの連絡も定期的に入って来るようになった。あまり用があるとも思えないが、軽いノリで他愛も無い内容が送られてくる。

お正月からずっと他のサバイバーがサボっているとは思えないので俺が知らなかっただけで、この周辺に元々モンスターの出現率が高いのか、それとも最近になって増えているのかはわからない。

装備に百万円近い出費をしてしまったので取り返すためにも依頼が多い事はありがたい限りだが、一つ問題がある。

それは学年末テスト……

一年で一番大事と言っても過言では無い、学年最後のテストが迫って来ている。

以前よりも集中して授業にも臨んでいるので、前回よりも学力は上がっていると思う。

問題は葵との約束。葵との約束と言うよりも葵からの一方的な約束事。

次のテストでは学年三十位を目指す。

この目指すと言うのは葵の性格からして、目標ではなく結果。

必ず三十位以内に入れという意味だ。

前回の俺の成績は五十四位。直前までほとんど勉強をしていなかったのに十分に健闘したといえる順位だが、この順位の裏には血の滲むような一夜漬けがあった。

おそらくあれ以上の一夜漬けは俺には無理だ。あの時はやる気スイッチが入って変なテンションだった事もあり頑張る事ができたが、今考えて見ても葵によるあの一夜漬けは無謀だった。

ただ俺の能力で学年三十位以内を確実に達成するならもう一度あの奇跡の一夜漬けを再現する必要がある。

今から心が軋む。身体が拒否反応を示している。


「凛くん、もうすぐ学年末テストですね。凛くんも普段から勉強頑張っていますし、今回は期待できますね」

「ああ、もちろんだよ。前回みたいな事はないから安心して」

「はい、凛くんの事は信じていますから大丈夫です。今回も一緒に勉強頑張りましょう」


葵がなんの疑いも持たない、純真無垢な笑顔を俺に向けて応援してくれている。

俺がこの笑顔を裏切る事なんか出来るはずがない。

たとえ心と身体が嫌がったとしても、根性と精神力でねじ伏せて俺は今回のテストも最後の追い込みの為に、ほぼ徹夜で一夜漬けに臨む。

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