第4話王様の元にいったら夫婦漫才をみせられた件

おかえりなさいませ、エリス様。城の門番と思わしきふたり組が姿勢をただしてエリスさんに声をかける。

「ああ、代わりはないか?」

先ほどまでのエリスさんとは別人のようなりりしい顔をしていた。


「あの、そちらのものたちは」


「うむ、姫に選ばれし方々だ」


はっと、顔つきがかわり門番のふたりは僕らに深々と頭をさげた。


「あの、これからどうなるんですか?」未来がきいた。


「君たちにはこれから王にあってもらう。そのあと、魔力の適正テストをすることになるかな」


「適性テスト?なら俺が一番にきまってる」

福原が自信満々に言った。


適性テスト。僕はエリスさんの言葉を思い出した。たしか一人のはず。と言っていた。つまり、この三人のうち一人だけがチート能力があるに違いない。僕は福原にだけは負けたくない。現代世界でも負けてるのにせめて異世界くらい僕に勝たせてくれたっていいだろう。メルルン僕に力してくれ。


そうこうしているうちに、王様の部屋の扉についた。


「よし、ついたぞ。君たちは選ばれた者ではあるが、相手は王だ。くれぐれも失礼のないようにひとつお願いしたい」


僕たち三人は黙って頷いた。


「王様、エリスでございます、選ばれし方々をつれて参りました」


「うむ、はいれ」

中から王の声がきこえた。

一気に緊張が走った。


扉があいた。

王様はよくあるゲームの王様の格好をしていた。

「やあやあ、君たちが娘に選ばれたものたちか。おやおや三人も。これは我が国も安泰だなぁ」


なんだか想像していた王様と違うな。軽い…


「この国の情勢はエリスから聞いているな?突然のことで申し訳ないが力を貸してほしい、あと引きこもりの娘の相手になってほしい」


「王!!」


「だって、あのこ全然かおだしてくれないんだもん、せっかく取って置きのマジックも用意したのに」


「あらあら、王様。あのこも年頃なのよ。マジックなら私がみますわよ」

どうやら王女のようだ。


「そうか、ではさっそく」


僕たちはなにをみせられているのだろう。


「すばらしい、マジックでしたわ。これならあのこも喜ぶかもしれませんわ」


エリスがあきれた顔で口を挟んだ


「王。そろそろ本題にはいってもよろしいでしょうか?」


「おお、そうだな」


「では、お主たちの力を確かめさせてもらうぞ」

王様の顔は先程までとはみちがえるようだった。




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