「あの、この世界ってどんな設定なんですか?」僕はエリスさんに尋ねてみた。

「設定?ああ、この世界についてってことかしら?

この世界はね。はるか昔から私たち人間と魔俗との争いを続けている世界でね。でも魔俗の力はかなりのものでね。我々の魔法の力だけではなかなか争いを押さえられないのさ」

「それで異世界の魔力適正のある僕らを召還したってことですか?」

エリスさんは感心した顔で言う

「そのとおりだよ、君ほんと話がはやいね。お姉さんうれしいわ」

未来がムッとした声で割り込む

「あの、まだ信じられないんですけど。今までにも私たちみたいに召還?っていうんですか。された人はいるんですか?」

「ああ、いるよ。最後は10年前かな。その時も優秀な男でねぇ。私も一緒に戦ったんだよ。あいつは、いい男だった」

エリスさんの顔はなんだか寂しそうだった。

「だったって、過去形ですけどその人はどうしたんですか?」

「元の世界に戻ったよ、多分君達が元々いた世界に。でもこっちでの記憶はすべてなくなるけどね、あ、あと万が一ここで死ぬようなことがあったら元の世界にも戻れないから注意してね」

「なんだよそれ、おれたちはただの捨てゴマじゃねぇか」

エリスは苦い顔で答える

「まあ、私たちも悪いとは思ってるよ。でも君たちの世界は、私たちよりもはるかにすぐれた人間が多いんだ。もちろん、協力できないなら、そのまま還すから安心して」

還れる。そう聞いて二人は安心したようだ。でも僕は違う

「あの、なんでエリスさんには僕たちの言葉がわかるんですか?あと僕たちもエリスさんの言葉がわかるし」

エリスさんは少し考える

「うーん、よくわからないんだけど、まぁ君の言葉を借りるならそういう設定なんじゃないかな」

「なるほど」

「いや、納得すんなし」

福原のつっこみは無視した。

それよりいつ城につくんだ。オタクの俺にはそろそろ体力の限界が…するとエリスさんが立ち止まった。

「さて、諸君。ここがわが、ラングレンの国だ、そして、あそこが城だ」

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