第34話メール
「ただいま」
ガチャリとドアが開く。
「おかえり沙夜。昨日はごめん、なんだか頭が混乱しちゃって」
「うん、いいの。元のお兄ちゃんに戻ったんなら」
「それとさ、また北條の現場に行ってみたんだけど、川の所に指が見つかった」
「指!?」
未来はギョッとした顔をする。
「うん、安田刑事に連絡して鑑識に回してくれるって、本当は結果を教えることはできないけど、内緒で教えてくれるってさ」
「すごいよ、お兄ちゃん。これで犯人につながるといいね」
沙夜が抱きついてくる。
沙夜のブラコンもそろそろ治していかないとな…でも悪いき気はしないけど…いやこれはむしろ僕のシスコンの問題か?
「ねぇ、お兄ちゃん。その刑事さん、殺されないよね」
僕はギョッとした。
「どうしたの?いきなり」
「昨日のお兄ちゃんじゃないけどさ、事件に関わりすぎるとみんな殺されちゃうからさ」
「よくよく考えたんだよ、もしそうなら僕たちはとっくに殺されている、それにあのライターが殺される前の二人の被害者は連続殺人に関わってたとは思えない。なんと言うか無差別殺人な気がしてならないんだ」
「確かに殺人の仕方は同じだけど、被害者に共通点は見当たらないね」
「私もう一度SNS見てみる」
「ああ、僕は今までのことをもう一度整理してみるよ」
ピロン メールがなった。美咲ちゃんだ
[犯人がわかりました、明日直接犯人に会ってきます]
僕はあわててメールを返す
[犯人って誰?直接会うなんて危険だよ]
[今はまだ言えません]
[明日になればわかります]
「沙夜、美咲さんから犯人がわかったってメールが」
「え!!犯人は誰なの?」
「それが教えてくれないんだ、明日直接会うって」
「そんな、危険だよ。今すぐ美咲さんに会いに行こう、お兄ちゃん」
「ああ、行こう」
僕たちは慌てて外にでた。
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