第32話覚醒
翌日、僕は目を覚ました。
昨日はかなり取り乱してしまった。
沙夜は?
僕は部屋から出た。メモ書きがあった。
[今日は先に学校に行きます]
昨日の今日だ。仕方がない。
時間は…12時か。
学校はいいや。
僕はもう一度北條のノートをじっくりとみた。
これ以上関わると命の保証はない。呪いだ。
昨日の壊れた自分の言葉が脳裏を過る。
「呪いなんかじゃない。これは連続殺人だ」
昨日の僕を、今日の僕は否定した。
そしてもう一度北條の遺体発見現場に行った。
やはり警察の捜査は終わっているのか見張りはいない。
これなら探しやすいな。
とはいえ、昼間から高校生がここを詮索してること自体怪しく見えるかもしれないが…気にしている場合ではない。
僕は耳を隠した場所を再度掘る。やはり見つからない。
それ以外の証拠はないか…僕は川の方を見た。
すると、石と石の間に何かが挟まっているのが見えた。
僕は慌ててそれを手に取る。
「うわぁ」
それは人の指だった。
こ、これは誰の指だ。
見た感じ男の指に見える。
僕はスマホを取り出し電話をかける。
「はい、もしもし。おうお前さんかどうした」
「安田刑事、指です。人の指を見つけました」
「がはっ、何だと今どこだ、すぐいくから待ってろ」
安田刑事は食事中だったのか何かを吐き出したような音が聞こえた。
この指は誰のものなのか?
警察はちゃんと調べてくれるのか?
不安と不審が混在しながら僕は安田刑事の到着を待った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます