第11話第二の死体が闇を深める

北條の死はテレビや新聞、果ては雑誌にまで大々的に報じられた。



「なんでだよ、父さんの時は騒ぎにすらならなかったのに」



ニュースによると北條は川で水死体で発見されたらしい、やはり首から上は切断された状態で…



「法則が崩れたからじゃないの」


沙夜が言う



「法則?」



「うん、だってその北條って人の話だと、一家に一人だけ犠牲になるって言ってたんでしょ、なのに北條って人のところは妹も含めて二人殺されたことになる」



「そうか、だからこんなに騒ぎになったのか」


でも、僕が彼に深く質問をしたから殺されたのかも知れない…そう考えると吐き気がしてくる。



「あと、あの本の話だと生け贄は一年に一回でしょ、あくまで都市伝説だけど、既に二人も殺されたとなると呪いなんかじゃないよ」


沙夜が口数多くしゃべる。



「確かにそうだな、とりあえず、今日は家にいようか。僕らもこの件に踏み込み過ぎたかもしれない」



「私は学校に行くわ、何か情報が手に入るかも知れないし、お兄ちゃんも行きましょう、学校なら人も沢山いるし、逆に安全かも」



「う、うん。沙夜がそう言うなら」


妹の方が僕よりもしっかりしている、そうだ僕は父さんの無念を晴らさなきゃいけないんだ。



起きてこない、母さんをおいて僕らは学校に向かった。



学校の校門にはマスコミと思わしき人が群がっていた。


先生方が対応している。


隙をついて僕らは校舎に入った。



この町は大きな町ではないため、高校と中学は同じ敷地内にあるという珍しい構造だ。



僕は教室に入った。


なんだかみんなの視線がこっちに向いているようで居心地が悪い…



ガラっ担任が入ってきた。



「北條の件はみんな知っているな?非常に残念だ。明日通夜があるから行けるものは行くように。それが終わったらこの件についてはおしまいだ」



クラスメイトは返事をしたりしなかったりとこの事件に深く関わる気はないように見えた。



おかしい、やっぱりこの町の人達はおかしいよ



僕は昼休みに沙夜と合流した。



「こっちでは話題にも上げてなかったよ。お兄ちゃんの同級生の件。ただマスコミにきかれても無視しろだけ」



「そうか、やっぱりこの町へんだな」



「でもさ、マスコミが大々的に報じてるから、この町の呪いやらなにやら明るみになって父さんを殺した犯人も捕まるかも知れないなって思うの」



確かにそうだ。沙夜はほんと冷静だな。



「ねぇ、帰りに事件現場に行こうよ」



「えっ…そうだな。何か手がかりがあるかもしれないし」



昼が終わるチャイムがなった。



僕は沙夜と別れてクラスに戻る。



北條が座ってた机には花が置いてある。



彼はなぜ殺されたのか…僕にこの町の呪いを伝えたから?


しかし、内容的にはそこまで深くなかった。



「よお、新入り」



「え、僕は声の方を向いた」


ガタイのいい男がたっていた。



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