第10話闇は深まる

僕らは家に帰って早速本を読んだ。




昔この村には鬼がいた。鬼は毎年一人の人を誘拐し補食する。



村の人々は毎年生け贄を用意し鬼の怒りを沈めてきた。



ある日、鬼は姿を見せなくなったが、村の人々は不安にかられ、毎年生け贄を一人用意し続けた。



これはあくまで昔話である。



「こんなの信じられるか?沙夜」



「都市伝説みたいだね」



「これを信じたら今も誰かが生け贄を用意してるってことになる」



「それが父さんだなんて信じられない、ねえお兄ちゃん。私はあの刑事が怪しいと思うの。だってあれを自殺って言うのよ」



「ああ、なんとか接触できないかな。そういえば今日、この町のことを詳しく知ってる同級生に聞いてみるかな」



「そんな人いたんだ」



「友達ってわけではないけど隣の席になった北條ってやつでさ、この町には呪いがある、けど深入りはするなって」



「深入り…その人も怪しいんじゃない」



「そんな風にはみえなかったけど」



とりあえず、僕らは大事な部分をメモして寝ることにした。



翌日、北條が川で遺体で発見されたニュースをみて僕は絶望した。



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