第5話
チアリーディング部とアルバイトの毎日。
お昼休みもお互いの友達とランチだった事からコミュニケーションはメールか、夜にお互いの家からの電話。
私は、初カレ様を「Tくん」と、下の名前で呼ぶ様になりました。
授業の空き時間が重なった時の一時間半。
手を繋ぎながら、大学内をお互いの話をしながらのお散歩デート。
そんな甘酸っぱい一ヶ月目。
ある日、なんとアルバイト先のハンバーガー屋に初カレが突然の来店!
「Tくん!なぜ?!だってTくん真逆の方向だったよね?」
「いや、Aに会いたかったし、働いてるA見たかったから。あ、このハンバーガーと烏龍茶お願いします。」
照れ笑いしながらオーダーをする初カレ様!
イケメンが過ぎるんですけど!
イケてるメンズ過ぎるんですけどーーーーーー!
しかし、その日、なんとあのN先輩とシフトが重なっていたのです。
初カレ様が席に座ってこちらを見ながらハンバーガーを食べて、目が合うと微笑でくれます。
その後ろからN先輩が「友達?」と、声を掛けてきたのです。
「か、彼氏です。同じ大学のゼミの。」
「は?まだ五月だよね?早くない?しかも、ついこないだまで俺の事好きだったくせに。Aさんってなんかアレだね。」と、N先輩葉は笑ってきました。
恥ずかしさと、本当に優しくてイケメンの初カレ様と、やっぱりどこかでN先輩にドキッとしてしまった自分がいて。
このドキッは、ときめきなのか罪悪感とはまた違うけれども、胸の中をぐるぐるとかき混ぜられ、かき乱された様な心境でした。
その日の夜に、初カレ様からは「電話できる?」とメールが来ました。
「ごめんね。いきなりアルバイト先に行っちゃって。頑張って働いてたね。」
私は、初カレ様にときめきながらも、何故かN先輩の事が頭を過り、泣き出してしまいました。
電話の向こうで、初カレ様はそれに気付き、
「A?泣いてる?どうしたの?」と、優しく声を掛けてくれました。
「本当にごめんなさい。実は前に好きだった先輩が……シフト一緒で、Tくんが来てくれたのに、好きとかそんなんじゃないと思うけど、なんかドキッてしちゃった私がいて……。本当にごめんなさい。」
すると初カレ様は、
「泣かなくていいよ。だって好きだったんでしょ?その先輩の事。誰だって忘れなれない恋くらいあるでしょ。」と、言ってくれました。
今思い返しても、初カレ様!十八歳の包容力と心の広さの飛び越えすぎさじゃありませんか?
私はその後、全くN先輩もM先輩の事も気にならなくなりました。
そして私は、初カレ様に相応しく、もっとずっと好きでいてほしい一心からハンバーガー屋のアルバイトを辞めて、アパレルのアルバイトを始めました。
そして、その後も何回かハンバーガー屋に行ったのですか、私がアルバイトを辞めてから一週間後にN先輩とM先輩は別れたらしく、さらにその一ヶ月後にN先輩もハンバーガー屋を辞められたそうです。
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