禁煙外来とカンブリア紀

「禁煙外来に行ったんだ」


 そう言って紫煙を吐きだす友人に

 僕は思わず聞き返す。


「どこ?」

「禁煙外来」

「それは……時間の無駄だったね」

「そうでもなかった」

「へえ?」

「話を聞いてカンブリア紀を思った」

「なにそれ」

「生命の大爆発」


 ふーっと白い煙が勢いよく出る。


「俺も好きに生きてやるってな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る