宝石箱と氷砂糖
竹串で黒いヘタを取る。
地道な作業だなあ……と思いながら、彼を見る。
「ばあちゃんが昔密造してたんだ」
なんて冗談めかす彼の思い出のレシピ。
ふたりで作る初めての梅酒だ。
瓶に交互に敷き詰められていく梅と氷砂糖。
「まるで宝石箱みたいだね」
と、言うと彼は白い歯を見せた。
小さな子どもみたいに。
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