第427話俺は親離れしただけだよ。

  美空の彼の子供を孕んでいるのにも拘らず、酷くおしとやかな態度を自分たちに向けに来る様に、彼女とならきっといい関係を築いて行けるのに違いないんだと、強く思っている母親は声を発していた、「そういう訳にはー」両親が向きになり美空をリビングに案内しようとする様に、目を細められているように感じては、優しい両親に申し訳ない事をしていたのだろうかと、自分はただ美空を愛しているだけなのにと、内心にある自分が紡ごうとするきっと二人に悲しみを植え付けてしまうような話に、唇を一瞬噤んで仕舞いそうになっていた義威瀬は、軽く両手を握っては、声を発していた、「俺の子ではないんだ。」


  突然、天に登ってしまぐらいの自分はおばあちゃんになれるんだと言う思いを破いては、地獄に向けて突き落としに来るような一言を自分にぶつけに来ていた義威瀬に、眉間に皺寄せられているような気分になっている母親、「はい?」義威瀬の頭を疑っているようにと彼の方に顔を向けては、小首を傾げている母親の姿勢に内心では酷く賛同していく父親は、ついやけに深刻そうな眼で自分の顔を映し出して来る義威瀬の態度に戸惑っては、彼は何かしらの弱みを美空と言う女に握られていたのではないかと考えていく父親は、ぽつりと渇いていた唇を開けにいいき、「お前…何ふざけてんだ、」


  沈んでは怒気に満ちているような声を自分たちの方にぶつけに来る父親の様に、心を潰されているように感じつつ、まったりと腕を組んでは、義威瀬を罵ろうとしているような彼の態度に、口角が斜め下の方向に向けられているような気がしてならないでいる美空は、思わず何度も鼻翼に力を込めにいく。「急に女を連れて帰ってちゃ妊娠したって、」自分の喉から発していた声に何度も頷いて来ては、義威瀬が自分たちに投げに来る悪ふざけとしか思えないでいる話の連続に、驚愕を植え付けられては、声を上手く出さなくなっているような母親の焦燥感に、顔を赤く染め上げられているような態度を見ては、猛然と睨むような殺気が込めているような目線を義威瀬に向けにいく父親は言う、「それにお前の子供じゃないって?」


  父親が自分たちに向けに来る自分が想像していたよりずっとソフトのように感じては、顔面を殴られたりしないのかと酷く懸念していた美空は、悔やんでいるようにと歯を食いしばっては俯いていく、「ううっ…」両親が自分に向けている自分の頭の構造を疑っているような様に、目を細められているように感じては、軽く鼻翼に力を込めにいく義威瀬はゆっくりと右手を美空の戦慄しては、緊張に冷やされているような左手を軽く握って言う、「どんなことがあろうとも、」自分が彼女に触れていた右手の感覚に酷く驚かされているようにと、眉毛を跳ねらせに来るような美空の畏怖に操られているような顔を見つめて行きながら、軽く口角を上げては揺るぎない目線を二人に向けにいく義威瀬は言い放った、「俺は彼女とこれからの人生を向かう事に決意したんだ。」


  自分に彼に呆れて欲しいと語ってくるような義威瀬が紡いで来た話に、あんぐり口を開けられているように感じつつ、美空は美人ではあるけれども、長い付き合いもあることを知っていても、やはり義威瀬には男性としてのプライドは微塵もないのかと、普段は酷く普通のように思えた彼は一体どうしてこんなに風になってしまったのやらと、内心で思っていく母親、「あんた…馬鹿ー」忽然、自分の唇から零れてしまいそうな本音を必死に封じて行くようにと、強く口角を斜め下の方向に向けに行った母親は軽く歯を噛んでは、ぼんやりと目線を床に向けに来る義威瀬の少しばかり落ち込んでいるような顔を覗き込んで行きつつ、軽く右手を胸元に当てては、声を発していた、「ううん…まだ検討していこう…ね?」


  宛ら自分が紡いだ言葉に、賛同しに来るようにと彼に左手を握られるがままに、何度も頷いて来る美空の態度に苛立ちを覚えては、彼女とは一生仲良くなって行けそうにないようにと強く思っては、美空はとんでもないくらいの図々しい女なんだと強く思っている母親は、軽く眉間に皺寄せては、彼女に軽蔑するような眼差しを向けたくもないでいるぐらいに、義威瀬に一刻も早く彼女のもとから離れて欲しいと願っていく母親は言う、「ここでそんなことを受け入れてと言われても…」ごくりと固唾を飲み込んでは、引き攣っているような右側の口角を上げて行きつつ、やけに冷静でいる父親の顔を見上げていく母親は、軽く左手で彼の組んでいた右腕を軽く引いては、彼に如何にか愚直な義威瀬の思いを止めて貰いたいと願っていく母親、「流石に心臓が持ち堪えないわ…」


  母親が紡いだ言葉ももっとものように感じつつ、あからさまなまでに自分への嫌悪感を隠せないでいるぐらいに、自分に目を向けたくないでいる彼女の姿に苦笑いしてみたくなりつつ、彼女が今の態度を自分に向けて来る方が普通なんだと強く思っていく美空は、引き攣っているような右側の口角を上げて行きながら、義威瀬の沈んでいるような横顔を見つめていき、「で、ですよね…」ごくりと固唾を飲み込んでは、母親とは違っていてまるで自分の体を貫こうとしているような、本気の目線を向けに来る父親の態度に心臓を起爆されてしまいそうな気がしては、思わず強く歯を噛んでしまう美空、「い、良いんですよ…私は…」小さな声で言葉を紡いで行きつつ、如何にか二人に冷静になり、ちゃんと義威瀬の事を止めて貰いたいと願っては、彼のお嫁さんになれるよな綺麗過ぎてた夢は、汚さ過ぎる自分とは似合わないんだと内心で強く思い、義威瀬の右手を何度も引いていく彼女は言う、「ほ、ほら…私は先に戻ってるからー」


  「父さんは昔言ってたよね、」泣き出してしまいそうなくらいに弱っては、戦慄しているような声を自分の右耳に届けに来るような美空の声色に、自分の不甲斐なさを確かめられているように感じては、ようやく彼女と共に幸せな未来に向かって歩んでいけるようになれたと言うのに、このまま見す見すとこの人生たったの一度しかないでいるような未来を手放してはならないんだと、強く思っていく義威瀬は強く歯を噛んでは、自分の右側にいる彼女の小さな手を強く握っては、自分の行動に体を跳ねらせていた彼女の存在を気に掛けていく余裕を、凛と佇んでいる父親に奪われているような気分になっている彼は、真剣な眼差しを父親に向けていき、「欲しいもんがあるのなら確実に手に入れておく、」まったりと彼女の硬直していたような左手を上げて行きつつ、自分が紡いでいる話に眉間に皺寄せられている父親の顔を見つめていく義威瀬は言う、「失ってしまってから後悔するのは遅いからって。」


  自分に急いで義威瀬の考えを止めて欲しいと語りに来るようにと、両手で自分の右腕を握って来る母親の存在を気にすることなく、義威瀬の強く決意したような態度に目を細められているような気がしている父親は声を発していた、「それが、お前が下した決断かな。」まるで義威瀬が彼の投げていた挑発的にも感じてしまうような一言に、頷いたら彼は素直に二人の結婚を認めようと語っているような父親の話のニュアンスに、あんぐり口を開けられているような気がしてならないでいる母親は、地団駄を踏んでみたくなっている思いを我慢して行きつつ、必死に喉から声を絞り出していく、「ちょっとあなた…!」


  自分の隣りで自分が父親に向けている話に体を固定されているようにと、あんぐり口を開けに来る美空の姿に心をくすぐるように感じつつ、両親には酷く申し訳ないと思ってしまうと同時に、もし両親の意向に従っていくと、自分にはきっと一生後悔するような事をしでかしてしまうんだと強く思っている義威瀬は、右手にある彼女の左手を珍宝のように大切そうにと握って行きつつ、二人に話を向けにいき、「俺は彼女の事を愛して来たんだ、」まったりと目線を眉毛を上げたままで、自分にきょとんとしている横顔を向けに来る美空に向けていく彼は微笑んで言う、「一秒もこの想いを変えたことはないぐらいに、彼女に夢中さ。」


  義威瀬が美空に向けていく真摯な眼差しに絶句されているように思えては、まるで両親である自分たちの存在が見えなくなっているような彼の姿に、眉毛を額に固定されているような気がしてならないでいる母親は、漠然と彼の横顔を見つめていく、「あなた…」母親の義威瀬の決意を上手く触れたことに目を細められては、宛ら自分に彼の本音に向ける返答を求めに来るようにと、自分に注目しに来る義威瀬の態度に微かな焦燥感を覚えては、自分には最早大人になっていた子供を止める事が出来なくなっているんだと、内心で思っていく父親は声を発していた、「分かった、じゃ、」


  軽く彼の白皙の皮膚に包まられていた喉仏を起伏させに行く義威瀬の姿に、鼻腔の奥をくすぐるように感じては、軽く息を吐き出していく父親は言う、「この部屋から出て行って貰おうか。」”ドクンー”「えっ!?」突然、美空と言う自分の息子を攫おうとしている悪魔のような女の方ではなく、二人を共に家から追い出そうとしているような言葉を二人に投げに行った父親の態度に、鳩尾を強く殴られているような気がしては、酷く衝撃的で自分には訳の分からない出来事の連続を自分にぶつけに来る現実に、腹部の奥を激しく揺さぶられているように感じつつ、抉られているような気がしてならないでいる母親は、つい脳内にこみ上げに来る体を倒そうとしているような眩暈に、白い目を向けて仕舞いそうな気がしている。


  「い、いやいいですよ…!」否応なしに振り返って行こうとしているような義威瀬の、いとも簡単に彼を大切にして来たのに違いないはずの両親との縁を、自分なんかのために切ろうとしている態度に、心臓を握り潰されているように感じては、思わず大きな声を発してしまう美空は、猛然と右手を胸元に当てては、一時の感情に脳内にある何もかもが流されているのではないかと思ってしまう義威瀬の様に、体中が母親が向けに来るひんやりとしている眼差しに冷やされては、氷柱に心臓を貫かされているような気分になっている彼女は、義威瀬の無理矢理引いてくるような右腕から彼の顔に目線を向けにいき、「私が退きますんで…!」


  まだ両親に話を向けようとする美空の態度に、目を細められているように感じつつ、どれだけ語ろうとも両親は自分たちの結婚を許すはずもないんだと、自分を止めようとしないでいる父親の態度で強く実感してる義威瀬は軽く歯を噛んでは頭を下げていた、「お世話になりました。」軽く鼻翼に力を込めては、自分の唇から零れていた両親を他人にしていたようにも思えるような言葉に、傷心を植え付けられているような気分になりつつ、当たり前のようにと軽く左手で自分が閉ざさないでいたドアに当てていく義威瀬、「いこう。」「えっ!?」人生今まで彼が自分に向けに来た一番にも思えるぐらいの強引な態度に、心臓が喉元のまでに上げられているような気がしてならないでいる美空、「えー!?」


  「ちょ…」自分に天地が揺れているような感覚を与えに来るような美空の段々遠くに行っているような声色に、脳内を無理矢理はっきりされているような気がしては、宛ら倒れそうな自分を支えに来るようにと、両手を自分の肩に置いて来る父親の逞しい胸元に左肩を預けて行きつつ、急いでいるようにと右手をドアの方向に向けて伸ばしていく母親は、必死に喉から声を絞り出していき、「ちょっと!待ちなさいあんた!」

  

  母親の無理矢理決意を下していた息子の事を止めようとしている態度に、目を細められているように感じては、軽く両手を彼女の肩にかけては、義威瀬が自分に向けに来た揺るぎない眼差しを思うと、つい彼には親である自分たちでは止められないくらいの思いを心の奥に固まっていたような気がしては、強く母親のいつ転んでしまっても可笑しくない体を固定しては、彼女に言い聞かせにいく父、「止めるんじゃないよ、あいつは本気だ。」


  ”ドクンー”父親が自分に向けに来る自分でも薄々分かっていたような出来事を、自分にぶん投げに来ていたことに、口角が斜め下の方向に向けられているような気がしては、苦しそうに猛然と振り返っては、彼の顔を見上げていく母親、「うぐっ…!」強く脳内にこみ上げに来ているような苦しみが募っているような息に、言葉を紡ぐ権力を奪われているような気がしてならないでいる彼女は、思わず強く歯を噛んでは両手で父親の胸ぐらを握っていき、「私の息子が…!」


  苦しそうにと強く歯を噛んでは、自分が精一杯育って来たはずの息子が急に訳の分からない女と結婚しては、親である自分たちを裏切りに来ていたことに、目頭を嬲られているように感じては思わず涙を零していく母親は、自分の弱り切っている体を無理矢理止めに来ていた父親の存在を恨んでいるようにと、強く両手で彼の胸元を殴っていき、「どうしてあの子に散歩しただけで失ってしまうような破目に遭わない行けないのよぉ…?!」必死に喉から絶望に満ちているような声を絞り出しては、まるで自分にそんなことは自分でも分からないと語りに来るように、目線を自分の顔から逸らしていく父親の自分と同じように苦しんでいるようにと、唇を噤んでいる様を見つめては、喉から声を絞り出していた、「意味わかんないのでしょ!?」


  母親が自分に向けに来るもっとものようにも思えるような話に、目を細められているように感じては、軽く歯を噛んでしまう父親は何度も鼻翼に力を込めては、ごくりと固唾を飲み込んでは、彼女の潤んでは血走っているような瞳を見つめにいき、「そいつは全ての事を考えてからここに来たんだ、」苦渋な思いを抱えては眉毛を顰めている母親が自分に見せに来る形相に、心を苛まれているような気がしてならないでいる父親は、軽く白い歯で唇を噛んではぽつりと声を発していく、「もうそっとしておけ、」自分が彼女に向けた彼女からしてみれば無情にも思えるのであろう言葉に、あんぐり口を開けに来る母親の頬にある大粒の涙を拭いていく父親は言った、「傷だらけになったら自ずと帰ってくるのさ。」


  「うぐっ!」父親が自分に知らせに来る彼は義威瀬にどう考えてもまだ若く、人の内心は一体どれだけ汚らしいものなのかも知らないでいる彼を利用しているだけの美空に、痛めつけられてから彼を救おうと語ってくる様に苛立ちを覚えては、猛然と振り返っては、自分が如何にか血が迷っている義威瀬の事を止めに行かないとと強く思っていく母親は、必死に右手をドアの方向に向けて伸ばして言う、「義威瀬をぉ!」宛ら自分に義威瀬を助けさせないでいるようにと、強く右手で自分の弱り切っているような左腕を掴んで来ては、左手で自分の肩を止めに来るような父親の存在に苛立ちを覚えては、悔しそうにと強く歯を噛んではドアの方に向かっては、内心にある思いを叫んでいく母親、「私の息子を返せよぉー!」


  「うっ…」無理矢理にも感じてしまうぐらいに義威瀬に引かれているような自分の体を、貫く銃弾と化していたような母親の悶絶してしまいそうなくらいに弱っているような声に、口角が斜め下の方向に向けられているような気がしては、思わず強く歯を噛んでしまう美空は何度も鼻翼に力を込めては、有無を言わさずに自分を曲がり角を通しに来ては、母親の声に追いつけないくらいに離れさせようとする義威瀬の歯を食いしばっている横顔を見上げていく彼女、「お前…流石にやり過ぎだぞ…」


  宛ら自分が喉から絞り出していた声に、体の動きを止められているようにと俯いては、迅速なまでに動いていた両足を止めに来る義威瀬の、斜め下の方向に向けていた口角を見つめていく美空は軽く鼻翼に力を込めていた、「こんなの急に受け入れるはずもー」忽然、自分が彼に投げにいく少しばかり恨んでいるような声色に、体を激しく刺激されているように、ゆっくりと胸元を自分の方に向けに来る義威瀬の潤んでは、今にも彼のピンク色に染め上げられている目の下を越えようとしているような涙の存在に見開かされては、唇が否応なしに閉ざされているような気がしてならないでいる美空。


  自分が浮かべている酷く情けないのであろう表情を、ぼんやりとしている潤んでいく琥珀色の瞳で映し出してくれている美空の態度に、目を細められているように感じては、つい彼女に両親を突き放すような不届き者のような存在に、なっているのであろう自分は酷く醜く汚く見えているのではないかと、内心で漠然とした不安を抱えては、ぽつりと渇いていたような唇を開けていく義威瀬、宛ら自分には内心にある苦しみに一瞬迷らされていたことを彼女に知らせに行ったようにと、微かに開けていた唇の間から零れていく白い吐息と、自分を叱咤しようとしていたはずの美空が、自分が浮かべている見っともないでいる表情に悲しみを植え付けられているように、自分の事をこれ以上何かしらの言葉を向けようとしないでいる態度に、目を細められているように感じては、軽く歯を噛んでしまう義威瀬は噤んでいた口角を無理矢理上げては、彼女に笑って行こうと強く思っていく彼、「しょうがないんだよ、」


  無理矢理拗ねているようにと顰めては、少しばかり震えているようにも感じてしまう眉毛を上げては、つい涙を零して仕舞いそうな気分になっている義威瀬は、何度も鼻翼に力を込めては、軽く左手の人差し指を立てて行きながら、ぽつりと声を発していく、「お前は妊娠の事を隠していかないと、」自分が彼女に向けに行った一言に眉毛を軽く跳ねらされては、バツが悪そうにと唇を噤んでは、自分の顔から目を逸らしていく彼女の俯いていく様を見ていく彼は言う、「いずれにせよこうなるのが目に見える話だ。」


  彼が自分に投げに来る根本的な原因であるのは、自分の腹のせいだと言うのを思うと、つい強く腹部を叩いては、自分だけではなく、いよいよ我武者羅に自分に近づこうとする義威瀬まで巻き込んでは、彼を苦しんでいる死んで欲しいと切に願ってしまう腹の奥の存在を恨んでは、口角を斜め下の方向に向けられているように感じては、悲しそうにと眉毛を顰めていく美空はつい義威瀬に、如何にか自分に堕胎するのを許可しては、両親にせめての慰めを上げたいと願っていく美空、「やっぱ言い直して行こうよ…?」まったりと握り締めていた自分の左手を放して来る義威瀬の眼を、潤んでいた琥珀色の瞳で映し出して行きつつ、何度も鼻翼に力を込めては、恐る恐ると両手を胸元に当てていく彼女、「ね?私は家に戻るから…」無理矢理強張っているような口角を上げては、義威瀬の潤んでいた瞳を見つめていく彼女は言う、「あんたはちゃんと相談して行こう?」


  傷だらけにされて来た美空とついさっき自分に傷つけられていた両親の事を、天秤にかけたくはないと心の中で強く思って行きつつ、自分はただ純粋に美空の傍にいるだけであり、彼女を失いたくはないだけなんだと強く思っては、彼女を苦しんで来た全ての人間に復讐したいと心の中で切に思っては、もし相手が自分の目の前に現れたら、間違いなく取り返しのつかない事をしていたのであろうと内心で思って行きながら、強く白い歯を噛んでは、自分にとっての救いである美空をもうこれ以上苦しんだりはしたくはないんだと強く思っていく義威瀬は、悲しそうにと鼻を啜っては、無理矢理でも笑っては如何にか彼女に安心した欲しいと願っていく彼は声を発していく、「無理だよ、」


  自分の唇から零れていくきっぱりと彼女の考えを拒んでいたことに、見開かされている美空の顔に笑ってみたくなっている義威瀬は、ゆっくりと両手を上げて行きつつ、軽く彼女の頬に添えては、ただ彼女が自分の傍にいてくれていて、自分が愛する彼女が自分を愛してくれるだけで、誰にも邪魔されることのない生活を送って行きたいだけなんだと、心の中で強く思ってしまう彼は、丁寧に両手で彼女の頬に触れてい言う、「相談で如何にかなるような話ではないのだから…」自分が紡いでいく親不孝で、無情な奴でしかないのを思わせに来るような一言に、心を苛まれているように感じつつも、自分の彼女の微かに赤くなっていた頬に触れていた両手から伝わって来る、彼女に触れていけるのも贅沢とも言えるような思いに、視野を霞まされているように感じつつ、可笑しそうにと笑っていく義威瀬、「俺は親離れしただけだよ。」


  「ううっ…」またしても人生今までの何回目も分からないくらいに、自分を泣かそうとする義威瀬が自分に向けに来る真摯な眼差しから伝わって来る、熱気を放っているような目線に心臓を鷲掴みにされているような気分になり、口角を斜め下の方向に向けて固定されているような気がしてならないでいる美空は、苦しそうにと彼の顔を見上げていき、「どうして…」悔しそうにと眉間に皺寄せては、ゴミのような人生に臭う汚物にされている自分には、確実に彼を求めたい思いがあるのに、自分が汚い存在にされていたのを自覚している故に彼に触れないで来たはずなのにと、些か無理矢理にも感じてしまうぐらいに自分の頬を押さえに来るような彼の両手に、心を蕩かされているような気分になっている美空は、彼に戦慄しているような声を向けにいた、「私をあなたの人生の罪人に仕立て上げようとするの…?」

  

  美空が自分に投げに来る酷く自責しているような言葉に、目を細められているように思えては、ぼんやりと悲しみに操られては少しばかり痙攣しているような両手を上げては、彼女の肩にかけて行こうとする義威瀬は微笑んだ、「お前は罪人ではないよ、」丁寧なまでに彼女の自分と同じように震えては、上手く操ることが出来なくなっているような背中を、自分の胸に向けて押していく義威瀬は言う、「お前を受け入れない周りの人も問題はない、」ぼんやりと自分の腕の中にいる彼女の温かい体の温度を感じて行きつつ、苦しそうにと鼻を啜ってしまう義威瀬は呆然と世界は誰もが正しいからと言って正しくなれるものではないんんだと、心の中で漠然とした思いを抱えては、声を発していく、「純粋に愛する人を求める俺もきっと間違ってはいないんだ、ただ単純に、」


  苦しそうにと鼻翼に力を込めては、ゆっくりと自分の胸元にくっついてくれているような彼女を剥がして行くようにと潤んでは、少しばかり充血している眼を彼女に向けにいく彼は、声を発していた、「俺たちはどっちも自分の思いを曲がらせようとしないでいる結果が、」酷く悔やんでいるようにと口角を斜め下の方向に向けている美空の、自分に彼女の悲しんでは、酷く落ち込んでいる態度を見られたくないでいるようにと、目線を地面に向けている様に淡い笑みを浮かべていく彼は言う、「こうなることに繋がってしまったからだけだ。」


  「うぐっ…」酷く強引にも感じては、どうして自分たちは全員苦しめられないといけないのかと、心の奥で強く思っては、何処からどう考えても、自分は父親に陥れていたけれども、義威瀬と彼の家族は自分に加害するどころか、自分に恩もあるような存在であるはずなのに、自分が義威瀬に近づいているせいで、義威瀬も彼の両親の事も酷く苦しめていたことになっているんだと、心の奥で強く思ってしまう美空は軽く歯を噛んでは、必死に渇いていたような唇を噤んでは、自分には、間近に来る彼と言う名の幸せを拒めるはずもないんだと強く思っていく美空は、辛そうにと斜め下の方向に向けていた口角に、苛まれているようなくらいに、硬直している唇を開けにいき、「威瀬…」


  泣きじゃくる子供のような態度を自分に見せに来る美空の様に、目を細められているように感じつつ、軽く口角を上げては彼女の頭に触れにいく義威瀬は微笑んで言う、「何かな。」自分の心に直接触れに来るような義威瀬の行動に、視野を霞まされているような気分になり、思わず強く両手を握っていく美空はごくりと固唾を飲み込んでは、自分にも幸せを求めたいんだと、ずっとどす黒い思いに包まられては、声に乗せることが出来なかった思いを、今、自分の最愛の人に叫んでやりたいと切に思っていく美空は、強く歯を噛んでは、猛然とひんやりとしていた空気を吸い込んでは、無言で自分に微笑んでくれていて、自分を完全に受け入れる恩人のような愛する彼の顔を見つめていく美空は、ぽつりと渇いていたような唇を開けにいき、「愛してる…」


  まるで自分の眉毛を跳ねらせに来るような美空が紡いだ言葉に、あんぐり口を開けられているような気がしてならないでいる義威瀬、”どー”宛ら彼女が自分に向けに来ていた一言を心の奥に植え付けようとするように、自分の体を強く抱えに来る美空の仕草に絶句されているように思いつつ、虚しい思いに硬直されていた口角が彼女のシンプルな告白に上げられては、上に固定されているような気分になっている義威瀬。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る