第382話自分のことを許して頂戴?

  義威瀬が自分に投げに来るまるで自分の彼に触れていく両手を退かしに来ているような一言に、心を曇らされているようにと感じてしまう美空は、悲しそうにとめを細めて行きつつ、彼の顔を見ていく、「威瀬…」「ううん…」自分の顔を包もうとしているような美空の両手の感覚を漠然と感じて行きながら、軽く首を横に振っては、自分はどうしようもない奴なんだと言う思いに、脳内を満たされているような気がしてならないでいる義威瀬は、軽く歯を噛んでしまい、「あいつが来る前もそうだったんだ…」


  唇が段々胸元の奥から込み上げに来る津波の如く悲憤に嬲られては、震わされながら自分の口を開けに来ているような気分になっている義威瀬、「お前の親父から…」強く歯を噛んでは、自分は一体何なのかを思っては、自分の今までの人生には何があったのかと思っていく義威瀬は、苦しそうにと強く顎を上げて行きながら、向きになっている自分の頬から両手を離れては、漠然と自分の悲しみに苦しめられている顔を見てくる美空の顔を、疼く視野の中で見つめて言う、「お前を守る事なんて一度も出来たことなんてなかったんだ…」


  忽然、まるで自分が彼女に向けていた一言に、驚かされているようにと繊細な眉毛を跳ねらせていた美空から目を床に向けてしまう彼、「俺は…ダメだ…」義威瀬の虚無出来上がった渦に陥れられたかのような態度を、自分に向けに来ている様に見開かされては、思わず強く両手に力を込めにいく美空は強く脇を締めては、彼の顔を睨むようにと見つめていく、「そんなことは…!」美空の自分につられているような酷く荒くなっているような息遣いと鼻声に、顎を引かれているように思えては、自分の大好きな妻と子供を守れないでいる自分には何もできないんだと、内心で強く思っている義威瀬、「どうしようもないぐらい…」どす黒く思える心の奥にある思いに、視野を奪われているように感じては、思わず辛そうにと鼻を啜ってしまう義威瀬は、何度も脳内に浮かべて来ている、義亜孔の死に行く様に体中をバラバラにされているようなくらいに、殴られているような気がしては、強く歯を噛んでいた彼、「ダメなやつなんだよぉ…」


  彼が自分に向けに来る酷く自責している様に、心を突かれているような気分になり、両足に上手く力を込めることが出来なくなっているような気分になっているような気がしては、ぼんやりと自分の無力にも思える両足を床に置いて行きつつ、義威瀬の猫背になり、両肘を太股に付けていく様に焦燥感を募らせているような気がしては、一体どうやったら彼に元気づけていけるのだろうかと分からなくなり、頭がパンクして仕舞いそうなくらいに苦しみに苛まれているような気がしてならないでいる美空は、強く上手く握ることも出来なくなっている両手を下ろしては、自分と顔を合わせようとしないでいるような義威瀬の無言で鼻を啜っては、鼻梁にあるメガネのレンズを濡らしていくような姿勢を見ていく、「そんなことないわよ…」


  まったりと自分の霞んでは上手く娘が座っていたことのある絨毯を、見させてくれないでいるような視野と、霞んでいた視野の味方になり、娘を上手く守れなかった自分を嘲笑いに来ているようにと、レンズを濡らしに来る大粒の涙に心を苛まれているように感じつつ、何度も鼻翼に力を込めていく義威瀬は恐る恐ると左手を上げては、自分の鼻梁にあるメガネを外して行きつつ、言葉を紡いでいき、「お前があのくそ親父に売られた時もそうだ…」


  歯ぎしりして行きつつ、自分の視野の一番上にある、自分が紡いだ一言に反応してくれているようにと軽く弱っては、震えている両手をビクッと跳ねらせていた美空の姿勢に、自分はどうしたいんだと、ただでさえ自分が上手く彼女を守れなかったせいで、怪我をしていた彼女の辛い過去を抉っている話を紡いでいる自分に聞いてみたいと思ってしまうと同時に、自分が自分の事が分からなくなっているような気がしてならないでいる彼は、強く歯を噛んでしまい、「何も知らないで…」


  ゆっくりと左手を上げて行きつつ、自分が今までの暮らしは意味がないような気がするどころか、自分が大切に思って来ては、大事な人たちを苦しめる以外の事は何もできなかったような気がし始めている彼は言う、「阿保みたいに時間を過ぎていたんだ…俺は…」辛そうにと左手で自分の赤くなっていた額を擦って行きつつ、自分はどうしたいんだと、何度も脳内に浮かべに来ては、自分の体を苦しめに来る痛みと共に、自分の体を殴っては宛ら自分に存在を見せつけに来ているような自分の両足の間にある疼きに、口角が斜め下の方向に引かれているような気がしては、自分はダメだと言うこと以外は何も上手く考えなくなっているようにと感じてしまう義威瀬、「俺は…なんでこうもダメなんだ…」


  宛ら自分に飽きれては、もう自分が紡ぐ話を聞きたくないと無言で抗議しに来ているような美空の姿勢に、歯ぎしりしてみたくなりつつ、どうしようもない自分には彼女の前に座っているのもおこがましいんだと、強く思ってしまう彼、自分の目玉を苛んで来るような視野にこびりついては、目を抉りに来ているような痛みに、心臓を殴られては、自分にとって唯一となった大切な人に縋って行かないと、自分には自ら命を絶てていく勇気すらなくなってしまいそうな気がしてならないでいる義威瀬は、自分の頭につられては、震えている視野の中で美空の向きになっているようにと、強く歯を噛んでいく様を見つめにいく、「みそらちゃん…俺は…」忽然、宛ら決意したようにと強く両手を握って来る美空が、自分の軽く上げては、彼女に触れていく勇気を奪われていたような右手から猛然と揺るぎない眼差しを自分に投げに来る彼女のまるで自分を食おうとしているような気合いが入っている様に、見開かされている義威瀬、「うっ!?」”フー”否応なしに微かな汗の臭いが混ざっていた匂いを連れて来ては、風で自分の顔面を殴りに来る美空の姿勢に絶句されているような気分になっている義威瀬。


  強く自分の歯に当たって来る彼の柔らかく感じてしまう唇の感覚に、目を細められているように思えては、ぼんやりと強く閉じては、弱音ばっかり吐いては、自分にも彼への思いで頭の中を翻弄されてしまいそうな思考を抱えさせに来るような義威瀬の弱り切っている姿勢を、無理矢理阻んでいた美空は、自分の鼻先に温かい息を当てて来る義威瀬の自分が彼にぶつけに行った攻撃のようにも思えるキスに、見開かされている彼が浮かべに来るきょとんとしている顔を見つけて行きつつ、ゆっくりと彼から顔を離れて行きながら、声を発していく、「落ち着いて私の話を聞いて頂戴。」

  

  美空のどうしようもない自分に口付けしてくれては、ただでさえ娘が自分には想像もつけないぐらいの苦しみを与えられてから、亡くなっていたことに弱らされていた自分の心を殴打しに来ては、自分と同じように娘を失っていたことで苦しんでいるはずの彼女が自分を慰めてくれていたことに、自分の弱さを再認識しているような気分を味わっている義威瀬は、苦しそうにと鼻を啜っていき、「うぐっ…なにかな…?」


  自分が彼女に向けに行く返事に少しばかり余裕を貰えたかのようにと、自分の頬から両手を引いていく美空の様を見つめながら、ぼんやりと弱っては、涙に濁らされていたような視野の中で、自分が描いていた原稿を探していく義威瀬はぽつりと声を発していた、「娘も守れないくそみたいな俺には…」悔しい思いと、本来ならば、少しぐらい娘に嫌われる勇気を出していけたら、義亜孔は死なずに済んでいて、美空は怪我を負うようなことはなかったのにと強く思ってしまう義威瀬は、思えば思う程に自分は夫としても、娘の父親としても全般的にダメなんだ言う事を、自分の堕落しているような思考回路に見せ付けられているような気分になれているような気がしてしまう彼は、叱られていた子供のようにと軽く額を上げては、チラッと軽く右手を胸元に当てては、自分の顔を見つめに来る美空の息遣いを整えているような体勢を見ていき、「なんか出来たのかな…?」


  義威瀬の優しい彼が今まで自分たちにしてくれていた事を全否定しに来る姿勢に苦笑いして見たくなりつつ、まったりと両手を上げては、本当に娘が苦しめられていた時で何も出来なかった自分よりずっと悔やんでいる彼の事を見てしまうと、つい彼のようにと落ち込んでいない自分の内心に苛立ちを覚えてしまうと同時に、泣いていた彼に申し訳ない思いを抱えてしまう美空は、再び丁寧に彼の顔に触れて行きつつ酷く温厚になれているようにと自分に触れられるがままに、自分の顔を見つめに来る彼に淡い笑みを見せて行こうと、強く感じている彼女は言う、「私は、」ごくりと固唾を飲み込んでは強く息を吸い込んでいく美空は、漠然と自分の顔を見てくれては授業を受けている生徒のように、真面目そうな顔で自分のことを見つめてくれている彼に目を細めて行きながら、言葉を紡いでいく、「あの野郎に売られた時も、」


  まるで自分が彼に投げていく自ら内心にある傷を抉っているような話に、驚かされているように眉毛を跳ねらせていたような態度を見つめにいく美空は言う、「買われた時も、」軽く赤くなっていた鼻を啜っては、ぼんやりと傷心に汚されているようにと思える目線を床に向けていく彼女は、自分の腹部を見下ろして行きつつ、ぽつりとピンク色の唇を開けていき、「あくが出来た時も…」


  突然、まるで彼女の胸元から込み上げに来ている苦しい息に、喉を詰まらされているようにとぼんやりと渇いた唇を開けては、何とか空気を吸い込もうとしているようにと弱り切っては、項垂れていた肩を小刻みに起伏させに行く様を見ていく義威瀬、彼女が自分に向けようとする深刻そうな言葉に心の奥を引かれているように思えては、彼女は一体自分にどんなことを言おうとしているのだろうかと、酷く気になり始めているような義威瀬は恐る恐ると彼女の顔を覗き込んで言う、「も…?」


  軽く自分の鼻先に近づいて来る彼の臭うように感じてしまう汗に、濡らされていた体の存在に口角を軽く上げられているような気がしては、自分にとっての彼は一体どれ程重要な存在なのかを全くもって知れないで、萎れている彼に苦笑いして見たくなっている美空は霞んでは、上手く自分に彼の顔を見せてくれないでいる視野に悩まされているように感じつつ、丁寧に彼の顔から手を引いては、彼の元気を無くしては、項垂れていたような左手に触れていき、「もしあんたがいなかったらとっくに自殺して、」忽然、自分が彼に投げていた自分が人生のスランプに陥っていた時で抱えていた思いに、酷く驚かされているようにと眉毛を跳ねらせていく義威瀬の潤んでは、充血していた青色の瞳を見つけていく美空は言う、「死んでたわ。」  


  ”ドクンー”無理矢理自分の心臓を握り潰しに来るような美空が自分に投げて来ていた、最悪にも思えるような状態の中にいると、命を絶つのは当たり前のようにも感じてしまうと同時に、彼女は自分がいたから死なず済んだと語って来る姿勢に心臓が否応なしに跳ねらされているような気がしてならないでいる義威瀬は、きょとんとしている顔を浮かべていた、「えっ…?」

  

  まったりと左手を彼の弱っては、自分が彼に向けていた言葉に酷く驚かされているようにと、跳ねていたような左手を包んでいく美空はゆっくりと口角を上げて行きつつ、自分の顔を見てくる彼の瞳に目を向けていく、「あんまりあの時の事を言わないでいようって、」きょとんとしている顔を自分に向けに来る彼に微笑んで行こうと思っているのに、内心にある苦しみに口角が斜め下の方向に固定されているような気がしては、恐る恐ると鼻を啜っていく美空は、恥ずかしそうにと右手を彼の左手から引いて行きながら、やや困っているようにと右手の人差し指でこめかみを掻いていき、「思ってたけど…」


  宛ら自分が彼に向けている告白に気を惹かれては、自分よりずっと大切に思って来ては、愛して来た娘を失っていた悲しみから少しばかり自我を取り戻せていたような、義威瀬の態度に微笑んでいく美空、「あんたがまだちゃんと学校に通えたり、」まったりと鼻を啜っては、ぼんやりと自分に握られていた左手を見下ろしている彼から、ゆっくりと霞んでいく視野を天井の方向に向けて行きながら、声を発していく彼女、「もしかしたらまだちゃんと私のことを覚えてくれていて…」


  ぼんやりと霞んでいた視野の中で自分たちの事を見下ろして来る星空のようにも思えるような天井と、かつて自分を苦しめに来ているようにも思えた強く額を上げては、目の前にある全てのものをなかったようにしていく体勢になると、恨んでしまうくらいに苦しい瞬間が全部記憶しているような脳を憎んでは、自分の好いている人がちゃんとかつて純真を無くして行く時の自分が抱えて来た夢を聞いてくれていて、ちゃんと大好きな彼が夢を全部叶えてくれている事を思うと、つい自分は幸せのようにも思えつつ、自分たちからようやく手に入れた平和な日々を奪っていたシルエットを許せないと、強く思ってしまう彼女は軽く歯を噛んでは、まったりと白い歯を許していくようにと歯を放していく、「ちゃんと好いてくれていて、」


  かつての自分の夢を語っていくと自ずと上げてしまう自分の口角に、義威瀬の存在は確実に自分を救ってくれていたんだと、心の中で強く思っていく美空は、恐る恐ると自分の声を真面目に聞いて来る彼に目を向けに言う、「また本当の愛を確かめたいと、」忽然、自分が急に少しばかり大胆にも思える一言を彼に投げていたことに驚かされては、ビクッと眉毛を跳ねらせていく自分の無垢な旦那の存在に、心を少しばかり弾まされているようにと感じて来る彼女は幸せそうにと笑っていき、「思ってくれるのを、希望として縋っていたから、」ゆっくりと感電したようなくらいに震えている自分たちの手を上げては、右手を彼の左手に向けて伸ばし、大切そうにと両手で彼の左手を包んでいく美空は潤んでは、涙に押しつぶされてしまいそうな琥珀色の瞳で、彼の顔を映し出していた、「私はもう一度あんたに会えたのよ?」

  

  酷く優しく感じて来る自分の大事な嫁が自分に向けて紡いだ、彼女の内心にある瘡蓋を抉ってまで、自分の弱り切っている心を鼓舞してくれては、奮い立たせようとする態度に、口角が斜め下の方向に固定されているように感じつつ、彼女に申し訳ないことをしているような気分になっている義威瀬は、悔やんでいるようにと軽く歯を噛んでは、ごくりと固唾を飲み込んでいき、「でも…」


  「うん?」ぽつりと自分の唇から零れていく声に興味を惹かれているようにと首を傾げては、軽く顔を自分に近づかせに来る美空の様に一瞥しては、何度も赤くなっていた鼻翼に力を込めていく義威瀬はごくりと固唾を飲み込んで言う、「俺がもう少しマシな人間になれたら…」悔やんでは美空の鼻梁にある絆創膏のことを目にすると、つい勝手にも思えるくらいに娘の事を連想させに来ては、心に殴り込んで来るような悲しみに、脳内を翻弄されてしまいそうなくらいに苛まれているような気がしている義威瀬は、悔しそうにと強く歯を噛んでいた、「お前にそんな苦しみを…」


  自分と娘の事を全力で守って来ていたはずなのに、まだ自責している義威瀬の力を欲すると語って来ていた一言に、眉間に皺寄せられているように思えては、狂っているような世界の中で生きている自分たちが力を貰うには、最早殺人を起こしていく他ないんだと、心の中で強く思っては、強く自分の両手にある彼の左手を奪うようにと自分の胸元に向けて引いていく美空、「馬鹿なことを言わないで。」

  

  忽然、自分の胸元から絞り出していた本気で彼を叱っていたような一言に、驚かされているようにと弱っては、顰めていた眉毛を軽く跳ねらせていく義威瀬の顔を睨むようにと見つめては、何度も鼻翼に力を込めていく美空は軽く顔を彼に近づかせにいく、「人間は誰しも限界があるのよ?」自分が彼に向けていた言葉に向けて反論することが出来なくなっているようにと、渇いた唇を噤んでは、俯いていく彼の顔を見ていきつつ、丁寧に彼の左手を抱えて行きながら、彼に微笑んでは、彼はもう十分なくらいに頑張ってくれてたんだと言う事を、何とか彼に伝えたいと思っていく美空は言う、「でないとあの訳の分からない神なんかにやられっぱなしでいないのでしょ?」  


  美空が酷く弱っている自分に投げに来る正論に、心を悩まされているように思いつつ、彼女が言っている道理は全くもって間違っていないんだけれども、理屈抜きで何とか二人無事でいてくれては、ただ平穏に毎日を過ごして行けるような努力をして、そして自分の簡単にも思えたはずの願いを貫いて行きたいと思ってしまう義威瀬は、苦しそうにと強く歯を噛んでは、内心にある悔やむ思いを噛みしめている歯の間から零しにいく、「ううっ…」


  俯いては自分と目線を合わせようとしないでいる義威瀬の渇いた唇から零れて来る、弱っているような唸り声に微笑んで見たくなりつつ、強く両手にある彼の震えては、彼は体の芯から誰かの支えを貰いたいと教えに来ているような左手を抱えていく美空は、淡い笑みを浮かべて行きつつ彼に向けて声を発していた、「自分のことを許して頂戴?」宛ら自分が彼に向けていく一言について、上手く納得していけないでいるようにと歯を食いしばっては、赤くなっていた頬に小さな角を浮かばせていく義威瀬に苦笑いして見たくなっている美空は、丁寧に左手を彼の手から引いては、右手で彼の左手を引いていき、「あなたはもう…」


  まったりと苦しみ思いに強張らされているような口角を上げて行きつつ、左手で彼の汗に濡らされては体につられているように、震えている頭を撫でていく美空は声を発していく、「本当に上手く頑張ったんだから…」自分の彼に感染されているように震えている左手に、撫でられている事で微かに救われているようにと青筋が立てていた額を上げては、自分の顔を血走っていた青色の瞳で映し出してくれている彼に、淡い笑みを見せて行こうと思っては、彼の悲憤に濡れている黒い髪の毛と上手く娘である義亜孔を守れなかった故に、悲しんでは落ち込んで、自分自身の事を許せなくなっているんだと言う事を思うと、軽く上げて行こうと思っていた口角が胸元の奥から込み上げに来ている義威瀬への負い目に、潰されているような気がしてならないでいる美空は、思わず強く歯を噛んでしまい、「うっ…」


  突然、自分を慰めようとしていた美空が言、葉を紡いだ途中で酷く苦しんでいるような唸り声を零しに来ては、まるで心にある悔やんでいる思いを噛み千切っていくかのようにと、強く歯を噛んでいた彼女の姿勢に、内心にある暗闇が微かに彼女への心配に退かされているように感じている義威瀬は、思わずぼんやりと弱っては、上手く鼓動を刻んでくれているのかどうかですら定かではないようにと思える胸元を、彼女の方向に向けにいき、「美空ちゃん…?」


  自分の彼の頭に震えていた左手を退かしに来るような、義威瀬のまったりと自分に向けに来る顔に焦燥感を強いられているように感じては、何も守れなかったのは、本当は自分の方である事を思うと、せめて何とか彼のメンタルをケアしていかないとと強く思い、急いでいるようにと彼から両手を引いては、右手を上げては目の下を越えて行こうとする涙の粒を拭いて行く美空、「ううん、私は大丈夫…」


  狼狽なまでに急いで涙を拭いていたせいで、鼻梁にある傷跡に震えては、鼻梁の内側から脳内に登って来る神経を痺れさせようとする痛みに、目を有無を言わさずに細められているような気がしてならないでいる美空は、思わず苦しそうにと強く歯を噛んでは、自分の顔を見つめに来ている義威瀬に、これ以上の心配と不安をかけたくはないと強く思っていく彼女は鼻を啜っては、ごくりと固唾を飲み込んではゆっくりと額を上げて行きつつ、上手く現在の自分たちが危険から守れる彼が落ちこませる訳にはならないと、例え自分がダメになったとしても、彼に何とか自分まで亡くしてしまうような辛い思いに、耐えていける程の生きて行きたいと言う信念を上げないとと思っていく美空は、ぼんやりと黒い眉をひそめるては、自分の顔を見つめに来る彼の顔を見つめていく、「だから…」


  義威瀬の苦しみと悲しみに苛まれている窶れては、微かな白髪が生えているような髪の毛に、心臓を苦しめられているように思えては、本当にこのまま何が遭っても彼に生きて貰いたいと思うのが正解なのだろうかと、苦しんでいる彼の顔を見てはつい彼と共に義亜孔のもとに行った方が、自分たちは酷く楽になれるのではないかと一瞬強く思ってしまう美空、「うっ…!」宛ら自分の内心にある彼と共に酷く冷酷に思える、死と言う世界に身を投じて行こうと言う思いを噛み千切っていくようにと強く歯を噛んでは、死んでしまうと何もかも無くされてしまうかもしれないと強く思っては、身勝手なまでに彼が自分より先にいなくなるシチュエーションを見たくないと思っては、彼を失ってしまう苦しみは、とてもじゃないが自分には一瞬たりとも耐えられないんだと、強く思っている美空は無理矢理口角を上げては、恐る恐ると彼の弱っている顔に両手を沿えていき、「ちゃんと聞いて…?」


  彼の頬に触れていく自分の手汗に濡らされている手のひらの存在を、受け入れてくれているようにと自分の顔を、光を少しばかり無くしていたような青色の眼で映し出してくれている彼の事を見つめては、どうして自分は頑なに酷く苦しんでいる彼にまだ生きて欲しいのかと言う漠然とした問題の答案を、さっきで見つけ出していたような気がしている彼女は義威瀬の顔を凝視しては、ぽつりと渇いた唇を開けていく、「間違いを全部自分のせいにしないで…?」


  潤んでいた琥珀色の眼で自分の顔を映し出して来る、美空の開けていく唇の間にある氷柱を連想させに来ているような、唾液の糸と彼女が自分を慰めているはずなのに、まるで何かしらの重大な願い事を自分に向けに来るようなニュアンスが込められていた態度に見開かされては、心臓が彼女が自分に向けて紡いだ言葉に舐られては、奥に入らせているような気分になれている義威瀬。


  「一番悔やむべきなのは、」丁寧に両手の親指で彼の顔を愛でていくかのようにと、彼のピンク色になれていく目の下にある透明なレールを軽く拭いて行きつつ、自分は彼に生きて欲しいのは、彼が自分を照らしてくれる大切な存在であり、自分の命の支えであることなんだと思っては、彼に生きて貰いたいのは、自分が死にたくないでいるからなんだと、酷く納得しては、何となく彼を利用しているような気分になれてしまう美空は、悲しそうにと軽く歯を啜っては、ゆっくりと目線を床に向けにいき、「あんたではなく、あの獣よ…」


  体にある力は彼女が紡いだ獣と言う単語に奪われているように、自分の頬に当ててくれては、強張っては、熱気に焼き滅ぼされてしまいそうな気がしていた頬を、和らいでくれている彼女のひんやりと感じている手のひらのありがたく思える感触を、内心で感じて行きながら、恐る恐ると戦慄している両手を上げては、彼女の白皙の両手に触れていく義威瀬、「でも…」


  ぽつりと自分の唇から零れていく一言に、額を上げられている美空の心の芯から悔やんでは、血走っていた琥珀色の瞳を自分に向けに来ると同時に、彼女は苦しんでいるんだと言う事を自分に知らせに来るようにと、震えていく下の唇を噛んでは、自分に涙を零していく様を見られたくはないと、自分語って来ているような彼女の顔を見つめては、大切そうにと両手にある彼女の手の甲を軽く握っていく義威瀬は言う、「俺には…俺には上手くあの野郎を殺していけるチャンスが…」


  窶れている自分に自分はどうしようもないぐらいに弱っては、衰弱しているんだと言う事を知らせに来るような渇いた唇から零していく嗄れていた声に、弱り切っては、ちゃんと存在しているかどうかですら定かではなくなっている心臓を、苛まれているような気がしている義威瀬は軽く鼻を啜っては、自分を一番苦しめに来ている思いを嗄れては、歯車が軋むような騒音が混ざっているような声を上げていき、「あくがあんな風にならないで済む機会が…うっ…!」


  自分の嗄れていた声に乗せていた義亜孔の名前に脳内を殴られては、悶絶してしまいそうなくらいの苦しんでいる思いを、有無を言わさずに体中に植え付けられているような気がしては、両手が苦しんでいる思いに撃沈されているようにと、手にある美空の両手を下ろしていく彼は辛そうにと鼻を啜っては、ぽつりと声を発していた、「俺には…確実にあった…」自分を否定して行くようにと何度も首を横に振ってしまう彼は、自分の赤くなっていた鼻先から零れて仕舞いそうな鼻水を啜っては、喉から声を絞り出していく、「なのにそうしなかったんだ…」


  



  

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