第383話俺は…娘を守れなかったくそ親父だ…

  義威瀬が自分に向けに来る酷く悔やんでは、彼が己の存在を許しせないでいる根本的な理由を、教えに来ていたことに目を細められているように思えては、善良な彼が人を早く殺めていなかったことに関して、悔やまさせている世界は最悪のように感じつつ、思わず強く歯を噛んで見たくなっている美空は、ゆっくりと彼の両手に握られていたような両手を引いては、まったりと彼の頭につられていたような項垂れていた肩に置いて行き、「普通よ…それが…」


  無理矢理口角を上げたいと願っていく美空は何度も鼻を啜っては、彼の物事に対する考えで後悔して行くと、自分こそが義亜孔にハンバーガーなんてものを食べるなと、彼女のお尻を叩いては、彼女がどれだけ泣きわめこうが、彼女に部屋から一歩も出さないで、閉じ込めては、彼女の安全を守っていくべきだったんだと、義威瀬に語ってしまうと、つい繊細な彼に自分たちはただ傷を舐め合っている以外の何事もしていないである事実に、察知させてしまいそうな気がしては、もう生きたいと言う思いはお互い大して残されていないことを思うと、せめてまだ自分たちが死んでいくのを考えないで、ただ傷を舐め合っては、まだ傷を癒していきたいと言う思いを持っている現在の方がよっぽどマシのような気がしている美空は、潤んでいた青色の瞳にある絡まっていた赤い糸の群れを見つめて言う、「普通の人間でいる証拠よ。」

  

  自分の内心を潰しに来ていたような思いを少し溶かしに来ているような彼女が自分に投げに来る言葉に、口角が斜め下の方向に固定されているような気がしてならないでいる義威瀬は、恐る恐ると霞んでいた視野の中で彼女の顔を探していき、「みそらちゃん…」宛ら自分に彼女は確実に自分の目の前に居るんだよと、自分に教えに来ているようにと、ぼやけていた視野の中で強く頷いて来る彼女の顔と、自分の肩に置いては、自分の存在を鼓舞しにくれているような彼女の弱っては、震えている両手の感覚を心の中で感じていく彼、「普通の人間でいるから…」


  強く歯を噛んでは、自分が普通であると言うのなら、どうしてこうも自分の心身ともに潰しに来ているような痛みを、耐えていかないといけないのかと思い、今の自分の体中にある骨を全部へし折られているような思いに耐えていかないと、人生をやっていけないと言うのなら、普通の人間になる基準はあまりにも高すぎたのではないかとぼやけて見たくなっている彼は、ぽつりと自分の視野から零れていくようにと、目の下を撫でていく湿っている感覚を気にして行く余裕を無くされては、自分の顔を見つめてくれている彼女に尋ねていき、「俺らはこうも苦しめられないといけないの…?」


  刹那、自分が彼女に投げていた予想外の質問に見開かされている美空の顔を凝視しては、ごくりと固唾を飲み込んでいく義威瀬は背中にある、体の奥に侵入にし来るような鈍っていたような痛みに耐えて行きつつ、苦しそうにと強く唇を噤んでは、自分のミス一つで、自分たちの家庭に齎して来ていた苦痛はあまりにも巨大なものであり、自分にはとてもじゃないが耐えていけるような代物ではないんだと、心の一番奥で叫んでいく義威瀬は自分が向けに行った言葉に、嬲られているようにとゆっくりと自分の両肩から手を引いていく彼女の姿を見ていく勇気を奪われているように思いつつ、辛そうにと歯を啜っていく彼。


  自分にとって唯一大事な人間になっている美空にまで、自分のどうしようもない苦しみの渦の中に巻き込みたくはないと強く思っているのに、自分をほっとけないでいるように自分に話しかけに来ていた彼女に負い目を感じては、どうしても何故自分らはこうも苦しめられないといけないのかと、叫んで見たいと願っていく彼は言う、「何も知らない子供が…」悔しそうにと強く歯を噛んでは、悲憤に苛まれているせいで叫んでいく気力すら残されていないでいる惨めな自分には、一体どうやって普通の人間に戻していけては、普通の家庭で普通に暮らして行けるのかを、永久に無理な問題を美空に投げたくはないと思っている彼は、苦しそうにと鼻を啜っていく、「あんにも嬲られたと言うのに…」


  ”ドクンー”突然、義威瀬が自分に投げに来ていた嗄れた声の中に、秘められている自分がどれだけ彼を慰めようとしても無理なんだと言う事を、自分に知らせに来るような思いに苛立ちを覚えては、まったりと脳内に浮かべて来ては、自分の実の娘が顔面が歪んでは、エイリアンのようにも見えてしまうぐらいに嬲られては、四肢が人間のものには思えないくらいに、潰されていた記憶に脳内を真っ赤に燃やされているように感じつつ、義威瀬を慰めては、傷を負っていた彼に少しぐらい休んでは、悔やんだり自分で自分を苦しんでも意味のないであるのを知らせたいのにと、自分の脳内にこびりついては、離れようとしないでいる義亜孔が苦しめられていた場面に、白目を向いてしまいそうなくらいに苦しめられているような気がしては、思わず強く歯を噛んでしまい、「うっ…!」


  いつまでも、義亜孔が現実で見れるとは思えないでいるような死に方をした様を目の浮かべていくと、ついいつ誰かがまた意味もなく自分たちを襲って来ては、またしても鮮やかな記憶の中に真新しい残酷過ぎるビジョンを植え付けに来たりするかもしれない事を思うと、急にも思えた謝阿狗が自分たちに襲いかかってきていた頃の出来事を思うと、つい自分たちには一瞬の油断も許されない世界に、身を置かれているんだと言う事を義威瀬に向けて叫んでみたくなっている美空は、何度も鼻翼に力を込めては、猛然と両手を義威瀬の頬に向かっていた。


  ”パー!”刹那、猛然と自分の頬に当てて来る裂帛の音と、微かな痺れているような痛みに眉毛が有無を言わさずに跳ねらされているような気がしてならないでいる義威瀬は、思わずビクッと体を軽く跳ねらせてしまい、「うっ…!?」内心にある焦燥感と、如何にか脳内にこびりついては離れようとしないでいた、娘が殺されていた光景を掻き消しては、自分たちは今はどうやったら生き延びていけるのかを、考えていかないとならないんだと言う思いに駆り立てられては、つい向きになっていたようにと義威瀬の頬を強く叩いた自分に苛立ちを覚えては、きょとんとしている顔を自分に向けては、叱られていた子供のように青色の眼で自分の戦慄しては、如何にか涙を堪えようとする自分の顔を映し出して来る彼の事を睨んでいき、「知らないわよ…!」


  弱っている自分の喉から絞り出していた一言に、ビクッと眉毛を跳ねらせていた義威瀬のことを睨むようにと見つめては、何度も鼻翼に力を込めていく美空は、歯ぎしりして行きながら、何度も赤くなっている鼻翼に力を込めては、必死に叫んでいた自分に驚かされては、どうやって自分に返事を向けたらいいのかが、分からなくなっているような義威瀬の様を睨んでいく、「ネチネチしないでよ!」


  美空の苦しんでいるようにと自分の頬を叩いた両手をゆっくりと下ろしていく、彼女の絶望に苦しめられてはどうしたらいいのかが分からないでいるようにと、目線を床に向けていく姿勢に眉毛を少しばかり顰められているように感じつつ、彼女の無理矢理内心にある虚無から、現実までに引っ張り返してくれていたような、酷く弱く思える打撃に心を苦しみと悲しみから、少しばかり奪えたような気分になれている義威瀬。


  「私だって苦しんだからな…!」強く戦慄している両手で義威瀬の肩を握って行きつつ、何度も鼻翼に力を込めては、自分の赤くなっていた鼻先から零れていく鼻水の存在を気にして行く余裕を奪われては、娘はただ美味しいものを食べたいだけだったのに、どうしてこんな目に遭わないといけなかったんだよと、嗄れていた声で叫んで見たくなっている美空は強く息を吸い込んでは、恐る恐ると震えている額を義威瀬の胸元に当てていき、「膨らませたくもない腹を張って精一杯産んだ子があんな獣にそこまで嬲られるなんて…!」強く歯を噛んでは、弱っては、力を込めることが出来なくなっているような両手を彼の肩に沿っては、彼が着ていたシャツを鷲掴みにして行きながら、嗄れていた声を絞り出していく彼女、「うぐっ…」


  「あっ…」刹那、ぼんやりと彼女に叩かれていた自分の茫然としている状態を、破いて来るような美空の酷く悔やんでいるような様に見開かされては、大慌て両手を上げては、どう見ても自分に慰めて欲しがっているようにと、自分の胸元にある布を鷲掴みにしに来た彼女の両腕の存在に、心の奥を抉られているように感じては、急いでいるようにと両手を上げては、如何にか彼女の体を抱えていこうとする義威瀬は、まるで上手く自分に体を動かせてくれないでいるような背中にある疼きと、やけに鈍くなっているような体中の感覚に、自分はもしかしたら世界に見捨てられているのかもしれないと、漠然とした質問を抱えては、背中を刺激しに来る両腕を温めてくれては、自分の両腕の中にいる自分の愛おしい人の温もりを感じていく彼は、まったりと彼女の汗に濡らされていた耳殻に頬を近づかせにいき、「ごめん…なさい…」


  鼻声になり、上手く言葉を自分に向けて紡げなくなっているような義威瀬が自分の耳元で呟いていた一言に見開かされては、いつ誰に襲われては、死んでしまうのかも分からないでいる焦燥感と、娘の死への悲憤に駆り立てられては向きになり、思わず弱っていた彼を叩いていた自分に謝って来た義威瀬に見開かされてしまう美空は、思わず漠然と渇いた唇を開けてしまい、「えつ…?」


  「俺が…」自分の耳元に少しばかり間の抜けた声を当てに来ていた美空の衰弱している態度に、体を殴られているように感じつつ、娘を無くしては、酷く怖く感じてしまう謝阿狗に襲われそうになっていた彼女はきっと、自分よりずっと悔やんで来たはずなのに、まともに強化されては、戦えていけるような自分が彼女に弱っては、二度と立ち直っていけそうにないでいる状態を見せると、ついどうしたらいいのかが分からなくなってしまうのに決まっているのにと、身勝手なまでに自分の事しか思っていかなかったような行動を取ってしまった自分をぶん殴ってみたくなると同時に、如何にか義亜孔の死から離脱しては、美空を何としても守っていかないと、と強く考えていく義威瀬、「また…俺のせいだったな…」


  「威瀬…?」自分が彼女に投げていく謝罪の言葉を上手く理解する事が出来ずにいるような美空が、自分の名を呼んで来たことに目を細めて行きつつ、軽く鼻を啜っては、何度も首を横に振ってしまう義威瀬は、有無を言わさずに自分の脳内に住んで来たような娘との今までの出来事を、思い返して行くとつい自分は酷く我が儘な奴のように考えては、辛そうにと歯を噛んでいた、「あくを…この世に降臨させなかったら…」


  ”ちゅっ”忽然、有無を言わさずに自分の両腕を剥がしに来ているようなくらいに、強く背中を自分の両手に当てに来ては、無理矢理に感じてしまうくらいに背中に、痛みを強いに来ているような美空の強く彼女の温もりを、唇に残しに来ていた感覚に背中にある傷跡の疼きは彼女の存在に掻き消されているような気がしてならないでいる義威瀬は、ぼんやりと彼女のゆっくりと目を開けては、猛然と自分の頬に当てて来た両手を下ろしていく様を見つけていく。

  

  ぼんやりと霞んでいた視野の中で自分の顔を見つめてくれていて、自分の言おうとする言葉を待ってくれているような義威瀬の顔に向けて、申し訳なさそうにと笑っていく美空は軽く鼻を啜って言う、「さっきは…」悲しそうにと両手で軽く彼の温かい両頬に触れて行きつつ、自分を確実に守ってくれていた彼をこっぴどく殴っていたことに、口角が斜め下の方向に向けられているような気がしては、悲しそうにと渇いた唇を噛んでいく美空は、ぽつりと呟いていた、「殴っちゃってごめんなさい…」


  美空の無理矢理自分を上手く娘を守れなかったトラウマから剥がしに来ていた行動に関して、謝りに来る態度に微笑んで見たくなりつつ、まったりと左手を上げては、彼女の俯いていた頭に触れていく義威瀬、「そういうプレイだと思うと、」宛ら自分が彼女に投げていた、彼女に元気を取り戻して欲しがっている一言に、驚かされているようにと眉毛を跳ねらせて行きつつ、顔を上げに来ている美空が自分に向けに来るきょとんとしている表情に、笑って見たくなっている義威瀬は言う、「楽しくなれたらな…」


  心身ともに傷だらけになっても尚、ちゃんと自分に気を遣ってくれては、丁寧に左手を自分の頬に添えてくれては、涙の粒と鼻水を拭いてくる義威瀬の態度に、悔やむ思いと悲憤に満たされてしまいそうな心臓が、少しばかり救われているような気分になれている美空は軽く白い歯を噛んでいた、「うう…」優しく自分の粘っている人中を拭いて来る義威瀬の、またしても自分でも汚いと思ってしまうような自分を受け入れて来る姿勢に心の奥を弾まされているように感じつつ、彼の苦しみと悲しみに混ざっていたような青色の眼を見つけていく美空は軽く歯を噛んでは、ゆっくりと両手を上げては、自分に叩かれていた彼の頬を擦っていこうとする、「後悔して…何になれる?」


  美空が自分に投げに来る酷く深刻のようにと感じて来る一言に、口角が一瞬斜め下の方向に向けて強く引っ張られているような気がしては、ゆっくりと疼く視野を床に向けていく彼は、悔しそうにと強く歯を噛んでしまい、「何も…なれないけど…」義威瀬のまだちゃんと物事を考えていける程の頭の余裕を持っていることに、少しばかり安心感を覚えつつ、彼の項垂れていた顔に両手を添えていた美空は彼の顔を覗き込んで行きながら、彼に今すぐ立ち直って貰うと言うのは無理難題を強いて行くように思えては、せめて彼にちゃんと目を瞑って、横になり背中にある傷に癒していく時間を、彼自身の体に与えて欲しいと願っていく美空は、彼の顔を覗き込んでいた、「でしょう?」


  美空が自分に投げに来る正論に心を苛まれているように思えては、自分でも悔やんでも何もなれないことぐらいは知っているけれも、頭の中はまるで自分の言う事を聞いてくれないでいるように、何も考えないでただ如何にか冷静になり、悲憤を治まって行きたいと願っているはずなのに、自分の悲しみとは関係なしに脳内に登って来る娘を上手く守れなかったと言う思いに脳内を充填されては、体中が悔やむ思いに満たされてしまいそうな気がしてならないでいる彼は、思わず強く歯を噛んでは、ぽつりと渇いた唇を開けていき、「苦しいよ…」


  自分の口から零れていた最悪にも思えるくらいに弱っては、自分と同じように弱っている彼女に不安と心配を強いてしまう一言に苛立ちを覚えては、チラッと目線を自分が描いていた原稿の束に向けていく義威瀬は、辛そうにと歯を啜っていた、「せめて頭の中だけでも…」引き攣っているような右側の口角を上げて行きつつ、ぼんやりと光を奪わられていたような青色の眼を、ゆっくりと情けない自分の頬から両手を引いている美空に向けにいく彼は言う、「ちょっとマシな世界に…行きたいよ…」


  義威瀬が自分に投げに来る現実逃避したがっているような一言に、目を細められているように感じては、彼と同じような悲しみに体中を抱かれては、逃げ出すことが出来ずにいる自分のことを思うと、つい自分も彼とともに現実逃避してみたいと思っては、脳内を過っていく義亜孔が嬲られていた様と、有無を言わさずに自分たちの最後の平和を破いて来た謝阿狗の存在に、喉元を強打されているような気がしては、猛然と内心を過ってしまう不安に、こめかみが針に刺さられているような感覚を強いられているように思えては、何度も鼻翼に力を込めていく美空は、自分が娘のような体験をしたくない以上に、目の前で自分にとって命良いずっと重要な義威瀬があんな風にされたり、自分が娘のように嬲られるのをただ傍らで見ていく以外出来ないでいるような未来は、何としても回避して行きたいと願っては、自分たちが現実から逃げたとしても、他の自分らに危害を加えようとする奴らは見逃してくれたりはしないんだと、強く思ってしまう彼女は義威瀬の瞳を見つめていた、「でも私はここにいるのよ?」


  忽然、少しばかり強引にも思えるくらいに、自分を現実に止めに来る話を紡いだ美空が自分に投げに来る揺るぎない眼差しに、繊細な眉毛を有無を言わさず跳ねらされているような気がしてならないでいる義威瀬は、ぼんやりと彼女の顔を見ていく、「美空ちゃん…?」まったりと彼の頬から両手を引いていた両手を、ゆっくりと胸元に当てていく美空はきょとんとしている表情を浮かべては、ぼんやりと自分の事を見つめに来る義威瀬に淡い笑みを見せて行きつつ、彼に懇願して行くようにと尋ねに行った、「私を置いていくのかえ…?」


  宛ら自分の代わりに彼女に返事をしているようにと何度も横に振っていく頭に、苦笑いして見たくなりつつ、自分の頭が彼女に向けた返答で喜んでくれているようにとピンク色の口角を上げにくれている美空の、切ない思いが秘められていた笑顔から目を床に向けに行く義威瀬は、辛そうにと軽く赤くなっていた鼻翼に力を込めては、鼻を啜って行きつつ、右手を上げては、軽く手の甲で鼻先から垂れて仕舞いそうな鼻水を拭いて言う、「いやだよ…」軽く歯を噛んでは拗ねている子供のようにと額を上げては、丁寧に両手を握っては胸元に当てていた美空が、自分が彼女に返していたシンプルな返答を肯定してくれているように、頷いて来る可憐な様を見ていく、「一緒に連れていく…」


  突然、義威瀬が自分に投げに来る意外でもない、補足するような一言に見開かされては、唇が微かに開けられているように思えては、彼が良いと言うのなら、自分は現実より恐怖な場所にだって何も言わないでついていくんだと、内心で強く思っている美空は軽く顔を彼に近づかせて行きながら、彼の真意を確かめに行くようにと彼に尋ねていた、「自殺するの?」 ”ドクンー”突然、美空が自分に投げに来ていた、自分が漠然と抱えていた思いを具現化するように、はっきりと彼女の鼻声に乗せていたことに、眉毛を跳ねらせているように思えては、思わず強く歯を噛んでいく義威瀬、「うっ…」


  義威瀬のはっきりと自分が彼に投げていた、少しばかり刺激しているようにも思える質問に、頷いて来ていない態度に目を細められているような気がしては、何度も鼻翼に力を込めていく美空は強く彼の肩を握って言う、「いいの?」軽く首を傾げては、自分に攻められているような彼の自分と目を合わせようとしないでいる態度を覗き込んでいく彼女は、彼に尋ねていき、「あくは私たちを守れたって言ってたわよね?」


  まるで自分が彼に尋ねていた一言は間違っていないんだと、自分に知らせに来るようにと強く弱っているような歯を噛んでは、頷いてくる義威瀬の顔を見つめては、べたにも思えるくらいに、もう亡くなっていた人からの思いを彼に押し付けてしまうのは酷く狡く感じつつ、義亜孔の死を自分以上に受け入れては、今の自分たちが置かれている現状を考えることが出来ないでいる彼を、何としても奮い立たせないとと強く思っていく美空は軽く鼻を啜っては、潤んでいた琥珀色の眼で彼の項垂れていた顔を映し出していく、「こんな無様に死んで、」自分に義亜孔に関してもう声に乗せて欲しくないでいるようにと鼻を啜っては、自分の彼に向けようとする話を拒んで来ているように、何度も首を横に振っていく彼の顔を見つめていく美空は言う、「あっちに行って勇敢なあの子に会える顔はあるの?」


  「うぐっ…」忽然、まるで自分を泣かそうとしているような、美空が自分に投げに来る酷く感じてしまう一言に、口角が苛まれては斜め下の方向に向けられているような気がしてならないでいる義威瀬は、思わず強く歯を噛んでは、内心から込み上げに来る娘への思いに濁らされていた視野の中で、娘と酷く似ている美空の顔を探していき、「あくは…」娘が散々苦しめられていたのは、意識を無くしていた時の自分も混ざっていた事を思い出していくと、つい自分には死ねない理由が出来てしまったように感じては、娘にそのような事を強いていく滓が義亜孔の前に現れても、ただひたすらに彼女を苦しんでしまうだけなんだと強く考えていく義威瀬は、もう娘の事を話題に出さないで欲しいと、懇願して行くようにと美空の顔を見つめていく、「あくは…」

  

  義威瀬が自分に見せに来る酷く弱っては、倒れ込んでしまいそうなぐらいに衰弱している態度に、目を細められているように思えては、まったりと両手を彼の後頭部に向けて伸ばしていく美空、「泣いてもいいよ…」丁寧なまでに彼の頭を抱えては、出来る限り彼のガラスの欠片に破られれいた背中にある傷を、刺激しないで行こうと思っている彼女は、彼の苦しんでいる顔と、自分が彼に投げていた、義亜孔が大人である自分たちが意識を奪われていた時に、悪魔と必死に戦っていきつつも、自分たちよりずっと苦しめられているはずなのに、自分たちを上手く守れてくれていたことを思うと、つい泣かずにはいられないでいるような気分になれている美空は、思わず強く歯を噛んでは、鼻を啜っていく、「ちゃんと胸を張って…」


  ごくりと固唾を飲み込んでは、丁寧に右手で義威瀬の汗ばんでいく後頭部を擦っている美空は、いつか自分らは死んでしまう時には、ちゃんと娘に会えては、あんたは立派な子だと言える時間が欲しいと願っては、ぽつりと弱っては、微風に掻き消されてしまいそうなくらいの小さな声を上げていた、「このどうしようもない現実に立ち向かう為ならば。」自分の体を抱えてくれていて、義亜孔の存在を思い出させようとしているような美空の体から漂って来る、酷く慣れ親しんだはずなのに、どこか酷いと思ってしまうぐらいに迅速なまでに自分のもとから放れて行こうとしているような匂いに、口角が斜め下の方向に固定されているように感じては、苦しそうにと強く鼻を啜っていく彼は、脳内でまったりと浮かべに来る自分に笑みを向けに来る赤子の無邪気な顔を見つめて行きつつ、彼女の肩に当てていた震えているような顎を上げて言う、「俺は…あの子が…」

  

  「うん…」自分が紡いでいく話はちゃんと聞いてくれているんだよと、自分に知らせに来てくれるような自分の左頬に当てては、頬をくすぐりに来るようにと軽く頷いてくる、美空の温かい体の温度を感じていく義威瀬は強く赤くなり、自分に上手く空気を吸わせてくれないでいるような鼻を啜っていく、「始めて俺をパパって…うっ…」自分がぽつりと声に乗せていた一言に、胸元の奥にある鮮明な思いが刺激されているように思えては、否応なしに自分の俯いていたような肩を跳ねらせに来るような思いに、口角が斜め下の方向に向けられているように感じつつ、思わず強く歯を噛んでは、何度も鼻翼に力を込めて行きつつ、息を吸えるようなチャンスを、内心にある悲しみから奪いたいと願っていく彼は、ぽつりと声を発していた、「パパって…呼んでくれた事を…」


  まるで自分が落ち込んでいる彼女への慮る思いが一切込められていないような一言に、苛立ちを覚えている自分の内心に応えてくれているようにと、強く歯を噛んでいる自分の体に、体が悲しみに乗っ取られては自分のものではなくなっているような気分を強いられているようにと感じている彼は、悶絶してしまいそうなくらいの苦しみに耐えては、弱っては、消え去ってしまいそうなくらいの微弱な声を全力で上げていき、「今にも覚えてんだ…」


  「うっ…」義威瀬が自分に投げに来る、彼は一体どれだけ娘を大切にして来ていたのかを、自分に知らせに来るような、酷く昔のように感じつつ、彼への負い目に満たされているような時間の中で起きていた出来事を、自分に伝えに来る言葉に心臓を苛まれているように感じつつ、思わず強く歯を噛んでは、娘だけではなく、彼に今までして来た彼を不幸せな渦に巻き込んできたような自分の存在を、ぶん殴って見たくなりつつ、強く鼻を啜ってしまう美空は縋っていくようにと、強く両手で彼の濡れていたような頭をを抱えていく。


  「夜中で泣いて…」ぼんやりと霞んでいた視野の中で、床に置かれていた自分が描いて来た作品を見下ろしては、作品が自分を裏切ったように感じては、悲しみと言う敵と共に自分を苦しんで来ているように感じている彼は、思わず床にある絨毯に付けていた両手に軽く力を込めては、ぽつりと唇を開けにいく、「おつむを変えてやったりとか…俺は…」自分が呟いて行くシンプルな言葉に刺激されては、何度も脳内に浮かべに来る娘との今までの時間に、体の芯をへし折られてしまいそうな気がしてならないでいる義威瀬は、苦しそうにと何度も首を横に振っていき、「俺は…」


  小さな弱っていく唸り声を零しつつ、落ち込んでも尚、自分を慰めてくれているようにと、後頭部を擦ってくれている美空の存在に、悲憤に奪われるような割れていく心の最後の欠片を、引き留められているような気分になっている彼は内心を満たしては、体の外に零していく自分への不満に、満たされているような一言を戦慄していく声に乗せていた、「娘を守れなかったくそ親父だ…」


  


 

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