第381話俺は…お前があの変な皮膚をしていた奴に金で買収されてしまいそうな時から…

  刹那、まるで自分が彼女に向けていた一言に違和感を感じているようにと軽く眉毛を顰めては、漠然と自分に目を向けに来る美空の顔に苦笑いして見たくなりつつ、軽く上げていた左手を引いては自分の胸元に当てて行く彼、「俺は上手くお前の事を守れなかったんだなって…」自分が彼女に向けていく自責しているような話を信じられないでいるように、自分の顔を見つめに来ては絶句されているようにとあんぐり口を開けに来る彼女の、自分には彼女が少しばかり離れているような気分を与えに来ている外見に、心を苛まれているようにと思えてしまう義威瀬は、残念そうにと声を発していく、「自分をぶん殴ってみたくなるよ。」


  ”ドクンー”忽然、否応なしに自分の心臓を跳ね上げらせに来ているような彼が投げに来ていた一言に見開かされては、微かに開けていた唇が有無にかかわらず最大限なまでにこじ開けられているような気がしてならないでいる美空、「うっ…!?」宛ら鳩尾をぶん殴られているような美空が自分に示しに来る弱っているような態度に微笑んで行きながら、自分の軽く握っていた左手で胸元を強く押していく義威瀬は、軽く赤くなっていた鼻翼に力を込めては、ひんやりとした空気を吸い込んでいきつつ、潤んでいく青色の瞳で美空の自分を拒んでいるようにと、小刻み首を横に振っている姿を映し出していた、「本当のことを言ってくれる?」軽く首を傾げては、彼女がどんな酷い体験をしていたのは、彼女が自分に知らせたくないと言うのなら、自分も彼女を問い詰めたりはしないと内心で思って行きつつ、彼女は今にも酷く悩ましい状況に置かれているのではないかと思うと、つい自分は何とか今の彼女を助けてやりたいと思っていく義威瀬、「遭っていたのかな…?」


  義威瀬のまるで自分の内心を弱らせに来ているような言葉を自分に投げに来る様に、口角が斜め下の方向に固定されているような気がしては、悔やんでいるようにと何度も鼻翼に力を込めてしまう美空、「遭って…うっ…」義威瀬の丁寧に自分の顔を見つめてくれていて、宛ら自分の事を全力で受け入れていこうとしているような態度を、自分に示しに来る様に心を殴られているような気がしては、彼に本当のことを教えたところで、ただ自分の生い立ちで困ってしまう人が一人増えるだけの話なんだと内心で強く思っては、自分の顔を凝視したままで、まるで勇気づけにくれているようにと自分に向けて何度も頷いて来る義威瀬の姿勢から、目を無理矢理逸らされているような気がしてしまう美空は思わずぷいと首を横に向けていた、「知らねえよ…」


  「あ…」自分の唇から零れていた酷く落ち込んでは、鼻声になっていた返事にあんぐり口を開けられては、ゆっくりと背筋を伸ばしているような義威瀬のことを見ていく美空、自分の事で本気で悔やんでくれいて、叱られていた子供の頃の自分のように弱り切っては、泣き出して仕舞いそうなくらいに落ち込んでくれている義威瀬の様を目にすると、つい自分をここまで重要視してくれる人間なんて、彼を見逃してしまうと金輪際現れたりはしないのであろうと思っていく美空は、思わず辛そうにと強くピンク色の唇を噤んでしまい、「馬鹿野郎…ビッチを泣かすなよ…」


  美空が自分に向けに来る答案を直接教えに来ているような一言と、彼女の弱っては、上手く自分の顔を見れないでいるような姿勢に顎を引かれているような気がしては、有無を言わさずに俯かされているような気分を味わっている義威瀬は軽く歯を噛んでは、彼女への配慮が足りなかったと、彼女と共に未来の苦難に立ち向かおうと思っていたのに、彼女がまだ準備をちゃんとできているのかどうかを知れないでいる事を思うと、つい早とちりになっていた自分を嫌って仕舞いそうな気がしてならないでいる義威瀬は軽く歯を噛んでは、彼女が生い立ちのせいで焦っては、取り手を探すのに急いでいるのではなかと、さっきの自分は決して思ってはいなかったけれども、酷く彼女に当たっていた自分の内心のどこかでは、そのような彼女を差別しているような思いを嫌ってしまう世間体に植え付けられていたのではないかと、悔やんでしまう彼、「ごめんね…俺が間違ってたよ。」


  急に自分に謝り始めている義威瀬が紡いだ一言に目を細められているように感じては、まったりと顔を彼の方向に向けて行きつつ、どう考えても人がこんなにも汚されていたような、まったくと言っていい程に、付き合っていくにはメリットのないどころか、デメリットがいっぱい付き纏ってしまうような人間とは付き合いたくない無いに決まっているのにと、内心で強く考えていく美空は、何度も鼻翼に力を込めて行きつつ、ゆっくりと顔を義威瀬に向けに言う、「ほら…やっぱり嘘を吐くんだ…」


  無理矢理口角を上げては、自分を完全に受け入れるより、彼に嫌って貰った方が、自分の心にとってまだ少しばかりの救済措置になってくれるんだと、本気で自分を受け入れようとしていた彼を目の当たりにしていたせいで、酷く喜んで行くべきのはずの事なのに、却って彼にいっぱい悩ませては、自分の知らない間に彼を悲しませるような思いを強いてしまうのではないかと思っていた美空は、無理矢理霞んでいた視野の中で彼の事を見つめていく、「そんなことを気にしない男なんて…」

 

  まったりと伸ばしていく自分の両手に包まられているような美空の白皙の右手と、まるで自分が彼女にしていた仕草に驚かされているように、ビクッと体を跳ねらせていた自分の両手にある彼女の弱っては、汗ばんでいる右手の存在を感じていく義威瀬は、苦しそうにと強く歯を噛んでは、何度も鼻翼に力を込めて行きつつ、ゆっくりと額を上げては、漠然と自分に右手を握られていたことに驚かされているような美空の潤んでいた琥珀色の眼を見つめて行きつつ、彼女の眼の中で弱っているような自分の姿は酷く情けなく感じてしまう義威瀬は、無理矢理自分にきょとんとしている顔を見せに来ている彼女に淡い笑みを見せては、ぽつりと声を発していた、「上手く…守れなかったんだね。」


  宛ら自分が彼女に向けている言葉を全くもって理解できないと、自分に教えに来ているような美空の軽く開けていた唇の震えていく様に、自分に触れられるだけで酷く驚かされてしまうくらいに、彼女は今まで散々な思いを抱えて来ていたのだと、心の中で思っては、軽く硬直しているような口角を上げに行く彼は、琥珀色の瞳に向けて言葉を紡いでいく、「俺は。」


  ”ドクンー”忽然、まるで自分の内心を抉り込んでくるようにと自分の事を見つめたままで、話しかけに来ていた義威瀬の話に、口角が一瞬斜め下の方向に向けて強く引かれているような気がしてならないでいる美空は思わず強く歯を噛んでは、猛然と自分の胸元の奥から込み上げに来る、もう自分が今まで体験していた苦しみに耐えていくのは無理で、彼に抱きついては、全ての事を彼に知らせては、自分の事を受け入れてくれる彼に自分を抱きしめて貰っていて、自分が今まで遭って来た全ての苦しみを彼に教えては、慰めて貰いながら、もうこれからの苦しみを味わっていかないで済みたいと、切に願ってしまう美空は強く鼻翼に力を込めては、自分が苦しめられないでこれからの日々を過ごして行くのは無理な話であり、どう考えても義威瀬には多々羅に敵える程の力を持ち合わせていないんだし、そもそも自分には彼に助けられても、平気な顔で彼の傍にいれるぐらい、図々しい女ではないんだと、自分のガバガバになっていた両足の間の事を思い出して行きつつ、自分には純粋な彼に触れられる資格を持っていないんだと心の中で強く思っては、強く左手を上げては、自分の鼻先から零れて仕舞いそうな鼻水を押さえていくようにと、鼻先に左手をつけていた美空は、懇願しているようにと自分の右手を掴んでは放そうとしないでいる彼の両手から、どうにか彼に弱らされては、力を込めることが出来ずにいる右手を引き出そうとする、「うぐっ…」


  美空が自分に向けに来る拒んでいるはずなのに、自分の勘違いかもしれないと思ってしまうくらいに、彼女のやけに力を込めようとしている自分の両手にある戦慄している右手の存在を感じて行きながら、何度も鼻翼に力を込めては、彼女は自分に上手く彼女に納得して行けるくらいの理由を彼女に上げては、安心して自分の傍に居れるような誓いをして欲しいようにと思えている義威瀬、「必ず守って見せるよ、」クラスの中にある小うるさく音に掻き消されて仕舞いそうな気がしている声に、もどかしい思いを強いられているように感じつつ、思わず焦燥感に急かされているような顔を美空の強く左手で押さえては、自分に彼女の涙を零していく様を見せたくないでいる顔に近づいて行きつつ、彼女に向けては言い放った、「何もかも構わずに、君を守る騎士になるんだと。」


  刹那、まるで自分がずっと前から彼女に言おうとしている一言に、体にある力量を奪われているような美空の顔を睨むようにと見つめては、強くひんやりと感じて来る空気を吸い込んでいく義威瀬は、琥珀色の瞳の中にある自分に言う、「とっくの昔で、決めてたんだもの。」ぼんやりと自分の言う事を聞いてくれては、教科書の内容を読み上げているクラスメートたちの声から、自分の目線を引いてくるようなクラスの角で内緒話をしているような義威瀬と美空の様に戸惑いつつ、思わずぱちくりしていく教師は小首を傾げて行きながら、義威瀬と美空の間には一体どんなことが起きてしまったのかは、下校時間になると義威瀬に尋ねて見たいと思ってしまうと同時に、酷く甘酸っぱい匂いを醸し出している二人の本気でお互いの事を思い合っているような姿に、内心をくすぐられているように感じつつ、思わず地団駄を踏んでみたくなっている教師は軽く両手にある教科書を持ち上げて行きながら、自分のニヤリと上げてしまう口角を隠して行きつつ、義威瀬が素直に自分に話をしてくれるようにと、クラスメートたちの朗読の声を利用しては、二人の話をしている声をカバーして貰っていこうと思って来た教師はドラマを間近で見ているような気分になり、美空の紅潮していた横顔を見つけていく。


  「ううぐっ…」宛ら自分たちの耳を苦しめに来ているようなクラスメートたちの声を掻き消しては、自分の顔を見つめる義威瀬が紡いだ一言に見開かされ、唇が無理矢理開けられては、上手く自分に空気を吸わせてくれないでいるような気分に、されているように思えている美空は強く歯を噛んでは、自分の手を放そうとしないでいる彼の事を見つけていき、「お、お前…!」


  美空の自分に酷く感動されいている様は頗る微笑ましく感じてしまうと同時に、自分たちの耳の周りで回っているようなクラスメートたちの声と、彼女がしていたどう見ても登校する学生がしているようには見えないでいる格好とは、異様なまでにバランスを取れているような気がしつつ、一刻も早く彼女に自分の思いを伝えようと思っては、我武者羅に授業中に彼女に話しかけていたことに苦笑いして見たくなりつつ、チラッと横目でまるで自分たちの話を楽しみにしているような銀色の髪の毛をしていた教師のニヤリと口角を上げていた様に、目を半開きさせて見たくなりつつ、自分が机の上に残していた紙に一瞥しては、異様な雰囲気と美空の格好と変なまでに自分たちに話をさせてくれている教師の事を思うと、つい今自分らが体験していることを漫画に残していけたら面白いのではないかと思って行きながら、軽く歯を噛んでは、どうして自分はもう少し学生たちが去ってから静かな環境になってから美空に告白していなかったのだろうかと、せっかちにも思える自分に文句をぶつけて見たくなっている彼は、まったりと右手で教科書に押さえつけられているような紙を持ち出しては、急に自分の隣りに戻って来ていた美空の事を思って行きつつ、、酷く中途半端な空間の中で肝心な返事を貰えないでいる自分が、これで彼女にまだ完全に完成していないような絵を送ると、漫画としてこのシチュエーションを描いていく時は酷く面白いことになれるのではないかと思っている義威瀬、「これ、俺がずっとお前の事を思って、」


  どうやって自分に接していけたらいいのかが分からなくなっているようにと眉毛を顰めたままで自分が手にしていた紙を見つめに来る美空の潤んでいく琥珀色の瞳に微笑んでいきつつ、丁寧に自分の両手にある自分が描いて来た絵を彼女に向けに行く義威瀬は言う、「描いて来た絵なんだ。」軽く声を抑えている自分が騒々しい環境の中でも、上手く彼女に言葉を伝えていけたと、自分に教えに来ているような美空のビクッと眉毛を跳ねらせていたような顔に、目を細められているように感じては、軽く潤んでは、血走っていた青色の瞳を自分が描いていた絵にある彼女に向けていく義威瀬、「少しぐらいは、昔のより上手くなっていると思うけど、」軽く口角を上げては、まるで自分が彼女の為に残そうとしていた絵を受け取るべきなのかどうかで迷っているようにと弱っては、繊細な両手を震わせて行きつつも、自分の手から絵を受け取ろうとしないでいる彼女に笑っていく彼は軽く首を傾げては、冗談交じりに言葉を紡いでいく、「もう破いたりしないでよ?」


  宛ら自分の目に浮かべに来ているような酷く驚かせている自分の顔に、口角を無理矢理上げられているような気がしては、ぼんやりと目を細めて行きながら、自分の酷く感動させているのに、彼を拒んでいく絵を上手く見させてくれないでいるような視野の中にある鼻梁の上にかけていた絆創膏と、左側のこめかみに貼っていてガーゼに心臓を苛まれているような気がしては、ぼんやりと右手にある原稿を握っては、俯いていく美空、「ふん…」


  軽く鼻から酷く疼くような息を吐き出して行きつつ、酷く疼いているようにも感じてしまう視野の中で、まるで線の切れていた操り人形のように、漠然とすらりとした両足を伸ばしては、瞬きも出来なくなっているような義威瀬の生き血に汚されていたような頬にある彼の絶望に光を奪われては、鼻梁にあるメガネを少し傾かせていたような彼の傷だらけになっていたはずの背中を、壁に付けたままで彼の臀部を受け取っているような絨毯の上に座っている様を、ぼんやりと痛く感じてしまう琥珀色の瞳で映し出していく美空。


  軽く喉に引っ掛かりに来ているような唾液を飲み込んでは、頭が殴打されていたせいで世界が未だに少しばかり歪んでいるようにも感じていると同時に、自分の気を失っていた時に義威瀬が遭っていた出来事を思うと、つい自分が気を失っていたのは、僥倖にも思ってしまっては、自分が抱えてしまう自分が良ければいいなんて狡い考えを、家族である二人に向けていたことに苛立ちを覚えては、つい脳内に浮かべに来る義亜孔の酷く嬲られては、上手く瞼を開けていく事すらままならないままで、自分たちと永久の別れを告げていたことに、内心を苛まれているように感じつつ、彼女の黒くなっていたような顔を思い出していくと、つい喉元が苦しみと悲しみに強打されては、鷲掴みにされているような気分になってしまう美空は、苦しそうにと強く歯を噛んでいくた、「うぐっ…!」


  忽然、まるで自分の心を呼びつけに来ているような、美空が零していた悶絶して仕舞いそうなくらいに苦しんでいるような唸り声に、俯かされていたようにも思えた眉毛が否応なしに跳ねらされているような気がしてならないでいる義威瀬は、ぼんやりと上手く力を込めずにいる額を上げて行きつつ、酷く涸れているような気がしては、痛みと渇いた感覚に両断されているようにも思えるくらいの喉の疼きに、苛まれているように感じては、思わず目を細めてしまう義威瀬は酷く渇いたようにと思える視野の中で、自分が描いていた最早どうでも良く思い始めている漫画の原稿を、疼いているようなくらいに戦慄している右手で握っては、左手で口元を押さえているような美空の様を見つけていく彼は、ぽつりと渇いた唇を開けていき、「みそら…ちゃん…」


  まったりと自分の心に入って来る義威瀬の弱り切っていた子供のような声色に、目を細められているように感じては、ぼんやりと彼が自分を呼んでくる弱り切っては、彼の酷く荒くなっていた息遣いに掻き消されてしまいそうな嗄れた声を耳にしていきつつ、恐る恐ると震えては、上手く自分の体を支えてくれないでいるような両足で、彼のもとに向けて踏み出していく美空、「うん…」


  満身創痍になっているはずの自分の体の疼きを漠然と感じていくと、つい大人である自分ですら苦しんでは、涙を堪えることが出来なくなってしまうぐらいの傷を負っていた自分の娘が、自分が阿保みたいに眠り込んでは、何も知らないでいた時の間では、一体どれ程の痛みを負って仕舞ったのやらと、想像していくと、またしても痙攣しては自分の顔の形を変えようとしているようなくらいに、斜め下の方向に向けていく口角に、心を苛まれているように感じては、上手く歩くことが出来ずにいるような美空の、自分のもとに向けて歩いて来る姿勢を霞んでいた視野の中で見届けていこうとする義威瀬は、両手を太股の上に置いては、虚しい思いが宿っては、絶望に満たされているような青色の瞳で彼女の必死に涙を堪えようとしている姿勢を見つめては、つい彼女の鼻梁に貼っていた自分が呆然と壁際に座っている前には、一体どんなことに遭っていたのかを知らせに来るような絆創膏に、内心にある体中を満たそうとしているような絶望がまたしても少し自分の体から零れているようにと感じている彼は、自分の無力さのせいで傷を負っていた彼女を慰めていくべきなんだと、内心で強く思っているのに、自分は上手く彼女と大事な娘を守っていけないとならないのにと内心で強く思っていけば行く程に、己の存在が惨めのように感じては、滑稽のような気がしてならないでいる彼は、呆然と彼女の瞳にある無表情のような自分の顔を見ていく、「大丈夫だった…?」


  「うん…」宛ら人形となっていたような義威瀬の背中を壁に付けたままで、自分の顔をぼんやりと見上げに来ては、自分が大丈夫だと言う返事を貰っては、直ぐに目線を彼の太ももに向けにいく様に苦しめられては、強張っていたような口角が勝手に上げては、彼のことを何とか慰めて行きたいと、義亜孔の自分の想像凌駕するほどに、まったくリアリティーのないような死に様に、心を嬲られては、頭が馬鹿にされているような気がしつつ、自分たちが生きているのは地獄なのではないかと、本気で思い始めている美空はゆっくりと汗ばんでいる右手に握られては、少しばかり皺寄せていたような原稿を、義威瀬の隣りに置かれていた小さな山に向けて置いて行きつつ、潤んでは、血走っている琥珀色の瞳で彼の俯いていた様を映し出して言う、「何を言ってるのよ…」宛ら自分が急に彼に投げていた一言に戸惑っているようにと、漠然と潤んでいく青色の瞳を自分の方向に向けに来る彼に出来る限り微笑みながら話しかけて行きたいと、願っていく美空は恐る恐ると赤くなり、疼く鼻梁から与えに来る麻痺されているような感覚の匂いを啜っては、彼に微笑んでいき、「あんたが上手く守ってくれてたのだろう?」


  ”ドクンー”突然、美空が自分を慰めるつもりで語って来ていた言葉に、心臓を貫かされているように思えては、自分は全くもって自分にとっては何としても守りたいと願って来ては、唯一とも言えるくらいに大人である自分と美空がどうにかなったとしても、まだ幼い娘にだけでも生きて欲しいと願ってきたのにと悔やんでは、自分は二人を守れなかったんだと、美空が自分に投げにきた言葉で、再び漆黒の海の如く深い暗闇に包まられいたような心境が、嵐を起こされているような気分を味わっている義威瀬、「うっ…」


  有無を言わさずに自分の胸元の奥から込み上げに来ては、喉元を殴り込んでくるような息に弱っては、自分の意思で力を込めていけなくなっていたような肩が、無理矢理跳ねらされているような気がしている義威瀬は、苦しそうにと強く歯を噛んでいく、「俺は…俺は…」まるで自分に上手く言葉を紡がせてくれないでいるようにと、喉に募ってくる苦しい息に口角が斜め下の方向に固定されているような気がしては、恐る恐ると衰弱している目線をぼんやりと自分の顔を見つめてくれていて、応援してくれているようにと微笑みながら頷いて来る美空の顔を見つめていく義威瀬は、辛そうにと強く白い歯を噛んでしまい、「全然…守れなかったぁ…」


  ”ドクンー”「あ…」まったりと自分の耳に入ってくる義威瀬がぽつりと、微かな飛沫を飛ばしては自分に向けに来る悔やむ思いに満ちているような声色に、唇を無理矢理開けられているような気がしてならないでいる美空、義威瀬の段々赤くなり、自分の顔を映し出してくれていた青色の瞳が、涙の粒に囲まられていく姿勢に心が彼の苦しい思いと悲しみにつられては、口角が斜め下の方向に向けられているような気分を味わっている美空は、思わず強く歯を噛んでは、何度も鼻翼に力を込めては、自分たちのもとにある絨毯を見下ろしていくと、ついこのままだとまたいつ誰かに襲われてしまったりするのかは、定かではないんだと心の中で強く思っては、世界の悪意は自分たちが構っている時だろうと全く無防備に居る時であろうが、お構いなしに襲って来ては、自分たちの生活を狂わせに来るんだと、内心で強く思っていく彼女は猛然と両手を、彼の自分が固定しに行かないと消え去って仕舞いそうな肩に向かっていた、「そんなことはないわよ…」


  自分の耳に触れに来たがっているような義威瀬の赤くなっていた右耳の耳殻に、目を細められているように思えては、無理矢理口角を上げては、もう二度と甘ったれたような思いで生きていけないんだと、自分の望まないで生まれて来た、ようやく少しずつ好いて来ている娘が自分の命と引き換えにくれていた教訓を、決して無駄にしてはならないと、心の中で強く思っては、何度も鼻翼に力を込めていく美空は強く眉毛に力を込めては、全力で自分と娘を守ってくれようとしていて、そして自分を上手く守れた義威瀬が、弱っている時である今は、自分が何とか彼に元気づけては、彼にまた奮い立てて貰うんだと、もう自分の事を守れなくとも、せめて彼自身を上手く守っては、世界が終わってしまうその一瞬まで、ちゃんと五体満足で生きて欲しいと切に願っていく彼女。


  何度も鼻翼に力を込めてしまう美空は、上手く娘を守れないでいた自分の存在を微かに恨んでしまうと同時に、悔やんでいる暇は、自分たちにはもう残されていないんだと強く思っている、「ほら、」強くピンク色の唇を噤んでは、何度も鼻翼に力を込めていく美空はゆっくりと顔を義威瀬の弱っては、項垂れているような右肩から引いて行きつつ、目線を床に向けている彼の、自分の顔を見たくないと語りに来る姿勢に微かな悲憤を覚えては、ゆっくりと彼の背中に回っていた両腕を引いて行きつつ、彼の温めく感じつつ、辛い思いが詰まって来た涙の粒に汚されていたような頬に触れていき、「私はちゃんとこうしてあなたを抱きしめて行けているのでしょ?」


  自分が彼に投げていた言葉に返事を向けに来るようにと、軽く歯を噛んでいく義威瀬の態度に苦笑いして見たくなりつつ、まったりと両手の親指を伸ばしては、彼のピンク色になっていく目の下にこびりついていたような、透明なレールを拭いて行く美空は言う、「泣かないで?」美空の全力で娘も守れないでいる情けない自分を慰めようとしてくれている態度に、口角が斜め下の方向に固定されているように感じつつ、何度も鼻翼に力を込めては、辛そうにと何度も首を横に振っていく義威瀬、「違う…違うんだ…」


  「えっ…?」宛ら自棄になっている自分が彼女に返していた言葉を、理解できないでいるようにと間の抜けた声を発してくる美空の弱っては、戦慄しているような声に縋っていくようにと額を上げて行きつつ、呆然と唇を微かに開けていた彼女の眼を見つめに行く義威瀬は、苦しそうにと強く歯を噛んでは、そもそも無力な自分が美空に縋って来たせいで、彼女に余計な苦難をいっぱい稼いで来ているように思いつつ、辛そうにと赤くなっていた鼻翼に力を込めては、鼻を啜っていく義威瀬は恐る恐ると震えては、上手く上げる事が出来ずにいる両手に力を込めていき、「俺は…お前があの変な皮膚をしていた奴に金で買収されてしまいそうな時から…」


  忽然、急に大昔の出来事を語り始めている自分の様に、驚かされているようにビクッと眉毛を跳ねらせていく美空の潤んでいた琥珀色の眼を見つめて行きながら、白い歯を噛んでは、悔やんでいる思いに苛まれているせいで、口角から零れて仕舞いそうな唾液を気にして行く余裕を奪われているような気分になっている義威瀬は、自分の思うが儘に上げることも出来ずにいる両手に絶望を強いられているように思えては、ぼんやりと傷心に殴られているような視線を自分の弱っては、底なし沼のようなくらいの無力感をまったりと体中に向けていて、自分の体に重りをかけに来る沈んでいく絶望感に、抗うのを観念したようにと両手を床に落として言う、「まったくお前を守っていけなかった…」


  

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