第380話うん…嘘だね。

  自分が無理をしていることに気が付いてくれているようにと、目を半開きさせに来る義威瀬の全くもって自分が彼に投げていた話に怯んでいないような態度に、歯がゆい思いを強いられているように感じては、普通に考えると、例え幼馴染じゃなくともクラスの女子に急にそんな話をされても、ただの冗談にしか聞こえないのであろうと思っては、悔しそうにと強く歯を噛んでいく美空は、ゆっくりと彼に近づかせにいた顔を引いて行きながら、腕を組んでは、初っ端から彼に彼と会えなかった時間の中で自分がどんな奴にされてしまったのかを、上手く知らせにいかないと彼はこれから自分と付き合っていく時の中で酷く期待しているような思いをしては、本当の自分の事を知れるときっとがっかりしてしまうのであろうと、内心で悔やんでいる美空は一瞬彼の自分の顔を映し出してくれている青色の瞳から逃げていくようにと机に目を向けては、自分の心臓を鼓舞して行くようにと、ごくりと固唾を飲み込んでは、猛然と揺るぎない眼差しを彼に投げていく、「いっぱい金を貢いでくれるのならばな?」


  美空のまるで自分に彼女が今まで遭って来ていた出来事を素直に説明してくれているように、紡いだ一言に目を細めて行きつつ、胸元の奥を過っていく惨めにも思えるくらいに、彼女が受けていた苦痛から目を逸らして行くような、自分の視野の中にある彼女のすらりとしたり両足に目線を固定しては、悔やんでいるようにと強く歯を食いしばって行きながら、何度も鼻翼に力を込めては、どうして美空にばっかりそんな酷い思いをさせていくのかを、神様に文句をぶつけて見たくなっていると同時に、自分が少しでも彼女の代わりになれば、彼女に少しでも平坦な毎日を過ごさせに行けたらと、心の底から願っては、まったりと霞んでいく視界を上げては自分の返答を待っている彼女の酷く緊張している態度に、微笑んで見たくなりつつ、自分はやはり彼女がどんな思いをされても、彼女がちゃんと自分のことを愛してくれていて、自ら危険のような出来事に首を突っ込んだりしない限り、彼女から離れる事が出来ないと思いつつ、例え彼女に突き離されたとしても、自分はきっと時々彼女の事を夢の中で思い出しては、もう彼女に会えないことに心臓を嬲られては、枕を濡らして行くにつれ、目覚めてしまうのであろうと、自分が学校で彼女に会えかった今までの日々を思い返していく義威瀬は、まったりと緊張に強張っていたようなピンク色の口角を上げにいき、「良し分かった、」


  宛ら自分が彼女に向けていく少しばかり決意していたような返答に、何かしらのことに気が付いては、きっと自分の思いに勘違いしているのであろうと、切なげに鼻を啜っては俯いていく美空の態度に、淡い笑みを見せて行きつつまったりと右手の人差し指を立てていく義威瀬は、ぽつりと渇いた唇を開けていく、「結婚して人生これから稼いでいくお金を全部渡そう。」”ドクンー”刹那、自分が彼に投げていた一言の中に秘められていた、自分が自分の体に対する思いを上手く知れないでいるような彼が、酷くロマンのあるようにも思えるくらいのフォローをしてくれていたことに見開かされては、唇が否応なしにこじ開けられているような気がしてならないでいる美空、「えっ…?」


  「うぉおお…」こっそりと自分の後ろに座っていた二人の会話に集中しては、盗み聞きしていた赤い髪の毛をしていた女の子は、思わず地団駄踏んでみたくなりつつ、義威瀬が美空に向けている愛に満たされているような言葉に、胸元の奥から温かい漣が全身に向けて広がっているような気がしてならないでいる彼女は、思わずごくりと固唾を飲み込んでは、必死に白い歯を噛んで行きながら、どうにかなんの前触れもなく自分に物語のクライマックスにも思えるようなワンシーンを聞かせに来る二人に、内心で感謝して行きながらどうにか二人の話をまとめては、小説にする事はできないのだろうかと全力で思って行きながら、自分の手にあるメモ帳を小刻みに戦慄している両手で握っていく赤い髪の毛をしていた彼女。


  「お、お前…」義威瀬が自分に見せに来る本気で自分を受け入れようとしているような態度に、あんぐり口を開けられているような気がしつつ、彼は一体どんな事を考えているのかがさっぱり分からないでいる美空は、まるで自分に気絶して欲しがっているようなくらいに、酷く鋭く感じて来る青色の瞳を自分に向けては、自分の熱気を放っては酷く燃えているような感覚に苛まれているような顔を貫こうとする彼に、眉間に皺寄せられているような気がしつつ、恐る恐ると右手を上げては自分の震えているようにと感じて来る胸元に当てていく彼女は、彼に尋ねていた、「正気かよ…?」


  自分の弱り切っているような声で紡いだ質問を聞くと、迷わずに自分に頷いてくる義威瀬の様に、喉元を鷲掴みにされているように思いつつ、何度も鼻翼に力を込めては、彼に温められているようにと感じてしまう空気を吸い込んでいく美空は、悔やんでいるようにと軽く歯を噛んでは、一体どうやって彼に自分の事を説明していけたらいいのかは、さっぱり分からなくなっている彼女は思わず戦慄しているような右手を握っていき、「こっちは金で体を売るつもりでいんだぞ?」


  彼女の事を受け入れようと語っていた自分もまだ泣き出して仕舞いそうなくらいに、悩んでいないと言うのに、自分の顔を潤んでは、今にも涙を零して仕舞いそうなくらいに困っては、悲憤に揺さぶられているような琥珀色の瞳を向けに来る彼女に、淡い笑みを見せて行きたくなりつつ、弱り切っている彼女の事を目にするとつい彼女を抱えては、もう大丈夫なんだよと、彼女に言い聞かせて見たくなっている義威瀬は軽く首を傾げては、彼女に尋ねていく、「でも、俺にでしょ?」


  「うっ…!」軽く左手の人差し指を立てに来ている義威瀬が自分に向けに来る屈託のない笑みに、口角を斜め下の方向に向けられているように感じつつ、思わず強く歯を噛んでいた美空は苦しそうにと歯ぎしりして行きながら、自分の全てを受け入れるんだと自分に語りに来るような義威瀬の笑みに、体中を嬲られているような気がしてならないでいる彼女は猛然と顎を引いては、チラッと横目で教科書を読み上げているクラスメートたちの酷く小うるさくにも感じつつ、自分が彼に本当の思いを知らせに行くのをカバーしてくれているようにも思えては、ごくりと固唾を飲み込んでしまう美空、「じゃ…他に…!」


  忽然、まるで自分の顔を見つめたままだと、彼女が体験していたことを伝えることが出来ないと、自分に教えに来るようにと目を床に向けている様に、上げていた口角が彼女の態度につられているように斜め下の方向に向けられているような気がしてならないでいる義威瀬。「他の奴に…」胸元の奥から込み上げに来る自分の脳内に殴り込んでくるような心臓の鼓動に、涙を零して仕舞いそうなくらいに追い詰められているように思えては、ゆっくりと額を上げていく美空は、血走っては、潤んでいた琥珀色の瞳を彼に向けていく、「そんなことをしたら?」


  ”ドクンー”突然、美空が自分に投げに来る、さっき自分が彼女に向けていたフォローしていたようにも聞こえては、もう少し自分に心の準備をする時間をくれて欲しいと彼女にも自分にも思っていた一言を破いてくるような、美空が自分が思っていた彼女をこんな風にして仕舞ったような出来事を、自分に突きつけようとしているような彼女の事は少しばかり意地悪のようにも思えてしまう義威瀬、何度も鼻翼に力を込めては、彼女が自分に向けに来る揺るぎない眼差しに、心を怯んでしまいそうな気がしては、つい彼女に自分はどんなことに遭っても、君が君でいてくれるのなら気にしたりはしないんだと、傷だらけの彼女にはっきりと胸元の奥にある思いを投げることが出来ないでいる自分の弱さに、苛まれているような気がしてならないでいる義威瀬、「うっ…」


  自分が彼に投げていく普通に付き合ってたら、男性側は多分罵倒しに来るぐらいに怒ってしまうような言葉に、絶句されているようにと強く白い歯を噛んでくる義威瀬の態度に、目を細めて行きながら、何度も鼻翼に力を込めては、彼の顔を見定めていこうと思っていく美空は、ぽつりと彼を確実に自分のもとから突き放しているような言葉を紡いでいく、「どうだよ…」恐る恐ると右手を自分の汚れていた胸元に当てて行きつつ、揺るぎない眼差しを彼に向けていく美空はぼんやりと開けていた唇に、心臓を殴られているように感じては、鼻腔の奥が段々心臓から込み上げに来るような激昂になっている思いに、詰まらされているように感じつつ、眉間に皺寄せて行きながら、彼の顔を睨んでいた、「好いてくれるのかよ…」


  美空の自分に全ての事を知らせてくれないで、ただ純粋に自分が彼女に向ける思いを探りに来ているだけでいる姿勢は酷く狡く感じては、何度も歯を噛んでは眉間に皺寄せていく義威瀬は、軽く赤くなっていた鼻翼に力を込めては、ゆっくりと額を上げて行きつつ、彼女の確実に自分の顔を映し出して来る琥珀色の瞳を睨むようにと見つめては、自分は彼女とどんな痛みも共に分かち合っていくつもりは、とっくに彼女と会えないで来た間で出来ていたんだと、内心で強く思っては、自分に全ての事を教えてくれないでいる彼女に攻められる一方であることに、微かな悲憤を感じつつ、歯を食いしばっては、彼女の真似をしていくようにと喉に引っ掛かって来た彼女に、自分はどれだけ彼女のことを愛おしく思えているのかを上手く伝わせてくれないでいる唾液を飲み込んでいく義威瀬は、まったりと噛みしめていたような歯を解していき、「し…てたのかえ。」


  「うっ…」義威瀬の自分に勝負を持ち掛けに来ているような一言に、眉毛が否応なしに跳ねらされているような気がしては、思わず彼の揺るぎない眼差しから目線を逸らしていた自分の視野に入ってくる、自分の見慣れないでいる机に心臓を殴られているように感じつつ、彼に嫌わては、突き放して貰えるような絶好のチャンスを見逃してしまったように思えては、自分はやはり彼に酷く恋をしては、少しぐらいはいいけれども、彼に汚物だと思われるような目線で見られたくはないんだと、願っていく美空は苦しそうにと強く歯を噛んでいた、「セクハラ…」


  無理矢理にも思えるくらいに、自分の喉元から絞り出していた酷く狡く思える話を彼に投げに行こうとする自分の存在を、ますます嫌って仕舞いそうな気がしては、何度も鼻翼に力を込めていく美空は自分の唇から零れていた弱り切っては、微風に掻き消されるような声色に、見開かされている義威瀬の顔を睨むようにと見つめていく、「だぞ…馬鹿野郎…」「あ…」美空が自分に返して来ていた切実な言葉に、口角が斜め下の方向に固定されているように感じては、ごくりと固唾を飲み込んでいく義威瀬は急いでいるようにと目線を机に向けて行きつつ、何度も鼻翼に力を込めては、彼女がもう自分に攻めたりしないでいてくれるのなら、自分はそれで満足して行くべきなんだと、内心で強く思っていく義威瀬は軽く歯を噛んでは、丁寧に頷いていき、「うん…」


  無理矢理強張っていたような口角を上げて行きつつチラッと目線を困っては、机に目を落としていた美空の落ち込んでいる横顔に一瞥しては、彼女に笑っていこうと思っている義威瀬は、彼女が示しに来ていた態度を思うと、つい彼女が遭っていた出来事は、自分が想像していたのとは大して変わったりはしないはずなのであろうと思い、自分にも彼女にもこのような出来事に遭ったことがあるはずもなければ、慣れないといけないことだと知りつつも、一時ではどうにかすることはできないと、内心で思っていきつつ、自分は確実に彼女を好いていて、共に苦難を背負っていく覚悟が出来ている事に嬉しく思いながら、もし上手く拗ねているような美空と共に暮らしていけたら、その時の自分が誇りに思うような気がしては、繊細な美空が自分を拒んだりしないでいて欲しいと願っている彼は、軽く左手を上げて行きながら、軽く自分の後頭部を擦っていきつつ、ぽつりと声を発していく、「えっと…授業を…」


  まったりと右手を机に置かれていた教科書を彼女の方向に向けて押して行こうとする自分の行動に、目線を引かれているような彼女の眼に淡い笑みを見せて行きつつ、脳内で膨らんでいく彼女が知らない男に虐められて来たことを想像して行くと、つい悔やんではどうして自分には自分が蔑んでいた須賀のように、彼女を苦難のもとから助けてやれる程の力を持ち合わせていないのであろうと強く思って行きつつ、教科書のもとにある自分が描いて来た彼女に見て貰いたいと願っていた紙に弱っては、顰めていた眉毛を軽く跳ねらされているような気がしては、急いでいるようにと右肘を机に付けては、自分が押していた教科書に目線を引かれていたような彼女の視野から、自分がこっそりとずっと彼女の事を思って来ては、描いていた作品を隠して行く義威瀬は、急に右腕を上げていた自分の仕草に悩まされているようにと、小首を傾げていく彼女の瞳を見つめて行きながら、無理矢理口角を上げては、彼女に作品を見せるタイミングを見逃していたようにと思ってしまうと同時に、もう少し彼女に驚かせていけるような時で、作品を見せて行きたいと願っていく彼は、自分の行動を上手く理解できずにいるようにと小首を傾げては、きょとんとしている顔を浮かべに来る彼女に向けては、軽く首を横に振っていき、「う、ううん、勉強を教えるね。」


  「あ…」義威瀬のまるで彼に攻めていく一方であり、いざ彼に攻められると急に逃げ出していた狡い自分のことを見逃してくれているような態度に感激を覚えつつも、ごくりと固唾を飲み込んでは、自分に酷く無理をしているような笑みを向けに来る彼の顔に向けて丁寧に頷いていく美空、「ああ。」軽く歯を噛んでは、義威瀬に会えたら自分は彼を突き放すような態度を取り、決して彼の生活の邪魔をしてはならないんだと、彼に会うまでは何万回も思って来ては、内心で自分に言い聞かせて来ていたはずなのにと、彼に怯んでは、突き離されてしまいそうなくらいに、嫌われたくないと思っていた自分が意気地なしで、酷く情けない奴のようにと思い始めている美空は、ぼんやりと自分の代わりに教科書を捲ってくれている彼の繊細な指先に、目線を落として行きつつ、軽く首を縦に振っていた、「それでいい。」


  美空の自分が彼女の代わりに適当に捲っていたページを真面目そうにと見つめては、自分に顔を向けようとしないでいるような横顔に、目を細められているような気がしては、教師がクラスメートたちに教えているページとは全く違っている内容であるはずなのに、天真爛漫な子供のようにとページを見つめている美空の様に、心を弾まされているように思えては、どうして可愛い彼女にこんなにも酷い仕打ちをして行けるのだろうかと、美空に傷つけていた人間の事を憎んでは、傷だらけになっていた彼女がこれ以上誰かに痛めつけられると、一体どうなってしまうのかを、内心で一瞬想像したくらいで、体中が硬直して仕舞いそうなくらいに怖く感じては、自分が彼女が体験していた限りなく最悪にも近い体験を受け入れるかどうか、気分が少しばかり悪くなったりするかどうか云々前に、自分は世界中にいる誰よりも彼女を守りたいと願っては、彼女を亡くしたくないでいる事に、彼女の無邪気な横顔に気づかされているように感じつつ、彼女に向ける答案は意外に簡単なものだっただなと、心の中で思ってしまう義威瀬はまったりと右腕を教科書から引いていく、「ちょっと考えたけどさ。」


  少しばかり気持ちが軽くなっているような義威瀬の平坦な声色で、自分に話しかけに来る態度に向けて、少しぐらい拗ねて行くような振りをしては、自分は彼と共に再び同じ教室で勉学に励んでいけることに関して、まったく楽しんでいないんだぞと、内心では爆発して仕舞いそうなくらいに喜んでいるけれども、彼に自分の思いを知らせてはならないと、矛盾だらけの自分の思いに苦笑いして見たくなっている彼女は、ゆっくりと彼に目を向けにいた、「なんだよ。」


  まったりと自分に自分が彼女に何を言おうとしているのかを、まったく分かっていないような美空の少しばかり拗ねているような顔に微笑んで行きながら、まったりと左手の人差し指を立てていく義威瀬は彼女に微笑んで言う、「美空ちゃんが、」自分が彼女の事をちゃん付けで呼ぶことに関して快く思わないでいるようにと、繊細な眉毛を顰めに来る彼女に目を細められているような気がしている義威瀬は、まったりと目線を自分が彼女に向けて来た嘘偽りのない思いが籠って来た絵に向けていき、「好いてくれるかどうかによるのかな。」


  「えっ?」刹那、急に自分が彼に向けている思いを尋ねに来る義威瀬の一言に、眉毛が否応なしに跳ねらされているような気がしては、恐る恐ると両手を握りつつ彼に尋ねていく彼女、「急になに?」「やっぱり、」自分の思いをまったく理解していないでいる美空が自分に投げに来ていた一言に、口角をくすぐられているように思いつつ、まったりと彼女の傷心を少し乗り越えたかのような眼を見つめていきながら、彼女の太股の上に置いていた彼女の白皙の右手に目を向けにいく彼、「お金がいないと困るしさ、」無理矢理口角を上げては、彼女を受け入れている自分は酷い決断をしたような気がしてしまうと同時に、そもそも幼いと時でお互いを愛していた自分たちはとんでもない奴らなんだと、不安になってしまうくらいに昔のことに、笑って見たくなっている彼は彼女の顔を見つめていた、「したくないことをするのもあるんじゃないかなって、思うよ。」

  

  忽然、何も彼に話をしていないはずなのに、まるで自分の過去を見抜いたような義威瀬が自分に投げに来る、自分を受け入れるようとする話に、歯がゆい思いを強いられているように感じつつ、漠然と潤んでいく琥珀色の瞳で彼の淡い笑みを浮かべている顔を映し出していく美空、「お前…何を…」美空のまるで自分の内心にある自分の考えを代弁してくれているようにと、漠然と唇を開けに来る様に口角をくすぐられているように感じつつ、ぼんやりと目を細めては、ゆっくりと目線を彼女の華奢な両足から彼女の潤んでいた琥珀色の瞳に向けにいくく義威瀬、「だから、」自分の彼女に向けようとする言葉に酷く緊張しているようにと、自分の顔を見つめたままで、ごくりと固唾を飲み込んでは頷いてくる美空の様に淡い笑みを浮かべていく義威瀬は、軽く左手の人差し指を立てて言う、「もし、美空ちゃんが好いているのは、」


  胸元の奥から段々喉元まで込み上げに来る緊張と、彼女に向ける上手く彼女の事を守れなかった思いに殴られているように思えては、自分の顔を睨むようにと見つめたままで、眉毛を顰めていた彼女の酷く緊張している表情に微笑んでいく彼、「僕であるのなら、」軽く鼻翼に力を込めては自分が彼女に言おうとする言葉には、一切の悔やむような心境がないことを知りながらも、彼女の喉元にある尖っては自分の存在を拒んでいるような首輪を目にすると、つい彼女が遭っていた酷い境遇にまだ抜け出せなかったとしたら、自分にはまだ上手く彼女の事を苦難から助け出してやりたいと思えるのだろうかと、彼女が上手く彼女を煩わせていた出来事を片付けていたと、勝手に思っていた自分に問い詰めて見たくなってしまう義威瀬は、まるで自分に離れて欲しがっているようにと琥珀色の瞳で自分の顔を見つめてくれては、小刻み首を横に振っていく彼女の態度を目にすると、つい自分にはどんなことが起きようとも、彼女と共に問題に身を投じて行きたいと願ってしまい、「気にしないよ。」


  義威瀬の自分の身には一体何を起きていたのかを知れているんだと、自分に知らせに来るような一瞬躊躇していたような態度に、口角が斜め下の方向に固定されているような気がしては、彼が自分に投げに来る一切の嘘偽りのない澄み渡る大空を連想させに来るような眼に、心臓を貫かされているような気がしてならないでいる美空、「うそ…だろ。」美空が自分に向けに来る自分の話を信頼してくれないでいる態度に、苦笑いして見たくなりつつ、ぼんやりと目線を彼女の細い両足に向けていく義威瀬、彼女の瞳を見つめたままで、彼女に本当の思い知らせないでいるような自分の視野に微かな不安を覚えては、自分のずっと大好きな人が自分の知らぬ間に、人生を翻弄されていたような酷い目に遭っていたというのに、自分は何も知らないままでのこのこと日々を過ごしていたことを思い返してしまう義威瀬は、悔しそうにと何度も鼻翼に力を込めていた、「うん…嘘だね。」


  自分の唇からぽつりと漏らしていたような一言に、返事を向けに来る義威瀬が呟いていたきっと彼の本音であろう一言に、困らされているような気がしては、思わず目を細めていく美空は悔やんでいるようにと軽く歯を噛んでは、さっき自分にやけに期待してしまうような話を投げてくれていたくせして、また一言で自分の隆起していた心を叩き落して来るような義威瀬の姿勢に、苦笑いして見たくなりつつ、自分に嘘を貫けないでいる彼に感謝して行きつつ、本当に受け入れてくれると語って来てしまったら、多々羅に操られているような自分には一体どうやってこれからの彼を間近で、やっていくべきなのかと、未来に対する悩みをしないで済むような気がしつつ、最早彼に愛して貰えるような体ではなくなっている自分が、本当に彼に突き離されるような間接的な一言を耳にすると、やはり本当にショックを受けているのを隠し切れないんだと、自分に知らせにくれているような俯いていた口角に、心に曇りを纏らされているような気分を味わっていく美空は、チラッとまるで自分の彼が呟いていた本音に対する感想を聞きたがっているような潤んでは、少しばかり血走っているようにも見えてしまう青色の瞳に一瞥していき、「ほら…やっぱり…」


  まるで自分の本当の思いを知れていたことで落ち込んでいるような、美空が自分に向けに来る弱っては、沈んでいるような横顔に目を細められているように感じつつ、ぼんやりと彼女につられているような弱っている目線を、自分が彼女の方向に向けて押していた教科書のもとにある、自分がもう一度彼女に見て貰いたいと言う願望を込めていた絵に一瞥していく義威瀬は、辛そうにと軽く鼻を啜って言う、「悲しいもんね…」


  義威瀬が自分に向けに来る当たり前のような一言に苦笑いして見たくなりつつ、弱っては、まったりと背中を椅子の背に付けていく美空は軽く赤くなっていた鼻を啜っては、これで自分には義威瀬と上手くやって行けるような思いを完全に諦めてもいいんだと、内心で思っては、学校に通えるようになってから何度も内心で思って来ていたことが、早すぎるようにも思えるくらいに現実となってくれていることに、絶望を強いられているように感じては、漠然と悲しみに打ちひしがれているような弱っている目線を、自分の元気を無くしては、衰弱している自分の思いに打ちひしがれているような、上手く力を込める事が出来ずにいる両足を見下ろしていく美空、軽く歯を噛んでは、自分はいつかは自分のことを完全に自由にしてくれないでいる多々羅からお金をいっぱい稼いでは、義威瀬に自分が稼いだお金を渡しては、この世から消え去っていこうと思っていく彼女、自分の人生の最期が目に浮かべているような気分になりつつ、思わず心の底から込み上げに来る可笑しい気持ちに、口角を無理矢理上げられているような気がしては、どうして自分は悪い事をしようとは、思わないで来たのに、ただ精一杯自分の大好きな彼と共に人生を歩んでいきたいと、思って来ただけなのに、自分の理想を遠ざけに来るような現実は、自分を恨んでいるのだろうかと、心の底で漠然とした思いを抱えて行きつつ、自分がクラスの中で人生に悔やんでも、しょうがないと思っている彼女は人生に観念したようにと軽く白皙の顎を上げては、ぼんやりと天井を見上げていく、「だろうな。」


  美空の自分に向けたくないでいるような横顔と落ち込んでは、風に掻き消されて仕舞いそうなくらいに弱っているような声色に、目を細められているような気がしつつ、ぼんやりと目を細めては、軽く口角を上げにいく義威瀬は軽く唇を噤んでは、目線を自分の彼女に触れて行こうとしているけれども、彼女に拒まれるのを怖がっているような左手に一瞥しては、遠い昔の彼女も、自分に触れようとしていたけれど、上手く自分に触れに来ることが出来なかった事を思い出していくと、つい少し昔に戻れたような気がしつつ、彼女の潤んでは血走っていたような瞳を見ていく義威瀬、「君を…そんなことをさせてしまうくらいに…」


  


  


  


  

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