第358話君の為ならそんなことを気にしないよ。

  「うちは滅茶苦茶貧乏でさ…」悲しに耽っては、他人に話をしたって何も解決してくれないでいるような質問を、須賀と言う名の宝箱に向けて投げてみたら、自分はきっと何かしらの返事を貰えるのに違いないんだとぼんやりと思って行きつつ、軽く両手を自分の弱っていたような、上手く力を込める事が出来ずにいる太股の上に置いてしまう美空は悲しそうにと軽く鼻を啜って言う、「お母さんだってそれに耐えきれなくなて家から逃げちゃったくらいなんだから…」”ドクンー”突然、美空の唇から零れていた寂しさと切ない思いに詰っているような一言に、唇が否応なしにこじ開けられているような気がしてならないでいる義威瀬は、思わず猛然と彼女の方向に目を向けては、彼女の現実に嬲られては、猫背になっている様を青色の瞳で映し出していき、「あ…」


  須賀の真似をしているような義威瀬の軽く顔を机の方向に戻しては、握り締めていた両手を解して行きつつ、美空の境遇につられているようにと俯いては、彼女の代わりに悔やんでいるようにと軽く唇を噤んでいく様に、目を半開きさせて行きつつ、軽く鼻翼に力を入れては、左手の人差し指で鼻先を擦ってしまう乾里娘、「あら…」「だから…」母親の事を思い出していたせいで俯いていたような口角を、何とか上げて行こうと思っていく美空はチラッと自分の境遇に悲しんでいるようにと俯いては、軽く小さな両手を握っている須賀の姿勢を見て行きつつ、ぽつりとピンク色の唇を開けていく、「お友達ってのは助け合うものなんでしょ?」


  美空の酷く弱くなり潤んでいる琥珀色の瞳の中に、閉じ込められているような自分の事を見つめてしまうと、自分がこんなにも困難に遭っている、自分に話しかけてくれていて、親切にしてくれていた彼女を如何にか助けていかないとと強く思って行きつつ、急いでいるようにと左手をパーカーのポケットに突っ込んでいく須賀は言う、「わ、分かった…!」何度も鼻翼に力を込めては、自分の返事で微かに元気になれているようにと微笑んでくれては、丁寧に頷いてくる美空の様を見つめて行きながら、迷わずに自分の左手の手のひらに当たって来ていた、少しばかり硬く思える感覚を握り締めたままで、彼女に向けて伸ばしていく須賀は言い放った、「お金を上げる!」


  突然、まるで自分にハンバーガーを奢ってくれているようにと、酷く分厚く感じてしまう財布を取り出して来ていた須賀の行動に、あんぐり口を開けられているように感じつつ、口角が斜め下の方向に固定されているような気がしてならないでいる美空。「おいおい…」急にとんでもないくらいに遠くにる自分でも大きく見えてしまうくらいのハンバーガーのような深いコーヒー色をしていた財布を、美空に向けて渡していた須賀は一体どれだけお金を持っているんだと、内心で漠然と想像して行きながら、チラッと絶句されては、魂が須賀が持っていたハンバーガーの如く財布に、体から抜け出されていたような義威瀬の顔に一瞥していく美空。

  

  「こ、これは…」軽く自分の両手を弾いてくれているような分厚い財布に絶句されていたように思えては、須賀は自分の想像を遥か超えている程のお金持ちなんだと、自分に知らせに来ているようなずっしりとしていた財布の感覚に、口角が斜め下の方向に固定されているような気がしてならないでいる美空は、急いでいるようにと財布を閉ざして行きつつ、もし手にある財布を勝手に貰ったら自分は警察に逮捕うされてしまうんじゃないかと、酷く不安になっている彼女は恐る恐ると両手にある財布を自分に向けて屈託のない笑みを浮かべている須賀に向けていき、「こんなにもいらないよ…」


  自分が彼に投げていた一言に眉毛をビクッと跳ねらせていたような須賀の顔に、苦い笑みを見せて行きながら、申し訳なさそうにと自分の左腕を震わせに来るような財布を持っていた美空は、ぽつりと弱り切っているような声を漏らしていた、「ご飯をお腹いっぱい食える程度でいいから…」軽く眉間に皺寄せては、もし財布の中にある札束を誰かに見られてしまったら、須賀は命を狙われたりしないかと、酷く彼の代わりに不安になり、もしかしたら彼の酷く気分を害するような皮膚は、誰かに命を狙われていたせいだったのかもしれないと、内心で思ってしまう美空はごくりと固唾を飲み込んでは、自分の左手から財布を受け取ろうとしないでいる須賀に向けて、軽く右手を上げては、右側の口角に添えて行きつつ、自分たちに興味を無くしていたようにとゲームをし始めたり、雑談をしているクラスメートたちから、目を須賀の自分のお金を返そうとしている態度に戸惑っている様に向けては、呟いていく、「これだとわたしと父さんの何年分の食費になれるんだぞ…?」


  美空が自分に向けて来る酷くみすぼらしく伝ってくる言葉に、傷心を覚えては、チラッと自分の財力にあんぐり口を開けられては、自分に負けたと思っているような義威瀬の絶句されては、きょとんとしている顔に一瞥していく須賀、口角が軽く上げられているように思いつつ、もしかしたら自分はこの学校でちゃんと父親と同じようにお金を利用しては、上手くやっていけるのではないかと、庶民が通える学校に来ていたのはもしかしたら正解だったかもしれないと、胸元の奥で考えて行きつつ、美空の困っているような表情を見つめていく彼は余裕を美空と義威瀬と、義威瀬の後ろで同じように自分の財布にあんぐり口を開けられていた乾里娘から、貰えているように思いつつ、淡い笑みを浮かべては、美空の瞳を見つめて言う、「持ってて、うちにはいっぱいあるから。」


  「そ、そう?」須賀が自分が彼に投げていた戸惑っている声に向けて、当たり前のようにと頷いてくる様に脳内を嬲られているように思いつつ、自分の家にある全てのお金とお金になれるようなものを合わせても、せいぜい自分の左手にある財布くらいのものでしかないのだろうと、心の中でぼんやりと考えて行きながら、左手にある財布に興奮を通り越しては、恐怖を覚え始めている美空はごくりと固唾を飲み込んでは、恐る恐ると戦慄している両手で財布を抱えていく彼女は軽く白い歯を噛んでは、もし自分がこのぐらいのお金を持つことが出来たら、きっと父親に殴られるような思いをせずに済むんだと強く思い。


  自分に父親の恐ろしさを知らせにくれているような体中にある痛みに、心を苛まれているように感じつつ、須賀から大金を貰うのは良くない事だと知りながらも、自分はお金を持って行かないと、父親にいつ殺されてしまうのかも分からないんだと、心の中で強く思っては、父親から与えて来る死へ向かわせるような残酷な恐怖と、もう少し長く生きては、義威瀬と共に遊んでいきたいと切に願ってしまう美空は、まるで自分に決断を下してくれているような財布を抱えたままで、軽く引いていた左腕に悲しみを覚えながら、丁寧に右手を財布に添えていく彼女はゆっくりと額を上げては、潤んでいた琥珀色の瞳で彼の笑顔を映し出していく、「じゃ、じゃあ…」ごくりと固唾を飲み込んでは、将来自分が本当に働けるようになったら、ちゃんとバイトしては須賀にお金を返していくんだと、心の中で思っている美空は、ぽつりと弱っているような声を上げていた、「遠慮なく…」


  「金の怪物め…」自分の右側に座っていた乾里娘が須賀の事を見つめたままで、ぽつりと上げていた自分の内心にある酷く複雑にも思えると同時に、ただ美空に自分の傍から離れて欲しくないでいる思いを、シンプルにも思える一言で代弁してくれていた乾里娘に、内心で感謝していくべきなのか、美空の弱っているところを見ると迷わずに救いの手を差し伸べていた、酷く優しく思える須賀の代わりに、乾里娘に文句をぶつけていくべきなのかが、須賀にこのまま心を捕らわれてしまうかもしれない美空が、自分の脳内にある考えに挟まられているせいで、分からなくなっている義威瀬は、苦しそうにと強く歯を噛んでいた、「うっ…」

  

  「うん、」美空が自分からお金を受け取っては、頗る喜んでくれている様に微笑んで見たくなりつつ、急いでいるようにと両手にある財布ごと使い古されては、ゴミ箱の中で拾っていたのではないかと、連想させに来るリュックの中に入れていく彼女は歯を食いしばっては、何度も鼻翼に力を込めて行きながら、彼女の後ろにいる自分たちに興味を無くしていたようなクラスメートたちに、警戒しているような眼差しを向けている様に苦笑いして見たくなりつつ、ごくりと固唾を飲み込んでいく須賀は、猛然とリュックから右手を抜け出しては、横目でクラスメートたちの事を警戒し続けては、ゆっくりと自分に胸元を向けに来る美空の様に目を細められているように感じてしまう須賀、「だからその…」


  「なになに?」須賀のまるで自分に願い事があるようにと、自分に言いづらそうにしている態度に戸惑いつつ、ぼんやりと小首を傾げては、自分に大金をくれていた彼が困っていることがあるのなら、自分も何とか彼の力になって行くべきなんだと、内心で強く思っていきながら、猛然と左手を胸元に当てていく彼女言う、「なんだって言ってよ?」美空が自分に向けて来る真面目そうな顔に、照れくさい思いを強いられているように思いつつ、まるで彼女と同じように自分の唇から零れていた一言に興味を引かれているようにと、自分に目線を向けに来る彼女の後ろにいる二人の存在を気にする事無く、軽く左手の人差し指でこめかみを掻いて行く須賀はぽつりと声を発していき、「もう一回だけ…」軽く繊細な眉毛を顰めては、ぼんやりと小首を傾げていく彼女の顔を灰色の瞳で映し出して行く彼は小さな声を漏らしていた、「大好きって…言ってもらえるのかな…?」


  刹那、まるで自分を挑発しに来ているようにも思えるようなリクエストを美空に向けていた須賀の態度に、唇を否応なしにこじ開けられているような気がしてならないでいる義威瀬は、悔しそうにと歯を食いしばっては何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、彼がしていたリクエストに不安を強いられているように感じつつ、美空が彼の願いを拒んで欲しいと、祈っているように両手を軽く握っていく彼。


  「うん!」自分を父親のもとから助けてくれる恩人にも思える須賀が、自分に投げて来ていた自分に拒まれるのを恐れているような弱っている声色に、口角を上げられているように感じつつ、強く両手を握っては、揺るぎない眼差しを彼の瞳に向けていく美空は、脳内で自分の顔を見つめてくれていて、屈託のない笑みを浮かべてくれている義威瀬の存在を浮かばせては、嬉しそうにと微笑んでいた、「大好き!」


  ”ドクンー”忽然、美空が迷わずに須賀に向けていた一言が矢の如く、体を貫いて来ているような気がしている義威瀬はつい心臓が一瞬、彼女の弾んでいるような声色に縮められているように感じては、辛そうにと左手を上げては、胸元を鷲掴みにしていき、「くっ…!!」「まぁ…」まったりと左肘を太股に付けて行きつつ、前のめりになっていた乾里娘は軽く右手を上げては、中々教室の中に入ってくれないで、いつまでも茶番を続けさせているようなつもりでいるかもしれない教師は、酷く悪い存在のように感じつつ、チラッと照れくさそうにと後頭部を擦っている須賀の様に一瞥していく乾里娘は、ぽつりと残念そうな声で呟いていく、「あれはしょうがないって。」


  乾里娘が自分に向けて来る少しばかり弱っているようにと思える一言に、悲しみを植え付けられているように感じては、彼にこっぴどく須賀の存在を罵倒して欲しいと願ってしまう自分はもうダメになってしまったのではないかと、不安になりつつ、苦しそうにと歯ぎしりしていく義威瀬は何度も鼻翼に力を入れては、チラッと美空の後頭部に一瞥していきながら、自分がダメだとしても、何とか美空に自分の傍に居て欲しいいと切に願っている彼は、苦渋な思いを抱えては、ぼんやりと目線を机に向けていた、「ううう…」 


  「えへへへ…」体中が美空が自分に投げてくれていた甘えに来ていた子猫の鳴き声のような声色に、焼かれているように思いつつ、照れ臭い思いに脳内が昇天してしまいそうな気分を味わっているような気がしてならないでいる須賀は嬉しそうにと、目線を自分と同じように告白してくれていたことで喜んでいるように、笑っている美空から目を逸らしていく。


  自分に背中を向けに来る美空の幸せそうな笑い声を零して行きながら、胸元を須賀に向けたままで、二度と自分に振り向いてくれないでいるのではないかと、不安を強いて来るような彼女の態度に心臓を強く殴られているように思えては、居ても立っても居られない義威瀬、傷心と嫉妬に駆り立てられる背中を針が生えているような椅子の背から離れていく彼は、思わず不安に苛まれているせいで震えている右手を伸ばしては、美空の繊細な右肩に向けて軽く触れていき、「美空ちゃん…」


  「うん?」まったりと振り返っては、泣き出してしまいそうな義威瀬の捨て犬のようにと潤んでいる青色の瞳で自分の顔を見てくる様に、繊細な左側の眉毛をビクッと跳ねらせているように思えては、唇が軽く開けられているように感じてしまう美空は、チラッと目線を嬉しい思いに体を抱かれるがままで、俯いては、軽く両手で彼の高級そうなリュックを抱えては、額をリュックにくっついていく須賀の様に一瞥しては、何度も鼻翼に力を込めていく美空は軽く右手を上げては、自分の口角に添えて行きつつ、拗ねているようにと唇を尖らせている義威瀬に顔を近づいていく、「いいからわたしに合わせて頂戴?」


  宛ら自分が彼に投げていく言葉を快く思わないでいるようにと唇をすぼめたままで、悔やんでいるようにと俯いていく義威瀬の態度に目を細められているように思いつつ、彼はきっと自分にやきもちを焼いているのに違いないんだと、内心で思っていく美空はチラッと悔やんでいるような彼から目を逸らしては、腕を組んでは、自分がどうやって彼に説明して行くのかを見届けようとしているような腕を組んだままで背中を椅子の背に付けていた乾里娘の存在を気にする事無く、軽く鼻翼に力を込めては、義威瀬の体から漂って来る甘い桂の香りが混じっているような空気を吸い込んでしまう彼女はゆっくりと左手を上げて、自分の唇を隠しては、猛然と顔を彼に近づいていた。


  ”ちゅっ”猛然と自分の左頬に当てて来ては、自分を打ち倒せる程の力が秘められていた微かに湿っていたような感覚に、眉毛を上げられているような気がしてならないでいる義威瀬は漠然と潤んでいる青色の瞳を自分の膝にくっついて仕舞いそうな彼女が穿いていた少しばかり黒く見えては、汚されていたような白いニーソックスから、彼女に目を向けていく彼はぱちくりながら、彼女が自分にして来ていた事を誰にも知らせたくないでいた故に、お互いの頬を隠していた両手を自分の頬から引いていく彼女の存在を見つめていく。


  「安心して?」まったりと左手を上げては、自分の唇をくすぐっていたような彼の白皙の頬が紅潮していく様に、淡い笑みを浮かべて行きながら、軽く左手を上げては、自分の胸元に当てていく美空はチラッと彼から目を逸らしては、歯がゆい思いに耐えられなくなっているようにと、頭をリュックの中に突っ込んでいた須賀の少しばかり大袈裟にも思える様に一瞥しては、再び体を前に向けて傾けていく彼女は、右手を頬に添えては小さな声を発していた、「わたしが愛してるのは永遠にあんただから。」


  ”ドクンー”「うっ!」刹那、自分に潤んでいるような琥珀色の瞳を向けたままで、酷く可愛く感じては、胸元の奥を貫いて来るような美空が紡いで来た一言に、口角が斜め下の方向に固定されているような気分を味わっている義威瀬は、漠然と彼女の自分が浮かべているきょとんとしている顔を映し出して来る眼を見つめては、ぽつりと渇いた唇を開けていき、「美空ちゃん…」


  ぽつりと彼女の名を声に乗せていた自分に、彼女の事を強く信じさせに来るようにと微笑んだままで、丁寧に頷いてくれている美空の様に目を細められているように思いつつ、漠然と内心にある酷く複雑のように感じては、だまになっているような思いに、霞まされているような視野の中で彼女の少しばかり赤くなっていた頬を見つめては、彼女が自分に向けて来た大人のような告白の一言に、体を床から浮かばされているように感じつつ、まだまだ子供である自分には愛と言う言葉は理解できないでいるようにも思うと同時に、照れくさそうにと両手を軽く握っては、彼女の繊細な膝に置いていた美空が、自分に向けて来る笑顔に見とれては、心が捕らわれているような今の自分が感じている思いは、きっと愛なのだろうと、呆然と思ってしまう義威瀬はごくりと喉に引っ掛かって来ていたような唾液を飲み込んでは、軽く繊細な眉毛に力を込めて行きながら、小さな両手を握っては、彼女の顔を見つめていく、「し、信じてるからね?」


  「ああ…」軽く美空に顔を近づかれては、どうでもよく思えるような中身のないようにも思えるような一言に、誑かされているようにも感じて来る義威瀬が、すっかりと金で須賀に告白していた最悪にも思える美空の事を信じては、彼女に手玉にとられているよう姿勢に眉間を軽く殴られているように思えては、眩暈を覚えている乾里娘は疲れているようにと軽く右手で額を擦って行きつつ、美空に告白されたからもう人生は円満だと言わんばかりに、頭をリュックの中に突っ込んでは、抜け出そうとしないでいる須賀の狂っている様に目を半開きさせていく乾里娘は、チラッと目線を美空に向けては、彼女は男を弄ぶ魔力を持っている魔女のようにも気がし始めている。


  「うん!」丁寧なまでに両手を軽く義威瀬の握っていた左手に向けて伸ばして行きつつ、軽く彼の左手を柔らかい両手で包んでは、満面の笑みを浮かべている美空は自分に左手を包まられていたことで、酷く喜んでいるようにと軽く渇いた唇を噤んでしまう義威瀬から、チラッと目線をリュックの中に住み着いていたような須賀に向けて言う、「じゃあみんなで一緒に遊ぶの決定ね須賀君?」美空が彼に投げていた一言に、リュックとなっていたような頭を何度も前後に振らしていく須賀の酷く奇怪に思える様に、目を半開きさせて行きつつ、まったりと潤んでいる琥珀色の瞳を自分に向けに来る美空の様に、目を細められているように思えては、ぼんやりと自分の左手を包んでくれていた彼女の柔らかい両手に目を向けていく義威瀬、「まぁ…」軽く鼻翼に力を入れては、ごくりと固唾を飲み込んでいく義威瀬は、軽く彼女に包まられていたせいで力を抜けられていたような左手を握っていく、「いいだろ。」


  「えへへ、」義威瀬がちゃんと自分の誘いを聞いてくれている態度に、口角を上げられているように思えては、幸せそうな笑みを浮かべていく美空はまったりと両手を彼の左手から引いて行きつつ、嬉しそうにと声を発していき、「ありがとう、」まるで自分が彼に投げていくお礼の言葉で喜んでいるようにと、微笑んでくれている義威瀬の様に目を細められているように感じては、まったりと左手を胸元に当てていく美空は、ぽつりとピンク色の唇を開けていた、「それじゃあ須賀の隣りに行って教科書を一緒に見るね?」


  「うう…」美空の自分から離れては、須賀の隣りに座っていこうと語りに来る話に、口角が心の奥にある嫉妬に斜め下の方向に向けられているように思えては、不満そうにと辛い唸り声を零していた自分に、気を引かれているようにと自分に胸元を向けたままで、ぱちくりしている彼女の自分にどうかしたのかと、尋ねに来るような姿勢に苦い笑みを浮かべて見たくなりつつ、不服そうにと鼻翼に力を込めていく義威瀬は、徐々に冷静を取り戻せていたようなリュックの頭を抱えていた須賀の存在に一瞥していく、「僕が彼と一緒に見ればいいんじゃないの…?」


  「おいおい…」忽然、義威瀬が美空の身代わりになって行くと語っていた、まったりと自分の鼓膜を撫でて来るような一言に、口角が斜め下の方向に固定されているような気がしてならないでいる乾里娘は、思わず猛然と二人の方向に目線を向けては、軽くリュックから頭を抜け出しては、強く息を吸い込んでは、宛ら彼のリュックに愛着が湧いていたようにと再び頭をリュックの中に突っ込んでいく須賀の外見だけではなく、中身も狂っているような様に目を半開きさせて行きながら、チラッと義威瀬の後頭部に目を向けて言う、「正気かよ…?」


  乾里娘が彼の背中に向けて投げていた文句交じりの話を気にする事無く、真面目そうな顔を自分に向けたままで、本気で外見がエイリアンのように見えてしまう須賀のもとに行こうとする態度に、口角が斜め下の方向に向けて軽く引かれているように思えている美空、「え?」ごくりと固唾を飲み込んでは、何度も鼻翼に力を込めていく彼の自分に決意を見せつけに来るようにと、軽く握っていた右手を上げに来る様に戸惑いつつ、思わずぱちくりしてしまう美空はチラッと横目でリュックの中に籠っていたような須賀に一瞥しては、須賀は義威瀬に好意を持ては、彼にお金を渡していく可能性もあるけれども、須賀の事を快く思わないでいる義威瀬がこのまま定期的に、須賀から給料のようにとお金を貰えて行けるような可能性はないように感じては、そもそも普通の家庭に生まれてきたのなら、自分のように必死にクラスメートに媚びては、自分にお金を渡して貰いたいなんて思うような子供は、ないはずなんだと思うと、義威瀬と須賀が仲違いしてしまうと、自分はきっと義威瀬の事を選んでは、自分を貧乏、且つ暴力が満ちあふれているような家庭から抜け出す手伝いをしてくれるような須賀を、失ってしまうんだと心の中で思っていく美空は軽く白い歯を噛んでは、強く両手を握って行きつつ、揺るぎない眼差しを義威瀬に向けていく。


  まったりと主人に近づいている自分の顔を映し出して来る、微かに跳ねていた眉毛に飾られていたような青色の瞳に、揺るぎない眼差しを向けて行きながら、軽く両手を口角に添えては、義威瀬の赤くなっていた頬につられているように紅潮していく耳殻にくっついて行きつつ、ぽつりと渇いた唇を開けていく美空は言う、「彼の顔を近くで見てしまうと結構気持ち悪いよ?」自分が紡いだ一言に違和感を覚えているようにと、眉毛を顰めていく義威瀬の眼を見つめていく美空は、軽く鼻翼に力を入れては、彼に須賀と言う難題から引いて欲しいと願って行きつつ、彼に尋ねていく、「本当にいいの?」


  美空が自分に知らせにくれていた一言に、目を細められているように感じてしまうと同時に、やはり彼女はただ純粋にお金を求めたいから故に須賀に近づいているんだと、心の中で納得しては、美空が自分に向けて来ていた全ての言葉を無条件で信じていくんだと、内心で思っては、貧しい生活をしている貧乏な彼女の家庭のことを思うと、自分も何とか彼女の代わりに、彼女がやっている仕事のような出来事の助力をして行くべきなんだと、自分が愛おしく思える彼女の存在を守っていこうと強く思っている義威瀬は、揺るぎない眼差しを彼女に向けていき、「いいよ、」突然、自分が彼女に向けていた一言に左側の眉毛をビクッと跳ねらせている美空の顔を見つめて行きながら、軽く右手を上げては、胸元に当てていく義威瀬は迷わずに言葉を紡いでいく、「君の為ならそんなことを気にしないよ。」


  「ううう…」まるで自分に歯がゆい思いを強いて来ては、恥ずかしさで悩殺しようとしているような義威瀬が投げて来ていた話に口角が斜め下の方向に固定されているように感じつつ、胸元の奥が彼から伝わってくる愛に燃やされているような気がしてならないでいる美空は、何度も鼻翼に力を込めて行きつつ、ごくりと固唾を飲み込んでは、潤んでは、少しばかり困っているような琥珀色の瞳を彼に向けていき、「嬉しい…けど…」


  胸元の奥から込み上げてくる恥ずかしい思いに、上手く言葉を紡げなくなっているような気分を味わっている美空は、困り果てているようにと眉毛を顰めて言う、「ね?」ぱちくりながら自分にまだ何か問題でもあるのかと、自分に尋ねに来るような義威瀬が浮かべて来る戸惑っているような眼を見つめてしまう美空は軽く唇を噤んでは、渇いた唇を舐めては、ぽつりと艶を貰えたような唇を開けていく、「もしわたしが彼の傍にいると、」目を細めて行きつつ、軽く顔を彼の赤くなっては少しばかりピンク色にも見えて来る耳殻に近づいていく美空は、声を抑えて行きつつ囁いていく、「もっとお金を貰えるかもしれないんだぞ?」

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