第304話手紙で心にあるトラウマを癒して行けるのなら、医者は要らなくねぇ?

  酷くときめいているようにと、戦慄している顔を自分から離れては、恐る恐ると右手の人差し指でこめかみを掻いている和流の態度に、口角が斜め下の方向に引かれているように感じては、思わず胸元に当てていた左手に少しばかり力を入れていく白野、「べ、別に…」困り果てているようにと彼から目線を逸らしては、何度も赤くなっていた鼻翼に力を入れては、ごくりと固唾を飲み込んでいく彼女、「そんな変な意味はないよ?」


  緊張と興奮に震わされているような左手の人差し指を立てて行きつつ、自分がぽつりと口にした言葉に困らされているようにと、眉毛を顰めている彼の事を見つめて行きながら、無理矢理口角を上げては、笑って行こうと強く思っている彼女は言う、「ほら、子供の頃からの付き合いじゃない…?」ぼんやりと佇んでくれては自分の話に頷いてくれている彼の顔を見つめて行きつつ、目を細めては素直なまでに自分の話を聞いてくれている彼の存在が微笑ましく感じてしまう白野は、軽く解していた左手を胸元から下していき、「なのにちょっと他人行儀な部分もあったりするんじゃん?」軽く左手の手首を握っては流し目で自分が紡いだ言葉を上手く理解できずにいるようにと、小首を傾げている彼の事を見つめていく彼女、「ずっと”君、君”って、春菜ちゃんには…」ぽつりと自分の声に乗せていた春菜の名前に、心臓を苛まれているように感じては、ぼんやりと俯いていく彼女は軽く鼻翼に力を入れては、ぽつりと呟いていき、「結構ため口を聞いてたりして来たのにさ?」


  軽く白皙の額に皺寄せては、チラッと自分に顔を向けて来る白野のまるで自分に不味い質問を伺っているような態度に、目を細められているように感じては、彼女が自分に投げて来ていた質問を答えて行くのは、酷く弱く、野黒新の陰で生きているような自分には少しばかり無理のあるような話だと考えている彼は、悔しそうにと軽く白い歯を噛んでは、思わず潤んでいる眼を自分に向けて来ている彼女から逸らしてしまい、「そりゃあ…敬意?」ごくりと固唾を飲み込んでは、引き攣っているような右側の口角を上げて行きつつ、軽く左手の人差し指で熱くなっているこめかみを掻いていく彼は、戸惑いに満たされているような瞳を彼女に向けていく、「尊重する気持ち…?」


  和流が自分に向けて来る質問の返答に目を半開きさせて行きつつ、不満そうにと唇を尖らせてしまう白野は何度も鼻翼に力を入れていき、「何で尊重するのよ…」拗ねているようにと軽く左手の手首を掴んでいた右手に力を込めてしまう彼女、「幼馴染でしょが…」まるで拗ねている子供のような態度を自分に向けて来ている、酷く愛おしく思えてしまう彼女の態度に困らされては、思わず彼女から頬を逸らしていた和流、「な、何と無くって言うか、」軽く眉毛を顰めては、チラッと白野の自分には彼女に向けて行く好意を確かめたがっているような様に、心を苛まれているようにと感じている和流、「君には…その…」


  困り果てているようにと俯いては、白野はもしかしたら彼女がずっと好意を抱いて来た野黒新が傍にいなくなっていたから、彼女の為に必死に彼の真似をしている自分に近づいて来ようとしているんじゃないかと、純白の存在である彼女にはそのような酷い事を考えるはずもないんだと、心の中で強く脳内を過っていく思いを否定しては、悔しそうにと歯を食いしばっていく和流は、もし自分が彼女に恋をしてしまうと、彼女から見れば、多分完全なる自分ではなく、野黒新の真似をしている自分になるはずだと考えては、野黒新の真似をするのは自分が勝手に決めていた事なのに、ようやく自分との距離を少し縮めようとしている彼女を拒んでいるような拗ねている自分の思いに苛立ちを覚えては、辛そうにと唇を噤んでしまう彼は苦笑いして行きつつ、酷く悩んでいるようにと右手の人差し指で頬を掻いては、自分の事を見つめてくれている彼女の顔を見つめながら、ぽつりと呟いていた、「君でありたいからだよ…」


  和流が自分に紡いで来る話に悩まされては、彼は自分の事をずっと子供の頃のままで見ているんじゃないかと漠然と考えては、悔しそうにと軽く歯を噛んでいく白野は何度も鼻翼に力を入れては、納得し兼ているようにと彼から顔を逸らしていき、「そう…じゃさ、」まったりと背中に当てていた両腕を解しては、軽く眉毛を顰めていく彼女は困り果てているような眼差しを、ぼんやりとしている彼に向けてしまい、「どうして雫って呼ばないのよさ?」自分が彼に投げていた質問に驚かされているようにと、眉毛を跳ねらせていた彼の顔を睨むようにと見つめていく彼女は言う、「子供の頃はいっぱい呼んでくれてたのにさ。」


  白野が自分に向けて来ている質問に目を細められているように感じつつ、彼女の名を口にしたいのは山々だけど、ただの幼馴染よりずっと近づいていた時に、彼女の名前を毎日のように呼びたいからと、彼女に知らせてやりたいと切に思っている和流は、上手く心にある思いを彼女に伝えてやれないでいる自分の思いに困らされては、彼女に全てを語ってしまうと、野黒新に好意を抱いている彼女に嫌われるような未来を恐れては、残念そうにと苦笑いして行きつつ、彼女の事を見つめていく、「子供の頃だろう?」軽く肩を縮めては、二人が一緒に居られる時の生活の保証もしてやれなく、まだ学生でしかないでいる自分にはしょうがない答えしか、彼女に向ける事が出来ないんだと脳内で考えていく彼は言う、「もう大人なんだけど?」


  「ううう…」和流が自分に投げて来ていた自分を大人だと思っているのか、それとも自分の事をまだ子供だと思っていたままで、彼を大人だと思っているのかが分からないでいる言葉のニュアンスに、心を苦しめられている感じては、つい愛おしいはずの彼が自分を困らせるのが好きなんじゃないかとぼんやりと考えては、彼が自分に向けて来る少しばかり無理をしているような雰囲気に、心を苛まれているように感じては、あからさまなまでに自分より春菜に好意を抱いている彼が春菜を失っていたから、落ち込んでいるんだと心の中で不安になってしまう白野は軽く歯を噛んでは、残念そうにとぽつりと呟いていた、「正論が聞きたいのって訳じゃないのに…!」


  白野のまるで駄々を捏ねているような一言に苦笑いして見たくなっている和流は、漠然と小首を傾げて行きつつ、困っているようにと彼女に尋ねていく、「どうしたいのよ…君。」和流が自分を責めに来ているようなニュアンスが込められていた言葉に、文句を語って見たくなりつつ、不服そうにと唇を尖らせては、何度も鼻翼に力を入れては、片思いをしている人を失っていた彼を責めるのは、自分には到底無理な話なんだと心の中で観念しては、残念そうにと俯いてしまう彼女はぽつりと呟いていき、「いいわよもう…」

  

  「そう?」どう考えても良くないと語って来ている白野の態度に困らされては、彼女が軽く頷いてくれている様に目を細められては、彼女がそれでいいと言うのなら、素直に従って行こうと考えている和流は、軽く左手を机の上に置いて鞄に添えていき、「もう帰ってもいい?」「待って、」忽然、自分のもとから離れようとする和流の態度に、心を刺激されているように感じては、ぽつりと声を発していた白野はつい勝手に彼を追い求めているようにと、軽く彼の方向に向けて伸ばしていた左手に悩まされては、可笑しそうにと軽く笑っていた彼女はぼんやりと潤んでいる瞳で彼の事を映し出していた、「新の事をどう思ってるの?」


  ぱちくりながらどうして急に春菜と自分との扱いの違いから、野黒新の話題になっているんだと語って来ているような彼の戸惑っている態度に、目を半開きさせて行きつつ、自分には彼の好意を抱いている異性を無くしていた傷跡を破いて行きたくないからと、彼に話せると、つい彼に気まずい思いを強いて仕舞うんじゃないかと不安になりつつ、ぼんやりと苦い笑みを浮かべてくれている彼の瞳を見つめては、自分がちゃんと落ち込んでいる彼を支えて行かないとと、心の中で思っては、軽く引き攣っているような右側の口角を上げていく彼女は言う、「ネットでもメールで話しかけても、」ゆっくりと憂いが帯びている眼を机に向けて行きながら、軽く繊細な指先で机に触れていく白野は、ぽつりと呟いていた、「まったく返してくれないんだ。」


  「どう思ってるのって言われてもな…」白野のどう見ても野黒新の事に関すると落ち込んでは、涙を零す寸前までに弱っている横顔に、心を苛まれているように感じては、ぼんやりと霞んでいた視界から彼女を除いては、黒板を見つめて行こうとする彼は、彼女の中では野黒新に勝てないでいる自分の無力さに困らされては、漠然と床を見下ろしていき、「助けたいのは山々だけど…」何度も赤くなっていた鼻翼に力を入れては、軽く鼻を啜ってしまう彼は困り果てているようにと眉毛を顰めていき、「春菜があんな事になると…」ゆっくりと顔を白野に向けては、やはり彼女は自分より野黒新の方が好いているんだと、心の中で納得している彼は切なげに呟いていた、「もうどうしようもないじゃない…」


  忽然、和流の春菜の事を語っていくと、酷く落ち込んでは、泣き出してしまいそうな態度に、眉間が針に刺さられているような気分になれている白野は、悔しそうにと強く華奢な両手を握っていき、「春菜って…」つい心の中にある嫉妬に唇を尖らされているような気がしては、何度も鼻翼に力を入れては、温かい空気を吸い込んでしまう彼女は恨んでいるような目線を彼に向けていた、「言った…!」突然、まるで春菜の名前に文句を言いに来ているような白野の態度に困らされては、ぼんやりとぱちくりして行きつつ、小首を傾げていた和流はつい彼女は何がしたいのかと、彼女の存在に酷く向きになっているような気がしては、上手く物事を客観的に分析出来ないでいる自分に困らされている彼は言う、「はい…?」


  春菜が亡くなっていて、野黒新が滅茶苦茶落ち込んでいる時でいるのに、なのに酷く我が儘で、拗ねている自分には一体何がしたいのかと語って来ている和流の、困り果てているような様に歯ぎしりしていく白野は、野黒新の前ではないから、両親を除けば自分との付き合いが一番長い彼に少しくらいは我が儘なくらいで接しても、彼は理解してくれるんじゃないかと微かに期待している彼女、「あたしは白野なのに、」唇を尖らせて行きながら、彼が自分の事を理解してくれなくとも、自分が何とか彼を理解していこうと強く思ってしまう彼女は、揺るぎない眼差しを彼に向けていく、「春菜ちゃんには春菜なんだ。」


  今にも突っかかって来そうな白野の独占欲なのかどうかは、分からないでいる態度に戸惑いつつ、普通の友人である春菜には別に名前で呼んでいいかなと心の中で思っては、野黒新の真似をしているせいで、つい彼と同じように周りの人を呼んで来た節もあるような気がしている和流は、ぼんやりとぱちくりして行きつつ、ぽつりと呟いていた、「そりゃあ…春菜は春菜で…」強く白皙の両手を握っては肩を縮めて来ている彼女に、苦笑いしていく彼は弱っているようにと呟いていき、「君は君だからだよ…」


  和流のまるで自分に負い目を覚えているようにと、小さな声を漏らすように自分に話を向けに来ていた態度に目を半開きさせて行きつつ、不服そうにと軽く左側の口角を上げていく白野、「へー、」宛ら自分が上げていたやけに平坦な声に、引かれているようにと額を上げて来ては、自分の顔を見つめて来ている彼の瞳に目を半開きさせて行きつつ、不満そうにと腕を組んでいた彼女は横目で彼の顔を見ていき、「差別って言わない?」


  彼女が自分に向けて来る限りなく真実に近い返答のはずなのに、どうして彼女は自分が彼女だけを他の女性と区別している訳を、少しでもいいから考えてくれないのだろうかと、心の中で彼女に期待してしまう和流は、どう考えても、真っ直ぐな彼女には、ひねくれている自分の弱い心で紡いでいる思いに、気がついてくれないのであろうと漠然と考えては、残念そうにと右側の口角を上げていた、「言うのかな…?」


  不満そうにと唇をすぼめたままで、まったりと腕を組んでは何度も頷いて来ている彼女にぱちくりして行きつつ、ごくりと固唾を飲み込んでは、彼女に彼女にだけは特別な好意を抱いているのを伝えていくのは、尋常じゃないくらいに怖く感じては、もし野黒新を彼女と関わる出しに使って行くと、自分にはまだ上手く彼女と近づいて行けるようなチャンスが残されていて、けれど何もかもはっきりにしていくと、自分には彼女を永遠に無くてしまいそうに感じては、彼女に彼女が好いている野黒新が弱っている時を狙うような輩に思われたくないんだと切に思っては、つい脳内で勝手に弱り切っては、独自で絶望と戦っている野黒新を利用しようと平然と考えていた自分の事が、嫌になってしまう和流は苦しそうにと強く歯を噛んでは、俯いていく、「ってか二人の話を聞きに来たのじゃないのかよ…君。」


  「まぁ…」困り果てているような和流の弱っては、話題を逸らそうとしている態度に目を半開きさせて行きつつ、不満そうにと唇を尖らされていた白野は、不機嫌そうにと彼から顔を逸らしては、黒板を見つめて行きつつ、ぽつりと声を発していき、「そうだけどさ…」軽く歯を噛んでは、まったりと胸元の奥を満たしてくれているような、もどかしい空気を吸い込んでしまう白野は軽く鼻翼に力を入れては、和流が気になっていた春菜が亡くなっていた今では、彼に感情について触れていくのは少しばかり野蛮な事であり、彼に傷ついてしまうんだと思っては、残念そうにと目を細めて行きながら、項垂れてしまう彼女はごくりと固唾を飲み込み、まったりと左手を胸元に当てていき、「あたし、」猛然と額を上げては揺るぎない眼差しを彼に向けていく彼女は言い放った、「新の力になりたいの。」


  白野のやけに真面目そうな顔で、自分に向けて来ていた一言に傷心を覚えては、例え友人同士であり、まだ酷く曖昧な関係である二人は恋人になっていないだと知れても、やはり彼女は野黒新の事を放っておけないんだと漠然と考えては、そもそも曖昧な関係じゃなくとも、ずっと親切に親しい間柄の人に接して来ていた彼女は、友人である彼を放って置けるような人間ではないんだと、漠然と安っぽく思える白野は純粋に野黒新の事を単なる友人だと思っているんだと、自分の中で自己催眠していく彼、まるで自分の困り果てては漠然と考えている時間では何も彼女に返事をしていなかった事に、不安を覚えているようにとぱちくりして行きつつ、恐る恐ると左手を胸元から引いていく白野の、自分は何か不味い事でも口走っていたのだろうかと、思ってくれているような態度が少しばかり微笑ましく感じてしまう和流、まったりと上げていく自分の口角の存在を感じて行きつつ、野黒新が落ち込んでいると言うのなら、自分には、彼が白野に振り向く事がない限りは、まだ彼女と今のような単なる幼馴染と言う限りなく永久でありたいと思ってしまう関係を、保っていけるんだとぼんやり考えていく彼、「へー…」


  「へーって…」宛ら野黒新に関してはまったくもって何も考えていないと、語って来ているような和流の態度に心を苛まれているような気分を味わってしまう白野は、不服そうにと眉間に皺寄せていき、「酷くない?」軽く握っていた左手を胸元に当てて行きつつ、いくら彼が春菜を無くしていた事で落ち込んでいるとは言え、ずっと仲良しでいた野黒新を放って置いているような態度に、苛立ちを感じてしまう彼女は不貞腐れるようにと唇を尖らせてしまい、「あんたは心配じゃないのかよ彼の事をさ?」宛ら自分が彼に投げていく文句の一言に、正気を取り戻しているようにと軽く左側の眉毛を跳ねらせていた彼の顔を見つめて行きつつ、自分自身が悪いことをしていたと自責しているように、軽く唇を噤んでは項垂れていく彼に、落ち込んでいるんだから、他の人に気を回さなくても普通の事なんだと、知らせに行きたいと思っている彼女は微笑んでいく、「弟みたいなくらいの存在が滅茶苦茶落ち込んでるんだぞ?」


  「うっ…」チラッと微笑みながら自分を叱って来ていたような白野の一言に、少しばかり不安を強いられているように感じつつ、もしかしたら彼女は自分に気を遣っていて、或いはただ野黒新の事を旦那だと語るのが、恥ずかしいからなんじゃないかと、勝手に彼女が紡いだ比喩の一言で心を苛んで来る不安に、涙目にされてしまいそうな気がしつつ、少なくとも彼女にとっては、自分はただの幼馴染でいて、それと比べると野黒新は家族みたいな存在になっているんだと言う現状に、口角が斜め下の方向に向けられているように感じつつ、悲しみを覚えては、脳内にあるどす黒い思いから逃げて行くようにと彼女の潤んでは、自分に笑ってくれているような眼に、秘められている少しばかり無理をしているような感情を心で感じていく彼は言う、「心配よ?心配に決まってるんじゃん…」不安そうにと眉毛を顰めては、悔やんでいるようにと歯を噛んでは、俯いてしまう和流は机を見つめて行きつつ、彼女の事を見れば見るほど愛おしく感じてしまうと同時に、抑える事が出来ないでいる、野黒新がこのまま二度と自分たちの前で現れない事を願ってしまうような、自分に自分を恨んでしまうくらいの下種な思いに心を苦しめられては、自分はいつの間にかこんなにも汚らしい人間になっちゃったんだと、悔やんでいる彼は苦しそうにと赤くなっていた鼻を啜っていく、「僕だって…」


  困り果てては泣き出してしまいそうな和流の態度に見開かされては、優しい彼は間違いなくさっき自分と話をししていた野黒新に向けていた、どうでも良さそうな態度と、春菜を無くしているんだと言う現状を再確認していたせでいで、重なり合っていたショックに撃沈されているのに違いないんだと、心の中でぼんやりと感じては、彼の弱っている姿を目にすると、つい彼の事を慰めて見たくなっている白野は、残念そうにと引き攣っているような右側の口角を上げてしまい、「なんか、前回は春菜ちゃんがいたけどさ…」立ち直ってくれているようにと軽く右手の人差し指で赤くなっていた鼻を擦っては、まったりと額を上げてくれている彼を迎えて行くようにと、淡い笑みを浮かべていく白野は言う、「今度彼が引きこもって、」ぼんやりと顔を自分の机にある引き出しに向けていく白野は友人として、春菜の為に苦しんでいる自分とは違っていて、和流も野黒新もかなり落ち込んでは、絶望を覚えているのに違いないんだと心の中で考えては、自分は少しばかり和流にも優しくしてあげるべきなんだと考えている彼女、「もう部屋から離れないって…」


  軽く艶やかな唇を噤んでは、項垂れたままで鼻を啜っていく彼女はごくりと固唾を飲み込んで言う、「言うのでしょうね…」苦い笑みを浮かべて行きながら、友人としても、結構世話になって来ていた野黒新の落ち込んでいる時には、助けを差し伸べて行くべきなんだと強く思いつつ、親友よりもずっと自分にお世話してくれていた野黒新には何としても支えては、彼をどす黒い渦の中から引っ張り出して行くんだと強く考えている彼女、「おじいちゃんの話だと部屋に籠ってずっとアニメを見ているらしいよ?」悔しそうにと軽く歯を噛んでは、漠然と佇んでは自分の話を聞いてくれている彼の眼を見つめてしまう白野は言う、「ご飯もちゃんと食べないでさ…」ぼんやりと眉毛を顰めて行きながら、野黒新の衰弱している様を思うと、つい心が憂いに侵されているような気分になってしまう彼女は、ぽつりと呟いていた、「凄く心配なんだ…あたし…」


  「心配し過ぎ…」白野の切なげに鼻を啜っていた様を思うと、つい心の中で彼女の野黒新への思いに起爆されていたような嫉妬に、唇をこじ開けられているように思えては、ビクッと繊細な眉毛を跳ねらせていた白野が、浮かんで来る驚愕の表情につられているようにとビクッと左側の眉毛を跳ねらせていく和流、「いや…」切なげに目を細めては、彼女の好きな人に関して心配している思いに、自分には口出す権力なんてないんだと、野黒新への心配より、二人の間柄を嫉妬していた思いが上回っていた事に悔やんでいる彼、「なんもないや…」悲しそうに俯いては、急いで彼女に謝っていかないと、彼女に嫌われてしまうんじゃないかと考えている彼は、ぽつりと呟いていた、「ごめん…」


  和流のどうしたらいいのかが分からなくなっている姿に、目を細められているように感じては、彼も春菜の事で酷く落ち込んでいるせいで、どうやってこれからの日々に立ち向かって行けたらいいのかが、分からないでいるのであろうと心の中で納得して行きつつ、人に優しくて、いつも陽気な春菜と比べると、態度が悪い自分には勝ち目なんて残されていないんだとぼんやりと考えては、思わず苦笑いして見たくなってしまう白野、「ううん…」


  まったりと首を横に振っては、軽く鼻を啜っていく彼女はまだまともに生活して行ける和流より、引きこもっては、世界を拒んでいるような野黒新をどうにかしないと、彼まで失って仕舞うんじゃないかと考えている彼女は言う、「いいのよ、あんたも悔しいよね、」苦い笑みを浮かべたままで、自分が紡いだ彼の思いを理解している一言に、ゆっくりと額を上げてくれている彼の眼を見つめて行きながら、両親を無くしていた野黒新と一緒に暮らしているお爺さんの事を思い出していくと、孫まで失ってしまうと、お爺さんも悶絶するくらいの悲しみを覚えてしまうんだと考えては、引き攣っているような右側の口角を上げては、子供の頃は常に自分の事を引っ張ってくれていた和流なら、野黒新より何とか悲しみから独自で逃れていけそうな気がしている彼女は言う、「春菜ちゃんが急に死んでいたのって…」


  白野が潤んでいる深いピンク色の瞳で自分の事を映し出してくれていて、自分に投げて来ていた一言に左側の眉毛を跳ねらせているように思いつつ、ぼんやりと俯いてしまう彼、「うん…」ぼんやりと頷いては、目の前にいる白野の事をばっかり考えていて、絶望に抱かれていただけではなく、いつも優しく接してくれては、相談事までしてくれて来た春菜が死んでいた事を思うと、つい白野の事をばっかり考えていた自分は飛んでもない薄情な奴なんだと悔やんでは、ゆっくりと悲しみに撃沈されているようにと、戦慄している左手を上げていく和流、「春菜もあいつも…全部悔しいよ…」苦しそうにと歯を噛んでは、髪の毛を擦っていく彼は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、自分はどうして仕舞ったんだと、心の中で疑問に思いながら、口角を斜め下の方向に向けては、弱り切っている瞳を白野に向けていく、「何もしてあげる事ができない自分にも…悔しいよ。」


  和流の酷く弱っては泣き出してしまいそうな態度に、眉間に皺寄せられているような気がしてならないでいる白野は思わず強く両手を握っていき、「躊躇している時間があるのなら!」刹那、まるで自分の身体を殴って来ているような白野が、自分に向けて来ていた一言に見開かされては、唇が否応なしにこじ開けられているような気がしている和流、「え?」両手でガッツポーズを取ってはぱちくりながら自分に驚かされては、上手く声を発する事が出来ずにいる彼の瞳を見つめて行きながら、強く赤くなっていた鼻翼に力を入れていく彼女、「行動に移して見たら?」


  白野のやけに激しく思えるくらいに、自分の事を鼓舞しに来ている態度に戸惑いつつ、つい彼女の意味もなく自信に満ちあふれているような姿に、心を助けられているような気分を味わってしまう和流は、苦い笑みを浮かべて行きつつ、軽く右手の人差し指で痒くなれている頬を掻いていた、「名言っぽく言ってくるけどさ…」まるで自分の飽きれているような態度に、心をくすぐられているようにと笑ってくれている彼女につられているように笑っていく彼、ゆっくりと右手を頬から下していく、「どうやって…?」


  和流が春菜への戸惑いからまだちゃんと生きていて、手遅れるになる前に野黒新の事を自分と共に助けてくれようとしている態度に、口角を限界なまでに上げられているように感じては、猛然と左腕を彼の方向に向けて伸ばしては、強く左手の親指を立てていた白野は言う、「手紙を書いてたの!」刹那、白野が自分に投げて来ていたあまりにも地味な一言に目を半開きさせて行きつつ、強張っているような右側の口角を上げていく和流は、ぽつりと渇いた唇を開けていき、「へ…」


  「馬鹿にしているわよね…」どう見ても自分に飽きれているようにと目を半開きさせて来ている和流の様と、まるで自分の考えを否定しに来ているような彼が漏らしていた声に苛立ちを覚えつつ、不服そうにと歯を噛んでいく白野、「そのへ…って!」怒っているようにと眉毛を顰めては、沈んでいるような声を自分にぶつけて来ている白野の態度に、苦笑いして見たくなりつつ、手紙一つで野黒新を助けるはずもないだろうと心の中で思ってしまう和流、「だってさ…」困り果てているようにと軽く右手の人差し指で痒くなっていた頬を掻いて行きながら、飽きれているような眼差しを彼女に向けてしまう彼、「手紙で心にあるトラウマを癒して行けるのなら、」腕を組んでは拗ねているようにと眉毛を顰めたままで、唇を尖らせに来ている彼女に向けて軽く肩を竦めてしまう和流、「医者は要らなくねぇ?」

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