第222話ちょいと目をつぶってろ。



  「ううう…」まるで自分の心を引いて行くかのように、少女の繊細な背中に付けていく羽根のような青色の髪の毛の中に混じっていた白髪を見つめつつ、思わず神が人類に与えて来る芸術すら思えてしまう少女が少年の鞄に顔を隠されては、急に照れくさそうな態度をし始めている事に歯ぎしりして行きつつ、思わず歯を食いしばってみたくなっている鼻先が褐色の黒子が生えていた男性は、右手にある携帯電話を強く握って行きながら、まるで少女しか見えなくなっているようにと微かに紅潮している頬に小さな笑窪を浮かばせている少年の横顔を睨んでは、何度も鼻翼に力を入れていく彼はつい少年のような美男子が少女のような綺麗な女性とつるんでいるところに嫉妬を覚えては、悔しい思いに頭蓋骨を跳ねらされているように思えている彼は軽く顎を引いて行きつつ、黒くなっていた携帯画面に映し出されている自分が浮かんでいる歪な表情を睨みながらどうして少女のような可愛い女の子の隣りに居るのは自分じゃないんだと強く思っては、まるで一人ぼっちである自分に見せて来ていたような少年の軽く鞄を上げては、彼女に顔を近づいていた様を思い浮かんでしまうと、つい彼はわざわざ寂しい思いに、心を囚われている自分に綺麗な彼女が出来ているんだぞと自慢しに来ているように思えては、不服そうにと鼻翼に力を入れていく男性は眉間に皺寄せて行きつつ、少年に何かしらのいたずらをしては、少女の中にある彼への印象を最悪にしていこうと強く考えながらぽつりと怒気に満ちている声で呟いていく、「畜生め…」


  まるで自分の顔を射抜こうとしているような男性から送って来ている熱気を放っている眼差しを気にすることなく、恥ずかしそうにと軽く右手の人差し指で頬を掻いてしまう竜祥は自分と同じように恥ずかしさに心を縛られては、身動きを取れないでいる小夜に一瞥していき、「まぁ…」軽く鼻翼に力を入れては、自分が紡いだ照れくさい台詞と仕草をカバーしては、内心が高揚感と恥ずかしさに押しつぶされてしまいそうな感覚を彼女に隠していこうと強く思っている彼は、視線を遠くにある道を飾り付けているような茂みに向けて行きながら声を上げていき、「そう言うディスられているところも知らないで照れているところとかは好きだよ?」


  照れくさい心境に唇を操られては上手く言葉を紡ぐことが出来なくなっていた小夜は、竜祥が自分に投げて来ていた眼差しと話に困惑気味にされているように思いつつ、ぼんやりと小首を傾げていく、「ううん…?」呆然と彼の顔を見上げて行きながら軽く左手の人差し指で自分の頬を指差して行く彼女は、横目で彼の顔を見て行きつつ確認するようにと声を発していく、「なんかディスられてたのかな?わたし。」


  小夜の自分が彼女に向けていくあからさまなまでの揶揄している言葉を耳にしては、未だに上手く自分が恥ずかしさを隠す為に彼女に向けていた意地悪な言葉を理解できていない彼女の存在が愛おしく感じてしまう彼は、ぼんやりと夕焼けに微かな橙色を貰えては、潤んでいるピンク色の瞳で自分の顔を映し出してくれている彼女の姿に口角を支えられているような気がしては、思わず淡い笑みを浮かんでいく彼は可笑しそうにと何度も首を横に振っていき、「ううん?」チラッと視線を自分の頑なに彼女の白皙の右手を放そうとしないでいる左手に一瞥していく彼は、手のひらにある少し力を入れてしまうと潰されてしまいそうな彼女の繊細な手の感覚を感じて行きつつ、思わず幸せそうに微笑んでしまう彼は、ゆっくりと顔を呆然としている彼女に向けていた、「俺からの告白だと思っておくれ。」


  「お、おお…」竜祥の幸せそうに笑ってくれては、自分の心に投げてくれていたような言葉に唇をこじ開けられているように思えてしまう小夜はごくりと固唾を飲み込んでは、萎縮しているようにと軽く肩を縮めては、恥ずかしそうに左手の人差し指でこめかみを掻いて行きながら、チラッと横目で彼の無言で自分に笑ってくれている様を見ていく、「嬉しい…わたしも好き。」


  宛ら少女の心を奪えていたかのように、彼女に照れくさい表情を浮かばせている少年に苛立ちを覚えながら、歯を食いしばっては思わずベンチから離れ、少年の凛としている顔をぶん殴ってみたくなっている男性は不服そうにと何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、どうして自分にはそんなにも可愛い彼女が出来ないんだと強く思いながら、歯ぎしりしていく。小夜のまるで恥ずかしさに操られているように上手く自分の顔を見れないでいる態度に口角を軽く上げられているように感じては、幸せそうな笑みを浮かんでいく竜祥は軽く首を縦に振っていた、「うん…」


  「だけど…」竜祥が自分に向けて来ている真摯な気持ちに目を細められては、心が苛まれているようにも思えている小夜は悔しそうにと白い歯を噛んでは、心の奥に過っていく憂いに体を刺激されては、倒されてしまいそうな気がしてしまう彼女は思わず艶やかな唇を噤んでは、何度も赤くなっていく鼻翼に力を入れて行きつつ、潤んでいるピンク色の瞳をまるで自分が何を言おうとしているのかを分かってくれているような彼に向けていき、「いとこ同士だと…」


  ぼんやりと視線を自分たちの向き合っていた靴先に落としてしまう小夜はつい自分たちがお互いに向けている感情は家族に対するものなのか、それとも恋人のものなのかは定かではないけれど、竜祥ともっと近づいていきたいと思ってしまう自分の思いはきっとお互いに不幸にしてしまうのであろうと、ぼんやりと考えてしまう彼女はつい丁寧なまでに自分の右手を包んでくれていた彼の左手に、心細い思いを押し付けられているように思いつつ、彼はどんな好意を自分に抱いているのかと確かめてみたくなっている彼女は悔しそうにと軽く歯を噛んでは、決意するようにと白皙の額を上げていく、「結婚はでき…」


  ”ザザー”刹那、まるで自分に上手く内心の葛藤を紡がせてくれないでいるような葉と葉が触れ合っていく音に、背中を氷柱に刺さられていたような刺激を与えられているようにとびくっと肩を跳ねらせてしまう小夜、「ひぃ?!」小夜の酷く驚かされては強く自分の左手を握ってくれている様に口角をくすぐられているように思いつつ、彼女に自分がいるんだから大丈夫なんだと教えに行くかのようにと、彼女の手を握っていた左手に少しばかり力を入れていく竜祥はまったりと顎を上げて行きつつ、まるで自分たちに挨拶を交わそうとしているような蠢く葉と葉の間から立って来ている、大きな物音に眉間に皺寄せられているように感じながら、小夜が自分に向けようとしていた深刻な問題に口角を斜め下の方向に向けてに固定されているような気がしてならないでいる彼は不服そうに軽く眉間に皺寄せては、蠢いてはまるで茂みから飛び出そうとしているようなものを睨んでいく、「タイミングの悪い奴だや…」


  ぼんやりと少年の軽く右手にある鞄を握って、彼の背中で隠れているような少女を守っている様にぱちくりして行きつつ、二人が急にどうかしたのかなと呆然と考えて行きながら、もしかしたら自分が少年に何かしらの酷い目に遭わせてやろうと言う思いが叶えていたんじゃないかと一瞬期待している男性は、まったりと視線を少女が怖がっているような眼差しを向けていく先を追っていき。


  ”ザー”刹那、まるで宙に透明な液体を残そうとしているような黒い獣に目を奪われているように思えては、強く眉をひそめていた竜祥は自分と同じように、強く小汚い爪で地面を掴んでまるで自分たちのことを噛み千切ろうとしているように歯を食いしばっている野良犬の姿に体を軽く跳ねらせては、弱っている吐息を漏らしている小夜の戦慄している右手を放して行きながら、目を細めては迂闊に自分に近づこうとしないでいる野良犬の尖っていた黄色の歯を赤い瞳で映し出して行きながら、軽く右側の口角を上げては汚されていた黄色の尻尾を立てていく野良犬の姿を馬鹿にしているようにと強く鼻で笑って言う、「今度は可愛い子猫が出てくれねぇんだな…ったく…」


  「おいおいおい…」少年の格好つけているようにと軽く顎を上げては、横目で野良犬の様を睨んでいく姿勢に彼は彼女の前で格好いいところを見せる為に、頭を狂わされているんじゃないかと思っては、ぱっと見、自分の脚より一回り大きな野良犬に噛まれると、周りに誰もが助けになってくれないとしたら、本当に殺されて仕舞うんだと強く思っている男性はつい黒いゴミに汚されていた黄色の野良犬の存在に震わされている両足に苛立ちを覚えつつ、急いでいるようにと右手にある携帯電話をポケットに隠しては、ごくりと固唾を飲み込んでしまう彼。


  「がるるぅ…」宛ら殺人犯予告を語っているような野良犬が発している吠えている声に口角を斜め下の方向に固定されているような気がしつつ、チラッと少年に縋っているようにと両手で彼の左腕を強く握っている少女の弱っては、泣き出してしまいそうな姿に一瞥していくと、自分には自分の命の方が重要なんだと強く思っている彼は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、急いでいるようにと震えては上手く力を込めることが出来ずにいる両足を両手で押さえては、少年が自分の代わりに野良犬を引き付けてくれている時間を利用しては、自分は逃げるんだと強く思っている男性は歯ぎしりしながら切羽詰まった心境に駆り立てられながらベンチから臀部を離れては、少女の泣き出してしまいそうな横顔に一瞥すると、当たり前のようにと右手をポケットにつけて行きつつ、自分には楽々花と言う精神的な支えがあるんだと思っては、一人たまに見かける綺麗な女性を無くしても大した問題になったりしないと思いながら、そもそも少女の為に命を落としてしまったら元も子もないんだと強く考えている男性はごくりと固唾を飲み込んでは、自分は楽々花に会えに行って、いつかは彼女を自分だけのお嫁さんにするんだと強く思っている彼は野良犬から向けて来る恐怖に震わされている右手をベンチに当てて行きつつ、何とか体の重心を保っては、チラッとまるで自分のことを見下ろしてきているような大きな木に一瞥すると、軽く引き攣っているような口角を上げていく彼は自分が上手く木の上にさえ登って行けたら、いくら図体の大きな犬だとしても木には登れやしないんだと強く考えている、彼は別れを告げるようにとチラッと深紅の瞳で少女の恐れている横顔を映し出していく。


  「や、ヤバいよ…!」体が恐怖に支配されては爆発してしまうそうな気がしてならないでいる小夜は、酷く震えている両手で竜祥の左腕を軽く引っ張っては懇願しているように潤んでいるピンク色の瞳で、彼の歯を食いしばっているせいで頬に浮かんでいた小さな角を映し出して行きつつ、ぽつりと弱っているような声を漏らしていき、「逃げましょ…?」まるで自分たちのことを挑発しに来ているような、背を反らしては腹を地面につけようとしているような野良犬のことを睨み付けている竜祥のことが心配になり、野良犬が急に発狂しては、彼のことを噛んだりしないとのかと思ってしまう小夜はつい頭が畏怖に真っ白に染め上げられているような気がしつつ、上手く物事を考えられなくなっているように感じてしまう彼女は恐る恐ると左手の人差し指で軽く野良犬の真っ黒な眼を指差していき、「の、野良犬っぽいぞ…?」


  歯ぎしりしながら、かなり大きな犬をどうやって殺されずに止めていけるのかを必死に考えていた竜祥はつい小夜が自分に向けて来る惚けているような言葉に、口角を上げられているような気がしては、思わずぽつりと飽きれているような声を発していく彼、「っぽいって訳ではなく…」ごくりと固唾を飲み込んでは、小夜の酷く怖がっている様に目を細められては、強く右手にある鞄を握っていく竜祥は猛然と鋭い刃の如く鋭利な眼差しを野良犬に投げては、小夜を怖がらせていた野良犬を殺してもいいんじゃないかと強く思っている彼は何度も鼻翼に力を入れて行きながら、まともに野良犬を片付けないでいる街に失望しつつ、自分がいつかは麻酔銃でも買っては、小夜が通りそうな街で見かける野良犬を全部消滅していこうかなと、内心でぼんやりと計画を立てていく竜祥は自分の左手を連れて震わせようとしているような小夜の両手から伝わって来ている心細い思いに微笑んで行きつつ、彼女に余計な心配をせずに自分に全てを委ねて欲しいと強く思っている彼はぽつりと声を発していた、「そんな格好をしている飼い犬を飼っている奴は俺の両親の生まれ変わりかって話だ。」


  竜祥のやけに平然と振る舞いに来ている態度に見開かされては思わずあんぐり口を開けてしまいになっている小夜は、ぱちくりながら彼の横顔を睨んでいき、「じょ、冗談なのかリアルな奴なのかは良く分からない話は止めて!」自分のことを畏怖しているように歯を食いしばっては、小夜に近づこうとしないでいる野良犬のことを睨みながら、右手にある鞄でこいつを解決して行こうと強く思っている竜祥は、無理矢理強張っているような右側の口角を上げては、野良犬に噛まれたら小夜に心配されてしまうんだろうなと漠然と野良犬と戦っては、野良犬を上手く殺せた後のことを考えている彼は、ぽつりと平坦な声を発していた、「リアルな冗談だよ。」


  竜祥の少しも恐れていないような態度に不満を覚えているような野良犬は、強く立てていた尻尾を左右に振らして行きながら、黒い瞳で自分の存在を恐れている小夜の事を飲み込もうと考えているようにと吠えていく、「がるるる…!!」「ひぃ!!」声帯が恐怖に引き千切られてしまいそうな気がしつつ、野良犬のまるでチンピラのように自分たちに向けて来る吠えている声に見開かされては、思わず強く肩を縮めていく小夜、「お、お金を…!」忽然、脳内に過っていくお金を渡しては野良犬に自分でソーセージでも買って貰えという思いが馬鹿げているんだと言う事に意識しては、何度もパニック状態に陥っては上手く物事を考えてさせてくれないでいる畏怖を振り解くようにと首を横に振っていく小夜、「い、いや…!」ごくりと固唾を飲み込んでいく小夜は竜祥の強張っているような横顔に一瞥しては、今度こそ自分が何とか彼の事をピンチから、自分一人の力で救い出してあげるんだと強く思っている彼女は震えている背筋を伸ばして行きつつ、軽く竜祥の前に向けて歩いて行こうとする、「わ、わたしだ!」まるで自分に迂闊に野良犬を刺激しないようにと語って来ているようにと左腕を上げては、自分に上手く前に向けて歩かせないでいる竜祥の事を気にすることなく、猛然と左手を胸元に当てていく小夜は言う、「食べるのならわたしを食べて!」


  パニックになっては野良犬と会話しようとしている小夜はもしかしたら場の雰囲気を和ませようとしているのではないかと、ぼんやりと考えて行きながらチラッと横目で彼女のこめかみを濡らしている汗の粒に一瞥していく竜祥は可笑しそうにと軽く鼻で笑っては、左手を上げて彼女の頬に沿っていく透明な粒を拭いて行きつつ、横目で野良犬を睨んでいく、「いいぞ?今晩は食べちゃおうかな?」


  「え…?」忽然、向きになっては野良犬に竜祥を傷つけたりしないでと口にしていた自分は、少しばかり愚かだとぼんやりと考えていた小夜は急に自分を口説いて来ていたような竜祥の話に困らされているように思えては、呆然とぱちくりしていく彼女は自分の顔を映し出してくれている彼が浮かんでいる笑みに激しく鼓動を刻んでは炸裂してしまいそうな気がしてならないでいる心臓が、少しばかり宥められていたように思えている彼女は恐る恐ると戦慄している肩を縮めて行きつつ、彼に尋ねていき、「も、もしかしてセクハラ…?」


  小夜のどう聞いてもセクハラでしかない言葉を耳にしても尚、一度自分に確認してから怒ろうとしているようにと軽く白皙の頬を膨らませている様に目を半開きさせて行きつつ、可笑しそうにと軽く鼻で笑っていく竜祥は照れくさそうに彼女の叱られているように眉間に皺寄せている表情から野良犬の方を睨んでいき、「落ち着いて欲しいから言ってたけど…」ごくりと固唾を飲み込んでは、左手を何度も握りしめていく竜祥は野良犬のまるで自分の事が実は弱いのではないかと考えているように、軽く足を自分たちの方向に向けてずらして来ている様を睨みながら、もしナイフでも持ってたら簡単に犬を捌いていけるのになと内心で思いつつ、チラッと青ざめた小夜の白皙の頬に目を向けていく彼は言う、「はずいから説明させんなよ…」


  「おお…」竜祥が土壇場で自分に気を遣ってくれる程の余裕を持っている冷静な態度に、心の中で脱帽ししまう小夜はぼんやりと潤んでいる瞳で彼の横顔を見ながら照れくさそうにと軽く右手の人差し指で痒くなっている頬を掻いていき、「なんかありがとう…」「ワアン!」刹那、まるで自分たちの他愛のない会話をもう聞きたくないと語って来ているように、猛然と前の両足で強く地面を抉って来る野良犬の後ろの足で地面を蹴っ飛ばしては、体に付いていたゴミを少しばかり落としていく様に目を細めては猛然と歯を噛んでいく竜祥。


  「いやあ?!」否応なしに自分たちに涎を垂れ流している口を向けて来ては、限界なまでに口を開けている野良犬の本気で自分たちを食い千切ろうとしている様に心臓を握り潰されているような気分を強いられている小夜。トーンが畏怖に操られては喉が壊れてしまいそうなくらいに叫んで来ている小夜の叫び声に、彼女の喉の状態が心配になりつつ、彼女のまるで自分の脳内に入って来ているような大きな声に左目を否応なしに閉ざされていたような気分を味わっている竜祥は悔しそうにと歯を噛んでは、自分ではなくあからさまに自分の代わりになろうとしていたせいで、少しばかり前に向けて踏み出していた小夜を狙って来ている野良犬の口に苛立ちを覚えては強く右手にある鞄を握っていく彼、「ちっ。」


  ”パーンー”刹那、まるで自分の体を守ってくれているコーヒー色のビームを化していたように、否応なしに野良犬の側頭部にぶつけては、両足を踏ん張っては強く右足を捻らせ、瞬きを忘れていたようにと右手にある鞄に飛んだルートを無理矢理変えられていた野良犬の事を睨みつつ、迷わずに握りしめている左手を鞄に向けて殴りかかろうとする竜祥の殺気を纏っているような姿をぼんやりと潤んでは、恐怖に泣かされてしまいそうなピンク色の瞳で映し出していく小夜。


  ”ドンー”強く右手で鞄を押さえては握りしめている左手で猛然と鞄を殴っては、まるで犬の口が生えていたような鞄の縁を睨んでいく竜祥は強く鼻翼に力を入れては、自分から小夜を奪おうとしていた野良犬は絶対に殺してやると内心で決意していた。「ぐぅうー!!」辛そうな唸り声を発してはまるで自分の体を押さえて来ている竜祥の体を退かそうとしているようにと小汚い四足で空気を蹴っている野良犬の姿勢をぼんやりと眺めて行きつつ、右膝を地面に付けては、まるで野良犬は反射的に自分のことを蹴って来るのを分かっていたようにと四足の後ろの方向に控えては、右手で野良犬のことを鞄を頼っては押さえている竜祥の姿を見つめつつ、呆然と両手を上げては自分の大きく開けていた唇を隠していく小夜、「あ…」


  ”ドクンードクンー”まるで自分には上手く小夜の事を守れてたんだぞと知らせに来ているような心音に自分はちゃんと生きていては、無事に一番取り返しのつかない傷を与えに来る野良犬の口を押さえていた事に、高揚感を覚えさせてくれているような心臓のパンクしてしまいそうなくらいの激しい鼓動を感じて行きつつ、未だに自分の方が強いである事を知らないでいるようにと四足で空気を蹴っては、鞄を退かそうとしているように体を振らしている野良犬の大きな体を睨み付けている竜祥、「狼になれたつもりでいてんじゃねぇよ…」段々右手に力を込めては野良犬をこのまま地面に埋めり込んで行こうと強く思っている竜祥は血走っている眼で自分の鞄に向けて行きつつ、喉から声を絞り出していた、「野良犬ちゃんよぉ…?」


  「マジかよ…」少年の迅速なまでに鞄で野良犬の押さえつけては、いとも簡単に恐怖に怯んでは逃げていた自分には出来なかった事をやり遂げては、ちゃんと少女を守れていた様に驚かされつつ、思わずあんぐり口を開けてしまう男性はぱちくりながら両足で自分の身体を支えてくれていた逞しい枝を挟んで行きながら、自分の事を野良犬と二人から隠してくれているような緑色の葉の群れの間で少年の事を見つめつつ、チラッと辛そうにと鞄を退かそうとする野良犬の事を映し出していき。


  「がるるぅ…!」強く土に汚されてはまるで溝の中で体でも洗っていたんじゃないかと思わせるくらいに、汚い野良犬が彼の事を上手く押さえていた竜祥にまだ挑みたがっているようにと吠えている声を漏らしながら叫んでいる様に見開かされている小夜、口角が斜め下の方向に固定されているような気がしている彼女はごくりと固唾を飲み込んでは、恐る恐ると左手の人差し指で酷く暴れている野良犬の事を指差していき、「あ、暴れ…暴れてる…!」


  小夜の怖がりながら地団駄を踏んでしまいそうな姿が愛おしく思えている竜祥は、ぼんやりと自分の熱くなっている額を冷やそうとしているような汗の粒の感覚を感じて行きつつ、左手を鞄から引いて行きながら、ポケットに手を入れて行こうと考えながら横目で小夜の身体を見上げていく、「ちょっと控えといた方がいいぞ…?」汗ばんでいる左手でまるで自分の手のひらを軽く刺して来ていたような鈍っては、尖っていたひんやりとした物を握りしめていく竜祥は、息遣いが荒くなっていた自分が発していた声色に戸惑っているようにとぱちくりしている小夜の姿を見つめて行きつつ、ニヤリと右側の口角を上げていた、「鬼畜な場面を見せたくないからね…」


  息遣いが酷く荒くなっている竜祥が自分に向けて来ている言葉に、眉毛を跳ねらされていたような気がしつつ、何度も首を横に振っていく小夜は眉間に皺寄せながら強く両手を握っては、彼はわざと自分に怖がらせようとしているだけで、自分に危険から遠ざけようとしているはずなんだと強く思っては、震えている喉から声を絞り出していた、「や、いやだよ…!」ごくりと固唾を飲み込んでいく小夜は自分が上げていた大きな声に驚かされているようにと細い眉毛を跳ねらせていた竜祥の顔を見つめて行きつつ、何度も鼻翼に力を入れていき、「どうせ後で噛まれてからわたしのもとに戻るつもりなんでしょ!」


  まるで向きになっている自分に話をする権利を奪われているようにとあんぐり口を開けている竜祥に向けて、軽く一歩を踏み出していく小夜は猛然と左手を胸元に当てては、潤んでいる瞳で彼の顔を映し出していく、「いやだからね!」強く歯を噛んでは力に満ちあふれているように空気を蹴っている野良犬に一瞥してしまうと、つい胸元の奥にある畏怖に脳内を支配されてしまいそうな気がしてならないでいる小夜は何度も首を横に振っては、揺るぎない眼差しを竜祥に向けていた、「あなたと一緒にいるわ!噛まれても!」


  小夜が激昂になって自分に向けて来る心を温めようとする話に口角をくすぐられているように思いつつ、自分から彼女を奪おうとしていた右手にある鞄を退かそうとしている野良犬への憤怒が段々強くなっているような気がしている竜祥は、左手にある銀色の鍵を握って行きつつ、横目で胴体を振らしてはゴミを落としているような野良犬を見下ろしていき、「まぁ…構わないけどよ…」左手にある忘れ草をモチーフにしていたようなキーホルダーを手のひらで包んで行きつつ、人差し指と中指の間にある水かきで先端が尖っていた鍵の黒い取っ手を包んでいく竜祥は、野良犬を凝視して行きながらぽつりと声を発していた、「ちょいと目をつぶってろ。」


  「え、」竜祥が右手で鞄を押さえて行きながら自分に向けて紡いで来た言葉に戸惑っては、思わず間の抜けた声を発してしまう小夜はぱちくりながら野良犬を全力で押さえているせいで顔が少しばかり赤くなっている竜祥の事を見て行きながら、もし自分が目を閉ざしていた際に野良犬が急に自分のことを噛みかかって来ていたどうしようと思っている彼女、「え…?」まるで自分のことを催促しに来ているようにと自分に顔を向けて来ては目を細めている竜祥の凛としている態度に口角を微かに強張られているように感じている小夜は、ぼんやりとぱちくりして行きつつ恐る恐ると頷いていき、「わ、分かったわ…」


  

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