第182話あんた…結構面白いことを考えてくれるわね…


  斗奴雷のあからさまに自分が彼に文句を向けたくなっている態度に察してくれているような様に目を半開きさせては、不満そうに唇を尖らせていく楽々花は悔しさに駆り立られては強く歯を噛んでしまい、「さっき、強引に話題を逸らしたと文句を言いに来ていたのはどこのどいつだい?」楽々花が自分に投げて来ていたまるで喉を詰まらせようとしている言葉に絶句されてはぼんやりと唇を開けていく斗奴雷、「えっと…」斗奴雷の困っているように自分から顔を逸らしていく態度に目を半開きさせては、何度も鼻翼に力を入れていく楽々花は不服そうに唇を尖らせていき、「うむ?」


  まるで自分の顔を彼女の頬で押し潰そうとしているように、軽く足先に力を入れては顔を自分に近づいて来ている楽々花の仕草に心を弄ばれている様な気がしてならないでいる彼は、叱られているようにと顎を引いて行きつつ、ごくりと固唾を飲み込んでは、申し訳なさそうにと左手の人差し指を立てては自分の顔を指差して言う、「ここの、こいつです…」斗奴雷が素直に彼の話題を逸らそうしていた事を認めてくれている態度に口角を微かに上げられている様な気がしては、ニヤリと右側の口角を上げていく楽々花は彼のまるで自分にどうしたいのかと聞きに来ている様な潤んでいる深い紫色の瞳を見つめては、さっき彼が話題を逸らしていた自分に向けて来ていた行動を思い出すと、つい興奮気味になれているような気がしては、微風にくすぐられている彼の項から漂って来る彼の香りに鼻の奥を弄ばれている様な気がしては、鼻で軽く息を出していく楽々花は横目で彼の顔を見つめて行きつつ、彼に尋ねていき、「わたしがやろうとすることは分かってるわよね?」


  「えっ?」楽々花が言葉を紡ぎ終えるとまるで自分にヒントを与えに来ているようにと軽く唇をすぼめていく様に見開かされては、思わずあんぐり口を開けていた斗奴雷はついさっき向きになっていた自分が勝手にも思えてしまうぐらいに、彼女の唇を奪っていた事を脳内で思い浮かんでしまう彼、「ちょ、」楽々花の見る見るうちに自分の唇を奪いに来ている様に口角を斜め下の方向に向けて引っ張られているような気がしてならないでいる彼は、萎縮しているように彼女の顔から目線を逸らし、アグレッシブな彼女に自分の弱っている様なところを見せてしまうと、つい彼女のことを誘っているようにも思えては、軽く歯を噛んでしまう彼はもし彼女に過激な口付けをされてしまうかもしれないと思うと、つい胸元の奥に秘められていた爆弾の如く衝動に全てを委ねて仕舞いそうな自分が怖くなっては、彼女に落ち着いて貰いたいと切に願ってしまう彼は自分たちが戻るべき帰路に目を向けてはぽつりと呟いていた、「ちょっと理解し兼ねますが…」


  忽然、まるで自分の逃げ道を塞いで来ているように、両手を自分の肩に置いて来ている楽々花の自分の胸にくっついて来ている様な柔らかく思えている体に心臓の鼓動が再び加速されているように感じては、緊張に背中を焼かれている様な気がしてならないでいる彼は期待と興奮に詰まらされているような渇いた喉に潤いを与えにいくかのようにと、ごくりと唾液を飲み込んでは、恐る恐るとまるで自分の顔を待ってくれているような彼女に目を向けていた。


  ぼんやりと怖くなっているように震えている深い紫色の瞳を見つめては、斗奴雷のキス魔にも思えてしまう自分に困らせている態度を目にすると、何度も彼の唇を奪うと些か野蛮にも思えてしまう自分になりたくないと同時に、どうしても彼ともっと親しい関係になりたいと心の奥から願ってしまう楽々花はついまるで自分の背中を押して来ているような焦燥に負けていたようにと思えては、唇をすぼめていた。


  ”ちゅ~”まったりと自分の頬に近づいてきている楽々花の唇に見開かされては、ごくりと固唾を飲み込んでは息を吐くのは一旦止めて行こうと強く思っていた斗奴雷はまるで自分の期待に震わされている唇をからかって来ている様に、自分の熱くなっている右頬に当てていた柔らかくほんのりと彼女の香りが帯びている感覚に困らせているようにと眉をひそめては、幸せそうに目を瞑っている楽々花の自分の肩を抱えに来ては、頬を温かく艶やかな唇で奪って来ている態度に心を叱られているように感じてしまう彼は俯いては、恥ずかしさに苛まれている様な唸り声を発していく、「ううう…」


  まるで目を瞑っている自分の事を呼び覚ましに来てくれているような斗奴雷の唸り声に口角をくすぐられているように思えては、まったりと瞼を開けていく楽々花は顔が赤いリンゴのように真っ赤になっている彼の悔やんでいるように俯いて、嬉しそうに上げている口角を全力で抑えている様に目を細めて行きながら、真摯な眼で彼の顔を見つめては、ぽつりと彼に尋ねていく、「どう?分かった?」


  楽々花が自分に投げて来ているからかいに来ているような言葉に目を細められては、羞恥心に視界を霞まされているような気がしている斗奴雷は恥ずかしそうにと顎を引いては、彼女の瞳を見つめていき、「これでも分からないと言うほど愚かではございませんよぉ…!」まるで自分が紡いだ話にからかわれているように嬉しそうに笑ってくれている楽々花の笑みに目を細められては、彼女が喜んでいる様を目にすると、宛ら宝くじに当たっていた様な気がしている斗奴雷は微笑みながら恥ずかしそうに右手を彼女の左手に向けていき、「ほら、早く戻りましょう?」楽々花の嬉しそうに頷いてくれている瞳に微かな安心感を覚えては、まるで自分たちのことを見下ろしているような巨大な柱の存在に一瞥していくと、ごくりと固唾を飲み込んでしまう斗奴雷は眉間に皺寄せて行きつつ、いつまでたっても留まっているのは危険過ぎると思い出している彼はつい厳かな表情を浮かばせてはぽつりと呟いていた、「ここは危ないのですから…」


  「うん、」斗奴雷の自分たちの周りに気を付けているさまに微笑んでは、まったりと右足を前に向けて踏み出していく楽々花は楽しそうにと軽く右手をかざしては嬉々とした声を発していき、「行きましょう~わたしたちのキス屋へ~」”ドクンー”忽然、まるで自分の右腕を引いてくれているような楽々花が口にしていた一言に見開かされては、心臓が強くノックされているような気がしてならないでいる彼は照れくさそうに強く歯を噛んで行きつつ、何度も鼻翼に力を入れて行きながら、彼女の楽しそうにさっきの言葉を紡いだことを思うと、気絶してしまいそうなぐらいに恥ずかしく思えている彼、「ううう…!」


  自分が声に乗せていた言葉は少しばかり大胆にも思えては、斗奴雷の自分の話にからかわれて照れくさそうな唸り声を漏らしている様に目を細められては、ニヤリと右側の口角を上げていく彼女は横目で彼の顔を見つめ、軽く唇を彼の赤くなっている耳殻に近づいて行きつつ、声を発していく、「愛の巣の方が良かった?」「ど、どっちも…!」まるで自分の耳殻を舐めまわしに来ているような彼女の艶やかな唇から漏れていた温かい吐息に心臓を鷲掴みにされているような気がしつつ、鼓膜が彼女の声色に撫でられていたように思えてしまう斗奴雷、「どっちも…」顔が彼女の存在に何度も熱くされては、脱皮してしまいそうなぐらいに痒くなれている感覚に苦しめられているはずなのに、嫌いになれないでいる自分は変に思いつつ、潤んでいる金色の瞳と彼女の真っ赤になっている頬に浮かんでいる笑窪に歯を噛んでは、可笑しそうにと軽く強張っている左側の口角を上げていく彼は喉から声を絞り出していた、「いいです…!」


  斗奴雷のまるで自分が声に乗せていた話に目一杯くすぐられているようなぐらいに痙攣している右手に一瞥しては、彼の震えに便乗しては、自分の体の戦慄を隠していくと強く思ってしまう楽々花は猛然と額を上げては彼の顔を見つめながら強く首を縦に振っていき、「うん!」宛ら声で自分に返事をするだけでは満足出来ないと語っているようにと強く柔らかい左手で自分の汗ばんでいる右手を握ってくれている彼女の自分の眼を固定しに来ていたような笑みに微笑んでは、つい内心で紡ごうとする話に恥ずかしさを強いられているような気がしては、楽しそうにと前に向けて歩き出している彼女から顔を逸らしていく彼はぽつりと呟いていき、「君と一緒に居られるのなら…」


  ぼんやりと蕩けていたようなぐらいに浮いては熱くなっている頭で斗奴雷の存在を感じて行きつつ、彼が自分にかけてくれていた補足していたような話に口角を撫でられては幸せそうにと微笑んでいく楽々花、「えへへ…」ゆっくりと彼女の微かに震えているような両足に合わせて行くようにと彼女の隣りで歩いていく斗奴雷は彼女の真っ赤になっていた耳殻を隠そうとしているような亜麻色の髪の毛に一瞥しては、まるで自分にちゃんと彼女の赤くなっている耳殻とピンク色になっている耳に見れるように、まったりと彼女の亜麻色の髪の毛を退かしていく寒風に感謝してみたくなっている彼はつい彼女の紅潮している首筋と凛とした横顔の組み合わせに、彼女が途轍もなく美人であることを否応なしに知らされているように感じてしまう斗奴雷は、同じ寒風に刺激されているはずなのに、彼女の唇に触れられていた右頬がやけに熱くなってはまるで溶岩の隣りにいるようなぐらいに温められているように思えている彼。


  ごくりと固唾を飲み込んでいく斗奴雷は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、照れくさそうにと微笑んでは歩いている楽々花のことを見つめて言う、「あ、あのさ…」斗奴雷が紡いだまるで自分に何かしらの願いを聞いて欲しいと語って来ているような話に目を細めて行きつつ、浮かんでいた満面の笑みを彼に向けていく彼女は彼の赤くなっている頬を見ては当たり前のように声を上げていき、「いいよ?」


  「えっ?!」楽々花が自分にかけて来ていた返事に見開かされては、思わずぱちくりしてしまう斗奴雷は戸惑っているようにと声を上げていき、「な、何も…!」まるで自分に上手く言葉を紡がせてくれないでいるような彼女の笑みに羞恥心を覚えては、彼女の素晴らしく思えている笑顔を見てしまうと、つい頭が空白になっているように思えては、何も考えられなくなっている彼はまるで彼女の魔性の笑みから逃げ出すようにと強く目を瞑っては叫ぶように緊張に握りしめられている喉から声を絞り出していた、「まだ何も言っていないんですけどぉ…!?」


  斗奴雷の緊張と嬉しさのあまり声が裏返っていた事に目を細めて行きつつ、ニヤリと右側の口角を上げていく楽々花は軽く右手を強く鼓動を刻んでいる胸元に当てて行きながら、自分の左手を連れて痙攣しているような彼の右手に視線を落としてく彼女はぽつりと艶やかな唇を開けていた、「あんたになら…」軽く喉に引っかかっていた様な唾液を飲み込んでしまう彼女は強く鼻翼に力を入れては、照れくさな笑みを浮かんで行きつつ、額を上げてはぼんやりと自分の事を見つめて来ている彼の事を金色の瞳で映し出していく彼女は言う、「どんなことをされだっていいわ。」


  ”ドクンー”刹那、楽々花が自分に投げて来ていた自分の体にある原始なる思いを刺激しては完全に爆ぜらせようとする一言に見開かされては、背中が汗ばんでいる様な気がしては、思わず左手を上げて彼女の肩にかけてしまいそうな自分に見開かされている斗奴雷は睨むようにと自分の左手を凝視しては、チラッと微かに恐れているようにと肩を縮めていた楽々花の顔に一瞥していくと、彼女がさっき紡いだファーストキスを守っていたような話を思い出して行きつつ、彼女が発していた戦慄しているようなハスキーな声に眉をひそめては、怖がっているように震えている彼女の華奢な肩を目にしてしまうと、自分には彼女をもっと大切にしないとと強く思っている斗奴雷は必死に歯を噛んでは、声を絞り出していた、「や、やめましょう…!」


  「え…?」微かに震えているような左腕を自分の肩にかけて来ようとしていたはずなのに、無理矢理思いを遮断していた様な斗奴雷の仕草にほんのり安心感を覚えてしまう楽々花はぼんやりと霞んでいく視界の中で彼の顔を見つめては、軽くピンク色の唇を開けていた。楽々花の抜け殻となっているようにと呆然と自分の顔を見て来ている態度に口角を上げられては、やはり彼女にも、自分にも心の準備は出来ていないようにと実感している斗奴雷は微笑みながら冗談交じりに言葉を紡いでいき、「そういう初っ端から好感度マックスのヒロインみたいな台詞を言うのさ…?」


  楽々花に何度もからかわれていた事を思い返して行きつつ、彼女にからかわれる度に心が少しばかり鍛えられては強くされているように思えてしまう斗奴雷は、まるで操り人形と化していたように、自分が紡いだ話に向けてぼんやりと頷いてくれている彼女に微笑みながら、まったりと左手を上げて、彼女の頭を撫でて行きつつ、そもそも自分たちが現実で会って、日が大して経っていない事を思いつつ、ついぼんやりと潤んでいる金色の瞳で自分の顔を映し出してくれている彼女の事を意識してしまうと、いつかは危険な事をしてしまいそうな気がしている彼は強く首を横に振って行きつつ、万が一気まぐれな神と名乗っていたシルエットがちゃんと自分たちの事を見逃してくれると言うのなら、その時になると、彼女が後悔してもやり直すことが出来なくなるんだと思い、ごくりと固唾を飲み込んでしまう彼はぼんやりと潤んでいる瞳を自分に向けて来ている彼女の顔を見つめては、彼女はただ危険な状況から何度も彼女を救い出していた自分に少しばかり恩を感じているだけであり、それは果たして本当に愛なのかどうかはまだ日が経っていかないと分からないもののように思えている彼。


  左手を子供のように自分とじゃれ合って来ていた彼女の亜麻色の髪の毛を沿っては、彼女のやけに熱く感じてしまう頬に触れて行きつつ、呆然と佇んでは少しばかり荒くなっている息を漏らしている彼女の顔を見つめては、自分がちゃんと彼女の全てを守って行こうと思い、自分の左手に押して来ている彼女が浮かんでいる幸せそうな笑みに心をくすぐられているように思えては、微笑んでいた、「もし僕が君を変なところを連れて行ったらどうする気ですか。」


  優しく自分の頬を撫でてくれている斗奴雷のまるで自分の事を可愛がってくれている兄のような感覚に心の隙をこじ開けられていた様な気がしては、彼が紡ぐ不意に心にダイレクトに当たって来ていた攻撃力を纏っているようにも思えてしまう言葉に見開かされては、思わず強く歯を噛んでしまう楽々花は彼の手のひらから漂って来る花の香りに緊張と興奮を覚えては、強がっているようにと足先に力を入れてじゃ靴下を引っかかっていく彼女、「い、いいって…」緊張のあまりつい口ごもっていた事に恥ずかしくなれている彼女は必死に目を瞑っては大きな声を発していた、「言ってたでしょ…!?」


  「ううう…!」楽々花の向きになっては強がっている姿に歯がゆい思いを強いられている様な気がしてならないでいる斗奴雷は思わず強く歯を噛んでは、彼女がちゃんと自分が口にしようとしていたお願いを承諾してくれていた事を思いと、つい興奮気味になれてはやけになっているようにと彼女に顔を近づいていき、「もう…!」”フー”宛らラベンダーの香りを起こしていたような黒く見えてしまう風に見開かされては、否応なしに自分の左手を離しては、強く右手を自分の肩にかけてくれては丁寧に自分の肩を両手で抱えに来ていた斗奴雷の仕草に一瞬、心が縮めていたように感じては、いよいよ自分にも大人の階段を登ってしまうのかと観念したような思いを抱えられていた楽々花、興奮と期待に微かな憂いに挟まれていた心が斗奴雷にぶつけられて来た温かいものに打ち消されていたような気がしている楽々花。


  「え?」思わず間の抜けた声を発してしまう彼女はぼんやりと瞬きしては、強く自分の体を抱えに来ては、否応なしに右頬を自分にくっついて来ていた斗奴雷のまるで主人とじゃれ合っている大型犬のような行動に戸惑いつつ、まるで自分の華奢な体を包んでくれているような彼の逞しく感じてしまう身体に心が直接繋がっていたようにと感じてしまう彼女は熱くなっていた頬同士が触れている事に戸惑いつつ、大人の階段を踏み損ねていたんじゃないかと実感している彼女は呆然と唇を開けては、潤んでは充血している金色の瞳を彼の長いまつ毛に向けていく。


  彼女に痛い思いをさせたくないと強く思っては、自分の胸元に当てていた彼女の左肩に心を震わされているような気がしている斗奴雷は恐る恐ると震えているような瞼を開けて行きつつ、自分の右頬にくっつかれていた彼女の左頬に一瞥しては、怖がっているようにと涙目になっては涙を零してしまいそうな彼女の表情に微笑んでしまう彼、やはり彼女がただ背伸びしている女の子にしか思えなくなっていると同時に、自分がちゃんと二度と戻ることが出来ないぐらいの過ちをさせない事に気を付かないとと思い、自分たちの頬の間に挟まれている甘い香りを放っている亜麻色の髪の毛の、糸のような柔らかい感覚を感じて行きつつ、ぼんやりと潤んでいる瞳で自分を見つめてくれている彼女を凝視していく彼は照れくさそうにと声を発していた、「か、間接…キスですね…いかがいたしましょうか…?」


  「え…?」斗奴雷がやけに震えている声で自分に投げて来ていた言葉に見開かされては、思わず間の抜けた声を発してしまう楽々花はつい彼はじっくりと自分の体の匂いを堪能し、ゆっくりと自分に恥ずかしい思いを強いてから真っ裸にしようとしていたんじゃないかと考えていた彼女はつい彼が紡いだ訳の分からない話に見開かされてしまい。楽々花が発していた間の抜けた声を聞きながら淡い笑みを浮かべてしまう斗奴雷はつい彼女の絹のような滑らかな肌を自分の頬でもっと感じてみたくなっては、彼女の泣き出して仕舞いそうなぐらいに怖がっている眼を目にすると、つい彼女と頬をくっついていられるだけで幸せだと思えている彼は、戸惑っている彼女に説明するようにと声を上げていた、「自分自身と間接キスするのって…」


  「うううっ…!」斗奴雷に雌と見なされては欲望を全部ぶつけられてしまうんじゃないかと一瞬畏怖しては、何度も誘惑していたような言葉を紡いだ自分には、例え本当に彼に襲われても文句は言えないでいるように感じつつも、まるで自分の内心での矛盾を見破っていたようにと目を細めては自分に至近距離で淡い笑みを見せてくれている彼に苦笑いしてみたくなっては、彼にどれだけ甘えているのだろうかと自分に尋ねてみたくなっている彼女は、まるで聖なる天使にも思えてしまうぐらいに自分の体を包んでくれている彼の顔を見つめては、彼に抱えられている事に慣れないと思ってしまう彼女は照れくさそうにと俯いていく、「キス…するより恥ずかしい…よ…」ぽつりと弱り切っているような声を絞り出しては、昨日は何度も彼に自分の体を抱きしめてと強請っていたはずなのに、どうして急に萎縮して仕舞うのだろうと不安になっている楽々花は悔しそうにと軽く歯を噛んでは、斗奴雷は自分に嫌らしい目線を向けて来るような雄ではなければ、自分を欲望の捌け口にするような男でもないと確信していたはずなのにと思ってしまう彼女は、チラッと潤んでいる金色の瞳を彼に向けていく、「あんた…結構面白いことを考えてくれるわね…」


  「えへへ…」楽々花のまるで自分が彼女に向けていた少しの欲望を受け入れてくれているさまに微笑んでは、目を細めていく斗奴雷は言う、「暫く…いや…」もう少し楽々花の頬の温もりと感覚を味わってみたいと一瞬思っていた彼は何度も首を横に振っては、自分たちはまだ外にいる事を思い出して行きつつ、彼女があのステージで輝く楽々花日芽であることを思うと、彼女の体を目当てなら、命をかけて来る輩も少なからずいたりするのであろうと考えていく彼、「家に帰ってから…」自分の頬をくすぐって来ているような彼女の興奮と畏怖に微かに震えられている頬を感じて行きつつ、ごくりと固唾を飲み込んでしまう彼はついまるで赤子の頬に頬を当てているように思えては、彼女に強請ってみたくなっている彼は彼女のしおらしくなり、ぼんやりと顎を引いては自分の顔を見上げて来ている様に向けて苦笑いしていき、「さ、三分ぐらいこうさせて貰えませんか…?」


  自分の体を抱えてくれていた斗奴雷が自分に向けて来ている話は少しばかり男として情けなく思いつつ、自分が受け入れる程度の限界で踏みとどまってくれている彼は不思議な人にも思えてしまう楽々花はチラッと彼の潤んでいる瞳を見つめていく、「さ、三分でいいの?」楽々花がまたしても強がっているように自分にかけてくれていた一言に見開かされてしまう斗奴雷はぼんやりと渇いた唇を開けてしまい、「え…?」


  「三十分も…」目を細めては自分の体を丁寧に抱えてくれている彼の橙色のジャケットに包まれていた両腕に目を向けてしまう楽々花は、つい自分が彼に接近するのはまったく怖くないのに、彼に触れられてしまうと、微かな抵抗が心に残っている感覚に心を苦しめられているように思いつつ、チラッと潤んでいる金色の瞳を彼に向けては、自分にだけ散々からかわれている彼は可哀想だと思いつつ、男性が苦手な自分に少しぐらいの荒療治を仕掛けてみてもいいんじゃないかと考えていく彼女は言う、「三時間も…別にわたしは文句を言わないけど…」


  「ううう…!」彼女が上げているやけに震えているような声色で紡いだ一言は尋常じゃないぐらいに魅力的にも思えては、思わず強く歯を噛んでしまう彼は眉間に皺寄せて行きつつ、彼女の潤んでいる瞳を見つめながら言葉を紡いでいき、「い、家に…と、取り敢えず家に戻ってから…」ごくりと固唾を飲み込んでは出来る限り彼女に無理を強いたくないと強く思いつつ、彼女の潤んでいる瞳を見つめていくと、彼女が本当に自分の事を怖がっているのなら何度も自分とじゃれ合って来るはずもないと思っては、やはり彼女がさっき自分と口付けしていたあとで、零れていた一言とやけに落ち込んでいた話に、彼女が自分に向けて来ている姿勢と直接関わっているんじゃないかと思ってしまう彼は、自分に抱えられている彼女のまるで生まれたばかりの小鹿のように震えている姿勢が可愛く思えては、彼女のリハビリにでも付き合っていこうと思いながら、つい彼女をより自分好みの女の子に仕上げることが出来てしまうんじゃないかと脳内に浮かんでいる思いに心を苛まれているように思い、何度も首を横に振っていく彼は自分の事をかつて精神の支えとなってくれて来た彼女にそのような真似をしてはいけないと強く思い、ゆっくりと胸元を彼女から離れていく彼は引き攣っているような右側の口角を上げて行き、「帰ってからその件について語りましょ…」


  斗奴雷のまるで自分が浮かんでいた微かに恐れているような表情に気を遣ってくれているような姿勢に目を細められては、彼に申し訳なく思えてしまう楽々花は落ち込んでいるようにと俯いていき、「う、うん…なんか…」軽く歯を噛んでは痺れているように感じている鼻を啜っていた彼女はチラッと潤んでいる瞳を彼に向けていき、「ごめんね…わたしって…」まるで自分を支えてくれているようにと、軽く震えている左手を握ってくれている彼の右手に口角を上げられているように思いつつ、自分に親切してくれている彼の事をどうして怖がってしまうのだろうと思い、彼は自分に酷い事をするはずもないのにと何度も考えていく楽々花は、つい自分と一緒にいる彼が可哀想に思えては悲しそうにと眉間に皺寄せて行きつつ、潤んでいる金色の瞳で彼の顔を映し出していき、「変でしょ?」


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