第129話俺は人の夢を叶えてやる悪魔かなにかなのかな?

  森田の須賀に何度も喧嘩を売られても、彼のことを嫌おうと思わないでいる様に口角をくすぐられているような気がしてしまう折尾、「ほらほら~」まったりと自分の左腕を須賀から離れては森田の右手に向けて伸ばしていく彼女は、戸惑っているような森田の顔を見つめながら声を上げてしまい、「喧嘩ばっかしていないで~」ゆっくりと二人の腕を前に向けて引いて行きつつ、楽しみにとすらりとした両足を前に向けて踏み出していく彼女、「一緒に戻ろう~参観してみる?」


  まったりと腕を組んは、チラッと両手を握りながら両腕を下して行きつつ嬉しそうと自分たちのもとから離れていく三人の背中姿を見送っている久守に一瞥した竜祥、宛ら自分が彼女に向けていた眼差しに気を惹かれているようにと自分の顔を見て来ている彼女の驚かされては、急いでいるように顔を逸らしていく姿に目を細められては、彼女が自分に見せて来る無垢な態度に心を苦しめられては、ぼんやりと額を上げてしまう竜祥はつい紺色の空を跨ぐ銀色の尻尾がやけに眩しく感じては、目を細めてしまう彼は軽く左手を胸元に当てて行きながら、脳内で浮かんでしまう青色の髪の毛を照らしていくような白髪に微笑んでいた。


  「須賀君のお家は滅茶苦茶広いんだよ~?」華奢な両腕で森田と須賀の腕を抱えていた折尾は楽しそうにと二人の両手を放して行きつつ声を発していき、「ヒロインになれているような気をさせるぐらいにひろいんだ!」「うぷっ!」忽然、折尾が紡いだ一言に左側の眉毛がびくっと跳ねては、思わず大慌てで左手で自分の口から飛び出してしまいそうな飛沫を押さえていく森田、「広いん…ヒロイン…」口角が緩んでは、折尾が言ってくれていた駄洒落に、竜祥が自分たちに下して来ていたミッションの重りから微かに逃げ出せたように感じてしまう森田は自分の笑みにつられているようにと、微笑んでくれている折尾に向けては迷わずに右手の親指を立てていき、「上手い…!」


  「全然上手くねぇだろうが…」目を半開きさせては森田が折尾に向けていく褒め言葉に飽きれているような須賀はぼんやりと二人に合わせて行きながら、前に向けて歩いて行きつつ灰色の瞳で自分に向けて唇を尖らせている折尾とぱちくりしている森田のことを映し出していき、「阿保か三流。」またしても自分が少しばかり気になり始めていことを投げて来ていた須賀の一言に、胸元を軽く殴られているような気がして仕舞っては、悲しそうにと口角を斜め下の方向に向けていく森田、「うぐ…」「こら!」森田のあからさまに落ち込んでいる姿勢に眉間に皺寄せては、猛然と華奢な両手を腰に当てていく折尾は須賀に真面目な表情を見せて行きつつ右手の人差し指を立てていく、「森田君をいじめない!」


  折尾が森田のことを庇っていた一言を自分に投げて来ていた事に不満を覚えては、悔しそうと二人から顔を逸らしてしまう須賀、「ちっ…」須賀の自分に向けて来る反抗的な態度に目を半開きさせては、飽きれているようにと何度も首を横に振ってしまう折尾、「もう…」折尾が自分の為に須賀との関係を悪化して欲しくないと強く思っては、彼女に庇って貰っていたことに心に潤いを与えられていたようにと感じてしまう森田は軽く左手を上げては後頭部を擦っていた、「あはは…」


  ぼんやりと自分の歩幅に合わせて歩いてくれている二人の存在に口角を上げられては、ゆっくりと振り返ってしまう折尾は高く左手をかざしては、空を見上げていた竜祥と彼のことを意識しては、照れくさそうにと彼から顔を逸らして行きつつ、人差し指を突きながら肩を縮めてしまう久守に一瞥していく折尾は嬉々とした声を上げていき、「先に行ってるね~お二人さん~」「あっ…」忽然、折尾が自分たちに投げて来ていたからかいに来ていた一言に喉を詰まらされているような気がして仕舞っては、思わずぱちくりしてしまう久守、「え、えっと…」軽く左手の人差し指で頬を掻いていく彼女はチラッと竜祥が自分に向けて来ている淡い笑みを見ては、宛ら彼の微笑みから勇気を貰えたようにと強く両手を握っては、ゆっくりと離れていく三人に向けて華奢な喉から声を絞り出していき、「ありがとうございます…!」


  緊張しているせいで声が裏返って仕舞った久守のまるで喉から息を漏らしていたような声色に口角を上げられているような気がしては、目を細めて行きつつ両手をポケットに突っ込んでいた竜祥はぼんやりと星空を眺めながら、三人が自分たちから離れていくのを待っている。「竜祥さま…」忽然、まるで自分が上げていた弱り切っていた声色に目線を引っ張られているかのようにと自分に顔を向けて来ていた竜祥の赤い瞳の中にある自分の顔を見つめていく久守は、不安に駆り立てられている両手を握ってはチラッと彼の顔を見上げていき、「あの工場の中にある四人は…」


  「なんだ、」久守が恐る恐ると自分に投げて来ていた一言に口角を上げられているような気がしてならないでいる竜祥は、微笑みながら流し目で彼女のことを見ていき、「気づいていたのか?」「は、はい…」竜祥が四人の死体のもとで立っていても尚、平然と振る舞っていることに畏怖を覚えては、軽く痙攣しているように思えている歯を噛んでいく久守、「でも…」鼻翼に力を入れてはチラッと怖がっているような眼差しを竜祥に投げては、段々自分たちのもとから離れていく三人の後ろ姿を一瞥する久守、「皆さんはあんまり気にしなかったようだったので…」引き攣っているような右側の口角を上げては、神と自称していたシルエットが自分たちに見せて来ていた人々が殴り合っては、殺し合うような映像にはいまいち実感がないように思いつつ、軽く歯を噛んでいた彼女は紅の瞳で海原のど真ん中で佇んでは、全人類を俯瞰しているような幻のように見えてしまう柱のことを睨んでは、自分たちは確実に何時殺されても可笑しくないはずの世界に置かれていたんだと思ってしまう彼女、心の奥からこみ上げて来る畏怖に負けてしまいそうな気がして仕舞っては、ごくりと固唾を飲み込んでいく彼女は恐る恐ると視線を自分のくっついていたかのような靴先に向けて行きつつ、ぽつりと呟いていく、「てっきり普通のことなんじゃないかと…」


  久守が畏怖しては安心感を取り戻したがっているようにとチラッと潤んでいる瞳を自分に向けて来ていた様に目を細めては、残念そうにと何度も首を横に振っていく竜祥、「あの四人は全部俺の手によって、」宛らぽつりと自分の唇から飛び出ていた一言に驚かされているようにと細い眉を上げてしまう久守に向けて淡い笑みを浮かべては、曖昧な眼差しで自分の右側にあった工場を指していく竜祥、「ああなってしまったんだ。」


  ”ドクンー”心の中で薄らと竜祥は自分が見えていない時にも何人も殺していたなのではないかと一瞬思っては、彼はそんなことをした後で平然としていられるような人間じゃないと強く信じてみたくなっていた久守は、竜祥が当たり前のようにと自分の夢を破って来ていた一言に絶句されてしまい、「え…」久守のぼんやりと佇んでは、まるで自分が紡いだ一言に体を固定されているような姿に口角を上げられては、宛ら彼女のことを見逃しているようにと鋭利な眼を柱に向けていく竜祥、「怖いのか?」顎を上げてはまったりと両手をポケットに突っ込んで行きながら、前に向けて歩いていく竜祥は独り言を呟いているようにと声を発していた、「隣りで平然とした面で歩いている奴は人を平気で殺してしまう化け物であることを知ると。」


  弱っているような声で言葉を紡いでいきつつ、宛ら自分の態度に傷心を覚えているようにと華奢な背中姿を自分に見せつつ、胸元を柱の方向に向けたままでチラッと横目で自分の顔を見て来ている竜祥の潤んでいる瞳に見開かされては、思わず彼のことをずっと傍で守ってあげたいと強く願ってしまう久守、「う、ううん…!」弱っている両手を握りしめながら急いでいるようにと竜祥の隣りまで駆けつけていく久守は、眉毛に力を入れて行きつつ揺るぎない眼差しを竜祥に向けて行きながら声を発していき、「きっと!やむを得ずにそうしていたのでしょ!」


  久守が自分に見せて来る無垢な眼差しに目を細められては、素直なまでに自分が投げていた餌を噛みついて来ている彼女は可哀想だと思いながら、軽く目を瞑ってしまう竜祥、「あはは、買い被りだな。」まったりと瞼を開けて行きながら、ゆっくりと柱に向かって進んでいく竜祥は星空を眺めて行きつつ声を発していた、「俺は聖人じゃないんだ。」

眉をひそめては真剣な表情で竜祥の凛とした横顔を見つめていた久守はつい彼がぽつりと口から白い息と共に漏らしていく一言に戸惑っては小首を傾げていた。


  流し目で上手く自分が紡いだ言葉を理解できずにいる久守に微笑んでいく竜祥はまったりと前に向けて歩いて行きつつ言葉を紡いだ、「殺したいと思う奴がいれば、」急いで家に帰りたいと言う寂しい気持ちに駆り立てられては、切なげに眉をひそめて行きながら左手をポケットから抜け出しては腹部に当てていく竜祥は紅の瞳の中にある自分に微笑んでいき、「必ずしも殺して見せるよ?」


  竜祥がまるで叱れていた子供のような表情に心を奪われているような気がして仕舞っては、彼にこれ以上悲しい思いをさせたくないと強く願ってしまう久守、「そ、それは!」強く踏ん張っては、両足に力を入れてしまう久守は揺るぎない眼差しを竜祥に投げていき、「実行力の表しなのではないかと!」向きになっている久守が自分に投げて来ていた一言に目を細められては、軽く口角を上げてしまう竜祥はまったりと胸元を彼女に向けては左手を温かく感じてしまうポケットから抜け出しては、まったりと淡い紫色の髪の毛を撫でていき、「君は優しい子だ。」


  ”ドクンー”忽然、まるで自分の体の奥を撫でて来ているような竜祥の手のひらの感覚に心が微かに震えていたような気がして仕舞っては、思わずびくっと肩を跳ねらせてしまう久守、「こ、これからは…」恐る恐ると肩を縮めては竜祥が自分に向けて来ている笑みにつられているようにと口角を上げてしまう彼女はぽつりと彼に尋ねていき、「どうします…?」久守が自分に投げて来ていたシンプルな一言に目を細められ、ぼんやりと左手を引いては、まるで惜しいと言っているように微かに艶やかな唇をすぼめている彼女に微笑んでいく竜祥は言う、「家に帰って、」ゆっくりと視線を自分の腹部に向けていく彼は軽く口角を上げては平坦な声を上げていた、「愛を補充して、寝る。」


  ぼんやりと竜祥のやけに幸せそうな視線を見ては、戸惑ってしまう久守は思わず右手の人差し指でこめかみを掻いてはぼんやりと空を見上げていき、「愛を…?」久守が自分が呟いていた一言に疑問を持って来ている事に淡い笑みを浮かべては、ゆっくりと赤い瞳で彼女の存在を映し出していく竜祥、「大根ちゃんを愛でて行こうと思ってね?」竜祥がまるで自分に説明しに来ていたような一言を耳にしてしまうと、ますます困ってはぱちくりしてしまう久守、「は、はぁ…」戸惑っている彼女は竜祥は多分家に帰っては大根でも食べるんじゃないかと思いつつ、まるで自分に興味を無くしているようにと淡い笑みを浮かべながら、まったりと柱に向かって歩いていく彼の横まで駆けつけようと思ってしまう久守、「あ、あのですね…」


  久守のまるで自分に話しかけるのを恐れているようにと両手を握りながら肩を縮めていく様に目を細められては、思わず小首を傾げていく竜祥、「どうかしたのかな?」艶やかな唇を噛んでは言いづらそうにと俯いている久守の恥ずかしさに苦しめられては、微かに赤くなっている横顔に微笑んでいく竜祥はまったりと右手で自分の微かな痛みを残されているような腹部を撫でて行きつつ、口角を上げていく彼は無垢にも思えてしまう久守のことをからかおうと思っては提案するようにと声を発していた、「一緒に俺たちの家に帰りたいのか?」


  ”ドクンー”「えっ!?」突然、竜祥から自分のことを誘ってくれていた曖昧な一言に喉をぶん殴られていたような気がしてならないでいる久守は、思わず苦しそうな声を発してしまい、宛ら自分が発していた声に困らされているようにと軽く右手の人差し指でこめかみを掻いていく竜祥の凛とした顔を睨むようにと見つめては、両手を握りしめていく久守は軽く体を前に向けて出していき、「い、一緒に!」赤くなっている鼻翼に力を入れては、興奮を覚えているせいで両足が痙攣しているように思えている彼女は急いでいるようにとごくりと固唾を飲み込み、痙攣しているような声色で言葉を紡いでいく、「ご、ご一緒してもよろしいのですか…!」


  屈託のない笑みを紅の瞳で映し出して行きながら、まるで自分が紡いだ一言を同意してくれているようにと頷いてくれている竜祥の反応に見開かされては、何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、チラッと自分たちのことを庇って来ていたような暗い環境に一瞥しては、殿方が夜中で自分のことを家まで誘っていたことを思ってしまうと、顔がまるで火に焼かれているような思いをしてしまう久守は恐る恐ると、まるで自分の返事を待ってくれているように佇んでいる竜祥を見てしまい、「そ、それに…」繊細な両手が汗ばんでは心臓の鼓動に喉を殴られているような気がしてならないでいる久守は軽く鼻翼に力を入れていき、「お、俺たちのお家って…」体が浮いているような気がして仕舞っては、興奮が麻酔と化していたかのようにとゆっくりと自分の頭皮から背中までまったりと流れているような気がしてならないでいる久守、「きゃ、きゃ~~!」すらりとした両足はまるで地面に焼かれているようにと、何度も両足を上げて行きながら体を左右に揺らしてしまう久守は言う、「き、気が早すぎますって…」


  心臓がパンクしてしまいそうなぐらいに強く鼓動を刻んでいるような気がしてならないでいる久守、口角が緩んではチラッと苦笑いしながら腕を組んでいく竜祥の顔を見てしまう彼女、「で、でも…」急におしとやかになっているようにと何度も跳ねらせていた両足を同時に地面に付かせている久守の、自分と地面にある石ころを交互に見ながら軽く人差し指を突いていく様を赤い瞳で映し出していく竜祥。


  「い、嫌じゃなかったり…」ごくりと固唾を飲み込んでは思わず眉間に皺寄せてしまう久守は、ついぽつりと自分の唇を越えていた言葉は些か軽率過ぎるのではないかと思いつつ、何度も鼻翼に力を入れてしまう彼女はつい柱のせいでお互いにも大して時間が残されていなかったと考えながら、ちゃんと恋人の関係が確認出来たらもっと色んな事を竜祥として行けるんだと思ってしまう彼女は強く両手を握りながら、竜祥に揺るぎない眼差しを向けていき、「嫌じゃなかったりし、しますよ…?」眉間に皺寄せては目を半開きさせている竜祥に自分は適当な女の子だと思われたくないと強く願ってしまう久守は思わず歯を噛んでは叫ぶようにと喉から声を絞り出していた、「竜祥さまなら…!」


  久守のまるで自分の戦っているように俯いては恥ずかしさに苛まれているせいで歯ぎしりしている姿勢は少しばかり可愛く思えては、淡い笑みを見せていく竜祥、「そっか。」まったりと組んでいた両腕を解して行きつつポケットに突っ込んでいく彼は、提案するようにと横目で彼女の赤くなっている耳殻に一瞥していき、「じゃ行こうかな?」目を細めつつ、宛ら白皙の喉元を彼女に見せつけていくようにと顎を上げてしまう竜祥は横目で彼女の顔を見ながら言葉を紡いだ、「他愛のない話をして行きながら。」竜祥が自分の事を家まで招待してくれる事を知れてしまうと、つい頭の中にあるピンク色の妄想が頭蓋骨を通り越しては、自分の身体をピンク色に染め上げているなのではないかと思ってしまう久守は強く首を縦に振っていき、「う、うん!」


  まったりと目を細めて行きながら赤い瞳で紺色の空を跨ぐ銀色の糸を眺めてしまう竜祥、ぼんやりと両手をポケットに突っ込んでいた彼はゆっくりと前に向けて歩き出して行きつつ、まるで自分の靴底に強請って来ているような土の感覚を感じながら、チラッと自分の左側で丁寧なまでに両手を握りながら控えていた久守に一瞥していく彼、可笑しそうにと口角を上げてしまう竜祥は、まるで自分たちのこと月の光から守ってくれているような木々の葉っぱから久守に目を向けている、「君はどうしてそこまで俺にご執心なのかな。」


  「ううっ?!」突然、ぼんやりと地面にある割れていたような不規則な大理石の欠片を見つめては、自分たちの事を囲んでくれていた並木道を堪能していこうと思っていた久守は、つい竜祥が急に上げていた質問に驚かされては、眉毛を跳ねらせてしまい、呆然と赤い瞳で自分の慌てている姿を映し出してくれている竜祥の平然としている表情に、口角が凝らされているような気がしてならないでいる久守、「だ、だって…」軽く人差し指を突きながら自分の左側にある木々に一瞥してしまう久守、竜祥と共に木々の間にある月の光で出来上がっていたかのような道で歩いていることを思ってしまうと、ありきたりなひと時がやけにロマンティックに思えては、口角が緩んでしまう彼女はチラッと竜祥に一瞥してしまい、「カリスマ性から…顔立ちまで…」


  ごくりと固唾を飲み込んでいく久守はつい自分の歩幅を合わせてくれている竜祥にこのまま寒風に吹かれている木々の中まで引きずり込まれては、否応なしに体をぶつけられるんじゃないかと、嫌な事をされるはずなのに、竜祥のすらりとした両足と綺麗な顔立ちを思ってしまうと、少しばかりいいように思えてしまう自分はとんだ痴女にも思えては、猛然と首を横に振ってしまう彼女。


  ”パパー”宛ら自分の脳を浸食して来ていた嫌らしい思いを振り払うようにと何度も両手で頬を叩いて仕舞った久守、「もう…」何度も鼻翼に力を入れては、強く叩かれていたせいで真っ赤になっている頬を、自分の予測不可能の行動に見開かされている竜祥に向けて、威張っているようにと言葉を紡いでいく彼女、「完璧じゃないですか!竜祥さまって…!」両手を握りしめては宛ら自分のことを褒めていたことに感動を覚えては、涙目になっている久守の初心な仕草に口角を上げられているような気がしてしまう竜祥、まったりとひんやりとした空気の中に混じっていた微かに爽やかな葉の香りに目を瞑ってしまう彼はつい瞼に狭まれている視界の中で、まるで自分のことを待ってくれているような水色の屋根に口角を上げられてしまい、「そんなことないよ。」切なげに目を細めていた竜祥はゆっくりとまるで自分の憂いに侵されている顔を心配してくれているようにと微かに細い眉毛をひそめては、自分の顔を見つめてくれている久守に淡い笑みを見せていき、「俺は弱いんだ、弱いから強く人に見せること以外、」自分が紡いだ切実な言葉に自分のことを軽蔑してしまいそうにと軽く鼻で笑ってしまう彼はぽつりと声を発していた、「守れないと思って来たんだ。」


  竜祥のまるで彼のことをちゃんと認識していないような一言に眉をひそめては、思わず両手を握りしめてしまう久守は軽く膨らんでいた胸元を前に向けて出していき、「弱い方にはこんなにも立派なことをなしませんよ!絶対!」久守が自分を褒めてくれていた一言とまるで怒っているような態度に口角をくすぐられては、胸元の奥に巨大などす黒い穴を開けられていたようにと感じていた竜祥は、軽く息を吐き出しては満天の星々を見上げている、「立派かな。」


  竜祥のまるで彼の実力を疑っているような一言に向けては、迷わずに何度も首を縦に振っていく久守は言う、「うん!ご立派だと思いますよ!うん!」まるで紡いだ言葉を押しつけて来ているようにと何度も頷いている久守の天真爛漫な笑みに口角をくすぐられては、可笑しそうにと淡い笑みを浮かべていく竜祥、「立派なら、」軽く左手を胸元に当てては人差し指を立てていた彼は、流し目で彼女の小首を傾げつつ自分の言葉を待ってくれている姿勢をからかっていくようにと、前に向けて歩きながら言葉を紡いだ、「恋をしたいと思うのかな?君は。」


  「え?」竜祥のまるで自分が彼への告白をもう一度しっかりと聞きたがっているような一言に、唇をこじ開けられては思わず間の抜けた声を発してしまう久守。ゆっくりと左手を胸元から離れて行きつつ薄荷の香りを漂わせている胸元を久守に向けていく竜祥は微笑んで言う、「俺より立派な人間はそこそこいると思うぞ。」竜祥の体からまったりと近づいて来る自分の鼻腔を占拠しているような香りに、心臓を鷲掴みにされているような気がして仕舞っては、項が痒くなっているようにと感じてしまう久守、「そ、そうですね…」竜祥のまるで自分のことを断ろうとしていたような一言を分析していくと、もし彼が本当に自分のことを断ろうと思っていたのなら、わざわざ自分をお家まで招待するはずもないと強く思っている久守、ごくりと固唾を飲み込んでいく彼女は揺るぎない眼差しを竜祥に向けては、彼はただ自分にどうして彼に好意を抱いているのかを聞きたがっているだけなんだと思っている久守はぽつりと唇を開けていき、「す、少し長話をしてもよろしいのですか…?」


  久守が自分に投げて来ていた一言に戸惑っては、思わずぱちくりしてしまう竜祥は段々自分たちの歩調に合わせては近づいて来ているような屋敷に一瞥しては、身体が屋敷に包まれているような気がしてならないでいる彼は横目で本気の表情を浮かべていた久守を見ていき、「どうぞ?」竜祥が真面目に自分が紡ごうとする自分の話を聞いてくれていることを思うと、多忙な彼に自分の話を聞かせるのは今ほかないように思えては、何度も鼻翼に力を入れて行く久守、「こ、コホン…」軽く握っている右手を唇に当てては咳払いしている久守の行動は子供のように思えては、口角を上げられているような気がしてならないでいる竜祥はまるで彼女の応援をするようにと軽く頷いていく。


  「あ、あたしはね、」軽く左手を強く鼓動を刻んでいるようにと感じてしまう胸元に当てていた久守は、紅の瞳で竜祥の凛とした顔立ちを映し出していき、「子供の頃からゲームを作りたいって、」ぼんやりと額を上げてはチラッと自分たちの右側の木々の上で生えていたかのような巨大な柱に一瞥していく久守、目を細めてしまう彼女はつい昔の自分はわがままだと思いながらぽつりと弱っているような声色で言葉を紡いでいく、「ずっと思っていてですね…」


  「うん、」久守のハニカム姿に微笑みながら彼女の夢を認めるようにと頷いてしまう竜祥は言う、「いい夢じゃない。」「えへへ…」竜祥が自分の夢を応援してくれていたような一言に口角をくすぐられているような気がして仕舞っては、思わず嬉しそうな笑みを浮かべていく久守、「あなたさまにそう言われてしまうと、」軽く舌で渇いた唇を舐めては痒くなっている頬を掻いてしまう彼女は、チラッと視線を地面から竜祥に向けていき、「もう夢が叶えちゃったような気がしてしまうよ?」


  久守が自分に投げて来ていた一言に口角を上げられては、目を細めていく竜祥は流し目で彼女の顔を見ていきつつ不貞腐れるようにと言葉を紡いでいく、「俺は人の夢を叶えてやる悪魔かなにかなのかな?」竜祥が聞かせていた例えに戸惑っては思わず眉間に皺寄せてしまう久守は小首を傾げて行きながら、困っているような眼差しを彼に向けてしまい、「どうして夢を叶えてくれるのに、悪魔なのです?」軽く右手の人差し指でこめかみを掻いていく彼女は苦笑いしながら竜祥に言う、「普通は神様であるはずのような…」


  久守が紡いだ言葉はあながち間違っていないように感じつつ目を細めていく竜祥、「神は信じないんだ、」軽く歯を噛んでは、まるで神と言う響に苛立ちを覚えているようにと強く歯を噛んでいた彼は強く顎を上げては、喉から声を絞り出していた、「ガキの頃から。」ゆっくりと右手を温かく感じてしまうポケットから抜け出していく彼は自分の右手を見つめつつ、軽く右側の口角を上げていき、「夢は己の実力で叶えてやらないと、」ゆっくりと右手を握りしめていく彼はぼんやりと自分の話を聞いてくれている久守に赤い瞳を向けて言う、「例え手に入れたとしても、それはただの朧気なもので、」まったりと細長い右手の人差し指を立てていく彼は言い放った、「あっという間に消え去ってしまう水の泡だよ。」「おおお…」ぼんやりと並木道で歩いているのに、竜祥から授業を受けられているような気がして仕舞っては、思わず彼の人生に対する考えをもっと聞いて見たくなっている久守はぽつりと唇を開けていき、「ふ、深いですね…」

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