第57話あたしがけじめをつけないと。

  教師が自分たちにくれていたチャンスを耳にしてしまうとチラッと視線を黒板に向けている和流、黒板にある自分にとって目を瞑っても解ける問題を見てしまうと軽く首を縦に振っている彼は返事するように声を上げて行き、「うん。」和流が自分の為に自分の隣りで立っている事に申し訳なく思ってはつい唇を噛んでしまう白野は悔しそうな声を上げていた、「ううう…」白野の悲しんでいる姿を見ながらチラッと目を自分たちから離れようとしている教師のことを見てしまう野黒新は、当たり前のようにこっそりと見ていた漫画を上げては両腕を机に突けて行き、「へっ。」宛ら背中を自分に向けていた教師に見せつけているような彼は漫画で顔を隠しながらこっそりと声を上げて行き、「俺が秋人の野郎に漫画を白野に渡して来いつったこと知らないでいい奴二人を立たせていた先生は本当に馬鹿だよな。」


  「なっ…」野黒新の言葉を聞いてしまうとつい眉毛を上げている和流、自分が教師にされていた事を目にしても学ばないのかよと野黒新に言い聞かせたくなっている彼はあんぐり口を開けては、自分と同じように野黒新の自殺しているような行動に言葉を紡ぐ方法を失っている白野の事を見ている。


  「ねー?」両手を腰に当てては本気で怒っているような教師の顔を目にしてしまうと、つい野黒新の事が心配になっている春菜は両手を握っては、彼のまるで教師を眼中に置いていないような姿勢を見つめてしまい。春菜の野黒新のことを心配している眼差しを見てしまうとつい野黒新は和流よりずっと阿保なんだなと思ってしまう鷹泰呂、ゆっくりと視線を机にある春菜が自分と一緒に見ていた教科書を目にすと、教科書を奪っては自分のものにしようという思いが脳内に過っていた彼は、自分が天使を汚そうとしていた思いを振り切るようにと猛然と首を横に振っては、軽く教科書を春菜の方向に向けて退かして行っては、いざ教師が自分が教科書を忘れていたことを見つけ出してしまったらせめて自分に優しくしてくれていた彼女に、彼女の優しさのせいで波及されないようにしている、春菜の野黒新に視線を奪われている姿勢を見ながら、例え自分が無理矢理彼女の教科書を奪ったとしても名前が書かれていた教科書はすぐぐに教師にばれてしまうのだろうと思っている彼は嬉しそうに口角を上げては、神様が自分に対する態度と違っていて、ちゃんと自分に優しくしてくれている天使の事を守っているんだなと思っている。


  「野黒くん?」歯ぎしりしている教師はまるで自分の声に驚かされているかのようにビクッと体を跳ねらせては、あんぐり口を開けている野黒新のことを睨みながら強く鼻翼に力を入れてしまい、「何かが言ったのかな?」「えっ?」絶句している振りをしている野黒新は左側の眉毛を上げては、自分のことを睨んで来ている教師は少しばかり怖く思えては、つい彼女から視線を逸らしてしまい、「や、やばっ、」自分の両手で握っていた漫画を急いで教師から隠そうとしている彼は引き攣っているような口角を上げながら教師に向けて震えている声で言葉を紡いでいた、「な、何でもないです…」両手で握っていた漫画を太股の上に置いては苦笑いしている彼は教師に向けて、声を上げていた、「すみません。」野黒新のまったく自分がとんでもないぐらいの悪い事をしていた事に気が付いていない姿勢に苛立ちを覚えては、猛然と顔を野黒新に心配している眼差しを向けている二人に向けては大きな声を上げている教師、「二人は座って頂戴!」強く歯を噛んでしまう教師は野黒新のニヤリと上げている左側の口角を見てしまうと、彼は自慢しているように感じてしまう彼女は迷わずに右手で教室の入り口の方向を指差しては叫んでいた、「あなたは廊下で立ってなさい!」


  まったりと立ち上がっている野黒新は自分の事を気になっては座ろうとしないでいる白野と和流に軽く笑っては自分は大丈夫だと言っているかのような彼は、二人と春菜に心配されないようにと、嬉々とした口調で声を上げていた、「あいよ~」「もう…!」右手で漫画を握っていた野黒新が大人を敬う気持ちが少しでも持っていないことに歯ぎしりしてしまう教師、「あなたって子ね!少しぐらいは反省しなさい!」猛然と右手を伸ばしては彼から漫画を奪うような教師は声を上げていた、「それとこの漫画は没収だからね!」


  自分の右手から奪われていた漫画を無くした感覚に目を細めては、軽く笑っている野黒新は春菜に自分がとんでもないぐらいに緊張しては背中が教師の熱気を放っているような視線に焼かれている事を知らせたくないと思いつつ、出来る限り嬉々とした声を上げて行きながら入り口に向けて歩いていた、「すみません~」両手を机に突けていた白野はつい己を犠牲にしては自分たちの事を救ってくれていた野黒新の存在に感謝を覚えては、彼にこんな事をして欲しくなかったと切に思っている白野、「新…!」彼女の泣き出してしまいそうな姿に苛まれてつつ佇んでいた和流は眉をひそめては、逃げているかのように急いで廊下に向けて歩いている野黒新の事を見つめている、「あいつ…」


  俯いては自分の背中姿を見ながら歯ぎしりしている教師の事を気にすることなく、俯いて自分が踏んでいるクリームの廊下のタイルを見下ろしている野黒新、目を細めている彼はチラッと自分の右側にある壁に張っていた白いタイルに一瞥しては、宛ら逃げているかのように体を白いタイルにくっついて行きながら教室の中から伝わって来ている教師が授業再開している声を聞いている、ぼんやりと額を上げては自分にはさっきつい向きになっては白野に怒っていた事を済ませる程の事をしたのではないかと呆然と思いながら、軽く後頭部をタイルに突けては青いの空を見上げてしまい。


  教師のまるで自分の存在を忘れていたかのように授業している声を聞きながら安心したかのような野黒新は、軽く渇いた唇を開けていた、「はぁ…」忽然、青色の空と真っ白な雲を輝いているかのような琥珀色の瞳で映し出しては、廊下の窓を通り抜けては自分の頬を擦って来ている微風とほんのりと爽やかな気分にしてくれている空気を吸い込んでいる彼は、左手を自分が着ていた黒いシャツに向けって行った。宛ら自分の温かい腹部に擦っていたかのような漫画を右手で握っては青色の空から視線を自分の両手で握っている漫画に向けていく野黒新、チラッと横目で教室の入り口を見ていた彼は軽く背中を入り口に向けてはまったりとした歩調でトイレに向かって歩いて行きながら漫画を捲り始めている、「さーって、」手にある漫画の感触を感じてしまうと、つい全ての悩みが消え去っていたかのように思える彼は嬉しそうに笑いながらぽつりと小さな声を上げて行き、「三巻でも見ようかな。」言葉を紡ぎながら繊細な指先でページを握ってしまう野黒新は琥珀色の瞳で描かれていた花園を映し出している。色とりどりの花の群れをぼんやりと見てしまう野黒新は軽く顎を上げて目を細めては自分の身体を浄化してくれるような空気を吸い込みながらぼんやりと遠くにある花の群れで出来上がったかのような壁を見つめている。


  チラッと自分の左側で両手を上げては後頭部を抱えている野黒新に一瞥した春菜は軽く両手を握っては、彼の影に守られているかのように、眩しい日差しを自分の代わりに受けている野黒新の事を見つめている。まったりと春菜と野黒新の背中姿を見ている和流は両手をポケットに突っ込んではリュックを背負いながら自分の右側で悩んでいるかのように両手を握っては、春菜の背中にやけに熱気を放つ視線を送っている白野に一瞥しては、思わず苦笑いしてしまう彼は軽く左手を上げては自分の唇を隠しながら白野に尋ねるかのように声を上げて行った、「まだ彼女が好みそうな物を見つけていないのかえ?」


  和流が紡いだ一言に心が抉られているような気がしてしまう白野は、思わず前に向けて踏み出していた白皙の右足を止めては項垂れてしまい、「うう…」ショルダーバッグを抱えていた彼女は太い紐のようなショルダーバッグの帯を握ってはチラッと額を上げては、自分たちの事を構う事無く前に向けて歩き続けている二人の背中姿を見ながらゆっくりと視線を和流に向けては軽く首を縦に振っていた、「うん…なかなかタイミングがないっていうか…」」苦笑いしてしまう彼女は軽く右手を帯から放しては頬を掻きながら言葉を紡いでしまい、「好きなのが多いって言われてたの。」

  

  白野が浮かべている困っているような表情に戸惑いながら眉をひそめてしまう和流は、深いピンク色の瞳の中にある自分の事を見ながら彼女に言う、「じゃそれを上げれば?」和流が紡いだ返事があまりにも簡単過ぎているせいで彼はもしかしら自分たちの事を馬鹿だと思っているのではないかと考えてしまう白野はつい首を横に振っては、横目で自分たちから離れていく二人のことを見ながら右手を口角に添えては小さな声を上げていた、「皆の笑顔を見るのが好きだって…言ってたの。」


  「えっ…」ショートパンツを穿いていた白野の華奢な両足に一瞥していた和流は思わず彼女が自分に向けて来ていた返事に絶句されては、思わずぱちくりしてしまい、「なんていい子なの…?」春菜に目を向けてしまう彼はつい彼女のことが神が人間に与えて来た宝物のように思えてはぼんやりと唇を開けて、弱っている声で言葉を紡いでいた、「ドラマの中から出てきたのかな…春菜ちゃんって…」


  和流のまるで自分が春菜の返事を耳にした時と同じようなリアクションをして来ている姿勢に苦笑いしてしまう白野は言う、「でしょ…?」軽く人差し指をつついてしまう彼女は自嘲気味に笑っては小さな声を上げていた、「そんな完璧なまでにあたしじゃどうしてもない事をどうしろって言うんだよ…」白野の本気で悩んでいる姿に目を細めては、ついため息をつきたくなっている和流、「まぁ…」麦わら帽子をかけていた春菜がまったりとした歩調で前方にある緑色の草と花の群れで出来上がっていた壁に向けて行く姿を見てしまう和流は、チラッと両手を握っては自分に期待しているような眼差しを向けて来ている白野に一瞥しては、つい彼女に納得させれる程の返事を出来ずにいる事で自責しては申し訳なさそうに笑ってしまう彼は、弱り切っている声で言葉を紡いだ、「こっそりと後をつけたらそのうち分かるはずだよ。」さながら自分の返答に満足していない気持ちを表しているように、彼女のすぼめているピンク色の唇を見てしまう彼は軽く右手の人差し指を頬を掻いては補足するように声を上げていた、「何も見つかりそうにない時は女の子が好みそうな漫画でも買って上げたら?」提案しているような彼は真面目な視線を自分に向けて来ている彼女に言う、「彼女はきっと喜ぶはずだからさ?」


  和流に無理を強いても意味がないと思いつつ、彼のまるで自分の少し失望した態度に苛まれているような姿を見てしまうと、つい自分に責められる彼が可哀想だと思ってしまう白野、「うん…」両手で強くショルダーバッグの帯を握ってしまう彼女は軽く首を縦に振っては、つい苦笑いしては黄色の瞳の中にある自分の顔を見ながら言葉を紡いだ、「でもあたしは漫画に詳しくないんだしさ…」白野の上手く春菜に満足していけるような謝りの仕方ができるかどうかを懸念しているかのように、春菜の背中姿を見つめている眼差しに目を細めては軽く右手を上げてしまう和流、白野の不安を全部拭えて上げたいと思っては彼女のピンク色の髪の毛を撫でてあげようと思っていた彼、軽く歯を噛んでしまう彼はつい既に小学生になっていたと言うのにまだ彼女と曖昧な事をするべきではないと思っては、軽く宙を浮いていたような右手を握ってしまう彼は小首を傾げてながら自分の顔を見て来ている彼女に微笑では、声を上げていた、「僕もなんか探すのを手伝うからさ?」軽く上げては握っている右手をさり気なく胸元に当てている彼は、屈託のない笑みを自分の顔を深いピンク色の瞳で映し出してくれている彼女に向けては言葉を紡いでいた、「気を負うことはないって。」和流がいつも自分の味方でいてくれることに幸せに思えては目を細めてしまう白野、「うん…」嬉しい気持ちを露にしているかのように上げている口角の事を気にすることなく、黄色の瞳の中にある自分の顔を見つめている白野は胸元の奥に秘めていた思いを口にしようとしている、「ありがとう…あきー」


  突然、まるで自分の視線を奪おうとしているかのようにまったりと自分たちの頭上を通って行く黒い翼を持っていた蝶々に視線を奪われている白野、ぼんやりと唇を開けていた彼女はぱちくりながらゆっくりと羽ばたいては緑色の壁に向けて飛んでいる蝶々の事を目で追ってしまい。白野の紅潮している頬と彼女がさっき自分に言いかけて来ていた一言がどうしても気になってしまう和流は軽く口角を上げては、胸元の奥からこみ上げて来る期待と興奮が混じっていた気持ちを声にしていた、「なにか言ってた?」和流が少しトーンを上げていた姿に目を細めては軽く笑ってしまう白野、宛ら自分に勇気づけようとしているような彼女は強く両手でショルダーバッグの帯を握っては黄色の瞳の中にある自分の事を見つめては言い放った、「ありがとう、いつも。」白野が自分に向けて来ている無垢な笑みに目を細めては軽く笑ってしまう和流は強く首を縦に振っていた、「うん。」


  「あっ…」宛ら自分にショーを披露してくれているかのように宙を舞う黒い蝶々に視線を奪われてしまう春菜、緑色の瞳で蝶々の姿を映し出している彼女は軽く口角を上げては嬉しそうに微笑みながら右手の人差し指で緑色の壁に向けて飛んでいく蝶々を指差して言う、「蝶々だ。」ぼんやりと彼女の事を眩しい太陽から守っていた野黒新、暑い日差しのせいで眉をひそめている彼は目を半開きさせては、自分たちの前で飛んでいる黒い蝶々を見ながらぽつりと渇いた唇を開けている、「まぁ、蝶々だな。」右手を伸ばせば蝶々を掴まれそうだと思ってしまう彼は自分に囚われるより自由に飛べる方が蝶々にとっても幸せなのだろうと思っては、チラッと横目で春菜の事を一瞥してしまい、「驚く程の事じゃないだろう…」


  宛ら飛んでいる蝶々に気持ちをつられているかのように、気分が自分を照らす眩しい太陽の如く高ぶっている春菜は軽く前に一歩を踏み出しては、野黒新の前で立ち塞がっては彼に上目遣いで尋ねて行き、「綺麗とは思わないのか?」満面の笑みを自分の行動に驚かされては絶句している野黒新に見せている彼女は、両手を広がって自分の後ろにある緑色の壁を紹介しているように声を上げて行き、「花に囲まれる蝶々って。」


  ”ドクンー”忽然、春菜が野黒新にだけではなく自分たちに向けて来ている嬉しそうな視線にヒントを貰えているような気がしてしまう白野は大きく唇を開けていた、「おお…!」宛ら自分の気持ちを検証するかのような彼女は猛然と視線を和流に向けてしまい。白野の嬉しそうに笑っている姿を見てしまうと自ずと彼女は春菜に蝶々を捉えては彼女にプレゼントしようとしている事を理解していた和流は目を細めては微笑んでいる。


  「綺麗だけど…」軽く右手の人差し指で頬を掻いてしまう野黒新は春菜の満面の笑みに負けていたかのように彼女から視線を逸らしては、ごくりと唾液を飲み込んではぽつりと渇いた唇を開けてしまい、「まぁ…お前が喜ぶならそれは一番だよ。」野黒新の自分と視線を合わせようとしないでいるハニカム姿に心がくすぐられてはゆっくりと両手を背中に当てては、彼の隣りまで歩いて行く春菜、「何よそれ、」流し目で自分に顔を向けて来ては説明しようとしている彼の顔を見つめてしまう彼女は軽く笑っては声を上げていた、「ありがとうね、新。」春菜の微かに紅潮している白皙の頬に浮かぶ笑窪に心がくすぐられているような気がしてしまう野黒新、チラッと視線を自分たちに興味を無くしていたかのようにゆっくりと緑色の壁に向かって飛んでいく蝶々の事を見つめている野黒新は軽く首を縦に振っていた、「うん。」


  「あたし…」春菜が野黒新の横顔を見つめては嬉しそうに笑っている姿を目にすると、彼女は間違いなく蝶々を見ていたせいで急にご機嫌になっていたに違いないと思っている白野は自分の事を鼓舞しているかのように強く両手を握っては緑色の壁を越えて行く蝶々の事を見つめてしまい、「見つけたかも…」今にも自分を置いては緑色の壁を越えて蝶々を掴まろうとしている白野の軽く右足を前に向けて、一歩を踏み出している姿に目を細めて軽く笑ってしまう和流は言う、「素直だな…」白野の白皙の両手を見てしまうととてもじゃないが彼女に蝶々を捉える程の腕を持っているとは思えないでいる和流は心配そうな眼差しを彼女に向けて行きながら言葉を紡いでいた、「手伝おうか?」


  「ううん…」強く両手を握ったまま和流に顔を向けて行く白野は本気の眼差しを彼に向けては、揺るぎない声で言葉を紡いでいる、「あたしがしたことなんだから、」軽く自分の鼻腔をくすぐって来ているかのような花の香りに心が高ぶられている白野は蝶々になっているような気分になり、一度も蝶々を素手で捕まった事がなかった自分には果たしで過酷なミッションをコンプリートすることが出来るのかどうかが楽しみになっている彼女は嬉しそうに口角を上げては、自慢しているように言葉を紡いでいた、「あたしがけじめをつけないと。」


  白野のまるで決めポーズをしているかのように右手を上げては顎を人差し指と親指の間で支えている姿勢に目を半開きさせてしまう和流は、ぽつりと声を上げていた、「マフィアかなにかなのかね…君は。」「それじゃ…」ごくりと唾液を飲み込んでは興奮しているせいで渇いたような喉に潤いを与えていた白野は揺るぎない視線を緑色の壁に向けては、このまま真っ直ぐに緑色の壁に向かって突っ込んで行くのは春菜に怪しまれては、いざ自分が本当に蝶々を捕まることが出来たら彼女にプレゼントする時に、彼女が感じる驚きは激減してしまうと思っては、警告しているように横目で和流の顔を見ている彼女は言う、「行ってくるね、秋人はついてくるなよ?」軽く白皙の鼻翼に力を入れている彼女は軽く小さな右手で胸元を叩いては声を上げていた、「全ての手柄はあたしのなんだから!」「うん、」大きな声を上げては自分から離れて行く白野の姿を見つめている和流は軽く左手を口角に添えて、全力疾走している彼女に向けては声を上げてしまい、「気を付けてね?」和流が自分の事を気にかけてくれていることに嬉しく思える白野は軽く振り返っては彼に向けて右手をかざして行き、「うん!」


  嬉しそうに両手を前後に振りながら緑色の壁に沿っては自分たちから離れて行く白野の後ろ姿に戸惑っては、つい眉をひそめてしまう野黒新、彼女がまた自分がいないところで誰かにいじめられてしまうんじゃないかと不安になっている彼は、小首を傾げながらチラッと自分の左側まで歩いて来ている和流に一瞥しては彼に尋ねて行き、「白野の奴はどうしたのか?」野黒新が自分にかけて来ている質問に左側の眉毛を上げられては、率直に二人に彼女はずっとちゃんと春菜に正式的に謝りたいと口にしてしまったら、素直に春菜に謝りたいから何のプレゼントが欲しいのかと聞けないでいる白野は、きっと怒ってしまうのだろうと思っている和流、軽く左手を上げては自分の眩しい日差しに照らされては痒くなっている左頬を擦ってしまう彼は言う、「お腹が痛いだってさ?」


  和流の説明を耳にしてしまうとつい息を切らしながら走っている白野のことが気になっては、軽く両手を握ってしまう春菜はぽつりと渇いた唇を開けて行き、「大丈夫かな…雫ちゃんは…」「大丈夫だろう、」春菜が自分が適当に吐いていた嘘で本気で白野の事を心配してくれている事に申し訳なく思っては、このまま自分がついていた嘘を掘り下げてしまったらまずいと思っている彼は、チラッと視線を遠くにあるまるで自分たちの事を俯瞰しているような巨大な円を見ては、左手を上げて行く彼は人差し指で観覧車を指差しながら言葉を紡いで行き、「それに僕たちも遊んでみたい物があるんじゃないのか?」小首を傾げては白野の事が気になっては彼女の背中姿を見つめている野黒新に目を向けてしまう和流、一瞬、切なげに眉をひそめてしまう彼は野黒新もやはり白野の事が気になっているんだと思っては、元気を無くしているかのような左手を下ろしては、野黒新に向けて引き攣っているような口角を上げては彼に言う、「新は確か観覧車に乗ってみたいって、」軽く背負っていたリュックの帯を両手で握っては彼のことを誘うと思っている和流は言う、「言ってなかった?」


  「あ…」和流が自分が適当に口にしていた言葉を覚えてくれていることに嬉しく思いつつ、チラッと視線を赤い円に向けて行く野黒新、「うん。」口角が自ずと上げている彼は軽く首を縦に振っては声を上げて行き、「言ってたな。」軽く両手を握っては俯いて自分と視線を合わせようとしないでいる春菜に一瞥した和流は彼女の事を誘うように、小首を傾げては言葉を紡いで行き、「一緒に行こうよ?」視線を自分に返事をしようとしないでいる春菜から野黒新に向けていく和流、率直な白野はこのまま緑色の壁を越えて、迷宮の中に入っては蝶々を探していくのだろうと思い、このまま二人が緑色の壁を越えてしまったら白野が春菜の事を大事にしたい気持ちは台無しにされてしまう可能性を思ってしまうと、全ての事を知っている自分が何とかそのような事態に発展しないように止めてやろうと思っている和流は野黒新に言う、「な?」


  和流に催促されているように思えている野黒新はチラッと春菜に目を向けては、まるで自分の視線を感じているかのように軽く額を上げて、自分に苦笑いして来ている春菜の困っている姿を目にしてしまうと、心臓病に悩まされている彼女はきっとどんな刺激的なアトラクションにも乗れないのだろうと思っては、彼女に一人で寂しい思いをさせたくないと思っている彼は軽く右手で後頭部を擦っては申し訳なさそうな視線を和流に向けて行きながら声を上げて行く、「俺は良いかな、景色を見てみたいからさ?」和流の自分の言葉に見開かされているような姿にぱちくりしてしまう彼は自分の右側の遠くにある青色の水面に目を向けては微笑んで言う、「そこの湖の近くでさ。」


  野黒新が近いところでベンチを探して漫画を見たいと言ってくるんじゃないかと思っていた和流は、彼の微かに悲しみが帯びているような眼差しに戸惑ってはぽつりと声を上げてしまい、「らしくない…」軽く両手を握っては野黒新が傍にいる事を決断してくれていたことに恥ずかしくなっている春菜の項垂れている姿に一瞥した和流は、軽く笑っては声を上げて行き、「でも春菜ちゃんがいれば景色は一層美しく見えるのかな?」

  

  和流が自分の事をおだててくれていた一言を耳にしてしまうと、つい恥ずかしくなっては軽く右手で項を擦ってしまう春菜は言う、「えへへ、ありがとうね秋人くん。」春菜の喜んでくれている表情と視線を湖に引っ張られているかのような野黒新の顔を交互に見てしまう和流、チラッと遠くにある湖を見てしまう彼は流石に白野はそこまで駆けつけて蝶々を捕えたりしないのだろう思っている彼は軽く右手を胸元に当てては安堵の吐息をついてしまい。


  「うん?」まるで自分にどうして軽く息をついていたのかと尋ねて来ているように小首を傾げては、自分の事を見て来ている春菜の緑色の眼に見開かされては、大慌てで右手の人差し指で自分の左肩を越えては自分の後ろを指差してしまう和流は言う、「それじゃ僕は観覧車に乗っていくよ。」急いで二人の前から消え去ろうと思っている彼は右手をかざしては声を上げていた、「またな!」和流の急いでいるかのような声色を耳にしてしまうと、アトラクション一つではしゃいでいる彼はまだまだ子供だなと内心で言っている野黒新、「ああ、また。」左手を上げては左右に振らしていた彼は横目で自分の隣りで控えているような春菜に顔を向けて行き、「で?」小首を傾げている彼は和流の背中姿に向けて軽く右手を左右に振らしていた春菜が自分の顔を映し出してくれている緑色の瞳を見つめては、言葉を紡いで行き、「お前はどうしたいんだ?」湖を見るより春菜がしたい事を一緒にしては、彼女に何かしらの不便があるときに彼女のヒーローである自分が何か手伝ってやろうと思っている野黒新は軽く顎で自分たちの前にある緑色の壁を指しては言葉を紡いで行く、「この先生に行かない方がいいって言われていた迷宮で探検しておく?」


  野黒新が自分にかけて来ていた一言に視線をコントロールされているかのように色とりどりの花の群れで作り上げていたかのような壁を見てしまう春菜、困っているような彼女は眉をひそめては萎縮しているかのように肩を縮めてしまい、「いやだな…」野黒新が迷宮に入りたがっているのではないかと懸念してしまう春菜は軽くリップクリームを塗っていた艶やかな唇をすぼめて言う、「迷子になりたくないもの。」

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