第3話耳元のピアスが見えるか…

  携帯画面に表示されていた初老の女性の体に人生を疑っている初老の男性、項垂れては体が潰されているような苦痛を味わっている彼は糸が切断されていた操り人形の如く回転椅子にもたれかかっていた。「こんなことが…」強く歯を噛んでいる秘書は初老の男性の弱っている姿を目にしてしまうと、自分がちゃんと彼の事を支えてやらねばと思ってしまい、「出来るはずないんだ…!」急いで右膝を絨毯に突けては立ち上がろうとしている秘書は黙々と憂いに満ちている眼から涙を零している初老の男性の事を見つめながら声を上げて行き、「夫人はボディーガードと共に進出してるはずだ…!」ごくりと固唾を飲み込んでいた秘書は急いでいるかのように震えている右手を絨毯に突けては初老の男性のもとまで駆けつけて行き、「しっかりしてください…!」


  強く両手を握ってはシルエットに対する畏怖を我慢しようと考えている秘書、「こんな出鱈目の画像に惑わせれてはダメです!」強く涙を流している初老の男性の体を掴んで行く秘書は言う、「きっと夫人とそっくりの人を見つけたのか!」軽く歯を噛んでは額から浮かんでいる汗の粒 の事を気にする事無く、何とか初老の男性の事を立ち直せようと考えている彼は言う、「或いは初っ端からただの作り物に違いありません!」


  秘書が自分の事を慰めて来ている事に嬉しく思うはずなのに体が真っ黒などん底まで突き落とされているように感じている初老の男性、「彼女の…」軽く震えている左手の人差し指を携帯画面にある初老の女性の耳を指している彼は軽く鼻を啜ってしまい、「耳元のピアスが見えるか…」


  初老の男性が上げている弱々しい声に目を細めては眉間に皺寄せている秘書はつい小首を傾げてしまい、「見えますけれど…?」携帯画面に視線を固定されていたかのような初老の男性、「あれは…」ゆっくりと戦慄している顎を上げては呆然と自分の顔を見つめている秘書に向けては言葉を紡いでいる彼、「私が始めて彼女とデートに行った時に…」秘書のまるで自分の言いたい言葉を理解してくれているかのように上げている眉毛を目にすると、再びシルエットが自分に見せつけて来ているかのようにアップしていた彼女の顔を見ながら嗚咽まじりに声を上げている、「彼女に送ったものだ…彼女はそれが大変気に入ったようで…」激昂になっている初老の男性が苦しそうに歯を噛んでしまい、「ま、まい…うぐ…」当たり前のように自分と日々を暮らしていたはずの彼女が訳の分からないシルエットに理解出来ないぐらいに残虐な手段で殺されていたことを思ってしまうと、思わず唸り声を上げて仕舞った初老の男性、ごくりと固唾を飲み込んでいた彼は軽く鼻を啜ってはぽつりと呟いていた、「毎日付けてた…」


  初老の男性がまるで子供のように泣き声を上げている姿にビクッと左側の眉毛が上がっていた秘書、「き、きっと良く夫人の事を観察してたのでしょう!」シルエットが自分たちが所持していた端末を全部ハッキングしていた事を思うと、自分でもテレビの中に映されていた初老の女性は本物だと思ってしまう秘書、初老の男性の事を慰めたいと思っている彼はぽつりと言う、「だからこんな思い出のあるものまで複製出来たんじゃないかなと…」シルエットが本当に神なのではないかと思い始めている秘書、「ほ、ほら…」現実逃避しているかのような彼は苦い笑みを浮かべては言葉を紡いでいる、「似たような物は多いじゃないですか…?」


  秘書の震えている声をぼんやりと聞いている初老の男性、「これは特注品だ…世界中に…」項垂れては携帯画面を見つめている彼はぽつりと言う、「それ一つしかいない…それに…」軽く歯を噛んでいた彼、鼻腔の奥が麻痺されては頭を刺激しているように思える彼は軽く秘書に目を向けてしまい、「私が長年共に日々を過ごして来た妻を見誤るはずないよ…」


  初老の男性の充血している眼を見てしまうと、思わず眉毛を上げていた秘書、「え…?」顎が痙攣しているかのように小刻みにぶつかり合っては恐る恐ると開けてしまい、「じゃ…」ごくりと固唾を飲み込んでいた秘書は初老の男性が手にしていた携帯画面を見つめながらぽつりと声を上げてしまい、「この人は…」


  「うふふふふ~」携帯画面の左側の下で黙々と二人のリアクションを観察していたシルエット、「どうやら大統領殿は既に衝撃的な展開に打ちひしがれたようだね~」腹部を地面に突けていたかのようなシルエットは嬉々としては宙を浮いてしまい、「ダメだぞ、」右手の人差しを立てては軽く自分の黒い頬を指しているシルエットは言う、「これはまだ序の口だ。」


  シルエットのまるで自分はまったく関わっていないかのような平然とした言い回しと初老の男性のシルエットに目を向ける気力すら無くしている姿を見てしまうと、猛然と自分の左側にあるテレビに体を向けている秘書、怒りを覚える彼は強く右手を握ってはテレビを睨み、「お前はー!」


  「時には、」まるで秘書の唇を無理矢理閉ざしているかのように右手をテレビから出しては秘書の唇を軽く握っていたシルエット、秘書の自分に唇を掴まられは見開かされている姿に目を向ける事無く軽く顎を上げているシルエットは自分のことを制限しているかのようなテレビのフレームを見上げながら言葉を紡いで行き、「遮音効果が良すぎるものって、」軽く左手の人差し指を頬に当てている彼は流し目で秘書を見ながら右手を引いて行き、「逆に困っちゃうよね?」シルエットが口にしていた訳の分からない言葉に眉間に皺寄せている秘書は思わず疑問の声を上げていた、「はい…?」


  「まぁ~」まったりと腕を組んでいるシルエットは自分の存在に視線を奪われては眉間に皺寄せている人々の事を見ながらゆっくりと軽く右手の人差し指を立ててしまい、「普通の人が一気に体が重たくなっていた感覚に少し慣れて来たところで?」ビルにある大きなモニターを占拠していたシルエット、左手を額に添えては遠くにある柱に目を向けているシルエットはいたずらっ子のように言葉を紡いで行き、「第二回の衝撃を行っとくかな~?」シルエットが自分の妻を殺しただけではなくまだ何かしらのことをしようとしている事に絶望を覚えている初老の男性はつい歯を噛んでは、自分のことを苦しめて来ている相手に懇願したくなる気分になっている。


  「よいか~?」軽く左手を胸元に当てては威張っているかのように顎を上げているシルエットは言う、「このかみさまがわざわざ原始的なきみたちの為にもう一回刺して上げちゃうよぉ~。」シルエットがまるで自分たちとは別の世界にいるかのように紡いでいる事に苛立ちを覚えては強く右手を握っては頬が怒りのせいで真っ赤になっている秘書は猛然と大きな声を上げてしまい、「だからお前はなにをー」

  

  ”ドンー”刹那、世界が否応なし揺れているように感じている秘書、足元がふらついている彼は思わず自分は酔っぱらっては目の前で起きている全ての出来事は自分の夢ではないんじゃないかと思ってしまい、眉間に皺寄せているい秘書は机の上で自分と同じように揺れては金色の縁から零しているコーヒーが机に微かに温度を失っていた体をぶつけて行く姿を目にすると、自分は酔っぱらっていないと確信していた。

  

  ”フー”猛然とカーテンを吹き飛ばそうとしているかのような寒風は否応なしに自分の進む道を阻んでいたワインのような色をしていたカーテンを退かしては秘書と初老の男性の視線を奪っていた。“ボーンー”鼓膜を破れる程の轟音と共に酷い地震に襲われている初老の男性、右手で携帯電話を握っている彼は震えている両足で立ち上がっては急いでいるかのように窓際に向かって歩き出している初老の男性、「世の中は…」海原のど真ん中に突っ込んでいたかのような真っ白な柱に見開かされては自分はとんでもない悪夢でも見ているんじゃないかと考え始めている初老の男性、「どうなって仕舞ったんだ…?」海原のど真ん中から四方に向けて広がって行く津波を目にしてしまうと、つい引き攣っているかのような口角を上げている彼は可笑しそうに笑ってしまい、ぼんやりと涙を流している彼はぽつりと声を上げていた、「私が可笑しくなったんだね…?」

  

  天変地異程の衝撃に絶句されてはぼんやりと初老の男性の隣りまで歩いていた秘書、呆然と窓のから広がっている橙色の夕焼けに赤く染められていたかのような海原の上に広がっている白い波に囲まれていた白い柱を見てしまうと、つい自分の目を疑っている彼は恐る恐ると右手を上げては戦慄している右手の人差し指で柱を指差していた、「な、なんなんですか…」驚かされているせいで上手く言葉を紡げないでいる彼はぽつりと締め付けられているかのような喉から声を上げていた、「あれは…」天に巨大な穴を開けていた真っ白な柱を呆然としている瞳で映し出している秘書、まるで地面を穿つ程のインパクトを星に与えていた柱、蒼い海に突っ込んでは巨大な波を巻き起こしてはまったりと陸に向かって行く津波を見下ろしている。


  ”ゴー”猛然と陸にあるガードレールに向かって行く真っ白な波は海の上で凄まじい轟音を立てている、”パーンー”高い波はいとも簡単に白いガードレールを無理矢理飛ばしては地面に嵌めていたガードレールの根を曲がっていた。”バァン!”抗う術を持たないまま波に飛ばされているガードレールは冷たい波に攫われては強く自分のことを受け取ってくれていたかのような木々にぶつけてしまい、宛ら自分の事を苛んで来るかのように木々から落ちていた枝はガードレールと同じように強い波に森に向けては飛ばされて行った。


  ”ギィー”深いコーヒーの幹はいとも簡単に飢えている猛獣のような勢いで襲って来ている津波に折られては悲鳴を上げている木々、淡い黄色の中身を波に溺れている木々、生い茂る森は必死に津波と戦っては人々を波の侵害から守りながら白い柱を睨んでいる。「この白い柱の名前はハシラ~」自慢しているかのようなシルエットは右手の人差し指を立てながら説明し始めている、「分かるかな?」真っ白な体には宛ら微かな光を放っているかのように生き物の視線を奪っていた、柱は宛ら全てを俯瞰しているように感じている人々、地面の強い揺れに足場が崩されてしまいそうに感じている人々は苦しそうに胸元を鷲掴みながら空を穿つ程の大きな白い柱を見つめている。


  「語尾を波のように~」軽く語尾を引いては起伏させているシルエットは言う、「引っ張るんだぞ、まぁ、」両手の人差し指を立てながら人々の事を馬鹿にしているかのように笑っているシルエットは言う、「どうしてこの様な名前を付けたのかって言うと~」もったいぶっているかのように両手で唇を押さえているシルエットをぼんやりと壁につけていたテレビから初老の男性の事を見ている。地震のような衝撃と森を襲っている津波に妻の惨い姿に自分の存在が粉までに叩き潰されては吹き飛ばされているような思いをしている初老の男性はついぼんやりと唇を開けては黙々とテレビにある自分の悲しみに構う事無く嬉々としている声を上げているシルエットのことを見つめている。


  「遊び場で一々自分が遊ぶ砂に名前を付けるっかって話だよね?」シルエットは自分の妻を殺したのにただ自分たちの事を遊びだと語っていた事に眉毛を上げてはつい苦しそうな唸り声を上げている初老の男性、「うううああ…!」両手で携帯電話を抱えては前のめりになっている初老の男性に見開かされている秘書、「だ、大丈夫ですか?」眉毛を上げている彼は急いでいるかのように右手を初老の男性の背中に添えては彼の苦しそうな表情を覗き込んでしまい、神だと自称していたシルエットはもしかしたら本物の神であって、自分たちの事を罰を与えに来ているなのかもしれないと考えている秘書、恐怖とシルエットに最初に話しかけられていた自分たちはいつ初老の男性の妻のように惨い姿で殺されてしまうのか、そう考えてしまうと、涙が自然と眼から滲んで来る秘書は嘔吐して仕舞いそうにう喉に力を入れている初老の男性の事を慰めているかのように戦慄している声を上げている、「し、しっかりしてください…!」


  「この世界はちょっと趣があるから、」左手を腰に当てているシルエット、テレビの中にあるシルエットは唇から夥しい唾液を吐き出している初老の男性の事を気にする事無く、軽く視線を自分の右手の小指に向けては独り言を言っているかのように言葉を紡いで行き、「少し休んでから次の世界に行くつもりなんだ~」言葉を紡ぎながら気怠いそうに伸びをしているシルエットは言う、「声も出られないぐらいの驚愕、」ゆっくりと右手の小指を立てては自分のことを見つめては言葉を失っていたかのような人々の事を見ているシルエット、「今からどこかに隠れたいぐらいの危惧、」人々の額から滲み出ている汗の粒を楽しそうに見下ろしているシルエットは軽く自分の左手が立てていた小指に目を向けて行き、「自分たちはこれからどうなってしまうのかの困惑。」人々の間に佇んでいた小さな黒いカラスの髪飾りを付けていた、赤い髪の毛をしていた、眉間に黒い毛が生えていた少年、ぼんやりと自分の周りで息苦しそうに自分と一緒にビルにあるモニターの中で喋っているシルエットのことを見つめている。


  「なぁに~慌てる必要はないさ、」ニヤリと右側の口角を上げているシルエットは軽く左手で自分の胸元を叩いてしまい、「この親切な神様が一から説明してやるよ。」シルエットが紡いだ言葉に眉間に皺寄せている赤い髪の毛の少年、ぼんやりと自分の体を見下ろしているかのような彼は自分の体には何も苦痛を感じていないことに戸惑ってはもしかしたら自分は神に選ばれていた存在なのかもしれないと内心で思っている。


  「ほら、わかるでしょ?」左手を腰に当てているシルエットは前のめりになっては右手の人差し指を立ててしまい、「ゲームの始まりには常に五月蠅いぐらいにぺらぺらとぺらぺらと喋るキャラクターがあるんでしょう~?」ぼんやりとピンク色のパイプの上に座っていた利佳、呆然とシルエットが紡いでいる言葉を聞いている彼女はつい自分の母親が本当にシルエットに殺されていたのかどうかを確認したくなってしまい、「は、花松…!」繊細な喉元が戦慄しているような利佳は苦しそうに焦燥感に苛まれては喉元から声を絞り出して行き、「か、母さんは…」眉をひそめている彼女はぽつりと声を上げていた、「出たのかえ…!?」


  利佳の自分に助けを求めて来ている姿に心が苦しめられているように思える花松、ぼんやりと右手にある携帯電話を耳に当てていた彼、目を細めている彼は彼女の潤んでいる青色の瞳を目にしてしまうと、つい右耳から聞こえて来る冷酷なまでに無機質な音を響いている携帯電話に目を向けていた。

  

  「ちゃんと人の説明を聞かないとあとで酷い目にあうんだぞ!」唇をすぼめているシルエットが上げている耳障りな声を聞きながら右手にある携帯電話を下ろそうとしない花松、会場にいる人々がまるで利佳と同じように自分の右手にある携帯電話に期待しているかのような眼差しを向かって来ている事に凄まじいプレッシャーを感じている彼、自分がもし携帯電話を下してしまったらきっと利佳の微かな希望を消してしまうのだろうと思っている。


  「特にこのゲームはね、」ニヤリと口角を上げているシルエットは人々の神経を刺激しているかのように言う、「ぼくにとってはゲームだけど~」シルエットが言っている話を聞きながらチラッと横目で手にあるマーカーを下しては祈っているかのように両手を握りしめている利佳を見ている彼、軽く歯を噛んでいる彼はいつまでも繋がらないでいる携帯電話に苛立ちを覚えている。


  「きみたちにとっては生きるか死ぬかのどっちなんだぞ?」軽く両手を上げているシルエットは人々の焦っている姿を楽しんでいるかのように嬉々とした口調で言葉を紡ぎながら肩をすくめてしまい、「まぁ、人は遅かれ早かれ死ぬだけどね。」真剣な表情でモニターに映し出していたシルエットの事を見上げている赤い髪の毛の少年は軽く息を吸いこんでしまい、強く両手を握っている彼は自分は間違いなく神に選ばれし存在だと、周りで苦しそうに息を吸っている人々に一瞥した彼はそう確信していた。


  「いいか、ハシラ~は少しずつ紫色に染まるんだ、」軽く右手を上げては自分の後ろにある白い空間を軽く叩いているシルエットは言う、適当に右手ので白い空間で丸い柱を描いているシルエット、「最終的には真っ黒になり金色のルービックキューブを見せたりするんだ~」腕を組んでいるシルエットはまったりと自分が描いていた白い柱に振り向いては、まるで自分が描いていたロケットのような柱の絵を称賛しているかのように頷いている、「今は白いけどね。」横目で自分の後ろに一瞥したシルエット、「このハシラ~は時間が経つにつれ、」真面目に人々の事を如何に怖がらせようと考えているシルエットはゆっくりと体を人々に向けながら右手の人差し指を立てて行き、「徐々に地面に中に入るんだ~」宛ら新しいプレゼントを貰っていた子供のように嬉しそうに話を紡いでいるシルエット、「これはどういう意味なのか、」深紅の瞳で人々の絶句している姿を映し出しているシルエット、「分かってるよな~?」人々の額から滲んでいる汗に興奮を覚えているシルエットは軽く両足いで白い地面を踏みながら楽しそうな声を上げていた、「こいつは星の核を目掛けて進んでるんだ~」


  刹那、シルエットが紡いだ一言に頭が呆然としていた人々、唐突なまでに自分たちは命の終焉を告げられていたように思える人々はシルエットに見開かされては、シルエットが現れてまでは自分がしたかった事を忘れてしまい、パニック状態になっている人々はお互いの顔を見ながら怖がっている声を上げている。


  自分の周りで苦しそうに自分はまだ死にたくない云々と言っている人々の姿を小馬鹿にしているかのような赤い髪の毛をしていた少年、「へっ…」強く鼻で笑っていた彼は横目で人々の畏怖しているけれど自分たちはどうすればいいのかを分からないでいる姿を見ながら小さな声を上げている、「最高じゃないのか…」ニヤリと口角を上げている彼は軽く自分の武者震いしている両手を見下ろしながら言い放った、「こんなくそったれの世界には未練なんざねぇって話だ。」


  「最終的にはこの星の核は潰され。」腕を組んでいるシルエットは人々の泣きわめく声を気にする事無く言葉を紡いでいる、「この星、今、」両手の黒い指でタブレットを指差しているシルエットの事をぼんやりと見ている秘書、チラッと打ちひしがれている初老の男性が回転椅子に座っては言葉を失っている姿に一瞥した彼は悲しそうに眉をひそめている。


  「きみたちが立ってるこの場所は、爆発するんだよ~?」シルエットの自分たちのことを馬鹿にしているかのような言葉をぼんやりと聞いている秘書、ごくりと固唾を飲み込んでいた彼は自分たちだけじゃなく、全人類は皆滅ぼされてしまうと知った瞬間、心が微かに救われているような心境になっている。


  「それがどういう意味なのかは、」両手を軽く上げているシルエットは流し目で人々の事をみながら言葉を紡いだ、「流石にぼくが全部を言う必要もないんだろうね~?」ノイズが混ざった尖っている声から発した言葉は宛ら恐怖を詰まった銃弾の如く一瞬にして民衆の恐怖心を爆発させていた。


  疲れ気味の人々が自分の事を畏怖しつつ上手く言葉を紡げないでいる姿を見ているシルエット、急いで人々の多い場所から離れようとしている人もいれば、絶望に抱かれては自分に抵抗する事を諦めている人々の事を見下ろしているシルエットは言う、「気になってるだろうけど、」横目で慌てている人々の中で佇んでいる赤い髪の毛をしていた少年の事を見下ろしているシルエットは言う、「どうして自分以外の人達は苦しそうにしてるのに、」流し目で赤い髪の毛の少年と同じように人々と同じように慌てているけれどちゃんと背筋を伸ばせる人々に目を向けているシルエット、「なぜ自分だけが平気なのか、」シルエットがようやく自分の内心で気になっている事を答えてくれている事に凄まじく嬉しく思う赤い髪の毛の少年、横目で急いで自分の周りから離れたりアスファルトに膝を突けている人々の事を見ている彼はつい軽く歯を噛んでしまい、人々の事が姦しいと思う彼はモニターに目を凝らしてはシルエットの事を睨んでいる。


  「それはね、」軽く黒い右手の人差し指で頬をついているシルエットは言う、「きみは神様に選ばれたからだよ。」”ドクンー”シルエットの耳障りな声で紡いだ言葉に見開かされている赤い髪の毛の少年、口角が耳元まで裂いている彼は自分の両手を見下ろしては楽しそうに引き笑いをしていた、「ひひっ…僕が…」興奮のあまり体が地面から浮いているような気がしている赤い髪の毛の少年、「僕が…主人公に選ばれてたんだ…」胸元の奥から飛び出ようとしている心臓を強く握っている彼は楽しそうに喉から興奮している声を絞り出していた、「神様直々に…ひひっ…!」


  「だけどきみだけじゃないんだ、」宛ら赤い髪の毛の少年に水を差しているかのようなシルエットは言う、「多くの人に力を与えてたんだ~ぼくは。」シルエットが自分が世界を救うか壊すのか自分の匙加減次第と言う夢を壊していた事に苛立ちを覚えては歯ぎしりしながらアスファルトの上に佇んではシルエットの事を見上げている赤い髪の毛の少年。


  「力を貰ったきみたちには世界を救うことなんて求めていないさ、」可笑しそうに鼻で笑っては軽く両手を上げているシルエットは言う、「きみたちにやって欲しいことはたったの一つ、」シルエットの軽く顎を引いている姿を真面目に見ている赤い髪の毛の少年、眉間に皺寄せている彼は横目で自分と同じように佇んでいる何人かに目を向けてしまうと、神に選ばれし存在同士、自分はもしかしたら彼らとパーティーを組まないといけないだろうなと思いつつ、多くの人が逃げ回っては涙を零している姿が滑稽に見ている彼は楽しそうに口角を上げていた。


  「ぼくに見せてくれ、」軽く右手を胸元に当てているシルエットは人々に向けては言い放った、「本当のきみたちをね。」シルエットの話をぼんやりと聞いている人々、自分たちは殺されてしまうかもしれないと考えてしまうとつい途方に暮れては佇んでいる人もいれば、シルエットが紡いだ言葉を信じらないでいる人も少なからず存在していた、「どうせ手のかかったハッカーにいたずらだろう?」両手をポケットに突っ込んではシルエットの事を見上げているかのような散乱した髪の毛の男性がぽつりと口にした言葉に彼に視線を引っ張られている赤い髪の毛の少年眉間に皺寄せている、シルエットが紡いだ話を深く信じている彼は眉間に皺寄せながらぽつりと言う、、「本物の自分…?」黄色いのダウンジャケットを着こなしていた彼は目を細めてはぼんやりと自分の両手に目を向けてしまい、「ひひっ…そうだな…」ニヤリと口角を上げている彼は喉から声を絞り出していた、「本物の自分を神様に見せてあげようじゃないか…」強く右手を握っている彼は自分の周りでぼんやりと佇んでいた人々に一瞥してしまい、「いつも僕の事をハブく野郎どもに…本物の僕をさ…!」


  「ぼくはとっくに人類に失望したんだよ。」残念そうに軽く首を横に振っているシルエットは軽く両手を上げてしまい、「世の中の人間は九割ごみで、身勝手で、」左手を腰に当てているシルエットは秩序を保ちながら逃げている人の事を見ながら可笑しそうに鼻で笑ってしまい、「狡猾で、陰湿で、滑稽で、」左手の人差し指で人々の事を指差しているシルエットは言う、「傍若無人で、傲慢で…」首を横に振っているシルエットは嘲笑まじりに言う、「人間の欠点を逐一あげるとしたら人の一生を費やしてもも語り切れないぐらいに。」


  目を細めているシルエットは横目で秘書の事を見ながら言葉を紡いで行き、「身に覚えはないかい?」ニヤリと口角を上げているシルエットは言う、「ニュースを見た時に運悪く厄災に遭遇してしまい、死んでいた人たちをケラケラと嘲笑う奴、」軽く自分の握っている右手に目を向けているシルエット、「もうちょっと死んでくれないかなと呟くどうしようもない奴、」額に左手を付けては残念そうに黒い額を上げているシルエット、「嗚呼、こいつら運がないねぇなと人の死をネタにする奴、」歯ぎしりしながらシルエットが紡ぐ言葉を聞いている秘書、強く右手を握っている彼はシルエットが海原に刺していた高らかに佇んでいた柱を見上げてしまうとつい唇を噤んでいた。


  「これらの例を言っても分からないというのなら、今、」目を細めているシルエットは左手で苦しそうに胸元を握りしながら自分の前にいる疲れ気味になっている女性を無理矢理右手で退かしては、転んでいた女性が上げている悲鳴を気にせずに、どこに向けて逃げたらいいのかも分からないでいる、頬に冷蔵庫の入れ墨をしていた巨漢を見ながら言葉を紡いでいる、「そうだよ?今だよ、このまさしくハルマゲドンが訪れた星に、」可笑しそうに言葉を紡いでいるシルエットは軽く首を前に出しては黒い唇にピアスを付けては自分と同じように弱っている深い紫色の髪の毛をしていた男の子の事を抱えている男性の事を見ながら言う、「人間の闇を垣間見るだろう?」


  「お兄ちゃん…」弱っている男の子は自分と同じように深い紫色の髪の毛をした男性の事を見上げながらぽつりと弱っている声を上げていた、「ぼくたちはどうなってしまうの…?」弟が自分に尋ねて来ている言葉に絶句しては上手く答えられないでいる深い紫色の男性、悔しそうに歯を噛んではテレビの事を見つめている彼はぽつりと言う、「大丈夫だ太久郎…」軽く鼻翼に力を入れている彼は太久郎に目を向けては軽く笑ってしまい、「俺が守って見せるよ…」


  兄が自分に見せに来るやや弱っているようにも思えるくらいに震えている声に、心がやや悩まされているようにと感じてしまう太久郎はぼんやりと悶々としているようにも感じて来る脳内の存在に、自身を嬲られるがままに、如何にか兄を応援しては支えて行こうと強く考えていく、「うん…!」宛ら自分が彼に仕向けた反応にやや悩まされているようにと、強張っているようにも思える頬を上げていく兄の姿に笑って行こうと思っては、自分らはきっと無事になれるのだと、強く思って行きたいと懇願していく太久郎は声を発していた、「風邪を引いてしまうとお注射するのよね…」


  酷く天真爛漫のようにも思える自分にとっての天使のようにも思える太久郎が紡いで来ていた言葉に、目を細められているようにと強く感じては、ごくりと固唾を飲み込んでいく兄は丁寧に頷いて言う、「ああ。」「お注射するのは怖いけど…」懸命に思うが儘に力を込めていけなくなっているような両手を握っては、兄の存在をぼんやりとしているようにも思える視野の中で見上げていく太久郎は声を上げにいく、「頑張って克服するから…」自分が必死に彼に伝えようとする話にやや驚かせているようにと、眉毛をびくっと跳ねらせに来る兄の様に微笑んで見ようと思っていく太久郎、「お兄ちゃんも頑張って…?」


  弟の強く自分の事を励まそうとしているようにも思えるように、握っては、やや震えているようにも思える拳を自分の胸に向けて付けようとする、酷く健気に思える姿に鳩尾が感動に突かれているような気分になり、己の無力さに悔やんでは、思わず強く歯を噛んでしまう兄、「うん…」鼻腔の奥が悲しみと一体どうしたらいいのかが全くもって分からなくなっている思いに、麻痺されているような思いに仕上げているように感じては、丁寧に頷いていく兄は、ぽつりと震えているような体につられているように、やや痙攣しているようにも思える声を喉元から絞り出していた、「頑張ってお薬が入った注射器を見つけるね…」


  まるで自分が彼に向けにいく少しばかり元気になれているような態度に、弱っているような体が鼓舞されているようにと、丁寧に自分に目線を向けに来ては、頷いてくれている様に目を細められているようにと強く感じている兄、太久郎が浮かんでいた屈託のない笑みを目にしてしまうと、嬉しそうに口角を上げている深い紫色の髪の毛をしていた男性は、チラッと眼光を壁に貼られていたようなドーナツの如く地図に向けては、ごくりと固唾を飲み込んでは、テレビの中にある黒いシルエットに目を向けにいく。


  「大丈夫さ~今はまだ人間は善良な人が多いと思っている人には、」軽く鼻で笑っていたシルエットは右手の人差し指で白い空間で軽く円を描きながら言葉を紡いで行く、「あとでたっぷり見せてやるのさ、人間の闇をね~?」捲し立てているシルエットは自分の言葉を聞いているせいで様々な反応をしている人々の事を見ながら言葉を紡いで行き、「人は死ぬべだよ。」


  にべもなく言葉を紡いでいるシルエットは強く黒い右手を握りしめている、「そして毎年毎月毎日毎秒、そのゴミの量は増えつつある、そう、」強く頷いているシルエットは軽く顎を上げて行き、「人間のゴミ率は十割に近づいている、人類のなかでほんの少しだけ、」軽く左手を上げては自分の黒い右手の人差し指を指差しているシルエットは言う、「この指の爪のようにちっぽけで無力な善人がいるこは否定しないよ?」


  残念そうに両腕を組んでいるシルエットは首を横に振りながら言葉を紡いで行き、「だげど、ぼくには善人たちのことが悲しく思うぐらいに、愛しく思っているよ?」鼻で笑っているシルエットは左手を前に向けてかざしては右手を額に添えてしまい、「だって、彼らはこんな空気すら嫌らし環境で生きて逝くんだもの、」不服そうに両手を握っているシルエットが紡いでいる言葉に戸惑っている赤い髪の毛の少年、歯を噛んでいる彼はついシルエットはまだ選ばれていた人と普通の人がどう違っているのかを説明していない事を考えながら右手を握っている、ちゃんと説明を聞かないと痛い目に遭うかもしれないと彼は懸念している。

  

  「善人はゴミどもに傷付られ、」悔しそうに左手で胸元を握っているシルエットは軽く首を横に振ってしまい、「このダメダメな世の中を失望するのが容易く思いつくんだよね、ぼくは。」右手を左手の手の甲につけているシルエットは軽く口角を上げてしまい、「だから善人たち、」軽く顎を引いていたシルエットは目を細めてはゆっくりと額を上げている、「優しい人たちがこの劣悪な環境に汚される前に、これ以上汚されないように、」ニヤリと口角を上げているシルエットは残虐な笑みを浮かべては言い放った、「親切なぼくが断念させてやるのさ。」


  シルエットが上げている耳障りな声を上げてのせいで自分の体の存在を感じなくなっている初老の男性は苦しそうに喉から声を絞り出していた、「何を言いたいんだ…!」両足が恐怖のせいで力が入れなくなっているように感じている秘書、柔らかい絨毯に座っていた彼はテレビの中にあるシルエットの事を見ながらぽつりと声を上げていた、「まさか…」


  「そう、」当たり前のように両手を腰に当てているシルエットは強く頷いた、「死ぬことだ。」シルエットが紡いだ冷酷な話をぼんやりと聞いている赤い髪の毛の少年、焦燥感を感じている彼は自分がいつ神に殺されてしまうのかも分からないままただ突っ立ってシルエットが紡いでいる言葉を聞くことしかできない事に苛立ちを覚えている。


  「人という生き物は一体どれだけ汚らわしいものなのか、きみたちに見せてやるよ、」左側の口角を上げているシルエット、深紅の瞳に鋭い光が過っていたシルエットは言う、「そして身をもって味合わせてやるよ。」自分の話を真剣に聞いている人々の事を見ているシルエッ楽しそうに唇を開いてしまい、「だけどぼくも暇じゃないからね、そんな呑気になっていくつもりはないよ。」眉間に皺寄せている初老の男性、悲しみに打ちひしがれている初老の男性、歯ぎしりしながら妻の為に復讐しないとと思っている初老の男性はごくりと固唾を飲み込んでいた。


  「だから、時間制限してやったのさ、」まるで初老の男性が上げていた声が聞こえなかったかのようなシルエットは笑いながら右手の人差し指を立てている、「あと810時間。」シルエットがはっきりと口にした声に小首を傾げている赤い髪の毛の少年、眉間に皺寄せている彼は戸惑いながらシルエットがモニターから顔を出しているシルエットの事を見つめている。


  「ハシラ~がこの星を潰すまではあと810時間だ。」”ドクンー”刹那、シルエットが平然とした口調で紡いだ言葉に心臓が強く跳ねて仕舞ったように思える赤い髪の毛の少年、心臓の高鳴りに体が震えているように感じている彼、自分が神に選ばれた以上、あとそんぐらいの時間で選ばれていない人々の事を甚振る事が出来てしまうと思うと笑い声を上げていた、「ひひっ…」

  

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る