第2話ぼくは神様だからね~

  刹那、ひんやりとした強い風がビルの隙から飛び出て行き、真っ直ぐに右手に携帯電話を握っては、幸せそうな笑みを零している少女の体を襲って行く、蒼い髪を掬い上げているひんやりとした風。白皙の頬に突けて行く宛ら蒼い空はのような髪の毛に僅か白い色の毛髪が混ざってた、まるでくれないの空のような微かに赤い橙色のハイヒールを履いていた麗しき青色の瞳をしていた少女、左手の手首でエコバッグを抱えていた彼女は軽く左手を上げては自分の頬をくすぐる髪の毛を押さえている、強い風のせいで温度を奪われていたかのような髪の毛は彼女の左手の薬指に付けられていた、彼女の風に吹かれていた時の髪の毛のようなムーストーンを嵌めていた黒いリングを付けていて、黒いリンクには丸い体を飾り付けるような銀色の糸が外層を包んでは、花々に栄養を与えていた肥料のように、銀色の線の周りには色んな小さな花が咲かれていた。


  宛ら不安を拭う為に携帯画面にある幸せそうに口付けをしていた二人のぶれては霞んでいた写真に目を向けていた少女は軽く温かい息を吐いてしまい、目を細めて仕舞った彼女は自分の周りにいる人達と同じようにビルに付けていたかのような巨大なモニターを見つめている。


  「うっ!」突然、少女の傍にいる人々が約束したかのように同時にして悶絶してしまいそうな唸り声を上げて仕舞った、まるで全力疾走したばかりのように、酷く疲れている顔をしながら苦しそうに胸を掴み呼吸し始める。平然としている少女は人々の苦しまれている姿を目にしてしまうとつい途方に暮れてしまい、訳も分からないまま立ち尽くしていた。


  ”ブブー”忽然、真っ白なダウンジャケットの袖に包まれていた右手の中で暴れ回っているかのような携帯画面に見開かされている少女はつい周りの苦しまれている人々から視線を右手にある、小さな青色の屋敷のシールが張っていた携帯電話に向けて行き。自分の周りの苦しまれている人々は実はフラッシュモブであり、ただ自分の事をからかおうとしているだけだと、ポジティブに思っている彼女は携帯画面に記されている”愛する旦那”の番号に口角がくすぐられていて、軽く繊細な親指で携帯画面にある緑色のアイコンをスライドしていた彼女は嬉しそうに携帯電話を耳元に当てては、相手に自分はいっぱい野菜を買って来たぞと言おうとする。


  「小夜(さよ)か…?!」忽然、電話の向こう側から聞こえて来る男性の切羽詰まったかのような声に小首を傾げては眉をひそめている小夜。「今どこにいんだ…?早く帰って来てほしい…!」息遣いが荒くなっている男の声は自分の周りにいる人々と同じように、少し疲れているような感じに心配そうに眉をひそめている小夜、携帯画面に一瞥する彼女は左手を上げて軽く自分の唇を隠しながらぽつりと声を発している、「大丈夫かな…竜祥(りゅうしょう)君?ちゃんとベッドで休んでる?」竜祥が口にした言葉を思い返しながら体調を崩していた彼を宥めるように彼女は微笑みながら言う、「まだ買い出しの途中だよ?」


  「お前もあいつが言ってる言葉を聞いたはずだろ…!」竜祥の苦しそうな声に混じっている怒気に唇をすぼめている小夜は悔しそうに鼻翼に力を入れている。「ってか…!お前の体には異常が起きなかったのかよ…?」まるで自分の事を叱っているような口調に眉をひそめている小夜、いつも自分に優しくしてくれて来た彼がここまで怒っている訳を知りたいと切に思う彼女、小首を傾げている彼女はぼんやりと巨大なモニターにあるシルエットを見ながらぽつりと言う、「なんの話?」


  「個人差があるのか…」宛ら何かしらの問題を分析しているかのような竜祥の声を聞いてしまうと、内心の疑問はますます深まっている小夜、小さな声で呟いた彼の話の続きを待っている小夜はモニターにあるシルエットと自分の右手にある携帯電話を交互に見ている。


  「いいから、早く戻ってこい…」竜祥の本気の口調を耳にすると、彼は悪ふざけをするためにわざわざ電話をかけて来たのではないと信じている小夜、ぼんやりと地面で四つん這いになったり、地面に背中を突けては空に向けて右手を伸ばしている人々を目にすると、小夜はつい目を細めてしまい、何かとんでもない事が起きていると、竜祥の切羽詰まった声を聞いたせいでそう確信している小夜、周りの人々がやっている事は自分を騙すための演技ではばく、本当に苦しまれている事を知って仕舞った彼女、心細くなっている彼女は内心に過って行く不安に駆り立てられては左手を握っている。未知への畏怖のせいで歩幅を大きくしていて、急いでいるように自分と竜祥の別荘に向けて歩き始める。


  「電話を切るなよ…落ち着いて俺の話を聞け…」竜祥の疲れていても自分に危険を知らせて来る事に微笑んでしまう小夜、体が前のめりになっている彼女、竜祥が自分の事を助けに来てくれていると思う彼女は強く頷いて言う、「うん…!」「ただ狂ってるだけならこんな真似は出来るはずがないんだ…」電話越しで竜祥の小さな声に眉間に皺寄せている小夜、彼の声を聞くだけで、段々心からこみ上げて来る不安が緩和しているような気がする彼女は急いで前に向けて歩いて行く。


  「早く帰ってくれ…あいつはただのあほならそれはそれで構わん…」竜祥のまるで自分に懇願しているような口調に心が苛まれている小夜。「だが、もし本当なら…小夜…」宛ら叱れては泣き出してしまいそうな子供のような声に心がくすぐられている小夜、彼女は軽く笑っては頷いてしまい竜祥の不安を消すようにぽつりと言う、「聞いているよ?ちゃんと。」


  「俺は…」右手にある携帯電話を強く握っている小夜、竜祥の重くなっている口調で紡がれている声を聞き逃さないようにしている彼女は黙々と頷いている。「お前を無くしたくはないんだ…」竜祥の苦しまれている声で紡がれている自分の心を温かくする言葉に微笑んでいる小夜。


  「こんな世の中じゃ…」声が微かに嗄れていた竜祥の言葉を真剣に聞いている小夜はつい視線を携帯画面に向けている。「どれだけ変わった事が起きようが、そうおかしくはないのが笑っちゃうんだよな…」前にあるアスファルトを見つめながら携帯電話を耳に当てている小夜、まるで言葉を紡ぐのが疲れていたかのように言葉を紡ぐ事を止まっている彼の事を内心で鼓舞しながら急いで彼の元へ戻りたいと切に思っている彼女。


  「万全を期するほかないんだ…うっ…!」忽然、竜祥が上げていた苦しそうな唸り声に見開かされている小夜、思わず両足で強くアスファルトを踏んで仕舞った彼女は大慌てで両手で携帯電話を握ってしまい、慌てて携帯電話に目を向けて聞く、「大丈夫?!」「大丈夫だ…」微かに歯を噛んで息を吸っている音を耳にすると、竜祥は右足の古傷のせいに苛まれていると思っている小夜、つい目を細めて仕舞った彼女は脳内で浮かんでいる竜祥の苦しまれている姿に傷心を覚えている、竜祥が苦しまれている事を思うと、自分が苦しみに苛まれているよりずっと悲しく感じている小夜は項垂れてしまい。


  「そんなことより…!」竜祥のまるで歯を噛みながら発している声に頭を上げられている小夜。「急げ…俺の元へ…戻ってくれ…!」竜祥の切羽詰まった口調に眉間に皺寄せている小夜、人々と竜祥はどうなってしまったのか、彼の事が心配で心臓が潰れてしまいそうな気がしている彼女、彼に少しでも元気を分けて上げればと思う彼女は強く首を縦に振ってしまい、「う、うん!」迷わずに止まっていた右足を前に向けて踏み出して行く小夜は言い放った、「分かったわ!今戻るわね。」そう言うと彼女は心配そうな表情を浮かべては苦しそうに呼吸をしてる人達見てしまい、竜祥も彼らと同じような姿勢で自分に話しかけて来たいるのではないかと思っている彼女はつい両足に力を入れて、走り出そうとする。


  「ぼくは優しいんだよ?」宛ら小首を傾げているようなシルエットの耳障り声は言う、「いまぼくを見ている皆さんが死ぬまでの間、」黒い左手を腰に当てているシルエットは軽く右手の人差しを立ててしまい、「親愛なる人たちに電話を掛けて、」ニヤリと口角を上げているシルエットは人々の事を嘲っているかのように言い放った、「遺言を残すぐらいの時間をあげるよ。」


  忽然、モニターにあるシルエットが口にした単語に竜祥がいなくなってしまうんじゃないかと言う思いが脳内に過ってしまい、頭が自分にコントロールされなくなっているかのようにモニターに向けて行き、巨大なモニターにあるシルエットの存在は悪魔のように見えている小夜は悔しそうに唇を噛んでいた、携帯電話の向こうから聞こえて来る竜祥の苦しまれている呻吟に心が狭まれているような気がしている彼女は大慌てで振り返っては家の方向に向けて走り出して行った。

  

  「人間は愚かで、」ゆっくりと右手の立てていた人差し指を引いているシルエット、「傲慢で、偏見ばっかり持っていて、」強く右手を握っては微かな怒りが混ざっていた声を上げていたシルエットは言う、「まぁ~愚かなきみたちは多分、今ものぼくを信じてくれないだろうけどね?」両手を軽く上げては肩をすくめているシルエットは残念そうに言葉を紡いでいる、「いやだよな~」軽く右手を自分に向けて手招くかのようなシルエットは自分に風を送りながら言葉を紡いだ、「人ってどうしてこうも愚かなのか、」ゆっくりと真っ黒な頬から黒い瞼を開けては深紅の瞳を人々に向けているシルエットは言う、「どうして実際に見て見ないと相手がどれだけ強いのかが分からないのだろうな?」自分の話を聞きながら宛ら人間にがっかりしたかのようなシルエットは軽く肩をすくめていた、「これはサービスさ、」左手を胸元に当てているシルエットは軽く顎を引いてしまい、「ぼくを信じてくれる人達への。」


  軽く両手を腰に当てているシルエットは宛らモニターの中に封じられる事を飽きていたかのような、当たり前のように軽く右手を前に出しては軽く左足でデバイスのフレームを跨いで行き、「でも、死ぬと言っても、」シルエットのまるで生きているかのような行動に絶句しては泣き出してしまいそうになっている秘書は震えている両手で呆然とタブレットを握っている。


  「徐々に死ぬだけなんだから、今、」前のめりになっているシルエットは軽く右手の人差しを前に出しながらニヤリと口角を上げてしまい、「遺言を言ってもすぐ死ぬ訳じゃないんだよ~?」ぼんやりと青色の瞳でモニターから出ていたシルエットの事を映し出している利佳。さっきまで賑わっていた会場は、シルエットがモニターで放送されていた曲を無理矢理ジャミングしていた時から、会場で利佳の事を見つめていたファンの人たちはあんぐり口を開けては呆然と立ち尽くしている。


  純白の服装を着こなしては看板にプリントされていたアニメションのキャラクターたちは宛ら彼女ら声を当てていた主人と同じように視線をステージ上の両方にあるモニターを向けながらモニターを紹介しているかのように各々の両手をかざしていた。ぼんやりとステージ上にある真っ白な机の後ろにあるのピンク色のパイプ椅子に座ってた利佳、色紙に名前を残してはファンに届けていた彼女、宛らモニターに目を向けていたファンの人につられているかのように右手にあるマーカーを握っている利佳、軽く息を吸いこんでいた彼女はチラッとステージの左側で上がろうとしている人に一瞥しては、軽く自分の左側で立っては眉間に皺寄せている黄色の髪の毛をしていた花松に目を向けてしまい、花松が自分と同じようにシルエットの仕草に驚かされては立ち尽くしている姿を見てしまうと、微かに安心感を覚えている彼女は再びモニターに視線を向けて行きながらモニターから飛び出ていたシルエットの事を凝視している。


  嬉々として自分たちに演説を披露しているシルエットの存在に言葉を失っている人々、会場はまるで時間が止まったかのように、人々は微動だにしない。まるで利佳のサインを貰おうと、人々と同じように列を並んでいた青年、銀色のパーカーを着ていた彼はシルエットが言っている言葉はどうでも良く思いながら、まるで蚊に刺されていたかのように小さな赤い点を残されていた両手てポケットに突っ込んでしまい。


  パーカーに付けていた帽子を被っていた青年はモニターから飛び出ていたシルエットの事を気にする事無く、あんぐり口を開けている利佳の白皙の横顔を見つめては、ニヤリと口角を上げてしまい、人々の肩の後ろで姿を隠していたかのような彼は黄色の歯を利佳の横顔に見せながら不敵な笑みを浮かべている。


  「いい世界だよね、」両手を上げては肩をすくめているシルエットはまったりと言葉を紡いで行き、「人々の髪色から瞳の色まで違っていて、」宛ら自分に視線を奪われている人々の事を見渡しているかのように両手を軽く背中に当てては顎を上げているシルエットは言う、「まさしく二次元に相応しい世界ではないか~」シルエットが上げている耳障りな声に不安を覚えている利佳、宛ら自分の事を囲もうとしているかのようなステージの両端から飛び出ているシルエットに畏怖を覚えている彼女。


  「これなら少しぐらい長いしてもいいかな~」まるで利佳の後ろに引いては自分の事を警戒している黒い眼鏡をかけていた花松に一瞥したシルエットは言う、「二次元って言ってもぼくはそこまでアニメや漫画やゲームのことが好きじゃないけれどね。」シルエットのまるで自分が相手の事を恐れていることを知っているかのように軽く一歩を引いてはモニターに戻ろうとしている仕草に眉間に皺寄せている利佳、「何を言ってるんだ…」マーカーを握っている右手が汗ばんでいる彼女は真面目にシルエットが紡いだ言葉を聞いて自分は馬鹿らしく思いつつぽつりと言う、「こいつは…」


  「そろそろいいかな?」利佳と花松に黒い臀部を向けているシルエット、体が宙を浮いているシルエットはゆっくりと小さな両手をモニターのフレームを掴みながらフレームを登って行き、「よっこらせ~」いとも簡単に体を宙に浮かせていたシルエットがわざわざフレームを登る必要はあったのかと内心で疑問に思っている利佳はぱちくりながらシルエットの事を見つめている。


  「親切なぼくのことを信じる人達に遺言を世に残す時間。」背中を利佳と花松に向けていたシルエットは深紅の瞳で二人の事を見ながらゆっくりと左足を上げてはフレームの中に入って行くシルエットは言う、「ぼくはあまりゆっくりとした展開が好きじゃないからね、」シルエットのまるで狂ったかのような行動と上げている訳の分からない言葉に眉間に皺寄せてはつい右手を握りしめている花松、右手の手の甲にはムカデのような縫い跡が残されていた彼はつい完治していた右手からじっくりと自分の心を苦しめて来る痛みに歯を噛んでいる。  


  「そもそもこの世界ではそうさせてくれる存在もいないしさ~」肩をすくめては首を横に振っているシルエットに眉間に皺寄せている秘書、歯を噛んでいる彼は必死に右手でタブレットの起動ボタンを押しながら目の前にある忌々しいシルエットの存在を視界から消そうとしている。「おいおい~」まったりと秘書の右手に向けては歩いているシルエット、軽く左手を秘書の右手に伸ばしている相手は言う、「デバイスを閉じろうとしたって無駄だってまだ気づかないのかな?」


  「うう?!」忽然、自分の右手に触れてしまいそうな黒い手に見開かされては体が驚愕に操られて仕舞ったかのようにビクッと体が跳ねて仕舞った秘書、秘書が上げていた驚かされていた声は情けないと内心で思いつつ彼が落としてしまいそうなタブレットに一瞥した初老の男性、軽く鼻翼に力を入れては自分たちのことを操っているかのようなシルエットを見下ろしている彼は軽く右手を上げては黒い毛が生えていた手の甲で汗ばんでいる額を拭いている。


  「そう慌てないでって、」宛ら秘書の事を嘲笑っているかのようなシルエット、軽く額から滴り落ちている汗の粒 に高い鼻梁が濡らされている秘書の事を見つめているシルエットは言う、「ぼくがここにいることはつまり、」軽く黒い鼻先から白い息を吐き出していたシルエットは強く小さな黒い右手で自分の胸元を叩いては言い放った、「超が付くぐらいの付くぐらいの刺激的な展開を見せるってことだよ~」シルエットが言っている言葉が畏怖のせいで真っ白になっていた頭では上手く理解出来ずにいる秘書はただシルエットと触れたくないという気持ちに体を支配されている。


  「それじゃ、」横目で初老の男性の事を見ているシルエットは軽く左手の親指を立ててはニヤリと口角を上げている、「ちょっときみたちの心の世界を加速させようか?」忽然、シルエットの体はまるで携帯画面を隠したかのように真っ黒な画面を初老の男性に見せつけている、ぼんやりと黒い画面に映し出している自分の額にある汗の粒 と強張っているかのような表情を目にしてしまうと、軽く首を横に振っている初老の男性、ごくりと固唾を飲み込んでいた彼は敵の前では慌てている姿を見せては行けないと内心で思いつつ右手を携帯電話から離れては自分の汗ばんでいる額を拭こうとしている。


  突然、携帯画面はまるでファンデーションを使っていた白皙の肌に占拠されているかのようにゆっくりと映されていた人の赤い唇から肌の右側に向けては動かして行き。シルエットは彼の正体を自分たちに見せようとしているのだろうかと内心で思いつつ、宛らカタツムリのようにゆっくりと動いている携帯画面の中にある画像に焦燥感を覚えている初老の男性はつい前のめりになってしまい、「なんだ…?」

  

  刹那、まるで自分の事を急かしている初老の男性に不満をぶつけているかのような携帯画面は猛然と撮られている人の白皙の左耳に向けて行った。光を失っていたかのような初老の男性は呆然と携帯画面に表示されていた銀色のピアスを目にしていた。


  ”ドクンー”心臓が強く震えているように感じている初老の男性、「え…?」細い眉毛を上げている彼はあんぐり口を開けては言葉を失っていた、「ま、まさかー」内心に過って仕舞った思いを否定しようとしている彼は苦笑いしながら自分を騙そうとする言葉を紡いでいる。まるで初老の男性のリアクションを楽しんでいるかのような携帯画面は迷わずに一人の女性の顔を映し出していた。


  「えぇ…?」呆然と光を失っていた瞳で自分の事を見ている初老の女性に心臓が殴られては潰されているような思いをされている初老の男性。ファンデーションに塗りつぶされた肌に真っ赤なルージュを塗った唇、銀色のピアスを付けていた初老の女性はぼんやりと初老の男性が開けている唇を携帯電話の中で見つめている。


  宛ら月のようなピアスの中央の部分に小さなハートが刻まれていて、繊細な銀色のハートの中には一滴の赤い液体がしがみついていた、微かに重力に引っ張られてたかのような赤い雫はオタマジャクシのような尻尾を引いては地面に向けては落ちて行き、赤い液体はぼんやりとピアスを付けていた初老の女性は呆然と口を開けていた姿を見つめている。「えっ…?」ぼんやりとモニターに表示されていた初老の女性の顔を青色の瞳で映し出している利佳、初老の女性の顔を目にした瞬間、思わず細長い眉毛は上げてた彼女、胸元の奥からこみ上げて来ている怒涛のような感情に押しつぶされてしまいそうな気がしている彼女は、怒涛の様に迫りくる感情に苛まれている彼女は呆然と震えている唇を開けていた、「母さん…?」


  利佳が上げていた少し震え声とまるで世の末を目の当たりにしているかのような横顔に一瞥した花松、ぼんやりとモニターに映し出していた初老の女性を見ている彼は眉間に皺寄せてはぽつりと呟いてしまい、「そんな…」ゆっくりと初老の女性の隣りでモニターのフレームを握っては、まるで自分たちの顔を覗き込んで来ているかのようなシルエットは一体何者なのかと考えている彼は戦慄している左手を強く握っていた、「ばかな…」

  

  「えへへ~」黒い両手で自分の顎に当てているシルエットは自分の隣りで呆然と利佳たちの事を見ている初老の女性のことを紹介するかのように軽く右手を彼女の頬に向けて行き、「紹介を遅れたね~」軽く左手を胸元に当てているシルエットは嬉々とした声を上げて行き、「実はぼくはただの神様ではなく、」軽く両手を上げては嗜虐的なまでに口角を上げているシルエットは言う、「魔術も少し嗜んでたりもするんだよ~」ごくりと固唾を飲み込んでいる利佳、宛ら瞬きを忘れたかのような彼女はシルエットの事を睨みながら相手は一体自分の母親に何をしようとしているのかを考えている。


  軽く黒い首を前に出しているシルエットは右手の人差し指を立てては楽しそうに大きな声で言葉を紡いだ、「今から皆さまに最高のショーをお見せしよ~」ノイズが混じった耳障りな声がやけに気持ち悪く感じている秘書、ごくりと固唾を飲み込んでいた秘書は、まるでシルエットに自分の妻に酷いことをしないでと祈っているかのような両手を握っては両腕を机に突けていた初老の男性に一瞥してしまい、初老の男性の弱っている姿を目にしてしまうと、悔しそうに歯を噛んでいる秘書はテレビに指差し叫んだ、「ふざけるな!」強く右手を握ってはタブレットの中にあるシルエットに向けて大きな声を上げている彼、「彼女は誰なのかは知ってるのか!?貴様は何者だ!」眉間に皺寄せている秘書は怖がりながらも出来る限り大きな声を上げていた、「何をするつもりだ!」


  秘書が自分の替りに怒ってくれていた事に嬉しく思いつつ、目を細めている初老の男性は軽く息を吸いこんではシルエットの事を睨んでしまい、「私の妻をどうしたいのだ。」妻のぼんやりと唇を開けては瞬きを忘れたかのような顔に一瞥してしまうと、表情が強張っていた彼、両手で唇を押さえては自分のリアクションを楽しんでいるかのようなシルエットを見つめている彼は再び質問を投げていた、「何が望みだ、言ってみろ。」軽く歯を噛んでいた彼はごくりと固唾を飲み込んでは内心の焦燥と不安を抑えながらシルエットの事を見つめてしまい、「私の妻は無実だ、解放してくれ給え。」


  「無実?」宛ら初老の男性が紡いだ言葉にからかわれていたかのように口角を上げているシルエット、「噓でしょう~?総統にでもなって、」横目で初老の男性を見ているシルエットはゆっくりと黒い右手を上げては彼の事を見つめてしまい、「きみの家族が無実だっていうのか?」シルエットが言っている言葉が上手く理解出来ずにいる初老の男性はつい眉をひそめている。


  「ぼくはちゃんと知ってるよ、」左手を胸元に当てては黒い瞼を閉じているシルエットは右手の人差し指を立てながら言葉を紡いでいる、「総統になるにはどれだけ汚いやり取りしないといけないのか。」忽然、シルエットの平然と紡いだ言葉に左側の眉毛が上げられて仕舞った初老の男性はついあんぐり口を開けてしまい。


  「まぁ~」初老の男性が緊張しているように眉毛を上げている姿を目にすると、楽しそうに笑っているシルエット、「そう怖い顔しないでよ、」左手で粉雪のような白い歯を隠しているシルエットは言う、「きみの国民たちはちゃんと今のきみを見てるよ?」シルエットが言っている話に喉が握られては上手く息を吸いこめないでいる秘書は恐る恐ると歯を噛んではシルエットの事を睨んでいる初老の男性に一瞥していた。


  「安心しなよ~」流し目で初老の男性を見ているシルエットは言う、「わざわざ死んでしまう奴の黒歴史を曝露したりはしないって。」シルエットが紡いだ言葉を聞きながら相手はどうせはったりを利かせようとしているだけだと思っている初老の男性、「私の妻を…」相手は自分がしていた事を証明する証拠を持っているかどうかは知らなくとも、自分の嫁は確実に相手に捕まられていたと思うと、つい戦慄している鼻翼に力を入れている彼はシルエットの事を見つめては声を上げていた、「どうするつもりだ。」


  「ああ、」初老の男性のまるで自分の事を威嚇しているかのような声色を聞いてしまうと、軽く両手を上げては首を横に振っているシルエットは言う、「残念だな、まだ自分たちの立場が分かっていないみたいだね?」シルエットのもったいぶっている言い方が気になっている秘書は横目でシルエットのことを睨みながら言葉を紡いだ、「何を言っているんだお前は、」シルエットの事を怖がりながらも、初老の男性の前で恥をかいては行けないと思う彼は言う、「この方の妻をどうするつもりですか!」


  「残念だな、」軽く右手を額に付けているシルエットは横目で秘書の事をみながら言葉を紡いで行き、「もしこっそりと娘の出演しているアニメを見ていなかったら、」ゆっくりと横顔を初老の男性に近づいているシルエットは目を細めながら言う、「隣りにいる秘書ちゃんに布教していなかったら、」軽く両手を自分の胸元に当てているシルエットは軽蔑しているかのように初老の男性の正視している、「直ちにぼくは本物なのかどうかを分かれるはずなのにな?」シルエットが紡いでいる訳の分からない言葉に戸惑っている初老の男性、シルエットの隣りにいる自分の妻の事が気になっている彼は震えている喉から声を絞り出していた、「何の話だ…」

  

  「まぁ~」初老の男性が自分の隣りにいる初老の女性のことを気になっている姿を見ているとニヤリと口角を上げているシルエット、「知らないならそれでいいさ。」軽く右手を腰に当てては左手の人差し指を立てているシルエットは言う、「さっきは魔術だって、言ってたでしょ?」呆然とシルエットと初老の男性の会話を聞いている利佳、右手にあったマーカーを捨てる事が出来ずにいる彼女は汗ばんでいる両手を握っては自分の母親の無事でいる事を祈っている。


  「この世界には魔術というものはないのかな?」可笑しそうに左手で自分の唇と顎を隠しているかのようなシルエットは言う、「それともきみは魔術というもの見たことがないのかな?」「あるに決まってるんだろうが…!」シルエットのわざと初老の男性の事をからかっては彼の焦っている姿を楽しんでいる姿勢に苛立ちを覚えている秘書はつい声を絞り出していた、「だから何だって言うんだ…!」


  「知ってるか?」左手を腰に当てているシルエットは秘書に向けては軽く右手の人差しを左右に振らして行き、「魔術ってのは幸運な観客という名のさくらが必要なんだ、」まったりと右手の人差し指を頬に付けているシルエットはぽつりと黒い唇を開けてしまい、「ぼくは自分に有利な暗黙のルールに従うのが好きじでね?」軽く右手で初老の女性の顔を突いているかのようなシルエット、両手で顎を支えているシルエットは宙を舞ては初老の女性の額から滲んでいる汗を眺めながら言葉を紡いでいる、「だからぼくは適当に幸運な観客を選んだわけさ~」


  初老の女性の怖がっていたかのような表情を見つめている初老の男性、シルエットのまるで自分の妻をからかっているかのような仕草に苛立ちを覚えては、赤くなっている額に青筋が立っている初老の男性は強く両手を握りしめながら携帯画面を見つめている。「安心してくれよ、」横目で初老の男性の怒っている姿を眺めているシルエットは言う、「ぼくは観客一人を選んだけど、」軽く自分の立てている右手の人差しを横目で見ているシルエットは軽く人差し指を振りながら言葉を紡いで行き、「一切細工していないぞ。」まったりと両足をフレームを踏んでいる相手は小さな黒い胸を張っては言葉を紡いだ、「そういうせこいことはしない、だって、」顎を上げているシルエットは威張っているかのように言う、「ぼくは神様だからね~」


  シルエットが一体初老の女性に何をしようとしているのかが分からないでいる秘書、心配そうに初老の男性に一瞥した彼は眉をひそめてはごくりと固唾を飲み込んでいる。「じゃ、始まるよ~」軽く両手の人差し指を立てているシルエットは言う、「瞬きしないでね?一瞬で終わるからね。」軽く顎を引いているシルエットはニヤリと口角を上げては初老の男性の睨んでいた、「見るといいよ、」耳障りな声の尖っていたトーンが一気に下がっていた事に心臓が強く跳ねて仕舞ったように思える初老の男性。あんぐり口を開けている初老の男性を深紅の瞳で見つめているシルエットは言い放った、「末日の開幕を示す魔術を。」そう言うとシルエットはまるで存在したことがなかったかのように深い紫色の粒と化しては初老の女性の隣りから消え去って行った。


  「ううう…!」突然、苦しそうな唸り声を上げていた初老の女性の上げている繊細な眉毛に見開かされている初老の男性、猛然と両手で机に付けていた携帯電話を手に取っている彼は戦慄している視線の中で初老の女性の限界まで開けている瞼に心臓がつられているかのように痙攣しているように辛く感じている初老の男性、「ど、どうするんだ…!」目の前にいる自分の妻が苦しめられているのに、自分じゃどうすることが出来ないでいる事に悔しそうに歯を噛んでいる初老の男性、「お前は俺の嫁をー!」潤んでいる視界の中でまるで何かしらの物に抗うのを諦めていたように項垂れてはぼんやりと自分の体を侵食していた物を見下ろしている。


  「え…?」初老の女性の全身の画像が携帯画面を占拠している事に心臓が一瞬止められていたかのように思える初老の男性、激昂になっては軽く臀部のせいで熱くなっていた回転椅子から離れていた彼、携帯画面にいる妻の姿を確認してしまうと可笑しなぐらいに笑っているかのような膝につられている両足は力を抜かれてしまい。


  ”ドー”体に力が入れなくなっている初老の男性、体を強く回転椅子に付けては椅子を後ろに少し退かしていた彼は呆然と両手にある携帯画面を見下ろしている。”ピチャー”あんぐり口を開けては初老の男性と同じようにタブレットの中にいる初老の女性を見つめている秘書、タブレットから聞こえて来る水滴が地面にぶつけていた音に神経が逆撫でされているように思える彼。


  あまりにもの衝撃の視界が暗くなったように思える初老の男性、「そんな…」徐々に回復している視界の中で真っ赤な画面の上にある妻の慣れ親しんだ顔に一瞥した彼、霞んでいる視界が自分にちゃんと現実を確かめさせてくれないでいる事に感謝を覚えている彼、歯を噛みしめる気力を無くしていた彼は呆然と項垂れている。


  ”ドンドンドンー”心の底からこみ上げてくる恐怖に打ちひしがれては眩暈を覚えている秘書、タブレットの中にある初老の女性の無残な姿に絶句しては体の骨が彼女の猟奇的な姿に抜かれているように思える彼。”ドンー”臀部が強く絨毯にぶつけていた秘書、左手で握っていたタブレットを放したくなっているいる彼戦慄している右手の人差し指でテレビに映し出していた初老の女性の体を指差している。


  項垂れては両手で握っていた携帯画面にある初老の女性の体に額が殴られているように思える初老の男性、喉が渇いたように思える彼はぽつりと呟いていた、「ありえない…」光を失っていた彼の瞳の中にある深紅の臓器と生き血を映し出している、尖っていた巨大な針はまるで体の中で子分を連れて暴れ回っていたかのように華奢な体を突き破っては初老の女性が着ていた紫色のオーバーコートを真っ赤に染め上げていた。


  ”ピチャー”体中が小さな針に突き破られては夥しい生き血が初老の女性の体から滴り落ちて行き、”ピチャー”宛ら初老の女性の体から滲み出て来る生き血を止めたがっているかのような透明な雫が強く彼女の体にぶつけていた、まるで透明な雫と赤い生き血が触れ合うのを邪魔しているかのような携帯画面は残酷なまで初老の男性の目を越えては滴り落ちている涙を受け取っている。


  両手が真っ黒な十字架に付けてられては項垂れている初老の女性、釘付けられていた、彼女の死体は宛ら展示されている猟奇な芸術のようにデバイスに表示されては初老の男性の心を握り潰していた。

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