第2話高校デビューなんて......
僕、久木颯人の高校デビューは呆気なく、失敗に終わった。
対人関係がうまく築けてこなかった奴が高校に進学出来たからといって、友達が出来るわけもなく、入学して一ヶ月はあっという間に過ぎ去る。
一ヶ月たった頃には、ほとんどのクラスメートは、グループを作り楽しそうに高校生活を送っていた。数人はグループに入れず、ボッチになっていた。
体育祭は、入学してすぐに行われた学校行事だった。
一年生の全クラスは、それほど統率がとれるはずもなく、他クラスの様子を探り合いながら体育祭に参加をしていた。
僕のクラスには、やる気のあるクラスメートが数人いて、実際にこんな感じなのかと感心したほどだ。
運動神経が良いわけではなく、目立たないような競技に出ることになって、結果はそこそこだった。
僕は、軽快にトラックを走る華奢な身体の一人の女子の姿に目を惹かれて、気になり始める。
競争相手を追い抜かすというより、ぶっちぎりの走りをみせた彼女に惹かれていく。
彼女に目を奪われ、灰色に見えていた景色が色鮮やかに彩られていくのを感じた。
僕は、その変化を与えた彼女がどういった人物なのか知りたくなり、接触を試みようとしたほどだ。
6月に入り、数日後に彼女が一人でいる場に遭遇して、声を掛けることに成功した。
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