第29話
又、恭子の母親の雅子に聞いてからは、私は相当驚いたのだが、彼女はありとあらゆる精神科医やその類の人間が書いた本を貪り読んでいたそうだ。 何故なら、私をやり込める為に!! 笑 彼女はありとあらゆる、そうした精神科の医者だとかが書いた本を読んで、勉強していたのだ!!海外の物や、日本の物をだ。 それは、そうした専門家が書いた物を読めば、人間の行動が分かる。だから、相手に十分張り合えるからだと言う理由からだった。そして、それは現に私に何か嫌な事を言い、私が言い返した時だ。 そして、その時に母が何かを言った。だが母は基本的にこうした時には必ず、ほぼ90%が相手の味方だ!! 何故なら彼女にとって、私は敵の子供だからだ。 彼女は私の父が、例えどんな理由であれ、 自分から離れていなくなった事に対して、 彼を敵対視していたのだ。 そしてその血が半分入った、よく似たその男の子供に対してもだった。 それははいかなる時にも絶対で、揺るぎ無かった。そしてそれは愛情が多少あったとしても、いつも歴然としていた。 だからこの時も又相変わらずそうで、私の味方をせずに、恭子に付いた。彼女に味方をした。 そうして私を馬鹿にして罵倒した。自分の家に盗聴器を仕掛けられたと言うのに!! そして、その時に恭子は得意そうに母に 言った。 「叔母さん、無視して!!良いから無視して?!そうしたら黙るから!!人間は、相手が無視していたら必ず黙るの!絶対黙るの!!いつまでも、何を言ってもこっちが相手にしなきゃあ!だから無視して?!」 母が驚いて恭子を見た。一応は母親だから、そこまで言われたら(まぁ、やはりか?!)驚く。 だが、そこまでだ。何もしない。何も反論しないし、言い返さない。何もしたくない。 父親の分身が、やられるのをみたい。それは絶対だ。本人にはできないのだから、尚更だろう?! 馬鹿な女だ…。母親だが、そうだからそう思う。事実だから、仕方ない…。 「そうだよ?!そうなんだから〜!そう本に書いてあったんだからね、そう言う本にー!!」 私は再び呆れながら、恭子を見た。 確かに、幾ら言い返しても急に何も返事をしなくなった従兄弟に戸惑い、驚いてはいたが。 だが、まさかそんな本を数多く読んで学び、そうして自分の定めたターゲットに対してその知識を利用してくるなどとは、夢にも思わなかった。 だが、コイツはあの裕の妹だった!!あの とんでもなく薄汚い、クズ野郎のだ。 そう、只のゴミ虫の、鼻糞の裕のだ!!笑 なら、所詮こんなでも仕方がないのだろう…。 「あんた、馬鹿じゃないの?!本当、凄い 馬鹿みたい!!何を下らない事してたんだろうね〜?そんな本を、あさり読んでたんだぁ?!」 恭子が私を凝視する。悔しそうに、憎らしそうに。 「本当、そんな事までするんだぁ?凄いねっ?!気違いみたい!!じゃあ私って、そこまで重要人物ジャン。アハハハ!!」 恭子が何かを言い返した。 「もう良いよ〜?!下らないから。」 私はそうして呆れた顔をしながら、恭子から離れた。 このエピソードはこんな所で終わったが、 恭子のその恐ろしい執念を、切に感じた物 だった…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます