第24話

 康男も雅子もろくな奴らではなかったから、息子の裕も、平気で母の持ち物を勝手 に持ち出しては、何度も何度も売っていた のだ。                 この裕は、元の性格が良くなかったのもあるし、きつく叱られた事が無いから凄く我儘だったが、そればかりではなかったのだろう。恐らく、自分の両親がうちでそうした馬鹿にした態度をとっていたから、それを見ていて、自分もそうした事をしても平気だし、 それがまかり通ると思ったのだろう。二人もそうした手本がいたのだら!!      だから妹の恭子も、やはり同じになった。 小さな時は私を大好きで、本当に上手く  いっていた。私も凄く可愛がっていたから。だから私が高校を出て、留学をする為にアメリカに行くまでは良かったのだ。その時は、彼女はまだ15歳だったから。       だが、私が約3年経ってから戻った時には、彼女は丸で人が変わっていた!!私には、 そうだった。だから物凄く驚いた。    だが彼女は私がアメリカにいる間に、3年間高校に通い、卒業していた。山梨県の高校で、当時はまだ今よりももっと田舎だったから、周りには何も余り無いエリアの。   だからか、伯母曰く、都会の子達よりもする事が少ないから、男の子は皆バイクの免許を取り、乗り回す。又、車の免許は18になると皆男女共に取る。            そして、皆恋人を作り、男の子は女の子を バイクの後ろに乗せて走り回ると言っていた。(この、高校生で皆普通は男女交際を するのは、欧米がそうだから、似ているかもしれない。)               だから私が高校卒業後の恭子に会った時には、先ずは外見に驚いた。肩位までの髪には強くパーマを当てて、縮れていた。色はかなり明るい茶色で、亜麻色だった。そして、何かガラが凄く悪くなっていた。      確かボロボロの、穴の空いた淡い青のジーンズに、黒か茶系の、柄が入ったシャツブラウスを着ていた。             私が懐かしそうに話しかけてもとても素っ気なかった。そして、何か私をとても敵対心がある様な態度で、話せば生意気な態度だし、それから嫌がっては避けていた。     以後この娘は兄の裕と同じ様に、私を増悪してありとあらゆる、思い付く、汚い嫌がらせをする。(最終的には私もそれなりに仕返しをするが。)              

理由はずっと何年も分からなかった。だが、もう何年もしてから自然と分かった。   理由は、私がいない間に、祖母又は自分の両親が私の悪口を言ったのだ。まことしやかに私の事を悪く言い、彼女はそれを信じたのだ。                  何故そんな事をこいつらはしたのか?!  それは祖母が物凄く我儘な女で、そう育てられていたからだ。だから何か気に入らない事があると、どんな事でもして仕返しをしたりするタイプだった。だが他人には恐くてできず、内弁慶だった。           だから私は小さな時にはちょっとした事で、罰、罰と言って罰せられていた。又は母に 言いつけて罰する様にした。(物は色々と 買い与えられたが、祖母はそうした人間だった。)                  母もその都度祖母に従い、理由も聞かずに毎回そうしていた。12歳の時に私がもう耐えられずに大泣きをして抗議してからは、やっと訳を聞いてから罰するか罰しないかを、自分の頭で考えて決める様になったが。   又祖母は大変にしつこい性格だった。だから私が中学生や高校生の時には、いきなり幼稚園の時や小学校低学年の時にした事で、例えば間違えて割ってしまった茶碗の事だとか 自分が作った料理を残した事だとかを思い出しては不快になり、当時の事をネチネチと 文句を言う女だった。          祖母も異常だったのだ。だから、私がいない時に何か私の事を、私を好きな従兄弟に話したのだろう。又、雅子や康夫もきっとそうだろう。                 何故なら雅子はよく母にこんな風に言っていたからだ。               「あんた、フーちゃんだって物凄く馬鹿だよ?あんな馬鹿な子はいないよ!あんなに頭の悪い子はいないからね!!あんた、あの子は物凄く頭が悪くて馬鹿なんだよ?!あんたの娘は。」                何か面白くない事があったり、裕の事で雅子が担任から注意をされだとかで、母に担任の悪口を言うから母が助言をしたり、裕の悪口を少しでも言えば必ずそうだった。    そして私も最後には恭子に反撃をするが、 彼女は私に一体どういった事をしたのか? とにかくこの家族は異常だったから!!  だが自分達は梅雨ともそんな事を思っていなかった。何故なら自分達は普通の家族だ。父親、母親、子供二人の、どこにでもある家族構成だ。                うちは違う。母子家庭で父親がいないし、母親は未婚だ。父親は外国人だし、しかも未婚でもまだ共に生活をしているならまだしも、絶対にいない。だから、馬鹿にしていたのだ。                  母が余りに自分の娘を馬鹿呼ばわりをするので、でも自分の娘は可愛いからと言えば、烈火の如くに怒る!!そうしてそんな事は何も関係ないだとか、だからといって合の子なんだからと言った。康男も同じ事を言った。 この二人の子供は、裕は特に変な顔でもなかったが、娘の顔は何も良く無かった。   そして娘の恭子の鼻は大層大きくて、凄く目立った。それがコンプレックスで、彼女は30代の時に整形手術をして、鼻を小さくした位だ…。               だからこの夫婦は、当時私が可愛かったの が感に触った様だ。だがそんな風に見えるのはハーフなら別に特別でもなく、割と多い。現に私など、他に一体何があったと言うのだ?!何も無い。            又それだって、瞳の色は違うし、白人に見えるしで、通常決して日本では男に寄って来られるタイプではなかったのだから!!   ましてや当時の日本は、外国人に見えるなど罪悪みたいに嫌がったり馬鹿にしたりするのも、何も不思議でも何でもなかったのだから…。                 だが他人ならまだ分かるが、親戚でもそうしたやっかみや妬みを、姪である子供に感じてそんな態度を取るのは凄いし、流石異常者なのだ…。                次回は恭子の凶行?!、いや狂行について記してみよう!

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