第18話
巡査達は手錠をはめられた、目が真っ赤な母を見て驚いていた。だが直ぐに連れて行こうとした。 その時、オジサンが言った。 「いい、もういいんだ。」 二人の巡査は驚いた。それでも母を連れて行こうとすると、オジサンは又繰り返した。 「いや、もういい。もうお前らは帰れ。」 「エッ、でも…。」 私の、あの巡査が言う。二人の巡査は不服そうだ。 私は後ろに立ち、この様子を眺めていた。 こうした状況の時には、他人事の様になるのだろうか?祖母もそこに無言で立って見つめる。 オジサンが数回同じ事を言ってから、巡査達は渋々帰った。 二人が帰ると、オジサンはしばらく母を見つめてから、仕方なさそうに手錠を外した。 私達は、特に母は安堵して何度も腕をさすった。目はまだ真っ赤だ。 それからオジサンは、私に呼びかけて連れ出そうとした。私は悩んだが、オジサンに付いて行こうとした。 母と祖母は大騒ぎをして止める。結局そこでひと悶着あった。 だが結果私は行けず、オジサンはしばらくは玄関にいたが、渋々出て行った。とても落胆していた。 オジサンが去ると、母と祖母は大喜びして、祖母が言った。 「良かったねー!!危ない所だったね?」 母も同意した。 「本当だね〜?!」」 私はこの様子を見ながら、たまらなくなり家を飛び出した。 オジサンが警察署へと、頭を下げてトボトボトと悲しそうに歩いていて行く姿を急いで走って追った。 「オジサン?!」
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