第61話
彼の振るう蛇腹剣は、剣の状態では普通のロングソード程度の長さしかないが、刃を伸ばして鞭の状態にするとその長さは約3倍にもなる。
僕が、彼が【狂化】について話してくれた時に、場を整えるために4,5メートル後ろに飛んだことで、今までの流れは一度止められ、仕切り直しとなった。
「ハッハぁ!!イイねイイね!!きちんとよけラれるなら、これモ行けるハずだ!!」
異常に興奮している彼は、興奮で暴走しているように見えながらも、その実しっかりと意識を保って戦っていた。
戦闘終了後、僕は彼に気になっていることを尋ねた。
「確かに【狂化】のスキルはスキル所持者を異常に興奮させ、能力を引き上げることができるスキルだ。けど、僕の記憶が確かなら、【狂化】所持者の精神は獣並みに落ちるはずなんだ。いったいどういうからくりを使って意識がはっきりしていたんだい?」
いきなりの、それも彼の大本に関わる問いが行われたことに、彼は一瞬ビックリした後、すぐにあきらめたように首を振り、そして答えた。
「いきなりすごいこと聞いてくるね。はぁ、ホントは秘密にしておきたかったんだけど、流石に無理みたいだな。」
「彼が【狂化】を使っても意識を保っている理由、それは【思考微加速】のスキルを持っていたからだ。」
つまり、【狂化】中に【思考微加速】のスキルを使用し、野生化した思考速度を無理矢理人レベルまで加速することで意識を保っていたのだ。
はっきり言って、無茶苦茶である。
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