第11話
「何を、したのですか?」
俺がそう聞くと、賊王は面白いことを聞かせてくれた。
「何をしたのかって?そいつはな、魔導を使ったのさ。俺の魔導、【
「対して、識王の奴の魔導は奴の所持する魔眼を最大7つまでそれぞれの目で同時発動できるようになる、なかなかすごい魔導だ。今のは恐らく【神鋼身体(アダマスボディ)】と【剛力の魔眼】で強化された俺が作った傷に【再生の魔眼】が【反転の魔眼】で効果が反転したところに、【呪いの魔眼】と【腐食の魔眼】が重ね掛けされてたってところだろう。どうだ、あってるだろ。」
「正解はしているが、人の切り札をペラペラとしゃべらないでほしいねぇ。」
俺の問いに答えた賊王を識王は睨みながらもこちらに効果はないが身体の意識に何か刺すような攻撃を行う。
「あー、やっぱり回復系のスキル持ちは状態異常とかなかなか効かないみたいだな。こっちが【麻痺の魔眼】とか【萎縮の魔眼】で攻撃しているのに全然効いている様子がない。それに耐性とかないはずの精神系の状態異常も【恐怖の魔眼】とか【鈍化の魔眼】を撃ってるはずなんだが・・・。その様子だと気付いてすらいなそうだよね。魔導まで発動しているのにここまで効かないとなると【未来視の魔眼】で知っていても自信を無くしてしまいそうだ。」
識王がこちらを見て少しがっかりとしながら次の瞬間、大きな声で宣言する。
「王権発動【邪眼昇華】。これでお前の考えていることはすべて丸裸にしてやろう、【読心の邪眼】。」
そう言って識王は新たに紫色に光り始めた目をこちらに向けた。
「ぐほおぉぉおおおあああああああ。」
「どうしたっぁ!!」
識王はこちらに目を向けた瞬間に頭を抱えて苦しみだしうずくまってしまった。
それに賊王は驚きこちらにものすごい勢いで切りかかってきた。
めちゃくちゃに攻撃してくる賊王をやっとの思いでしのいでいると、識王は痛む頭を抱えながら立ち上がり賊王に声をかける。
「賊王、大丈夫だ。今のは半分自爆みたいなものだ。」と。
「あんだと?おめぇが自爆だと?もう少しまともな言い訳はねえのか?」
賊王は怪訝な顔をしながらも心配しながら識王に声をかける。
「いや、ほんとだよ。この少年はさっきから何も私にはしていないさ。ただ私が少年の心を読んだだけ、いや読んでしまっただけだよ。」
「読んでしまった?」
賊王はそう不思議そうに聞くと識王は繰り返して言う。
「そう、読んでしまったんだよ。私は、あの少年の異常な思考を。」
「異常な思考だと?」
「ああ、異常だ。」
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