第五話

あれから一か月が経ち、二人は順調に付き合いをしている。

会社には月に一度第2金曜日は、ノー残業デーがあり、仕事が早く終わったので、自宅に帰ってきたとき、ふと見たことがあるやつだなと思っていたら、汐里の腕をつかまれ

拓也「汐里、ごめんなさい。お前を傷つけるつもりはなかったんだ。やり直してほしい。真由ってわがままで、子供出来たって言ったから、お前と別れたのに、妊娠してなかったんだ、だまされたんだ。」

汐里「いや 離して 痛い」

拓也「なんで、そんなに嫌がるんだよ。」

刃物を取り出し汐里の首元に当ててきた。

汐里「…、やめて、お願いだから。」

拓也「だったら俺と死ぬか、俺とやり直してくれるよな。」

汐里「いやです。絶対いや。」

洸祐「その手を離せ」

拓也「なんだてめぇ」

洸祐「俺は汐里の婚約者だ。」

拓也「婚約者?そんなわけないだろ。」

汐里「本当よ。」

その時、遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえてきた。目撃した人が通報してくれたみたい。

汐里は少し落ち着きを取り戻し、どうしたらいいか考えた。

汐里「拓也、悪いけど」

と思いっきり拓也のつま先にかかとを落とした。

拓也「痛ってー」

その隙に拓也から離れ、洸祐のもとへ

今度は洸祐さんが拓也を抑えた。そのあとすぐに警察が来て、拓也を連れて行って。

何か言っていたようだが、汐里の耳には入らなかった。

それから、事情聴取を受け、帰宅したが、念のため一人でいないほうがいいと、大切なものをまとめ、マンションを出て、洸祐の自宅マンションにしばらくの間住むことになった。

洸祐「腕を見せてくれ、だいぶ強くつかまれたんだな。」

汐里「うん、でも大丈夫よ。病院連れて行ってくれるでしょ。」

洸祐「そうだな、来たばかりだが、知り合いの病院に電話してあるから、そこに行こう。」

汐里「うん。」

それから、病院に行き、全治2週間のけがだった。とりあえずしばらくは仕事も休むように言われたが、腕だから隠せば大丈夫と仕事に出ることにした。

洸祐の部屋は2LDKで、セキュリティーもばっちり、2階にはスーパー、ドラックストア、3階にスポーツジム、屋内プール、4階に託児所、などほかにもあるが、外に出なくとも生活できるようになっているみたいだった。

汐里「洸祐さん、ありがとう…」

洸祐さんが涙を指で拭って、抱き合った。

洸祐「汐里、俺と結婚してくれないか。君があいつに襲われているところを見て、腸が煮えくり返るかと思った、俺にとって君はとても大切な人だ、一緒に幸せになろう。」

汐里「はい。不束者ですがよろしくお願いします。」

それから2,3日すると、警察から、連絡が来て、示談にしてもらったが、弁護士を挟んで、接近禁止命令にしてもらった。

それから叔母さま夫婦と来生両親に結婚の報告をし、まずは引っ越しだが、汐里が住んでいるマンションは叔母さまに返し、洸祐が住んでいるマンションの広い部屋が空いているそうで、そちらに引っ越すこととなった。

引っ越しをした後、落ち着いてから挙式をしようということになり、先に入籍となった。名前は加藤洸祐なので、汐里も自動的に加藤の姓になりました

入籍後は、仕事はどちらも続けることになるが、洸祐の父が入籍したら、早めにこっちにこいとのことで、もちろん汐里も秘書として、加藤不動産に行くことになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る