第三話

 課長宅へ着く少し前に、美羽さんに電話をし、もうすぐ着くことを伝え、マンションのエントランスに入った、高級マンションの最上階にエレベーターで向かい、インターフォンを鳴らす前に、ドアが開いた、課長だった。

課長「いらっしゃい。よく来てくれた。」

汐里「すみません、これさっき言ってたケーキです。お邪魔します。」

課長の後ろから

美羽「来てくれて、ありがとう、早く入って、」

汐里「ありがとうございます。手を洗わせてください。」

美羽「もちろん、どうぞ。」

汐里「お借りします。」

手を洗った後、廊下に出ておくのリビングへと向かう、来生係長までいるではないか。

来生「お疲れ様。」

(えっ何)

汐里「お疲れ様です。」

美羽「浩司の親友でもあるからね」

汐里「そうですよね、少しびっくりしましたが、美羽さんお腹触っても大丈夫ですか」

美羽「どうぞ」

(早く元気に生まれてこい)なでなでしながら座っていると

課長「コーヒーと緑茶、どちらがいい?」

来生「コーヒーで」

汐里「私もコーヒーでおねがいします。」

美羽「あたしはオレンジジュースがいい」

課長「はい、かしこまりました。」

キッチンに戻っていった。

汐里「美羽さん、ハグしてもいいですか」

美羽「どうしたの、いいけど、何かあった」

汐里「あったけど、今度話します。」

美羽「そうか」頭をなでてもらっていたら

課長「はい、お待たせしました。」

テーブルに飲み物をおき、ソファにすわって、晩御飯をごちそうになり、シメにさっき買ってきたケーキを食べた。

汐里「美羽さんの料理も課長の料理もとっても美味しかったです。ご馳走様でした。」

美羽「ケーキも美味しかったわよ。ありがとう。」

来生「美味しかった、ご馳走様。」

汐里「来生さんは料理されるんですか。」

課長「こいつ、仕事はできるのに、料理まったくダメなんだよな。」

来生「おい…」

汐里「以外、でも得意不得意、人それぞれですよね。私なんて走るのは得意ですけど、泳げません。」

美羽「あたしは、泳げるけど、走るの遅い」

来生「工藤さんは料理は得意」

汐里「得意ではないけど、好きですよ。」

美羽「何言ってるの、この子はめっちゃくちゃ、うまいんだよ。」

課長「俺は食べたことないんだよな。」

汐里「当り前じゃないですか、美羽さんは私の家に来たことありましたけど。課長はないんですから、あの日、美羽さんいきなり来て、びっくりしたんですから。夫婦喧嘩は困りますよ。」

美羽・課長「すみません。」

みんな「はははははっ」

汐里「美羽さんなら歓迎ですけどね。」

美羽「でも、あの明日葉のソース、美味しかったな。また作ってね」

汐里「この間、お世話になった教授から、野菜が送られてきたんで、今度作って持ってきます。」

美羽「ありがとう、楽しみ。」

課長「話変わるんだけど、来生、今度お見合いするんだって。」

来生「そうなんだよ、お袋が、知人に話してたみたいで、急遽決まったとかで、今週の土曜日なんだよね。」

課長「相手の写真は」

来生「ないよ。名前も知らない。」

課長「そうか、まあ頑張れ。俺はお前だったら、工藤さんとお似合いなんだけどな」

汐里「恐れ多いです。」

ふと、時計を見ると21時を少し過ぎていた

汐里「では、そろそろ帰りますね。」

美羽「そうね、来生君、送ってってあげなよ。」

汐里「大丈夫ですよ。」

来生「いや、送っていく、車だから。」

汐里「家はどっち方面ですか。」

来生「俺はあっち」

汐里「私はこちらなので遠回りですよ。」

来生「いいから乗っていけ。」

汐里「ありがとうございます。」

来生「じゃあ、邪魔したな。」

課長「おう」

美羽「また来てね」

汐里「はい、ディップソース、持ってきますね。」

課長「ありがとな」

汐里「お邪魔しました。」

来生「じゃ行くか」

エレベーターで地下まで降り車の助手席にお邪魔した。

来生「どうぞ」

汐里「お邪魔します。」

来生「マンションに住んでいるのか」

汐里「女の一人暮らしは危ないから、叔母さまが貸してくれてるの。」

来生「ここなら知ってるよ。加藤不動産知ってるよな」

汐里「もちろんです。」

来生「俺の親父が経営してるんだ。」

汐里「そうなんですか。」

来生「あまり、驚かないんだな。」

汐里「いや、驚いてますよ。」

来生「そうか」

汐里「継ぐとか考えてるんですか」

来生「今のところはまだだが、なんせ父親ピンピンしてるし、」

汐里「すぐじゃないんですね、よかった。」

来生「ここだろ、また明日からもよろしくな。」

汐里「ありがとうございました。おやすみなさい。」

来生「あぁ、おやすみ。」

それから、自宅に戻り、風呂に入り床に就いた。



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