私と姉と消しゴムと私

中山

第1話

体が真から冷たくなっていく。

取り返しがつかないことをしたという焦燥感。

失ったものを改めて感じる喪失感。

その2つが合わさって胃から食道へと酸を押し上げる。

「うぷ・・・ぐ・・ぐえぇっ・・・」

嘔吐の不快感もすぐに焦燥感にかき消される。

自分は、とんでもないことをしてしまった。

そうだ、全てこの力だ────。

この力が全て悪いのだ。

こんなものがなければ私は姉さんを殺すことなんてなかった。

いつからだったか、この力に目覚めたのは───。

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私と姉と消しゴムと私 中山 @spear_miracle

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