第7話 家に美少女二人来ました

「優~鈴ちゃん来れるってー」


「あいよ~」


 玉ねぎを刻み涙目になりながら答える。


 アー辛


 目痛くならない切り方ないんすかね?


「あーやばい私も目痛くなってきた。優の部屋行ってるね」


 リビングのソファに座ってスマホをいじっていた麗奈まで玉ねぎ被害が出てきたみたいだ


 換気扇つけよ


「あいよ」


 玉ねぎを切り終えたので手を洗ってから目を洗う


 よし。痛み消えた


 牛肉をバターで炒める。いい香りだ。


 肉にある程度火が一度取り出してバターや肉汁が残ってるフライパンに玉ねぎを入れて飴色になるまでじっくり炒める。


 焦がさないように中火でじっくりと


 そのタイミングでインターホンが鳴った


「麗奈ー出てくれー」


 僕は今手が離せないので大声で麗奈を呼ぶ


 シーン


「麗奈ー」


 どうしたんだろう


 とりあえず火をとろ火にして玄関に向かう


 ガチャ


 ドアを開けるとそこには美少女が


 私服の七瀬さんものすごい可愛い


 制服姿も可愛いけど


 髪はツインテールでピンクのワンピース


 可愛すぎて一瞬固まってしまった


「いらっしゃい。さ、上がって上がって」


「おじゃましま~す。麗奈ちゃんは?」


「ん~僕の部屋にいるはずだけど呼んでも出てこないんだよね」


「どうしたんだろう?」


 とりあえずスリッパを用意し家に上がらせる


「そこらへん適当に座ってて今お茶入れるから紅茶でいい?」


「うん。ありがとう」


 棚からティーセットとティーパックを出す。


 家は母さんが好きでいつも飲んでるアップルティーだ。


 ポッドにお湯とパックを入れる


 色が赤く染まってきたらカップに注ぎ七瀬さんのところに出す


「どうぞ。アップルティーだよ。ミルクとか砂糖とかいる?」


「ありがとう。ストレートで大丈夫。いただきます」


 そう言って小さな口で一生懸命ふーふーと紅茶を冷ましてから飲み始める


「アチチ」


 なんだろう。ものすごく癒される。


 あ、そうだ。麗奈


 ガチャ


「おーい麗奈ー?」


「zzz」


 部屋を開けると僕のベットで麗奈が寝ていた


 近くに漫画があるから寝落ちしたんだろう


「麗奈ちゃん寝てる?」


 七瀬さんが僕の後ろから覗き込むように見る


「みたいだね。出来るまで寝かせておいてやるか」


 あ、やばい。


 玉ねぎ焦げてないかな


 急いでキッチンに向かいフライパンを揺する


 幸い焦げてはいなかった


「あっぶね~」


 思わず口に出してしまう


 いやほんと危なかった


 このタイミングでいい感じに玉ねぎも飴色になってきたので


 マッシュルームとニンニクを加えて軽く炒めてトマト缶、コンソメ、からしケチャップ、ウースターソースを加え水気がなくなるまで煮詰める。


 そこで弱火にしサワークリームを溶かし入れ生クリームも入れる。


 味見をして塩胡椒で味を整えたら牛肉を戻しとろみがつくまで煮たら完成


 時刻は19時10分


 イイ感じの夕飯時だ。


 さて麗奈を起こしますか


「おい。麗奈できたぞ。」


 麗奈の体を揺すって起こす


「んぅ」


 ゆっくりと目を開け目をこする


「あれ、寝ちゃってた?」


「おうがっつり寝てたぞ」


 麗奈は上半身を起こし両手を上げ大きな欠伸をする


「鈴ちゃんは?」


「もうとっくに来てるぞ」


「そっかぁ。ふぁぁああぁ」


 そこでもう一度大きな欠伸をしてベッドから降りる


「鈴ちゃんいらっしゃーい」


「いらっしゃいてここ僕の家なんだけど」


「いいじゃんいいじゃんちっちゃいことは気にすんなそれワカチコワカチコだよ」


「懐かしいなそれ」


 だいぶ古いネタを出してきたな


 覚えてるやついんのか?


 ラジバンダリぐらい覚えてない。あ、覚えてた


 僕はキッチンに戻りご飯を盛りビーフストロガノフのルーをかける


「できたぞー」


「ありがと~」


「鏡クンありがとう」


 麗奈と七瀬さんがお礼を言ってくれる


 麗奈は生意気に見えて意外とこういうことはしっかりお礼を言ってくれる


「それじゃ」


「「「いただきます」」」


 合掌して挨拶をして食べ始める


 うん意外と上手くいった


「おいしー」


「ほんと、鏡クンすごいね」


「あはは、ありがとう。美味しくできたかな?」


「うん。バッチリ。毎日食べたいくらい」


 毎日?これは実質プロポーズ??


 なわけあるかボケ


 そんな脳内漫才を繰り広げる


「あははそれはちょいと盛り過ぎかな。まあでも嬉しいよ。ありがとう」


 そんななか能天気な声が


「おかわり!」


「はええよ。ちっこいからだしてよく食うな」


 この一、二分の間でよく食ったよな


「優のご飯が美味しいからだよ。あとちっこいいうな!」


 ガルルと威嚇せんばかりの様子


 犬みてえ


 褒めてくれるのは素直に嬉しいな


「はいよ」


「あざ!」


 そんななか七瀬さんが何か思い出したように声を上げる


「あ、そうだ!LINE交換しなきゃね」


 そうだ。すっかり忘れていた


「そうだね。めっちゃ忘れていたよ」


「わたしも」


 そういってお互いスマホを取り出す


「ほいQR」


「ありがとう。読み取っちゃうね」


 ピコン


 スマホの画面にはRiNの文字がiだけ小文字なのおしゃれ過ぎる


 最近のJCはこうなのか


 麗奈なんてひらがなでれなだぞ


 ついに!念願の七瀬さんのLINEがアテクシの携帯に!


 嬉しい!!嬉しすぎる!


 そう思ってると一通のメッセージが


 開いてみると七瀬さんからだった


『リンだよ。これからもよろしくね』


 というメッセージと可愛いうさぎのよろしくのスタンプが


 可愛い可愛すぎる


 それに比べ麗奈は


「うめー!」


 のんきにビーフストロガノフを頬張っている


 ソラにこんな麗奈の姿見せられない!


 ゴメンソラ!


 その後二回ほどおかわりした麗奈だった

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