第3話 スーパーで隣の席の女の子に出会った。

 テテーテテテーテテーテテテーテテテテテーテテーテテー


 呼び込み君の聞きなれた音楽を聴きながら入店する。


 今日は部活がいつもより長くなってしまったから、一旦家に帰らず直でスーパーに来て夕飯の材料を買うことにした。


 親が共働きで今日は二人とも遅い日なのでその時は僕が夕飯を作ることになっている。


 僕はかごを持ちその日のセール品などを見ながら献立を決めていく。


 ん~今日は豚小間が安いのか…カレー作り置きして明日は楽しちゃおうかな。


 そんなことを思いながら材料をかごに入れているとふと綺麗な金髪が目に入る。


 あれは、七瀬さん?よし。今度こそ話しかけられるぞ。


「こんばんは七瀬さん。七瀬さんも夕飯買いに来たの?」


「あ、鏡クンこんばんは。ううん私はお菓子買いに来たんだ。コンビニよりこっちのほうが安いからね。」


 俺が話しかけると松田さんはこっちに体を向ける


 制服とジャージの七瀬さんしか見たこと無かったから私服は新鮮だ。


 ものすごい可愛い


「あぁ。そうだね。僕もついでに一個なんか買っていこうかな」


「鏡クン。もしかして自分で晩御飯作ってるの?」


「そうだよ。まあ両親の帰りが遅い日だけだけどね。」


「すごいじゃん!私もたまに作るけどママに手伝ってもらわないとできないもん」


「それでもすごいよ。自分なんてほんと簡単なものしか作れ無いもん」


「いやいや鏡クンのほうがすごいって」


「いやいや七瀬さんのほうが」


「いやいや__」


「いやいや__」


 お互い謙遜しながら話をしてレジに進んでいく。


 どうやら七瀬さんもお目当ての物を見つけたので、お会計をするみたいだ。


 あっ……ついでにあれも買っとこ


 僕は七瀬さんにレジを先に譲り、待っている間にあるものを籠に入れ財布の中身をみてお金の計算をする。


 戻ると七瀬さんはもう会計をしていたので、僕もそのまま会計を済ませた。


「それじゃあまた明日学校で!」


「あ、ちょっと待って」


 その前に渡すものがあったので、引き留めて七瀬さんにある物を渡した。


「あ、七瀬さんこれあげるよ」


「えっなになに?……わっこれ私の好きなやつだ! でも、なんで私にくれるの?」


 俺は袋からをチョコ菓子一つだして渡す。 七瀬さんは喜んでくれたが、なぜ私にこれをくれたの?と不思議がっていた。


「ほら、この前の席替えの日の部活終わりの時、お近づきの印って言って塩飴くれたでしょ?そのお礼」


「え、やったありがとう! 家帰ったらさっそく食べるね」


「うん是非食べてよ。 あと、遅くなったけどあの時飴くれてありがとう。 あの時、七瀬さんみたいな可愛い女の子が隣で緊張してから、飴貰ってほっとした気持ちになったし、すっごく嬉しかったよ」


 僕は七瀬さんの顔を見てしっかりお礼を言う。 


 どうせならもっと早く言いたかったんだけどな。


「……ど、どういたしまして」


 お礼を言うと七瀬さんはなぜか顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。


 ……どうしたんだろう?


 その後お互い家に帰り僕はゴキゲンでカレーを作った


 辛党の父にカレーが甘いと文句を言われたのは内緒


 ちなみにこの日も枕に頭突っ込みました。

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