プロポーズ

「きれ〜い」私は感動した。地球上にこんなにも神秘的なモノがあるなんて思いもしなかった。広く緑に囲まれた草原でじゅん君と2人きり、それが感動をより深くしたのだろう。上を見上げると星がたくさんある。星のことは詳しくないがきっと何か有名な星座があるのだろう。そして周りの星とは比にならない大きな星がひとつある。その星はまん丸だった。それは私の心のように傷がひとつもなかった。

私とじゅん君は夜景を見ながらキスをした。誰かが私たちの光景を見ていたらバカップルに見えるだろう。でも今日はいい。こうやって楽しめているのだから。「楽しいね」私が言った。

すると、「じゃあ週末はもっと楽しいところに連れて行ってあげる」じゅんがそう返した。私はすごく嬉しかった。多分その日は世界で1番幸せだっただろう。それから週末になるまでは一瞬だった。楽しみがあればその日までは本当に一瞬だ。




〜週末〜

じゅんが連れてきてくれたのは夢のような場所だった。可愛らしいキャラクターが歓迎してくれて、中に入るとたくさんの乗り物があった。

もっと楽しいところに連れて行ってあげる、その言葉をじゅん君は有言実行させてみせた。

私たちはコーヒーカップに乗った。夜なのにも関わらず人は多かった。そのほとんどが高校生と大学生のカップルだった。それを見てると自然と私達も学生に戻れた気がした。

急にじゅん君が速く回し始めた。ありえないほど速い。「ちょ、じゅん君やめてよ」そう止めるように言ったがじゅん君は笑いながらやめなかった。私は案の定気持ち悪くなった。じゅん君に怒ってやろうとしたがその気力もなくなっていた。でも楽しいという気持ちは変わらなかった。その後も私とじゅん君は色々な乗り物に乗った。ジェットコースターや3Dの乗り物にも乗った。私とじゅん君の2人でこの楽しさを牛耳るのは申し訳ないくらいだった。そんなこんなで色々な乗り物に乗っているといきなり乗り物の音ではない綺麗な音がした。辺りを見渡すと私とじゅん君は多くの人と初めに見た可愛いキャラクター達に囲まれていた。「え、なに?」そう言って私はその場から避けようとすると、じゅん君に腕を掴まれた。じゅん君の方に向くとじゅん君はいきなり片方の膝を地面につけた。そして、

「牧、これからも数えきれないほどの思い出を2人でつくっていきたい。結婚してください」じゅん君がそう言って、ポケットから指輪を出してきた。私はこんなことをしてもらえるなんて予測してなかったので動揺してしまった。だが、答えは決まっている。「はい、喜んで」私は涙を出しながら応えた。指輪は私の薬指のサイズにピッタリだった。

それからのことは全然覚えていない。

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