第4話

 仕事終わり。

 彼女は、上機嫌で退勤していった。

 そして、すぐに戻ってくる。


「あの。帰らないんですか?」


「いや、もう少しここのことを知っておこうかなと」


「お食事など、どうです?」


「歓迎会ですか」


「はい。ふたりきりですけど」


 べつに、はずかしがっているふうでもない。心の底から、歓迎をしようとしている目つきと雰囲気だった。


「では、1時間後に集合でどうでしょうか?」


 1時間で。たぶん自分は死ぬ。


「わかりました。それでは場所連絡しますね」


「おねがいします」


 どうでもいいが、連絡先は交換していない。彼女は、いったいどこに場所を連絡するのだろうか。

 そんなことを思っていたら、彼女が戻ってきた。


「連絡先きくのわすれてた」


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