第3話
潜入の簡単さが、ものすごかった。
何もしていない。
なんとなく備品のありそうな部署に行って、新人ですと言っただけ。それだけ。
「わたしが先輩。うれしいなあ」
ひとり、ひとがいた。ちょっと今まで見たことがないぐらいの美人。身体もおそろしいほどひきしまっていて、それでいてやわらかそうな雰囲気と、あと胸。
「わたしのことは先輩と呼んでくださいね。うれしいなあ」
小躍りしながら背中を押され、そのまま仕事の説明に移る。
どこからどう見ても、窓際左遷部署の仕事だった。しかし、それをまったく気にしたふうでもない。こんなに大きな会社なのに、窓際部署備品管理はひとりだけ。
そのまま、仕事に移った。
というか、仕事がなかった。
備品を整理して、それで終わり。面倒だったので先回りして細々とした用紙整理などをぜんぶ済ませたら、先輩が目を輝かせていた。
「すごい。仕事できるんですね。わたしよりも何倍もできる」
不思議な女性だと思った。しかし、顔がいい。スタイルがいい。そして胸がいい。なぜ窓際部署にいるのだろうか。
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