古月






 ――かごめ、かごめ。


 可愛い小鳥は籠の中。

 いついつ出やる、いつ出やる。

 出られやしない、いつまでも。


 ――かごめ、かごめ。


 夜明けの晩だけそこに在る。

 鶴亀滑って、鍋底抜けて。

 夜明けの晩しか、居られない。


 ――かごめ、かごめ。


 籠で囲った可愛い小鳥。

 山越え、山越え、山越えて。

 やいとを据えて、やれ熱や。


 ――かごめ、かごめ。


 小鳥は鳴きやる、いついつまでも。

 後ろの少年、夜明けの番人。

 滑って、転んで。






 影、まれた。





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