「第5話」はるはる襲来...!
「さて、4階に来たのはいいけれど何組に行けばいいのよ。こういう細かい設定がないのも悪いところね。」
『あれー?3年生の先輩が何か用事ですか!?』
「ちょうどいいわ、人を探しているの。手伝ってくれないかしら?あなた名前は?」
「私は三谷晴花です!気軽にはるはるとお呼びください!」
「わかったわ晴花さん。それであなたのクラスに小鳥遊君っているかしら?」
「私は三谷晴花です!気軽にはるはるとお呼びください!」
「…ええ、わかっているわ。それで晴花さん、小鳥遊君を知っているかしら?」
「……先輩失礼ですがよく人の話を聞かないって言われたりしませんか?」
「私は必ず人の話は聞くのよ。万が一私の話を無視された時には無視した相手を耳なし芳一にするという使命を帯びているから私自身がその約束を破る訳にはいかないわ。」
「………先輩、私急用を思い出したので!!では!」
「まあ、待ちなさい。さっきのは冗談に決まっているでしょう?本当ならそんな程度で済ませないわ。だから逃げないでちょうだい?」
「先輩、私今ホラーゲームの主人公の気分を味わってます。あの人たちってすごいんですね…今度からは敬意を払ってプレイします。」
「確かにそうね。彼らの適応力はもはや人間を超越してると思う節があるものね。動揺するのがいいというわけではないけれど簡単に受け入れすぎるのも良くないわよ?」
「なるほど…参考にしますね!しかし、先輩そういうゲームをしたりするんですか?ゲームとか一切しないようなお方かと思ってました。」
「私がゲームに一定の理解を持っていて良かったわね。もし私が知らずにあなたの例えを聞いていたら困惑して説教を始めていたかもしれないわね。感謝なさい。」
「はい!ありがとうございます!!もしかしてアニメとかも見たりしますか?」
「そうね……あまり見ない方かもしれないわね。」
「そうなんですか…ちなみに夏の大三角形の星の名前は?」
「デネブ、アルタイル、ベガよ。基本常識じゃない。」
「…盟約に誓って?」
「アッシェンテ!…誰でも知ってるんじゃないかしら?」
「心が?」
「ぴょんぴょんするんj…ぴょんぴょんするわ。なんとなくそんな気がするわ。」
「先輩は何色になりたいですか?」
「とりあえず今は玉虫色かしら。」
「先輩実は結構アニメ見てますよね?」
「いいえ。私なんてまだまだよ。私の後輩君は生まれた年からのアニメは全て網羅していると豪語していたわ。そんな人達から見たら私なんてまだまだ見てない方でしょう?」
「とんでもないですね……。相当な量になると思うんですけどどれくらいなんですか?」
「本人は1年間分を見た後で数えるのが馬鹿らしくなって止めたって言ってたから分からないけど4桁は軽くいきそうよね」
「そうですね……………………ところで先輩?」
「何かしら?」
「さっきからずっと掴んでいるこの腕を解いてはくれないでしょうか?」
「逃げないのならいいわよ?」
「すぐに逃げたいに決まってるじゃないですか。なんでスタートダッシュ遅れたのにすぐ追いつけるんですか…3歩目には補足されてましたよ?」
「あなたが逃げようとしたのはすぐにわかったから反射で手を掴んだのよ。」
「なら離してくれませんか!!??普通に会話してる間にずっと振りほどこうとしてるのに全然離れないんですけど!?」
「周りの人達から見たら仲良しに見えるわね。良かったじゃない。」
「わーいやったぁー!…じゃないんですよ!!周りから変な風に思われるじゃないですか!てかさっきっからずっと私が突っ込んでますね!私普段はボケる方なんですけど!」
「貴方……もうボケが来ているなんて可哀想に。人生嫌なことばかりじゃないわ、強く生きていくのよ。」
「そっちのボケじゃないです!!ツッコミとボケのボケです!!!」
「それくらいわかっているわよ。ボケているのかしら?突っ込んだ方がいいのかしら?」
「………もうそれでいいです。だから…手、をはな…して…くれ、ませんか?」
「そうね…なら一緒に小鳥遊君探しに行きましょうか。」
「小鳥遊君ですか。確か私と同じクラスにいますけど、下の名前とか分かりませんか?もしかしたら他のクラスにもいるかもしれないですし。」
「大丈夫よ。貴方のクラスの小鳥遊君であっているから。今どこにいるかわかるかしら?」
「んーー、放課後は友達と喋っていましたから気づいた時にはもういなかったと思います。」
「…チッ」
「え、今舌打ちしました!?ちょっと理不尽じゃないですか!?」
「違うわよ。今は『使えないわね…』って小声で圧縮して言っただけよ。」
「どっちにしても悪いじゃないですか!!しかも言葉を圧縮ってなんですか!?人類にそんなことはまだ不可能だったと記憶しているのですが!?」
「なら新しいことを知れて良かったじゃない。世界は広いし人間やろうと思えば大体できるのよ。」
「言ってることはまともなのに全く同意できないなんて……ッ!!」
「ところで貴方部活は決めてあるのかしら?」
「なんも話聞いてくれませんね先輩!?」
「どうせ結論が決まっているのだから答えなんて聞く必要あるかしら?」
「どういうことです?」
「あなたがどこに決めていようと我が文芸部の一員にしてあげるということよ。」
「拒否権ない感じですか!?しかも先輩って小説部でしたよね!?」
「教えてあげる、拒否権というものは対等な関係でのみ効果を発揮するのよ。それに小説部と文芸部なんてそんなの些末な違いよ。」
「まぁ確かに先輩後輩の関係ですけど……納得がいかないッ!」
「嫌なら断ってくれてもいいわよ?」
「えっ!?じゃあ私「その代わりもう二度と学校に来れなくなるもの。部活なんて関係なくなるわ」…。」
「晴花さん何か言ったかしら?」
「イエ、ツツシンデショウセツブヘニュウブシタイトオモイマス。」
「よく出来ました。それじゃあ部室に行きましょうか。」
「そういえば部室ってどこにあるんですか?」
「1階の職員室前の部屋ね。」
「へー少し楽しみかもです!ところで小鳥遊君はもういいんですか?」
「まぁ教室にいなかったことだし、この私に無駄足踏ませた責任を後輩くんに取ってもらうからもういいわ。それじゃあ部室に行きましょうか。」
「はい!………結局腕は離して貰えないんですね。」
「遠足は帰るまでが遠足と言うでしょう?入部届けを書いて提出してもらうまで離さないわ。」
「……………はい、それでいいです。大人しくします。」
「ふふっ、まるで姉妹みたいに仲良しに見えるわね。」
「全然ですよ!!!!」
「ほら、早く行くわよ。」
「わわっ!そんな急に引っ張らないでくださいよーー。」
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