BL好きだった親友との休日

闇野ゆかい

第1話百合好きになった友達との休日

私、香佐原悠は同性である女子が好きだ。いわゆる百合好きである。

百合好きではあるが誰彼構わず女子が好きというわけではもちろんない。

そんな私には少ないが友達がいる。その内の一人にBLが好きな友達がいる。

正確にはBL好きだったというのが正しい。

その友達と仲良くなれたのが最近の事。

友達は香芝裕美といって、放課後の教室で一人、ノートに向き合い、シャーペンを走らせていることが多い。

裕美のその姿は、きらきらと輝いてみえた。


今は、私の部屋で裕美と楽しく、寛いでいる。

カーペットの上で足を崩して、本棚に並んでいた漫画を読んでいる裕美。

私は、彼女の隣に座り、彼女の身体にもたれ掛かり、彼女の体温を感じることにした。

「暑いから離れて、ゆう」

きつい言葉ではあるけど、拒絶している声音ではない。彼女が百合好きになった証拠だ。

「私は暑くないよ、裕美。いいでしょ、好きなんだから。私のことが」

「私が暑いの。こんな風にしたのは、ゆうでしょ」

漫画のページを捲りながら、文句を言うが満更ではない感じで、照れている。

「そのおかげでこうやって一緒にいれてるのはよかったでしょ」

彼女の横顔は、とても綺麗で、赤くなっていく。

「ま、まあ......そう、だね」

彼女を見ていると、前よりは素直になったと思う。


ある日の放課後。

私は、裕美に惹かれ、彼女の前の席の椅子に腰をおろして声をかけた。

「楽しそうだね。香芝さん、何を書いてるの?」

熱心にシャーペンをノートに走らせていた彼女の手がとまる。彼女は、顔をあげて、小さい悲鳴をあげる。

「ひゃあっ!だっ誰です?」

「隣のクラスの香佐原悠だよ。香芝さんって放課後はいつも残ってるよね、惹かれたの。香芝さんに」

「えっ、えっと......ヒカレタ?引いたのに声を掛けてきたんですか、私に」

「そうじゃなくて、興味をもったって意味だよ。熱心にノートにシャーペンを走らせている香芝さんの姿がいいなって、好きになったの。香芝さんのこと」

彼女の顔を見つめ、言葉を返した。

「それは、恋愛としてではないですよね。私はちょっと」

「私、香芝さんを恋愛対象として好きだよ。付き合いたいって意味の好きってこと」

そう言って、彼女の手に触れようとしたら、椅子を後ろにひいて、距離をとられる。

「無理だよっ!女子同士で付き合うなんてあり得ない!おかしいよ、香佐原さん!」

教室の外にまで響くように叫ぶ彼女。

「おかしくはないよ。香芝さんBLが好きなんでしょ、ノートに描いてるのはBLじゃん。男子同士がよくて、女子同士がだめって言う香芝さんの方がおかしいじゃん」

私は、立ち上がり彼女の意見に反論した。

「それはっ......それは」

私は、言い返せずにいる彼女に近付き、彼女の頬に唇で触れ、軽くキスをした。

「っ、なっ何するのっ!あ、あり得ないっ!」

彼女は、発した嫌悪の言葉とは違い、頬を赤く紅潮させ、動揺していた。

彼女は、恥ずかしそうに俯いて、走って教室を出ていく。


その後、彼女と仲良くなり、今に至る。


ベッドの上に移動した私は、ベッドの縁に腰をおろした裕美の後ろから抱きつき、耳打ちした。

「私は、裕美が大好きだよ」

「わた......私も好きだよ。ゆうのこと」

私は、抱きついたまま彼女の頬にキスをした。


香佐原悠と香芝裕美の素敵な時間は、流れていく。








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BL好きだった親友との休日 闇野ゆかい @kouyann

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