【3年A組死神先生・番外編】

あいる

第1話👿お題は『尊い』……これ大丈夫?


 ─仰げば尊しわが師の恩─


 そんな歌があるけれど、学校に尊い教師なんているのだろうか?


『生徒を盗撮する変態教師

 理不尽な体罰を止められないスポーツ顧問、生徒が楽しみにしている修学旅行のお金さえ横領するギャンブル教師、全くけしからん。だからして私は一年前この学校へやって来た!』


 生徒達がザワザワしている、そりゃ背が高くて(189cm)イカつい男が大きな声張り上げてるんだから無理もないだろう。

 某芸人youtuberの"悪い顔選手権"に出たらバズること間違いないだろう!いわゆる悪魔のような悪人顔だしな。(自分で言うてるし)



 でも仕方ない。

 悪魔とは遠い親戚のようなもんだしな、えっ?

 知らないからちゃんと話せだと?


 カクヨムで雑草だとか石っころのような作品を書いて行きたいと言ってるアラサーの書き手、そいつが生み出したのがこの俺のキャラクター「死神先生」ってヤツさ!


 初めは短編集の中に書いてたはずだけど、作者が金に目がくらんでカクヨムコンテストの短編に出しやがった。


 それはいいとしても、そのあと妙ちくりんな病気ガンになってしまったから、オレは宙ぶらりんな存在になり完結させてもらえなくて、もちろんコンテストにだって通りやしなかったさ。

 当然だよな、超絶可愛い死神ステーシアが登場したところで、書き手にトンズラされたら読者どころか、少し胸きゅんしてたオレだってあちこち萎えるさ。(ぅふ)


 その罪滅ぼしのためと、300円分のリワード欲しさに、このお題『尊い』に飛びついたって訳だ。


 普通さ、『尊い』はオタクがアイドルに対して言う言葉じゃね?


 オタク女子がキラキラした手作りうちわで応援する時に言う『推しが尊い』ってヤツじゃね?


 だが、アラサーのへっぽこ書き手は違うのである。


 このオレをここに持って来たって訳さ!

 オレに作者は尊いって言わせるつもりだろうが、そうは簡単には行かない。

 それはこの後の本文を読むまでオレにだって分からない。


 ◆注意(本編読んでない方の為に抜粋)

 一瞬の気の迷いで死を選ぶ人間を立ち直らせることを使命としている、珍しい死神だ。

 世界に数十人(人じゃないけど)しかいない言わば死神界の異端児なのである◆



 そろそろ、本文に入らないと読み手さんたちにブラウザバックされそうなので始めるぞ!


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 ❋立花中学3年A組


「このクラスの担任の"武田たけだ煌斗らいと"だ、この春の卒業式では誰一人欠けることなく送り出すことが出来た、もちろん不登校の生徒の補習授業は大変だったけどな」


 一番後ろの席のやんちゃそうな男子が早速手をあげた。

「先生のあだ名が"死神先生"っていうのは有名っすよ!オレらもそう呼んでいいすか?」



 オレはその質問には答えずに、教室を見回した。


 さっきからつまらなさそうに窓の外を見てる女子。


 一度も顔を上げずに机に突っ伏している坊主頭の男子。


 話も聞かずにスマホに夢中のギャル系の女子。

 今どきギャル系だって?


 世間のことはあまり知らないけど、女子の流行りとかはネットでチェックしているこのオレだ。

 時代は韓国系女子だろ!

オルチャンファッションだろ!

(どうでも良い)


 教室をぐるりと見回してみたら、一番気になるのは最初にオレに話かけた男子の名前は……生徒名簿と座席表を見てみた。


 芳賀はが諒真りょうまとあるが、さっきから嫌な匂いがするし、そいつの周りには真っ黒なきりのようなかすみのような闇が広がっている。


 こいつの後ろに誰かいるはずだ。


「芳賀!芳賀だよなお前、さっきの質問だけどな、親の前ではダメだぞ学校の仲間だけにしておけ!」


 とりあえず、皆の名前を覚える為に読み上げてしっかり顔を覚えた。


 それくらいの能力は死神たるもの持っているのだ、いわゆるカメラアイってヤツだ、人の名前と姿は瞬時に記憶する能力だ。

 それこそ「尊い」だろ!



 その日の放課後に早速、芳賀はがを教室に呼び出した。



「ポケットの中のものを出して貰おうか?」


 はっとした顔に一瞬なったが

、そのあとは知らんぷりして暮れそうになる校庭の方を向いた。


「何すか?何も持ってないすよ、タバコとかとっくに止めたし」


ほとんどオレに目を合わせず返事をする。


「そうか、タバコは止めたのかそれは良かった良かった、てかおい!まだ14歳だろ」


 芳賀は嬉しそうに笑った。


「タバコよりヤバい匂いがさっきからプンプンしてるんだけどな、それを出して貰おうか? マリ何とか言うやつだ」


「マリ?マリーゴールド?」


「そうそう、それそれ!あいみょんの名曲やんな」


「ちゃうわ!なんでわいが関西弁にならなアカンねん!──コホン、マリファナだ、大麻とも言うが、机の上に出して見ろ」


 近頃は、金さえ出せば大麻が簡単に手に入る、国によっては合法的だというが、幻聴を聞いたり、幻覚を見たりして飛べるような気がして高いビルから飛び降りたりして命を落とすことも多くなっている。


 大人しくビニール袋の上に紙袋に入れられたマリファナを机の上においた芳賀。


「とにかく、お前は家に帰れ、俺が話をしたい相手は後ろにいるソイツだ!」


 俺より長い手足をした、いけ好かないイケメンの死神がだるそうに小さな机の上で足を組んで座っていた。


 その姿を初めてみた芳賀は慌てて転びそうになりながら教室を飛び出した。



「死神」対「死神」の対決の時がやってきた。


 本編同様、というか作者のプロット通りに戦うのは口喧嘩罵りあい、よく言うならばディベートってヤツで論破張り倒した方が勝ちだ。


 さっきの、芳賀の態度を見ればわかる、関西上方から流れて来た死神だろう。

 今回は手強い、関西人死神やけどはボケたら最後だ、ツッコミの嵐で負けてしまう。


 だけど、オレは今日だけは負けられない!

 300リワードのために負けられないのだ。(作者都合)


いざ尋常に勝負!

関西死神「デスノートのリュークににてるってきいてたけど、だっさ~全くリュークちゃうやん」


武田煌斗「そんなことないぞ、左側から鏡に写すと似てるってインスタにアップしたらたくさんのイイネを貰ったし」


関西死神「それがダサいちゅうとんねん!大麻はええぞ!儲かるしな!俺はこの世で贅沢なものを手に入れるために人間のお金が欲しいねん」


ここまで、黙っていた作者あいるの魂が煌斗の中に流れ込んだ。


武田煌斗(女バージョン)

「はぁ!?あんたさぁ、何にお金つこてるか調べさせて貰ったけど、美容やって?それから美容整形もしてるらしいじゃないの!それこそダサくない?」


関西死神「な、何だよ!なんで女言葉になってんねん!お前誰やねん!」


武田煌斗(女バージョン)

「施術前の顔見せて貰ったわよ!田舎のヤンキー顔やんけ、そりゃ今はよろしおすな、輪郭は吉沢亮?目鼻立ちは坂口健太郎?」


「「ぎゃ─────!!!」」


流石の関西死神名前ないんかい?も本場の関西人のパワーには勝てなかったようだ。



めでたしめでたし。


その後の芳賀は流石にマリファナは止めているみたいだが、たまに煙草の匂いがするから、気をつけなければならない。

しかし、彼は新たな夢を見つけたらしい、高校卒業したら大阪のNSCでお笑い芸人を目指すと豪語している。


そんな夢なら応援したい。


オレの名前は武田たけだ煌斗らいと

【死神先生とはオレのことだァァァ!!】


そこの読み手さん達、オレって『尊い』だろ?


👿おしまい👿


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【3年A組死神先生・番外編】 あいる @chiaki_1116

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