罪を祓うための生贄



 逃げても 逃げても 逃げられない

 化け物がすぐにやってきて 私達を食べてしまう


 助けを求めて声をあげた

 でも きっと誰もこないのだろう


 だって ここには生贄しかいない 生贄だけの 生贄の罪をそそぐ場所なのだから


 ああ ほら すぐ後ろの人間が食べられた


 足音が消えていく


 気づいたら もう自分のしか聞こえないよ




「ストーリー」


 子供だけ集められた罪の塔には化け物がすんでいる。


 お腹をならした化け物は、次から次へとその子供たちを平らげていった。


 かつて、化け物はそこではないどこかへ行こうとしていた。


 しかし、罪の塔ができてからはそこから動かなくなった。


 なぜならそこにいれば、美味しい食事がやってくるから。


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詩集 罪の塔 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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