3月31日 ~A氏の手記より抜粋~

3月31日? 便ぎ上8


 おなかすいた。どうやらリビング行った日からちょっとだけ時間が進んだっぽい。けど、あいかわらずツブヤイターは更新されないし、むしろ空腹なぶん前よりくつうだし、トイレしたいけど空のペットボトルはもうないしむり。


 つらい


 がまんするのいたいし、パンクしそう。トイレはドアの向こう側だし、窓から外にする? それはもっとだめ。窓を開けるってことはカーテンを開けて外を見ることだから、だめ。何もなかったらこわい。というか、絶対にそう。まっくら闇にちがいない。……どうして。どうして、俺がこんなにびくびくしないといけないんだ! 俺が何をしたっていうんだ! ふざけるなよ! おい! おい! クソ! 終われよ、終われ。誰か何とかしてくれ。ただ布団の中でツブヤイヤーできればいいのに。どうしてだよ! 


 んんんんんんんんんんん









 やらかした。スマホ投げたら壊れた。PCは電源が入らないし、つんだ。さいあくだ。もうむり。いたいし、くるしいし。おわらせたい。おわり? しねば、おわりじゃないか。


 ナイフは痛いし、ここにはない。

 縄は苦しいし、ここにはない。


 何もにぎれる気がしない。ペンでせいいっぱい。ははは、つんだ。つくえの角にでもあたまを打ちつけるか? でもいたいし、ああ、そういえば、角は削ったっけな。角? そうだ、角! 角からはいつも俺を狙っているやつらがいる! 角には殺意を持っているやつらがいる! それで一発で死ねるじゃないか!



 ははははあはあはあは――――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る