第79話 個人勢



東雲

「絢斗くんのマンション?」


絢斗

「武井さんもいるんだから変な事すんなよ?」


東雲

「ししししないし!?」


絢斗

「何故どもる…」


東雲

「うわぁ、絢斗くんのマンションか~。ニシシシ」


絢斗

「なんだよその笑いは」


東雲

「えぇ、だってぇ、ねぇ?」


絢斗

「だからなんなんだよ?」


東雲

「最初はあんなに嫌がってたじゃん?

家は俺の聖域だぁ!陽キャはうんたらかんたらとか言ってたし?」


絢斗

「今でもそうだけど…

きょ、今日は特別なんだからね!

プリン付き合ってもらったし?

プリンプリンだし!?」


東雲

「またまたぁ、そんな事言ってぇ、

素直に連れ込みたいって言えばいいじゃーん?

あーしの事認めてるって普通に言えばいいのにぃ♪

ほれほれぇ、プリンプリンだよぉ?」


絢斗

「やっぱやめとこっかなぁ…」


東雲

「はっ!しまった、逆効果だったw

嘘嘘、怒んないで」


こんな事を言っているが

少しはハプニング的なアレを期待してしまっている17歳。

地球の皆がオラに元気を無断で分けてくれているのではなかろうかと思うほどの

若さ弾ける感じなのでそこは大きな心でご理解していただきたい。


ということで。


東雲

「お邪魔しまぁす」


絢斗

「邪魔するんやったら帰って」


東雲

「え?やだよ?」


絢斗

「・・・・。

フッ、新喜劇もまだまだやな。」


東雲

「何言ってんの??」


絢斗

「ジェネレーションギャップか。」


東雲

「同級生だよね?」


※2人とも高校生です。



東雲

「ひっろ!部屋ひっろ!」


絢斗

「さ、そっち座って。

あ、武井さんもお願いします。」


東雲

「うわっ!なにこのソファ?

きもちぃ~♪」


絢斗

「武井さん、実は東雲の事務所がカクカクシカジカで…」


武井

「なるほど、

芸能事務所あるあるですね」


絢斗

「そうなんですよ。

で、本人もモデルにそこまで執着は無いらしいので

チカヂカシカジカって考えちゃったんですけど、どうですかね?」


武井

「もちろん可能ですよ。」


絢斗

「で、やっぱり東雲なんで思った事そのままなとこあるでしょ?

だからアレコレシカジカって感じで…」


武井

「あぁ、そうですねぇ。

しかし東雲さんの悪いところは

逆に媚び媚びにならない素直さが出て評価につながるかもしれませんね。」


絢斗

「そう!そこですよ!

さすが武井さんだ!

略してサスタケ?」


東雲

「いやいやいやいや、

ちょっと待って??

さっきから2人は何の話してんの?

シカジカばっかであーし全然わかんないんですけど!?」


絢斗

「で、ノウハウとかサーバーとかなんやかんやはブライドの方に融資する感じにして

共有させてもらってソレコレシカジカ」


武井

「良いのではないでしょうか。

元々あそこも我がグループの子会社ですし問題ないでしょう。」


絢斗

「よし、決まりだな。」


東雲

「は?今の会話のどこで何が決定しちゃった感じ??

あーしここに必要だった??

疎外感ハンパないんですけど!」


絢斗

「東雲、何言ってるんだ?全部東雲の事なんだから疎外感の欠片も無いんだが?」


東雲

「だからぁ!シカジカばっかで

話が全然見えないっつってんの!」


絢斗

「そこは察しろよぉ。

武井さんには通じてるんだから。

そのスライム様は伊達か?

見栄えだけなんか?」


東雲

「武井さんが特殊なだけだし!

普通はわかんないって!

そんで何?あーしの本体は胸だって言いたいの?

セクハラ?もう触らせてあげないよ??」


絢斗

「触った事ないから!

誤解を招く発言は控えていただいてもよろしいですかね!?」


東雲

「へぇ、いつも鼻の下伸ばして楽しんでなかった?」


絢斗

「べ、べつにぃ!」


東雲

「へぇ~?」


武井

「東雲さん、それくらいで。

童貞の坊ちゃまはもうライフがゼロに近いようですし。」


絢斗

「武井さん!?」


武井

「坊ちゃまも言い過ぎですよ」


絢斗+東雲

「ゴメンナサイ」


武井

「はい、よろしいでしょう。

では一旦ブライド見習いの個人勢と言う形で話を進めてまいります。

それと東雲さん、

モデル事務所はいかがされますか?」


東雲「別に続けなくてもいいかなぁ。

なんかどんどん忙しくなってきてるわりにお給料増えないし。」


武井

「これは東雲さんの意志確認です。

続けるならそれで手は打てますし

辞めるならもう撮影には行かなくても大丈夫ですし

事務所にも連絡しなくていいようには致しますよ。」


東雲

「ホントですか!?

事務所の専務からのセクハラが少しずつ増えてて悩んでたんですよぉ。

そんなわけで辞めます!」


絢斗

「で?個人Vの事はどうする?

やる気があるなら手伝う事くらいできるよ?」


東雲

「あーしに個人勢だとしてもつとまるかはやってみないとわかんない…

余計な事とか思った事そのまま言っちゃったりするけど…

やってみたい!」


絢斗

「じゃ、決まりだな。

武井さん、ブライドとつないであげて。

段取りはさっきのでいきましょうか。」


武井

「かしこまりました。」


絢斗

「東雲はキャラ作らなくてもそのままいけるな」


東雲

「ん?そなの??」


絢斗

「たぶんありのままの東雲の方が受けはいいと思うんだよ。

天然ギャルゲーマーって感じ?」


東雲

「あーし的にもキャラ付けとか言われたら

どこかで無理が出てくると思うけどねw」


そんなわけで東雲も個人だがVTuberデビューすることに決まった。

面白くなるぞぉ。

紅明先輩に虚無師匠、

それに天然ギャルだ。

樹里も自分のキャラ作ってお絵描き配信しようかなとか言ってたしな。


デビューが待ち遠しいな!







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