第78話 東雲愛の転機?



絢斗

「ごめんな、

俺が警戒心なく誘っちゃったから…

もう帰ろうか」


東雲

「やだやだ、まだダメ!

プリン食べに行くんでしょ?」


絢斗

「ああ、東雲が大丈夫なら行こうか。

しかしホントに絡まれるもんなんだな。予言者かよ」


東雲

「ね?言った通りでしょ?

男の子と歩いててもくるんだから

1人になったりしたらとか考えると

怖くてショッピングとかできないんだよね。」


絢斗

「いつもはどうしてんの?」


東雲

「いつもは女の子3人以上じゃないとこんなとこ来ないよ。」


絢斗

「大変だなぁ」


東雲

「そうだよぉ、

女の子は色々大変なんだよ。

まあ下着とかサイズ気にしなきゃいけないようなの以外はネットで買うからそこまで不便ではないよ」


絢斗

「お、ここだ。」


東雲

「うわ!行列すごっ!」


絢斗

「あのぉ、予約してた七条院ですけど。」


店員

「七条院様ですね、

伺っております。こちらへどうぞ♪」


東雲

「え?こんなお店で予約とかできんの?あれ?」


絢斗

「ああ、武井さんが電話予約してくれたんだよ。

顔が広い人ってお得だよね」


東雲

「あはは、そうだね

(そんなの聞いたことねぇし!絶対違うよね!?)」


案内されたのは四人掛けのテーブルで

他の席からは死角になる感じの席。


アイスコーヒーとプリンを二つずつ注文して

最近の話などをしながら待つ。


絢斗

「撮影で忙しいって言ってたけど

順調そうで良かったよ」


東雲

「ん~、お金欲しいから忙しいのはありがたいんだけど…

最近人と会うことがセットの仕事が多くてさ。

こんな仕事きたからあの人に挨拶してとか撮影後の食事までが仕事とかね。

別にそういうの望んでないんだけどなぁ。

元々はゲームに課金するお金欲しくて始めたバイトだったからね。」


絢斗

「芸能の仕事が絡んできてるんじゃないかな。

そこ入っちゃうと人脈は絶対だからどうしてもね。

嫌なら事務所にちゃんと言った方がいいんじゃないかな。

言われるがままだとどんどん内容が過密になっていくよ。」


東雲

「やっぱそうだよねぇ。

CMの話とか急に言われてびっくりしたもん。」


絢斗

「タレントの意志を無視する事務所ならすぐに辞めた方がいいよ。

相談なく契約以上の仕事させにきてる感じもするし。」


東雲

「そっか~。

やっぱ辞めた方が良さそうだよねぇ。

別にやりたかった仕事でもないし別にいいんだけどさ、

かと言って他にやりたい仕事があるわけでもないしぃ。」


絢斗

「(武井さんに注意しておくように言っておこう。)

すこし話は変わるけどゲームに課金ってソシャゲとかやってたっけ?」


東雲

「ソシャゲはやらないよ?

対戦形式のゲームが好きなんだけど衣装とかさ、

デフォルトで可愛いの無いしとか思ってたら

次から次へと課金で可愛いのが出てくるわけよ!

それで沼っちゃってw」


絢斗

「そっちかぁw」


東雲

「あーしって見た目はこんなんだけど基本は引き籠もり体質だからね。

家に帰ったらモニターにかじりついてゲームしたいのよ。

まあ誰かをぶっ倒したいわけですよ。」


店員

「お待たせしました、

アイスコーヒー2つと固めのプリン2つです。ごゆっくりどうぞ♪」


絢斗「ありがとうございます。

あ、テイクアウトって出来るんでしょうか?」


店員

「はい、宜しければこのままお伺いしますがいかがしますか?」


絢斗

「はい、お願いします。

これと同じプリンを…うーん、

何人いるのかわからんからなぁ、

とりあえず10個お願いします。」


店員

「かしこまりました。清算の時にお渡しで宜しいでしょうか?」


絢斗

「はい、それでお願いします。」


東雲

「すごい買うねぇ」


絢斗

「いやぁ、武井さん夫婦と影さん達にはいつも世話になってるから。

影さんの人数がわからんしとりあえず数は適当なんだけどね」


東雲

「あははは、なるほどねw」


食べたプリンはしっかりした食感の本体に

ほろ苦いけどしっかり甘いカラメルに

岩塩がトッピングされたもので

個人的にかなり美味しかった。

これは早苗さんもオススメするわけだ。


絢斗

「こんどおれが始める事は知ってるよね?」


東雲

「うん、わかってるよ?なんで?」


絢斗

「東雲もやってみない?」


東雲

「いやいや、

あーしなんか無理だって。」


絢斗

「うん、だから事務所に入るんじゃなくって個人で。

それでいけそうならブライドに推薦してもいいし。」


東雲

「なんで?

なんであーしがなん??」


絢斗

「ん~、なんとなく?

ゲーム好きでそれの事も知ってて

歌とかも好きだろ?

それと極めつけは東雲のキャラかな。

きっとリスナー受けすると思うんだよなぁ。」


東雲

「そりゃ、それの事は推しもいるし?

好きかって言われれば好きだし

やれるチャンスがあるならやってみたい気持ちはある…かも?」


絢斗

「うん、よし、

じゃあ帰って話詰めようか」


そうして俺たちはお土産を手に屋敷へ向かっ…


バカA「おいおい!陰キャ野郎が可愛いの連れてんじゃん?」

バカB「うっわ!マジかよ!女の子かわうぃーねーぃ!」

ぎゃはははははは


絢斗「はぁ・・・影さん、めんどくさいので頼んます」


バカ×2

「おい!なにわけわかんねぇ…

な、なんなんだよあんたら!?

関係ねぇだろ!?おい!

ちょっと?待って!?

な、なに?どこ連れていくんですか!?やめてぇ!

離してぇぇぇぇ・・・・・」


声は遠ざかって行った。


武井

「坊ちゃま、お車の用意ができております。どうぞこちらへ。」


東雲

「あ、武井さん!こんにちは♪」


武井

「はい、東雲さんこんにちは。

今日はマンションへ行かれるんですか?」


絢斗

「いや、武井さんにも話があるから屋敷で…

と思ってたんだけど武井さん来たんならマンションでいいや、

パソコンとかもあった方がいいし。」


武井

「かしこまりました。」


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