第52話 失態
大和「昼食を済ませたらみんなでビーチに行かないか?」
愛「あ!行きたいです!」
恵「私も行きたい!」
檸檬「わ、私は…」
絢斗「俺はやめとく。部屋でゆっくりしとこうかなと。」
大和「明日から撮影だし今回のチームとして親睦会も兼ねてだから絢斗君は参加で決まりね。」
絢斗「な!?じゅ、樹里も行こう」
檸檬「え!?あなた私を道連れにしようと言うの!?信じられない…」
大和「あれ?里見さんはたしか何でもするって言ってたよね?」
檸檬「うぐ…わ、わかりました。」
武井「では用意しておきましょう」
愛「ところで絢斗くん?里見さんの事、なんで名前で呼んでるの?」
絢斗「ん?なんかおかしいかな?樹里は樹里だし。」
愛「あーしの事まだ東雲呼びでしょうが!」
絢斗「東雲は東雲だろ?」
愛「そうじゃなくって!!」
檸檬「あら、東雲さん?それは仕方ないんじゃないかしら?絢斗にとって私は替えのきかないパートナー、あなたはただのクラスメイト。そうでしょ?東雲さん?」
愛「ふ、ふーん、煽ってくれるじゃない?じゃあこれをみてもただのクラスメイトだと思う?」
そういって東雲はスマホを樹里に見せた。見せてしまった。
檸檬「こ、これは!?
絢斗!これはどういうことなのかしら?」
少しギスギス感はあったが今の時間まで談笑していた空気が急激に凍ったように感じる。
樹里が東雲のスマホを奪い取り俺に見せてきたのは肩を抱いてバカップルのように見つめ合っているプリクラの画像だった。
あの時は妙にテンションあがってしまって東雲の望み通りプリクラまで撮ってしまったんだが、それはそれで東雲が喜んでくれて嬉しかったし俺も…なのに
絢斗「東雲さん?前にも言ったよね?人のプライベートな事をって話・・・。」
愛「だ、だって!」
絢斗「もうこの画像は削除ね。」
愛「やだ!!待って、お願い!」
恵「どれどれ?え!?絢斗くんだ!なんで?なんであんたの肩なんか抱いて見つめ合ってんの!?」
絢斗「ほらな、こうなる。はい、削除決定な。」
愛「お願い!消すのだけは」
絢斗「ダメ。また勝手に見せられたりするのとか俺的に無理だし。東雲のそういう無神経なとこ無理。」
愛「もうそんな事しないから!」
絢斗「無理。約束を守れない人の言葉は信用出来ない。」
愛「そんな…そんなのって無いよ!」
檸檬「あなたにそれを言う資格は無いんじゃない?あなた仮にも絢斗の友達なんでしょ?その友達のプライベートを他の人に晒すとか何を考えているの?絢斗の事考えればそんな事出来ないはずよね?しかもなんだか約束までしていたみたいね?」
愛「あ・・・ゴメンナサイ…そんなつもりじゃ…ウゥゥゥ…」
檸檬「何となくわかったわ。あなたが未だになぜ東雲さんなのか。絢斗や私は他人を信用していないの。過去に何があったかはそれぞれ違うでしょうけれど。あなたは自分の事だけ。相手の事を思いやる気持ちが圧倒的に足りないのよ。デリカシーが無いって誰かに言われた事ない?今のあなたのどこを信用しろって言うのかしら?
絢斗、そのスマホ貸しなさい。あなたは優しいから勝手に削除なんて出来ないでしょう?私がやってあげるわ。」
まさに以前俺が言った事をそのまま東雲にぶつけた樹里は俺からスマホを奪い取り画像を削除して東雲に渡した。
恵「馬鹿な女…」ボソッ
大和「やれやれ・・・」
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